メインコンテンツにスキップ
2026.09.01労働法の基本

フリーランス法で発注企業が確認すること──取引条件・報酬・ハラスメント対応の基本

浦松 丈二

浦松 丈二

社会保険労務士・行政書士・宅地建物取引士(四葉社会保険労務士事務所/四葉行政書士事務所)

フリーランスへ仕事を頼むとき、「業務委託だから労働法は関係ない」では終わりません。取引条件の明示は発注のたび、報酬の支払期日は特定業務委託事業者に、禁止行為は1か月以上、育児介護配慮と中途解除の30日前予告は6か月以上の委託で義務になります。すべての発注者にすべての義務が一律適用されるわけではありません。2026年1月1日以降の発注分は、合意の有無にかかわらず振込手数料を報酬から差し引くことが報酬の減額に当たります。実際の指導は支払期日と取引条件の明示で8割を超え、労働局側ではハラスメント体制と募集情報の違反が多くなっています。

結論(先に要点):フリーランスへ仕事を頼むとき、「業務委託だから労働法は関係ない」では終わりません。取引条件の明示と報酬の支払期日は発注のたびに、禁止行為は1か月以上、育児介護配慮と中途解除の予告は6か月以上の委託で義務になります。

フリーランス法は、誰との取引が対象になる?

正式名称は「特定受託事業者に係る取引の適正化等に関する法律」(令和5年法律第25号)です。2024年11月1日に施行されました。

対象になるのは、特定受託事業者への業務委託です。特定受託事業者とは、業務委託の相手方である事業者のうち、①個人であって従業員を使用しないもの、②法人であって代表者以外に役員がなく、かつ従業員を使用しないもの、を指します。屋号があっても法人化していても、一人で仕事をしているなら該当します。

一方、発注する側は2つに分かれます。業務委託事業者は、特定受託事業者に業務委託をするすべての事業者です。特定業務委託事業者は、そのうち①個人であって従業員を使用するもの、②法人であって2以上の役員があり、または従業員を使用するもの、を指します。

つまり、従業員が1人でもいる会社、あるいは役員が2人以上いる会社は、原則として特定業務委託事業者に当たります。義務の範囲は、この区分と委託期間で変わります。

義務根拠条文誰にいつから
取引条件の明示第3条すべての業務委託事業者発注のたび
報酬の支払期日・期日内の支払第4条特定業務委託事業者発注のたび
7つの禁止行為第5条特定業務委託事業者1か月以上の委託
募集情報の的確表示第12条特定業務委託事業者募集をするとき
ハラスメント対応の体制整備第14条特定業務委託事業者常時
育児介護等への配慮第13条第1項特定業務委託事業者6か月以上の委託(それ未満は第2項の努力義務)
中途解除・不更新の予告と理由開示第16条特定業務委託事業者6か月以上の委託

すべての発注者にすべての義務が一律に適用されるわけではありません。 ここを取り違えると、必要のない対応をしたり、必要な対応を落としたりします。

発注したら、最初に何を明示する?

第3条により、業務委託をした場合は直ちに、給付の内容、報酬の額、支払期日その他の事項を、書面または電磁的方法で明示しなければなりません。

明示する項目は8つです。

  1. 業務委託事業者および特定受託事業者の名称
  2. 業務委託をした日
  3. 給付の内容
  4. 給付を受領し、または役務の提供を受ける期日
  5. 給付を受領し、または役務の提供を受ける場所
  6. 給付の内容について検査をする場合は、検査を完了する期日
  7. 報酬の額および支払期日
  8. 金銭以外の方法で報酬を支払う場合は、その支払方法に関すること

この義務はすべての業務委託事業者にかかります。従業員のいない一人会社が別のフリーランスに再委託する場合も対象です。電磁的方法でよいので、メールやチャットの送信でも構いませんが、後から確認できる形で残しておく必要があります。

契約書を作ることと、この明示義務を果たすことは別の話です。契約書の内容が自社にとって適切かどうかという判断は、当事務所では扱いません。

報酬はいつまでに支払う?

