留学生を4月1日入社にできるか
浦松 丈二
社会保険労務士・行政書士・宅地建物取引士(四葉社会保険労務士事務所/四葉行政書士事務所)
内定を出しても、在留資格の変更が許可されるまでは働かせられません。出入国在留管理庁は、4月からの就労を希望する場合は12月1日から1月末までの申請を案内しています。入社日をいつに置くか、内定書面に何を書いておくか——内定の段階で決めておく設計を整理します。
結論(先に要点):内定を出しても、在留資格の変更が許可されるまでは働かせられません。「留学」のままでは就労できないためです。出入国在留管理庁は、4月からの就労を希望する場合は12月1日から1月末までの間に変更申請をと案内しています(2026年8月14日参照)。入社日をいつに置くかは、内定の段階で決めておく問題です。
このページは、留学生を新卒採用した・しようとしている会社の経営者・人事担当の方に向けたものです。在留資格変更許可申請そのものは四葉行政書士事務所(別事業体・別々にご契約いただきます)の業務で、本記事は「許可が下りるまでの労務の扱い」——内定書面・入社日の設計・入社までの段取り——だけを書きます。
内定を出せば、4月から働いてもらえるのか?
内定だけでは働けません。「留学」の在留資格は就労を目的とした活動を予定していないため、「技術・人文知識・国際業務」などへの変更が許可されてはじめて、社員として働けます。許可の判断は入管が行い、当事務所も行政書士も「許可される」と約束することはできません。
時期については、一次情報があります。出入国在留管理庁は、例年1月〜3月に申請が集中し、書類不足や申請の遅れがあると希望日までに審査が終わらない可能性があるとして、4月就労希望者は12月1日から1月末までの申請を呼びかけています。また、在留審査の処理期間は同庁が月ごとに公表しています。つまり「4月1日入社」は、前年の秋の内定段階から逆算して初めて成立する日付です。
期限切れ後の就労が会社に何をもたらすかは在留期限と雇用契約期間は、どちらが先に切れるかで書いたとおりで、不法就労助長罪(出入国管理及び難民認定法第73条の2)は「知らなかった」では免れません。
許可が下りるまで、どう扱えばいいのか?
3つの原則で設計します。
- 働かせない。 変更許可前の就労はできません。入社前の研修などを予定する場合、それが報酬を伴う活動にあたらないかの判断は入管の領域です。迷う設計は行政書士(四葉行政書士事務所・別事業体)に確認してから動かします
- 入社日を条件付きで書く。 内定通知書・労働条件通知書に、入社が在留資格の変更許可を前提とすること、許可が遅れた場合に入社日を繰り下げる手続を定めておきます(内定を出したあと、取り消せるのか)
- 在留カードで確認してから就労開始。 許可後、変更後の在留カードを原本で確認し、それから勤務を始めます
間に合わなかったら、内定はどうなるのか?
まず選ぶべきは入社日の繰下げです。内定書面に繰下げの手続が書いてあれば、その手順で本人と合意して動かすだけで済みます。書いていない場合は、その都度の合意になります。
不許可だった場合の内定の扱いは、書面の定め方と個別の事情によって変わります。内定の取消しには判例上の制約があり(詳しくは内定を出したあと、取り消せるのか)、本記事では可否を断定しません。紛争性が生じた事案は弁護士の業務です。ここでも結論は同じで、内定書面に何を書いておくかが、あとの選択肢を決めます。
会社は、いつ何を準備するのか?
| 時期 | 会社がすること | 担当 |
|---|---|---|
| 内定(秋) | 内定通知書(変更許可を前提とする旨・繰下げ手続を明記)、労働条件の明示 | 社会保険労務士(当事務所) |
| 〜11月 | 申請書類の準備。会社側の書類(登記事項証明書・決算書類等は申請の類型による)を揃える | 行政書士(四葉行政書士事務所・別事業体) |
| 12月1日〜1月末 | 本人が在留資格変更許可申請(入管庁の案内する申請期間) | 本人+行政書士 |
| 許可後 | 在留カードの原本確認 | 会社(当事務所が確認項目を整備) |
| 入社 | 雇入れ時の健康診断・社会保険・雇用保険の資格取得・外国人雇用状況の届出 | 社会保険労務士(当事務所) |
なお2025年12月1日からは、日本の大学卒業(予定)者などについて、「留学」から「技術・人文知識・国際業務」等への変更申請の提出書類の省略が可能になっています(入管庁の公表資料・2026年8月14日参照。適用の可否の判断は申請の側=行政書士の領域です)。
四葉社会保険労務士事務所は、何ができますか?
