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2026.09.01誰に頼むか

freeeの年末調整は、誰の仕事か

浦松 丈二

浦松 丈二

社会保険労務士・行政書士・宅地建物取引士(四葉社会保険労務士事務所/四葉行政書士事務所)

freee人事労務には年末調整の機能があり、自社で行う分には資格は要りません。ただし年末調整は所得税の過不足を精算する税務の手続で、報酬を得て代わりに行うのは税理士の業務です。給与計算を社会保険労務士に頼んでいても年末調整は含まれません。プラン別の機能範囲とあわせて整理します。

結論(先に要点):freee人事労務には年末調整の機能があり、自社で行う分には資格は要りません。ただし年末調整は所得税の過不足を精算する税務の手続で、報酬を得て代わりに行うのは税理士の業務です。給与計算を社会保険労務士に頼んでいても、年末調整は含まれません

「freeeに年末調整のボタンがあるのに、顧問の社労士からは『年末調整はお受けできません』と言われた」——毎年12月が近づくと、この食い違いに戸惑う会社が出てきます。このページは、freee人事労務で年末調整をやろうとしている会社の経営者・総務担当の方に向けて、「ソフトにあるのに頼めない」のはなぜかを、条文に沿って整理するものです。四葉でも年末調整は取り扱っておらず、税理士におつなぎしています。

年末調整は、給与計算に含まれるのか?

含まれません。ここが食い違いの出発点です。

毎月の給与計算では、所得税を**源泉徴収税額表に沿って天引き(源泉徴収)**します。これは給与計算の一部で、社会保険労務士に頼める業務の範囲です。一方、年末調整は、天引きした所得税の合計と、その年に納めるべき税額との過不足を精算する手続です(所得税法第190条)。毎月の天引きが「概算での預かり」、年末調整が「年に1回の精算」——同じ所得税を扱っていても、手続の性質が違います。

そして精算の側は税務の手続です。給与計算の顧問契約に年末調整が自動的に含まれない理由が、ここにあります。

ソフトに機能があるのに、なぜ頼めないのか?

税理士法第2条第1項は、税務代理・税務書類の作成・税務相談を税理士の業務と定めています。年末調整の税額計算や、その結果として作る源泉徴収票・法定調書合計表・給与支払報告書は、この領域に属します。報酬を得て代わりに行えるのは税理士です。

見覚えのある構造だと思われた方は正しいです。freee人事労務を入れました。顧問社労士は何をしてくれるのですかで書いた社会保険労務士法と同じで、税理士法第2条第1項第2号の「税務書類」の定義にも**「電磁的記録を含む」**と明記されています。紙でもクラウドのデータでも、線の引き方は変わりません。 ソフトの機能は「自社の分を自社でやる」ためのもので、「誰かに代わりにやってもらう」ときの資格の線は、画面の外に引かれています。

freeeの公式ヘルプ(2026年7月21日更新・2026年8月14日参照)でも、プランによってできる範囲が分かれています。

プラン年末調整でできること
年末調整ペーパーレスプラン従業員からの情報収集とCSV出力まで。還付・追徴の計算はできず、収集した情報を給与計算ソフトに取り込むか、士業に共有してその後の作業を行う前提
ミニマムプラン管理者が入力し、計算・還付追徴の反映まで。電子申告はできず、紙で提出
スタータープラン(旧ベーシック)以上従業員自身の入力、計算、電子申告まで(e-Tax・eLTAXの事前準備が必要)

freeeの機能・プラン構成は改定されます。上の表は2026年8月時点の公表資料によるもので、最新の範囲は公式ヘルプでご確認ください。

12月に向けて、誰と何を決めておくのか?

年末調整は12月に始めると間に合いません。決めることは3つです。

決めること選択肢
誰が計算・確定するか自社でfreee上で完結させる/税理士に依頼する
書類の提出方法電子申告(プランとe-Tax・eLTAXの準備が前提)/紙で提出
従業員への段取り入力依頼の時期(11月が目安)、マイナンバーの管理者設定、保険料控除証明書の回収方法

顧問税理士がいる会社は、freeeで収集した情報をどこまで自社で入れ、どこから税理士に渡すかを、11月までにすり合わせておくと12月に慌てません。顧問税理士がいない会社で自社完結が難しそうな場合は、税理士への依頼を先に決めるのが順序です。

社会保険労務士に頼めるのは、どこまでか?