第4条第1項は、報酬の支払期日について、給付を受領した日から起算して60日の期間内において、かつできる限り短い期間内において定めなければならないとしています。検査をするかどうかは関係ありません。

「60日以内ならいつでもよい」という条文ではない点に注意が要ります。条文は「かつ、できる限り短い期間内」と続けています。

支払期日を定めなかったときは給付を受領した日が、60日を超える期日を定めたときは受領した日から起算して60日を経過する日が、それぞれ支払期日と定められたものとみなされます(第4条第2項)。「月末締め翌々月末払い」のような商慣行は、受領日から60日を超えることがあります。

もう一つ、再委託の場合は別の規律があります。第4条第3項により、再委託に係る報酬の支払期日は、元委託支払期日から起算して30日の期間内において、かつできる限り短い期間内において定めなければなりません。元請から入金される日を基準に30日、という考え方です。この特例を使うには、再委託である旨などを明示する必要があります。

1か月以上の委託で禁止されるのは、どんな行為?

第5条は、政令で定める期間(1か月)以上の業務委託をした場合に、7つの行為を禁止しています。契約の更新により1か月以上継続することとなるものも含まれます。

第1項が5つ。

  1. 特定受託事業者の責めに帰すべき事由がないのに、給付の受領を拒むこと(受領拒否
  2. 特定受託事業者の責めに帰すべき事由がないのに、報酬の額を減ずること(報酬の減額
  3. 特定受託事業者の責めに帰すべき事由がないのに、給付を受領した後、その給付に係る物を引き取らせること(返品
  4. 同種または類似の給付に対し通常支払われる対価に比し著しく低い報酬の額を不当に定めること(買いたたき
  5. 正当な理由がある場合を除き、自己の指定する物を強制して購入させ、または役務を強制して利用させること(購入・利用強制

第2項が2つ。こちらは「特定受託事業者の利益を不当に害してはならない」という枠の中の行為です。

  1. 自己のために金銭、役務その他の経済上の利益を提供させること
  2. 特定受託事業者の責めに帰すべき事由がないのに、給付の内容を変更させ、または受領後にやり直させること

「相手が納得している」「合意がある」という説明は、これらの行為を正当化しません。第1号から第3号、第7号は「責めに帰すべき事由がないのに」が要件であり、合意の有無は書かれていません。

振込手数料を報酬から引いてもよい?

公正取引委員会は、2026年1月1日以降の業務委託(発注)分については、特定受託事業者との合意の有無にかかわらず、振込手数料を報酬の額から差し引くことは報酬の減額に該当するという運用を示しています。

それ以前は、あらかじめ合意があり、実際に金融機関に支払った実費の範囲内であれば減額に当たらないという整理でした。2026年1月以降の発注分では、その合意による整理が通りません。

支払管理のシステムやテンプレート契約書に「振込手数料は受注者負担」と入れたままにしている会社は、確認が必要です。実務上は、報酬額を手数料相当分だけ上乗せして定め直すか、発注者が手数料を負担する形に切り替えることになります。

募集情報には、どんな注意が必要?

第12条第1項は、広告等により特定受託事業者の募集に関する情報を提供するときは、その情報について虚偽の表示または誤解を生じさせる表示をしてはならないとしています。あわせて、正確かつ最新の内容に保つことが求められます。

厚生労働省は、業務の内容、従事する場所、報酬など、政令で定める事項について特に注意を促しています。募集の段階で示した条件と、実際の発注条件がずれていないかという点です。

求人票の記載義務と考え方が近いので、求人票に書かなければならないこともあわせてご覧ください。ただし、労働者の募集とフリーランスの募集は別の法律に基づく別の義務です。同じ様式で運用していると、どちらの要件も満たさない状態になりがちです。

育児・介護との両立に、どこまで配慮する?

第13条第1項は、継続的業務委託(政令で定める期間=6か月以上の期間行う業務委託。更新により6か月以上継続することとなるものを含む)について、特定受託事業者からの申出に応じて、妊娠、出産、育児または介護と両立しつつ業務に従事できるよう、その者の状況に応じた必要な配慮をしなければならないとしています。

6か月未満の委託については、第13条第2項により努力義務です。

ここでの「配慮」は、労働者に対する育児介護休業法の措置とは別のものです。就業日時の調整、オンラインでの打合せへの変更、納期の見直しといった、業務委託の枠内でできることを、申出を受けて検討するという構造です。申出がない場合にまで会社から働きかける義務ではありません。

大切なのは、申出を受け止める窓口があるかです。申出先が決まっていない会社では、申出そのものが発生しません。

ハラスメント相談体制は、どう整える?

