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2026.09.01誰に頼むか

助成金と補助金は、どちらに頼めばいいのか

浦松 丈二

浦松 丈二

社会保険労務士・行政書士・宅地建物取引士(四葉社会保険労務士事務所/四葉行政書士事務所)

「人を雇う・働き方を変える」お金が助成金で社会保険労務士の領域、「事業を興す・設備を入れる」お金が補助金で行政書士の領域です。原資も審査の考え方も違います。雇用保険法第62条という根拠から、なぜ頼む相手が分かれるのかを整理します。

結論(先に要点):おおまかには、「人を雇う・働き方を変える」お金が助成金で、社会保険労務士の領域。「事業を興す・設備を入れる」お金が補助金で、行政書士の領域です。名前が似ていますが、原資も、審査の考え方も、頼む相手も違います。

「助成金と補助金、どちらに申し込めばいいですか」と聞かれることがあります。この質問には、その前に確かめることが2つあります。何にお金を使いたいのかと、誰に頼むのかです。

助成金と補助金は、何が違うのか?

雇用関係の助成金補助金
原資事業主が納める雇用保険料(雇用保険二事業)国・自治体の予算
主な所管厚生労働省・労働局経済産業省・中小企業庁・自治体など
募集通年のものが多い公募期間が限られる
採否要件を満たせば支給されるものが多い審査・採択があり、要件を満たしても不採択がある
代行できる資格社会保険労務士行政書士(申請書類の作成)

いちばん実務に響く違いは、下から2行目です。助成金は「要件を満たしているか」の勝負、補助金は「選ばれるか」の勝負です。だから補助金には事業計画の書き方という工夫の余地があり、助成金にはあまりありません。そのかわり助成金は、要件を1つ落とすと支給されません。

雇用関係の助成金は、雇用保険法(昭和49年法律第116号)第62条の雇用安定事業として行われます。原資が雇用保険料であるため、雇用保険の適用事業所であることが入口の条件になります。

なぜ、頼む相手が分かれるのか?

社会保険労務士法(昭和43年法律第89号)別表第一は、社会保険労務士が扱う法令を列挙しています。雇用保険法はこの中に入っています。したがって、報酬を得て雇用関係助成金の申請書類を作成し、提出を代行できるのは社会保険労務士です(同法第27条)。

補助金は雇用保険法に基づくものではないため、この制限にかかりません。官公署に提出する書類の作成として、行政書士法(昭和26年法律第4号)第1条の2第1項の業務になります。

つまり資格で線を引いているのではなく、根拠となる法律で線が引かれているのです。

「うちはどちらですか」を見分けるには

やりたいことから逆に引くのが早道です。

助成金の側にあるもの

  • 有期契約の社員を正社員にしたい
  • 高齢者・障害のある方・就職が難しい方を雇い入れたい
  • 育児・介護と両立できる制度を作りたい
  • 従業員に研修を受けさせたい
  • 業績が落ちたが雇用を維持したい

補助金の側にあるもの

  • 設備・機械を導入したい
  • 販路を開拓したい、ウェブサイトを作りたい
  • 新しい事業を始めたい
  • 事業を承継したい

境目にあるのが「人を雇うために設備を入れる」ようなケースです。この場合は両方に該当することがあり、併給の可否を個別に確認することになります。

四葉ではどう受けているのか?

担当料金(税込)
雇用関係助成金の申請代行四葉社会保険労務士事務所着手金なし + 成功報酬 支給額の20%(顧問先限定)
補助金の申請サポート四葉行政書士事務所報酬額表をご覧ください

顧問料と手続の料金は報酬額表に掲載しています。

助成金を顧問先限定にしているのは、要件の確認に日常の労務の状況が必要だからです。就業規則の内容、労働条件通知書の書き方、出勤簿の付け方——助成金の不支給は、こうした足元でつまずくことがほとんどです。単発で書類だけを整えても、支給までは届きません。

四葉社会保険労務士事務所と四葉行政書士事務所は、それぞれ独立した事業体です。どちらも代表は浦松丈二ですが、契約・請求・入金は別々になります。紹介料の授受は行いません。

よくある質問

Q. 助成金は必ずもらえるのですか?
A. 要件を満たしていれば支給されるものが多い、というのが補助金との違いです。ただし「必ず」ではありません。支給申請の期限を過ぎた、対象労働者の要件を満たしていなかった、労働関係法令の違反があった——といった理由で不支給になることがあります。

Q. 過去に労働基準監督署から是正勧告を受けています。助成金は使えますか?
A. 助成金の多くは、不正受給や労働保険料の滞納、一定の労働関係法令違反がないことを支給要件にしています。是正勧告そのものが直ちに欠格になるとは限りませんが、是正が済んでいるかどうかが問われます。個別のご事情を伺ったうえで確認します。

Q. 助成金の申請を、コンサルタント会社から勧められました。
A. 報酬を得て雇用関係助成金の申請書類を作成・提出代行できるのは社会保険労務士です(社会保険労務士法第27条)。「社労士と提携している」という説明を受けた場合は、実際に誰と契約し、誰に支払うのかをご確認ください。四葉では紹介料の授受を行わず、それぞれの事務所と直接ご契約いただく形をとっています。

Q. 助成金と補助金は、同時に使えますか?
A. 制度によります。同じ経費に対して重複して受けることは、一般に認められません。ただし対象が異なれば併用できる場合があります。個別の組み合わせについては、それぞれの公募要領・支給要領で確認する必要があります。

この記事の根拠

  • 雇用保険法(昭和49年法律第116号)第62条(雇用安定事業)
  • 社会保険労務士法(昭和43年法律第89号)第2条第1項第1号、第27条、別表第一
  • 行政書士法(昭和26年法律第4号)第1条の2第1項
  • 個々の助成金・補助金の要件、支給額、期限は、所管する省庁・自治体の支給要領および公募要領によります。年度ごとに改定されるため、最新のものをご確認ください。本記事では特定の助成金・補助金の名称と金額は記載していません。

本記事は一般的な情報提供です。個別のご事情に応じた判断は、面談のうえ資格者が行います。執筆は浦松丈二(社会保険労務士・行政書士・宅地建物取引士)です。

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