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2026.09.01誰に頼むか

社労士に、採用の何を頼めて、何を頼めないのか

浦松 丈二

浦松 丈二

社会保険労務士・行政書士・宅地建物取引士(四葉社会保険労務士事務所/四葉行政書士事務所)

求人票の労働条件、内定から入社までの書面と手続、採用助成金の入口設計——ここは社会保険労務士の領域です。一方、求職者の紹介・あっせんは扱えません。有料の職業紹介は厚生労働大臣の許可が要る事業だからです(職業安定法第30条第1項)。線を引いて整理します。

結論(先に要点):求人票の労働条件、選考の進め方の整理、内定から入社までの書面と手続、採用に絡む助成金の入口設計——ここは社会保険労務士の領域です。一方、求職者の紹介・あっせんは扱えません。雇用関係の成立をあっせんすることは「職業紹介」にあたり、有料で行うには厚生労働大臣の許可が要る事業だからです。

このページは、採用まわりの仕事を外に頼もうとしている中小企業の経営者・総務担当の方に向けたものです。当事務所の募集・採用の労務サポートの、コラム側の入口でもあります。

採用のどこからどこまでが、社会保険労務士の仕事か?

報酬額表の「募集・採用コンサルタント」の中身を、線を引いて示します。

区分中身
お受けするもの求人票の労働条件の設計(明示義務への適合)/選考の進め方の整理/内定通知書などの書面整備/入社手続(雇入れ時の健康診断の段取り〔労働安全衛生規則第43条〕・社会保険・雇用保険の資格取得)/採用で使える助成金の入口設計
取り扱っていないもの求職者の紹介・あっせん/応募者の面接代行/求人媒体の運用代行

「取り扱っていない」の側は、できるのにやらないのではありません。法律上、扱えない・扱うべきでないものです。次の章で理由を書きます。

なぜ「紹介」だけ、頼めないのか?

職業安定法第4条第1項は、「職業紹介」を**「求人及び求職の申込みを受け、求人者と求職者との間における雇用関係の成立をあつせんすること」と定義しています。そして有料の職業紹介事業は、厚生労働大臣の許可**を受けなければ行えません(同法第30条第1項)。

つまり「いい人を探してきて引き合わせる」は、報酬を得て行うなら許可事業です。社会保険労務士の資格は、この許可の代わりになりません。当事務所が求職者の紹介・あっせんを「取り扱っておりません」と料金表に明記しているのは、この線を守るためです。紹介料の授受も行いません。

なお、募集そのものを社外の人に報酬を払って任せる場合は「委託募集」という別の枠組みがあり、厚生労働大臣の許可(無報酬なら届出)が必要です(同法第36条)。ここも当事務所の業務ではなく、制度の存在をお伝えするにとどめます。

人材紹介会社と、何が違うのか?

競合ではなく、役割が違います。並べると選びやすくなります。

人材紹介会社(有料職業紹介事業者)社会保険労務士
何をする候補者を探して引き合わせる(マッチング)採用の中身を整える(労働条件・書面・手続・助成金の入口)
根拠厚生労働大臣の許可(職業安定法第30条第1項)社会保険労務士法に基づく国家資格
費用の形成功報酬が一般的顧問料または一式見積り(報酬額表

紹介会社に人を探してもらいながら、求人票・内定書面・入社手続は社会保険労務士に——という併用が、実務ではいちばん多い形です。

外国人を採るときは、誰に何を頼むのか?

採用に在留資格が絡むと、担当がもう1つ増えます。在留資格の申請・変更は四葉行政書士事務所(当事務所とは別の事業体・別々にご契約いただきます)、住まいの確保は四葉不動産株式会社(同)、雇い入れたあとの労務・社会保険は当事務所です。全体の時系列は外国人を1人雇うと、窓口はいくつ必要かに、留学生の新卒採用は留学生を4月1日入社にできるかにまとめています。

四葉社会保険労務士事務所は、何ができますか?

文京区小日向の四葉社会保険労務士事務所は、募集・採用の労務サポートとして、求人票の労働条件の設計から内定書面、入社手続、採用助成金の入口設計までをお受けします。料金は報酬額表の「募集・採用コンサルタント」(一式・お見積り)です。ご相談は無料です。 「どこを自社でやり、どこを頼むか」の仕分けからご一緒します。

誰に相談するか

求職者の紹介・あっせんは許可を受けた職業紹介事業者へ。在留資格の申請・変更・更新は四葉行政書士事務所、社宅・住まいは四葉不動産株式会社(いずれも当事務所とは別の事業体で、別々にご契約いただきます)。給与課税・年末調整は税理士、紛争性が生じた事案は弁護士の業務です。いずれも紹介料の授受はありません。

よくある質問

Q. 「いい人がいたら紹介してほしい」とお願いできますか?
A. お受けできません。雇用関係の成立をあっせんすることは職業紹介にあたり、有料で行うには厚生労働大臣の許可が要る事業です(職業安定法第4条第1項・第30条第1項)。当事務所は許可事業者ではなく、紹介料の授受も行いません。人探しは許可を受けた職業紹介事業者かハローワークをご利用ください。

Q. 面接に同席してもらうことはできますか?
A. 面接の代行はお受けしていません。選考の進め方の整理——聞くべきこと・確認すべき書類・評価の観点の設計——は募集・採用コンサルタントの範囲でお受けします。面接そのものは会社が行うのが原則です。

Q. 雇入れ時の健康診断は、いつ・誰にやらせればいいですか?
A. 常時使用する労働者を雇い入れるときは、医師による健康診断が必要です(労働安全衛生規則第43条)。入社前3か月以内に医師による健康診断を受けた方がその結果の書面を提出したときは、相当する項目を省略できます。段取りの設計は入社手続の一部としてお受けします。

Q. 人材紹介会社と契約済みです。それでも頼む意味はありますか?
A. あります。紹介会社が担うのはマッチングで、求人票の明示義務への適合・内定書面・入社手続・助成金の入口はそのままご依頼側に残ります。併用が実務ではいちばん多い形です。

この記事の根拠

  • 職業安定法(昭和22年法律第141号)第4条第1項(職業紹介の定義)・第2項・第3項(無料・有料の定義)・第30条第1項(有料職業紹介事業の許可)・第36条(委託募集の許可・届出) ―― 2026年8月14日にe-Gov法令検索で現行条文を確認
  • 労働安全衛生法(昭和47年法律第57号)第66条第1項・労働安全衛生規則(昭和47年労働省令第32号)第43条(雇入時の健康診断・3か月以内の健診書面提出による省略) ―― 同日にe-Gov法令検索で現行条文を確認

本記事は一般的な情報提供です。個別のご事情に応じた判断は、面談のうえ資格者が行います。執筆は浦松丈二(社会保険労務士・行政書士・宅地建物取引士)です。

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