第14条第1項は、特定業務委託事業者に対し、次の3つの言動に関する問題について、相談に応じ、適切に対応するために必要な体制の整備その他の必要な措置を講じることを義務づけています。

  1. 性的な言動に対する対応により業務委託の条件について不利益を与え、または性的な言動により就業環境を害すること(セクシュアルハラスメント
  2. 妊娠または出産に関する事由であって厚生労働省令で定めるものに関する言動により就業環境を害すること
  3. 取引上の優越的な関係を背景とした言動であって、業務を遂行する上で必要かつ相当な範囲を超えたものにより就業環境を害すること

3つ目は、社内のパワーハラスメントと同じ構造ですが、根拠となる法律が違います。労働施策総合推進法の措置義務は雇用する労働者を対象とするもので、フリーランスは含まれません。

ここが実務でいちばん落ちやすい点です。 厚生労働省は、労働局における法施行状況として、ハラスメント対策に係る体制整備義務と募集情報の的確表示義務の違反に関する指導等が多いとしたうえで、方針の明確化・周知や相談体制の整備を行う際に、特定受託業務従事者(フリーランス)を対象に含める旨を明確に定めることが重要だと述べています。

つまり、すでにパワハラ相談窓口を作ってある会社でも、規程や案内が「従業員を対象とする」と書かれたままなら、第14条の義務を満たしているとは言いにくいということです。既存の窓口をフリーランスにも開くこと自体は可能で、そのほうが現実的ですが、対象範囲を明記する改訂が要ります。社内のパワハラ防止措置そのものについてはパワハラ防止措置は中小企業も義務に整理しています。

講ずべき措置の内容は、指針(令和6年5月31日厚生労働省告示第212号)が示しています。方針の明確化と周知・啓発、相談体制の整備、事実関係の迅速かつ正確な把握、被害を受けた者への配慮、行為者への措置、再発防止、プライバシーの保護という構成です。

6か月以上の委託を解除・不更新にするときは?

第16条第1項により、継続的業務委託(6か月以上)に係る契約を解除しようとする場合、契約期間の満了後に更新しない場合を含めて、少なくとも30日前までに予告しなければなりません。災害その他やむを得ない事由により予告することが困難な場合など、厚生労働省令で定める場合は除かれます。

さらに第16条第2項により、予告がされた日から契約が満了する日までの間に、特定受託事業者から解除の理由の開示を請求された場合、遅滞なく開示しなければなりません。第三者の利益を害するおそれがある場合など、省令で定める場合は除かれます。

「今回で終わりにします」と満了直前に伝える運用は、6か月以上の委託では成り立ちません。契約管理の側で、期間が6か月に達する取引を把握し、更新の可否を30日前までに判断する仕組みが要ります。

実際には、何が違反として指導されているのか?

公正取引委員会が2026年6月10日に公表した令和7年度の運用状況によると、数字は次のとおりです。

項目令和7年度
勧告10件
指導1,542件
違反被疑事実の申出604件
新規着手1,626件
措置件数1,552件

違反行為の類型別では、期日における報酬の支払義務違反が1,135件(41.6%)で最も多く、次いで取引条件の明示義務違反が1,126件(41.3%)、**買いたたきが250件(9.2%)**でした。上位2つで8割を超えます。

つまり、実際に問題になっているのは、複雑な論点ではなく、支払期日を守っているか、発注のたびに条件を書面か電磁的方法で渡しているかという2点です。ここを固めることが、いちばん効きます。

一方、厚生労働省側(都道府県労働局)の令和6年度の法施行状況では、ハラスメント対策に係る体制整備義務と募集情報の的確表示義務の違反に関する指導等が多くなっています。取引の適正化は公正取引委員会・中小企業庁、就業環境の整備は厚生労働省という所管の違いが、そのまま指導内容の違いに表れています。

「フリーランス」と契約していても、労働者になることはある?

