放課後等デイサービス・児童発達支援の指定申請の流れと必要書類──物件・労務・税務は誰に頼むか
放課後等デイサービスと児童発達支援は、児童福祉法にもとづく障害児通所支援で、開業には指定通所支援事業者の指定(第21条の5の3)が必要です。指定権者・スケジュール・人員基準・設備基準・事前協議・必要書類の流れと、物件は不動産、労務は社会保険労務士、税務は税理士へ分離受任で振る分担を整理しました。
結論(先に要点):放課後等デイサービスと児童発達支援は、どちらも児童福祉法にもとづく障害児通所支援で、事業を始めるには指定通所支援事業者の指定(児童福祉法第21条の5の3)を受ける必要があります。指定権者は都道府県知事(指定都市・中核市では市長)です。指定は物件・人員・設備の要件がそろって初めて下りるため、申請書づくりと同時に、物件の確保、人員の採用、労務・税務の準備を並行して進めます。本記事は、指定申請の流れと必要書類を整理し、どの部分を誰に頼むかを示すためのものです。指定の可否や基準への適合は指定権者の審査によるものであり、当事務所が指定を保証するものではありません。
児童発達支援と放課後等デイでは、指定申請の何が違うのか?
どちらも児童福祉法第6条の2の2に定める障害児通所支援ですが、対象となる子どもが異なります。
| サービス | 主な対象 | 根拠 |
|---|---|---|
| 児童発達支援 | 主に未就学の障害児 | 児童福祉法第6条の2の2第2項 |
| 放課後等デイサービス | 学校教育法第1条の学校(幼稚園・大学を除く)に就学している障害児 | 児童福祉法第6条の2の2第3項 |
指定申請の枠組みは共通ですが、人員配置・設備・支援内容が対象年齢に応じて異なります。両方を同じ事業所で行う「多機能型」として運営することもでき、その場合は定員や配置の考え方が変わります。どの類型で申請するかを最初に決めることが、書類づくりの出発点です。
指定を受けるまでは、どの順番で進むのか?
一般的な流れは次のとおりです。順番が前後すると差し戻しになりやすいため、事前協議を早めに始めます。
- 事業計画・資金計画を固め、法人を設立する(または定款の事業目的に障害児通所支援を加える)
- 物件を選び、設備基準・建築基準法・消防法に適合するかを確認する
- 指定権者と事前協議を行う
- 児童発達支援管理責任者・児童指導員・保育士等を確保する
- 申請書と添付書類を作成し、締切までに提出する
- 書類審査・必要に応じて現地確認
- 指定(多くの自治体で毎月1日付)
指定は毎月1日付で行う自治体が多く、申請書の提出期限は指定希望日の前月または前々月に設定されているのが一般的です。締切は指定権者ごとに異なり、年度替わりは前倒しになることもあるため、必ず当該自治体の公式ページで確認します。法人設立の登記は司法書士又は本人申請、建築・消防の適合確認は設計・施工や消防署への相談が前提になります。
人員基準・設備基準は、申請前にどこまで整えるのか?
指定通所支援の人員・設備・運営基準は、「児童福祉法に基づく指定通所支援の事業等の人員、設備及び運営に関する基準」(平成24年厚生労働省令第15号。公布 平成24年2月3日、施行 平成24年4月1日)に定められ、都道府県・指定都市・中核市の条例で具体化されています。基本的な人員配置は次のとおりです。
| 職種 | 配置の考え方 |
|---|---|
| 児童指導員又は保育士 | 障害児10人まで2人以上(うち1人以上は常勤)。11〜15人で3人以上、16〜20人で4人以上、以降おおむね5人ごとに1人追加。配置数の半数以上は児童指導員又は保育士 |
| 児童発達支援管理責任者 | 1人以上(専任かつ常勤)。個別支援計画の作成を担う |
| 管理者 | 1人(原則専従。支障がなければ兼務できる場合がある) |
常勤換算は「従業者の勤務延べ時間数」を「常勤の従業者が勤務すべき時間数(週32時間を下回る場合は32時間として計算)」で割って求めます。設備は指導訓練室のほか、支援に必要な設備・備品、相談室、事務室、衛生設備などが求められ、指導訓練室の必要面積を条例で定めている自治体もあります。人員基準を満たす雇用契約・労働時間の設計・社会保険の適用は社会保険労務士の領域で、当社とは独立した事業体として別々にご契約いただきます。
自治体との事前協議では、何を聞かれ何を用意するのか?
事前協議は、申請を受け付ける前に指定権者が事業の実現性を確認する場です。次のような点を確認されるのが一般的です。
- 法人格と定款の事業目的
- 物件の平面図・用途・面積、建築基準法・消防法への適合
- 人員の確保状況(児童発達支援管理責任者の要件・実務経験・研修修了の有無)
- 運営規程・重要事項説明書・個別支援計画の作成体制
- 定員と支援の内容
事前協議で指摘された点は、申請書の記載や添付書類に反映します。ここで物件や人員に不備が見つかると指定希望日に間に合わないため、物件契約や採用の前に協議しておくことが実務上重要です。何をどこまで用意するかは自治体で差があるため、公式の手引きと窓口で確認します。
指定申請に必要な書類にはどんなものがあるか?
