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2026.09.01誰に頼むか

AIに労務を聞いてから、社労士に相談してよいか

浦松 丈二

浦松 丈二

社会保険労務士・行政書士・宅地建物取引士(四葉社会保険労務士事務所/四葉行政書士事務所)

かまいません。むしろ調べてからお越しいただくほうが、相談は速く進みます。ただしAIの答えは、条文の番号と施行日でずれることがあります。当事務所が一次資料で実際に見つけた誤りの実例とともに、AIで調べた結果の持ち込み方をご案内します。

結論(先に要点):かまいません。むしろ調べてからお越しいただくほうが、相談は速く進みます。ただしAIの答えは、条文の番号と施行日でずれることがあります。四葉でもAIは資料と論点の整理に使いますが、判断は資格者が行います

このページは、労務の疑問をまずAIで調べてみた——そして「この答え、合っているのだろうか」と不安になった経営者・総務担当の方に向けたものです。調べた結果は、そのままお持ちください。

AIの答えは、どこが合っていて、どこが危ないのか?

制度の骨格や考え方の説明は、おおむね役に立ちます。危ないのは、条文の番号・施行日・様式の有無といった、一字違えば別物になる部分です。

これは借り物の一般論ではありません。当事務所がこのコラム群を書く過程で、一次資料(e-Gov法令検索の条文原文)に当たり直して、実際に是正した誤りの実例です。

もっともらしい答え一次資料で確認した事実
「雇用保険法第6条第1項第1号により適用除外」雇用保険法第6条に項の区分はなく、**「第6条第1号」**が正しい引用
「賃金請求権の時効は一律3年」労働基準法第115条の原則は5年。附則第143条第3項の読み替えで、退職手当は5年、それ以外の賃金は当分の間3年
「日中社会保障協定の免除は派遣見込み5年以内の場合」見込みの要件ではなく、派遣開始から最初の5年間について相手国制度の適用が免除される仕組み(日本年金機構の公表資料による)
「廃業したら労働保険の保険関係消滅届を出す」そのような届出は存在しない。保険関係は事業の廃止・終了の翌日に法律上当然に消滅する(労働保険徴収法第5条)

どれも、結論の方向はそれらしく見えます。しかし1つ目と2つ目は引用として誤りであり、3つ目は要件の立て付けが違い、4つ目は存在しない手続です。存在しない届出を探して窓口や検索を巡ると、それだけで時間が失われます。

なぜ条文の番号と施行日でずれるのか?

AIに限らず、Web上の解説記事にも共通する構造的な理由があります。

  • 法律は改正で条番号や中身が動きます。 改正前の解説がWeb上に残り続け、それを学習・参照した答えは古い姿を示します
  • 経過措置は附則に置かれます。 本則だけを読むと「5年」、附則まで読むと「当分の間3年」——労働基準法の時効がまさにこの形です
  • 「ありそうな名前」の様式を作ってしまうことがあります。 手続には届出が要る、という一般則からの類推で、存在しない届出名が生成されます

だからこそ、条文の番号・施行日・様式名は、e-Gov法令検索などの一次資料で確認してから使う必要があります。これはAIを使わない場合でも同じです。

四葉は、AIをどう使っているのか?

当事務所もAIを使います。使い方には線を引いています。

  • AIに任せるのは、資料の整理・論点の洗い出し・構成の下書きまで
  • 条文・数字・様式は、必ず一次資料で確認します。上の表の誤りは、この確認の過程で見つかったものです
  • 個別の事案への判断は、資格者である代表が行います。 AIの出力をそのまま回答としてお渡しすることはありません

この考え方は、四葉不動産や四葉行政書士事務所の業務でも同じです(それぞれ独立した事業体として、別々に業務をお受けしています)。

AIで調べたことを、どう持ち込めばいいのか?

「相談するほどのことではないかもしれない」と感じている段階のご相談を、当事務所は歓迎しています。AIの答え合わせという入口で構いません。お持ちいただくと速いのは、次の3点です。

持ち込むもの形式
AIの回答スクリーンショットで構いません(プロンプトごとだとさらに正確に確認できます)
会社の前提業種・人数・雇用形態など、質問の前提にした情報
確認したいこと「この答えのとおり進めてよいか」の一文で十分です

ご相談は無料です。 答えが合っていれば「合っています」で終わりますし、ずれていれば、どこがどうずれているかを条文と一緒にお示しします。

四葉社会保険労務士事務所は、何ができますか?

文京区小日向の四葉社会保険労務士事務所は、労働社会保険の手続の作成・提出代行・事務代理と、労務相談・就業規則の作成変更をお受けします。AIやソフトで自社対応できる部分はそのまま活かし、判断が要る部分だけをお預かりする形が組めます。料金は報酬額表で公開しており、よくある質問はFAQにまとめています。

誰に相談するか

税務(年末調整を含む)は税理士、登記は司法書士、紛争性のある事案は弁護士の業務です。在留資格の申請・補助金・会社設立の書類は四葉行政書士事務所(当事務所とは別の事業体で、別々にご契約いただきます)がお受けします。いずれも紹介料の授受はありません。

よくある質問

Q. AIで調べた内容を、そのまま持ち込んでいいのですか?
A. はい。スクリーンショットで構いません。あわせて、質問の前提にした会社の状況(業種・人数・雇用形態)と、「この答えのとおり進めてよいか」の一文があると、確認が速く進みます。ご相談は無料です。

Q. AIの答えは、どこが間違いやすいのですか?
A. 制度の骨格はおおむね合っていることが多い一方、条文の番号・施行日・様式の有無といった細部でずれます。たとえば賃金請求権の時効は「一律3年」ではなく、労働基準法第115条と附則第143条第3項により、退職手当は5年・それ以外の賃金は当分の間3年です。

Q. 四葉でもAIを使っているのですか?
A. 使っています。ただし資料の整理・論点の洗い出し・構成の下書きまでで、条文・数字・様式は必ず一次資料で確認し、個別の事案への判断は資格者である代表が行います。AIの出力をそのまま回答としてお渡しすることはありません。

Q. AIの答えが合っていた場合も、相談料はかかりますか?
A. ご相談は無料です。合っていれば「合っています」とお伝えして終わります。そのうえで手続や規程の整備をご依頼いただく場合の料金は、報酬額表に沿って事前にお示しします。

この記事の根拠

  • 雇用保険法(昭和49年法律第116号)第6条 ―― 2026年8月14日にe-Gov法令検索で現行条文を確認(項の区分なし・第1号〜第6号)
  • 労働基準法(昭和22年法律第49号)第115条、附則第143条第3項 ―― 同日にe-Gov法令検索で現行条文を確認
  • 労働保険の保険料の徴収等に関する法律(昭和44年法律第84号)第5条 ―― 同日にe-Gov法令検索で現行条文を確認
  • 社会保障に関する日本国政府と中華人民共和国政府との間の協定 ―― 日本年金機構「協定相手国別の情報(中国)」(2026年8月14日参照)

実例の3つ目・4つ目の背景は、海外出張と海外派遣の労災の違い会社をたたむときの社会保険・労働保険の手続で詳しく書いています。freeeのAI機能の現在地はfreee人事労務とfreee会計のAI連携は、どこまで進んでいるのかに整理しています。

本記事は一般的な情報提供です。個別のご事情に応じた判断は、面談のうえ資格者が行います。執筆は浦松丈二(社会保険労務士・行政書士・宅地建物取引士)です。

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