あります。契約書の名称が業務委託であっても、実態として指揮命令を受けて働いていれば、労働基準法上の労働者と判断されることがあります。その場合は、労働時間規制、割増賃金、最低賃金、労働保険といった労働法の枠組みが適用されます。

フリーランス法は、労働者に当たらない事業者との取引を対象とする法律です。したがって、労働者性が認められる関係では、そもそもフリーランス法ではなく労働法の問題になります。どちらの法律で考えるかの入口が、労働者性の判断です。

ただし、特定の契約について労働者に当たるかどうかという最終的な判断は、当事務所では行いません。 判断の枠組みと、実務で見られるポイントは外注と雇用の境目は、契約書では決まらないに整理しています。自社の社員が副業としてフリーランスの仕事を受ける場合の労働時間の扱いは副業を認める会社の労務管理をご覧ください。

社労士・弁護士・税理士は、どこを担当する?

フリーランス法は所管が分かれており、それがそのまま相談先の分かれ目になります。

取引の適正化(第3条〜第11条) は公正取引委員会と中小企業庁の所管です。取引条件の明示、報酬の支払期日、禁止行為がここに入ります。契約書の条項をどう書くか、特定の取引が買いたたきに当たるかといった判断は、契約実務・取引法務の領域です。紛争になれば弁護士が担当します。

就業環境の整備(第12条〜第16条) は厚生労働省の所管です。募集情報の的確表示、育児介護等への配慮、ハラスメント対応の体制整備、中途解除の予告がここに入ります。四葉社会保険労務士事務所が扱えるのは、この範囲の体制づくりの相談です。 具体的には、ハラスメント相談窓口の対象範囲をフリーランスまで広げる規程の改訂、相談を受けたときの手順の整理、募集情報の様式づくり、継続的業務委託を把握して30日前予告につなげる社内フローの設計です。

税務は税理士の領域です。フリーランスへの支払いに係る源泉徴収、インボイス、消費税の取扱いは当事務所では扱いません。

法人設立や許認可が必要になる場面は、四葉行政書士事務所が別の事業体として承ります。相談先の分け方の考え方は社員を辞めてもらうとき、社労士と弁護士のどちらに頼むのか、採用まわりの業際は社労士に、採用の何を頼めて、何を頼めないのかに整理しています。

よくある質問

Q. 従業員がいない一人会社ですが、フリーランス法の義務はありますか?
A. あります。ただし範囲が限られます。特定受託事業者に業務委託をするすべての事業者は「業務委託事業者」として、第3条の取引条件の明示義務を負います。一方、報酬の支払期日(第4条)、禁止行為(第5条)、募集情報(第12条)、育児介護配慮(第13条)、ハラスメント体制(第14条)、中途解除の予告(第16条)は「特定業務委託事業者」=従業員を使用する個人、または2以上の役員があるか従業員を使用する法人にかかる義務です。従業員を1人雇った時点で、負う義務が大きく変わります。

Q. 単発の1回きりの発注でも、何かしなければなりませんか?
A. 取引条件の明示(第3条)と、特定業務委託事業者であれば報酬の支払期日(第4条)は、期間にかかわらず発注のたびに必要です。禁止行為(第5条)は1か月以上の委託、育児介護配慮(第13条第1項)と中途解除の予告(第16条)は6か月以上の継続的業務委託が対象です。単発でも、条件を書面か電磁的方法で渡し、受領日から60日以内のできる限り短い期日を定めて支払う、この2点は外せません。

Q. 社内にパワハラ相談窓口があります。フリーランス法の対応は済んでいますか?
A. 規程や案内の対象範囲を確認してください。労働施策総合推進法の措置義務は雇用する労働者を対象とするもので、フリーランスは含まれません。厚生労働省は、方針の明確化・周知や相談体制の整備にあたって、特定受託業務従事者を対象に含める旨を明確に定めることが重要だとしています。既存の窓口をフリーランスにも開くこと自体は可能ですが、対象範囲を明記する改訂が必要です。