申請書に加えて、多数の添付書類が必要です。自治体の様式に沿って作成します。代表的なものは次のとおりです。
- 指定申請書、指定に係る記載事項(付表)
- 法人の登記事項証明書、定款
- 事業所の平面図、写真、賃貸借契約書等
- 運営規程、重要事項説明書
- 従業者の勤務体制・勤務形態一覧表、資格証・実務経験の証明、児童発達支援管理責任者研修の修了証
- 管理者・児童発達支援管理責任者の経歴書
- 収支予算書、利用者からの苦情を処理するために講ずる措置の概要
- 各種誓約書 等
書類の名称・部数・提出形式は指定権者ごとに異なります。四葉行政書士事務所では、行政書士業務の範囲で、指定申請書・付表・添付書類の作成、事前協議の資料整理、運営規程等の文案づくりを支援します。基準への最終的な適合判断や指定の可否は指定権者の審査によります。
物件・労務・税務は、それぞれ誰に頼めばよいのか?
指定申請は複数の専門分野が交わります。担当は次のように分かれます。
- 指定申請書・付表・添付書類の作成、事前協議の支援 → 四葉行政書士事務所(行政書士)
- 事業用物件の選定・賃貸借・重要事項説明 → 四葉不動産株式会社
- 人員基準に対応した雇用契約・就業規則・労働時間管理・社会保険の適用・処遇改善加算に対応した賃金規程 → 社会保険労務士
- 法人設立の登記・変更登記 → 司法書士
- 法人の会計・税務・税額計算 → 税理士
- 権利義務・紛争にわたる個別の法的判断 → 弁護士
四葉行政書士事務所と四葉不動産株式会社は別事業体です。当社は指定申請の支援のみを独立した事業体として担い、物件・労務・税務・登記は、それぞれの資格者と別々にご契約いただきます。当事務所は紹介料を受け取りません。障害福祉サービスの許認可の全体像は障害福祉サービスの許認可、受任の流れは受任の流れ、料金は報酬額表をご覧ください。
よくある質問
Q. 児童発達支援と放課後等デイは別々に指定申請が必要ですか?
A. 対象となる子どもが異なる別のサービスのため、それぞれ指定を受けます。同じ事業所で両方を行う多機能型として申請することもでき、その場合は定員や人員配置の考え方が変わります。どの類型で申請するかを最初に決めます。
Q. 指定はいつ下りますか?
A. 多くの自治体で毎月1日付です。申請書の提出期限は指定希望日の前月または前々月に設定されているのが一般的で、事前協議はさらに前に行います。締切は指定権者ごとに異なるため、公式ページで確認します。
Q. 法人でなくても指定を受けられますか?
A. 指定通所支援事業者の指定は法人であることが前提です。定款の事業目的に障害児通所支援が含まれている必要があり、含まれていない場合は目的変更の登記が要ります。
Q. 物件の準備と人員の採用は、どちらを先に進めるべきですか?
A. どちらも指定の要件に直結するため並行して進めますが、物件契約や採用を確定させる前に事前協議で基準適合を確認しておくと、指定希望日に間に合わないリスクを減らせます。物件は不動産、雇用は社会保険労務士と、それぞれ別事業体として別々にご契約いただきます。
この記事の出典(一次情報)
- e-Gov法令検索「児童福祉法」(昭和22年法律第164号)第6条の2の2、第21条の5の3(参照日 2026-08-23)
- e-Gov法令検索・厚生労働省「児童福祉法に基づく指定通所支援の事業等の人員、設備及び運営に関する基準」(平成24年厚生労働省令第15号。公布 平成24年2月3日、施行 平成24年4月1日)(参照日 2026-08-23)
- こども家庭庁「放課後等デイサービスガイドライン(令和6年7月)」(参照日 2026-08-23)
- 大阪市「障がい児支援事業者等指定申請の手引き(児童発達支援・放課後等デイサービス等)」(参照日 2026-08-23)
本記事は一般的な情報提供であり、個別の指定の可否、人員・設備・運営基準への適合、加算の要否、申請日程を保証するものではありません。指定の最終的な審査は指定権者(都道府県・指定都市・中核市)が行います。事業所ごとの締切・様式・必要書類は当該自治体の公式ページで確認してください。事業用物件の選定・賃貸借・重要事項説明は四葉不動産株式会社、人員基準に対応した雇用契約・労働時間管理・社会保険の適用・処遇改善加算に対応した賃金規程は社会保険労務士、法人の設立・変更登記は司法書士、会計・税務は税理士、権利義務・紛争にわたる個別の法的判断は弁護士が、それぞれ独立した事業体として別々にご契約のうえ対応します。当事務所は紹介料を受け取りません。個別の判断は、面談のうえ資格者が行います。執筆は浦松 丈二(行政書士・宅地建物取引士)です。
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