年末調整の周辺には、社会保険労務士に頼める業務が並んでいます。線を引いて整理します。

業務頼む相手
毎月の給与計算・賞与計算(源泉徴収の天引きを含む)社会保険労務士に頼めます
社会保険・労働保険の手続、算定基礎届・年度更新社会保険労務士に頼めます
年末調整の税額計算・確定税理士
源泉徴収票・法定調書合計表・給与支払報告書の作成・提出の代行税理士

つまり「給与計算は社労士、年末調整は税理士」と契約を分けるのが、資格の線に沿った形です。1年分の給与データが正確に積み上がっていることが年末調整の前提なので、毎月の給与計算の整備は、結果として12月を軽くします。

四葉社会保険労務士事務所は、何ができますか?

文京区小日向の四葉社会保険労務士事務所は、毎月の給与計算、社会保険・労働保険の手続、労務相談・就業規則の作成変更をお受けします。年末調整は取り扱っておらず、税理士に直接ご依頼いただく形をご案内しています。紹介料の授受はありません。 freee人事労務をお使いの会社は、ソフトはそのままで構いません。

ご相談は無料です。 「どこまで自社でやれるか」「給与計算と年末調整をどう分けるか」の仕分けからご一緒します。料金は報酬額表で公開しており、よくある質問はFAQにまとめています。

誰に相談するか

年末調整を含む税務(記帳・決算・申告)は税理士、登記は司法書士、紛争性のある事案は弁護士の業務です。在留資格の申請・補助金・会社設立の書類は四葉行政書士事務所(当事務所とは別の事業体で、別々にご契約いただきます)がお受けします。いずれも紹介料の授受はありません。

よくある質問

Q. 給与計算を頼んでいる社労士に、年末調整もあわせて頼めますか?
A. 頼めません。年末調整は税務の手続で、報酬を得て代わりに行うのは税理士の業務です(税理士法第2条第1項)。当事務所でも取り扱っておらず、税理士に直接ご依頼いただく形をご案内しています。紹介料の授受はありません。

Q. freeeのプランによって、年末調整でできることは違いますか?
A. 違います。公式ヘルプ(2026年8月14日参照)によると、年末調整ペーパーレスプランは情報収集とCSV出力まで、ミニマムプランは計算まで(電子申告不可)、スタータープラン以上で電子申告までできます。機能は改定されるため、最新は公式ヘルプでご確認ください。

Q. 自社で年末調整を完結させるのに、資格は要りますか?
A. 要りません。自社の手続を自社で行うことは、資格の線の外側です。電子申告まで行う場合は、対応プランの契約とe-Tax・eLTAXの事前準備が必要です。

Q. 「給与計算は社労士、年末調整は税理士」と分けると、二度手間になりませんか?
A. 契約は分かれますが、作業は連続しています。毎月の給与データが正確に積み上がっていれば、年末調整側の作業は軽くなります。誰が何をどこまで持つかを11月までに決めておくことが、二度手間を防ぐ実務です。

この記事の根拠

  • 所得税法(昭和40年法律第33号)第190条(年末調整) ―― 2026年8月14日にe-Gov法令検索で現行条文を確認
  • 税理士法(昭和26年法律第237号)第2条第1項(税理士の業務。第2号の税務書類の定義に「電磁的記録を含む」) ―― 同日にe-Gov法令検索で現行条文を確認
  • freee人事労務の年末調整機能のプラン別の範囲 ―― freeeヘルプセンター「freee人事労務での年末調整の流れ」(2026年7月21日更新・2026年8月14日参照)

**freeeの機能・プラン構成は改定されます。最新の範囲はfreeeの公式ヘルプでご確認ください。**本記事は2026年8月時点の公表資料に基づいています。

ソフトと社会保険労務士の線の引き方の全体はfreee人事労務を入れました。顧問社労士は何をしてくれるのですかに、freeeのAI年末調整アシストなどAI機能の現在地はfreee人事労務とfreee会計のAI連携は、どこまで進んでいるのかに、給与計算の料金の考え方は給与計算を社会保険労務士に頼むと、いくらかかるのかに書いています。

本記事は一般的な情報提供です。個別のご事情に応じた判断は、面談のうえ資格者が行います。執筆は浦松丈二(社会保険労務士・行政書士・宅地建物取引士)です。

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