Q. 振込手数料は、これまでどおり報酬から引いてよいですか?
A. 2026年1月1日以降の業務委託(発注)分については、公正取引委員会が、特定受託事業者との合意の有無にかかわらず、振込手数料を報酬の額から差し引くことは報酬の減額に該当するという運用を示しています。それ以前の、合意があり実費の範囲内なら差し引けるという整理は使えません。契約書のひな形や支払管理の設定を確認してください。

この記事の根拠

  • 特定受託事業者に係る取引の適正化等に関する法律(令和5年法律第25号)── 2024年11月1日施行
  • 同法第2条第1項 ── 「特定受託事業者」=業務委託の相手方である事業者のうち、①個人であって従業員を使用しないもの、②法人であって代表者以外に役員がなく、かつ従業員を使用しないもの
  • 同法第2条第6項 ── 「特定業務委託事業者」=業務委託事業者のうち、①個人であって従業員を使用するもの、②法人であって2以上の役員があり、または従業員を使用するもの
  • 同法第3条第1項 ── 業務委託をした場合は直ちに、給付の内容、報酬の額、支払期日その他の事項を書面または電磁的方法により明示。明示事項は8項目(当事者の名称、業務委託をした日、給付の内容、給付を受領し/役務の提供を受ける期日、同じく場所、検査を完了する期日、報酬の額および支払期日、金銭以外の方法で支払う場合の支払方法)
  • 同法第4条第1項 ──「報酬の支払期日は、…検査をするかどうかを問わず、…給付を受領した日から起算して六十日の期間内において、かつ、できる限り短い期間内において、定められなければならない」
  • 同法第4条第2項 ── 支払期日を定めなかったときは受領した日、60日を超える期日を定めたときは受領した日から起算して60日を経過する日が支払期日とみなされる
  • 同法第4条第3項 ── 再委託に係る報酬の支払期日は、元委託支払期日から起算して30日の期間内において、かつできる限り短い期間内において定めなければならない
  • 同法第5条第1項 ── 政令で定める期間(1か月)以上の業務委託をした場合の禁止行為。第1号 受領拒否、第2号 報酬の減額、第3号 返品、第4号 買いたたき(同種または類似の給付に対し通常支払われる対価に比し著しく低い報酬の額を不当に定めること)、第5号 購入・利用強制。いずれも第1号〜第3号は「特定受託事業者の責めに帰すべき事由がないのに」が要件
  • 同法第5条第2項 ── 第1号 自己のために金銭、役務その他の経済上の利益を提供させること、第2号 責めに帰すべき事由がないのに給付の内容を変更させ、または受領後にやり直させること
  • 同法第12条第1項 ── 広告等により募集に関する情報を提供するときは、虚偽の表示または誤解を生じさせる表示をしてはならない
  • 同法第13条第1項 ── 継続的業務委託(政令で定める期間=6か月以上。更新により6か月以上継続することとなるものを含む)について、特定受託事業者からの申出に応じて、妊娠・出産・育児・介護と両立しつつ業務に従事できるよう必要な配慮をしなければならない
  • 同法第13条第2項 ── 継続的業務委託以外の業務委託については、同様の配慮をするよう努めなければならない(努力義務)
  • 同法第14条第1項 ── 相談に応じ、適切に対応するために必要な体制の整備その他の必要な措置を講じなければならない。対象は第1号 性的な言動、第2号 妊娠または出産に関する事由であって厚生労働省令で定めるものに関する言動、第3号 取引上の優越的な関係を背景とした言動であって業務を遂行する上で必要かつ相当な範囲を超えたもの
  • 同法第16条第1項 ── 継続的業務委託に係る契約の解除(契約期間の満了後に更新しない場合を含む)をしようとする場合には、少なくとも30日前までに予告しなければならない。災害その他やむを得ない事由により予告することが困難な場合その他の厚生労働省令で定める場合を除く
  • 同法第16条第2項 ── 予告がされた日から契約が満了する日までの間に解除の理由の開示を請求された場合、遅滞なく開示しなければならない。第三者の利益を害するおそれがある場合その他の厚生労働省令で定める場合を除く
  • 同法第24条 ── 命令違反、報告拒否・虚偽報告、検査の拒否等は50万円以下の罰金。第25条は両罰規定。第26条は20万円以下の過料
  • 特定受託事業者に係る取引の適正化等に関する法律施行令(令和6年政令第200号)── 第5条の「政令で定める期間」=1か月、第13条・第16条の「政令で定める期間」=6か月
  • 厚生労働省関係特定受託事業者に係る取引の適正化等に関する法律施行規則(令和6年厚生労働省令第94号)
  • 「特定業務委託事業者が募集情報の的確な表示、育児介護等に対する配慮及び業務委託に関して行われる言動に起因する問題に関して講ずべき措置等に関して適切に対処するための指針」(令和6年5月31日厚生労働省告示第212号)── 方針の明確化と周知・啓発、相談体制の整備、事実関係の迅速かつ正確な把握、被害を受けた者への配慮、行為者への措置、再発防止、プライバシーの保護
  • 厚生労働省「フリーランス・事業者間取引適正化等法施行から1年を迎えました」── 都道府県労働局における令和6年度の法施行状況では、ハラスメント対策に係る体制整備義務と募集情報の的確表示義務の違反に関する指導等が多い。方針の明確化・周知および相談体制の整備にあたっては、特定受託業務従事者を対象に含める旨を明確に定めることが重要
  • 公正取引委員会「令和7年度におけるフリーランス・事業者間取引適正化等法第2章の運用状況及びフリーランスに係る取引の適正化に向けた取組」(2026年6月10日公表)── 勧告10件、指導1,542件、違反被疑事実の申出604件、新規着手1,626件、措置件数1,552件。違反行為の類型別では期日における報酬の支払義務違反1,135件(41.6%)、取引条件の明示義務違反1,126件(41.3%)、買いたたき250件(9.2%)
  • 公正取引委員会「フリーランス・事業者間取引適正化等法勧告一覧」── 令和8年1月1日以降の業務委託(発注)分については、特定受託事業者との合意の有無にかかわらず、振込手数料を報酬の額から差し引くことは報酬の減額に該当する
  • 公的資料・条文は2026年8月21日に確認