文京区小日向の四葉社会保険労務士事務所は、募集・採用の労務サポートとして、内定通知書・労働条件通知書の整備(変更許可を前提とする設計)、入社日の繰下げ手続の設計、入社時の手続一式をお受けします。ご相談は無料です。 料金は報酬額表に、外国人雇用の全体の流れは外国人を1人雇うと、窓口はいくつ必要かにまとめています。
誰に相談するか
在留資格変更許可申請と、その見込み・書類・時期の相談は四葉行政書士事務所(当事務所とは別の事業体で、別々にご契約いただきます)。許可・不許可の判断は入管が行います。内定をめぐって紛争性が生じた事案は弁護士、給与課税は税理士の業務です。いずれも紹介料の授受はありません。
よくある質問
Q. 4月1日入社は、実際に間に合うものですか?
A. 入管庁は、4月就労希望者に12月1日から1月末までの申請を案内しており、書類不足や申請の遅れがあると希望日までに審査が終わらない可能性があるとしています。審査期間は月ごとに公表されていますが、個別の申請がいつ許可されるかは誰にも約束できません。だからこそ、内定書面に入社日繰下げの手続を書いておくことが実務の答えになります。
Q. 許可が出る前に、アルバイトとして働いてもらえますか?
A. 「留学」の資格外活動許可の範囲(週28時間以内)でのアルバイトと、社員としての就労は別のものです。卒業後は在籍要件を欠くため前提が変わります。個別の可否の判断は入管の領域で、当事務所では判断しません。設計に迷う場合は行政書士にご確認ください。留学生アルバイトの時間管理は留学生を雇うとき、週28時間をどう数えるかをご覧ください。
Q. 会社側は申請に何を出すのですか?
A. 申請の類型(所属機関のカテゴリーや書類省略の適用の有無)によって会社側の書類は変わります。何をいつまでに揃えるかは、申請を担当する行政書士(四葉行政書士事務所・別事業体)にご確認ください。当事務所は、雇用契約側の書面と入社手続を担当します。
Q. 不許可になったら、内定はどうすればいいですか?
A. 内定書面の定め方と個別の事情によります。取消しには判例上の制約があるため、一方的な判断で動く前に、書面の定めを確認し、紛争性がありそうな場合は弁護士にご相談ください。次の採用に向けては、内定書面に条件と手続を明記しておくことが最大の予防になります。
この記事の根拠
- 出入国在留管理庁「在留資格『留学』から就労資格への変更申請を予定されている皆様へ」(2026年8月14日参照)――4月就労希望者への12月1日〜1月末の申請の呼びかけ、2025年12月1日からの提出書類の省略(日本の大学卒業(予定)者等)
- 出入国在留管理庁「在留審査処理期間」(同日参照)――処理期間は月ごとに公表
- 出入国管理及び難民認定法(昭和26年政令第319号)第73条の2(不法就労助長) ―― 2026年8月14日にe-Gov法令検索で現行条文を確認
- 労働安全衛生規則第43条(雇入時の健康診断)・労働施策総合推進法第28条第1項(外国人雇用状況の届出)は、リンク先の各記事に記載
本記事は一般的な情報提供です。在留資格の該当性・許可の見込みには踏み込みません(入管が判断し、申請は行政書士の業務です)。個別のご事情に応じた判断は、面談のうえ資格者が行います。執筆は浦松丈二(社会保険労務士・行政書士・宅地建物取引士)です。
「人」のことから、整理しませんか。
四葉社会保険労務士事務所(文京区小日向・東京メトロ丸ノ内線「茗荷谷」駅 徒歩5分)が、労務の現状整理からお手伝いします。
LINEは代表・浦松丈二に直接つながります。24時間受付・順次お返事します。
東京メトロ丸ノ内線「茗荷谷」駅 徒歩5分|火・水 10:00〜19:00/月・木・金・土・日 18:00〜19:00