この記事は、個別の該当性を判断するものではありません。四葉社会保険労務士事務所では、フリーランス法のうち**就業環境の整備(第12条〜第16条)**にあたる部分、すなわちハラスメント相談窓口の対象範囲を特定受託業務従事者まで広げる規程の改訂、相談を受けたときの対応手順の整理、募集情報の様式づくり、育児介護等の申出を受け止める窓口の設計、継続的業務委託を把握して30日前予告につなげる社内フローの設計についてご相談いただけます。取引条件の明示や報酬の支払期日をどう契約書に落とし込むか、特定の取引が買いたたきや報酬の減額に当たるかといった判断は当事務所では扱わず、弁護士への相談をご案内します。フリーランスへの支払いに係る源泉徴収、インボイス、消費税の取扱いは税理士へおつなぎします。法人設立や許認可は四葉行政書士事務所が別の事業体として承ります。別の専門家が必要な場合は、それぞれ別契約となり、紹介料はありません。ご相談いただく場合の費用は報酬額表に、よくいただくご質問はよくあるご質問にまとめています。

四葉不動産株式会社、四葉行政書士事務所、四葉社会保険労務士事務所は、それぞれ独立した事業体として業務を受任します。他の専門家をご紹介する場合も、お客様に直接ご契約いただく形をご案内し、当事務所は紹介料を受け取りません。

本記事は一般的な情報提供です。個別のご事情に応じた判断は、面談のうえ資格者が行います。執筆は浦松丈二(社会保険労務士・行政書士・宅地建物取引士)です。

「人」のことから、整理しませんか。

四葉社会保険労務士事務所(文京区小日向・東京メトロ丸ノ内線「茗荷谷」駅 徒歩5分)が、労務の現状整理からお手伝いします。

LINEは代表・浦松丈二に直接つながります。24時間受付・順次お返事します。

東京メトロ丸ノ内線「茗荷谷」駅 徒歩5分|火・水 10:00〜19:00/月・木・金・土・日 18:00〜19:00