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2026.09.01助成金

採用で使える助成金は、入口で決まる

浦松 丈二

浦松 丈二

社会保険労務士・行政書士・宅地建物取引士(四葉社会保険労務士事務所/四葉行政書士事務所)

採用に関する助成金には、ハローワークまたは職業紹介事業者等の紹介で雇い入れることが要件のものがあります。求人媒体で直接採用すると、その時点で対象外が確定することがあります。採ったあとでは戻れません。求人を出す前に確認する順序を整理します。

結論(先に要点):採用に関する助成金には、ハローワークまたは職業紹介事業者等の紹介で雇い入れることが要件になっているものがあります(例:特定求職者雇用開発助成金)。求人媒体で直接採用すると、その時点で対象外が確定することがあります。採ったあとでは戻れません——採用助成金は、入口で決まります。

このページは、これから人を採ろうとしている会社の経営者・総務担当の方に向けたものです。助成金の額と要件は年度ごとに(年度の途中でも)改定されるため、本記事は金額を書きません。個別の要件は、申請時点の最新の支給要領で必ず確認します。

なぜ、採ったあとでは間に合わないのか?

助成金の多くの要件は「何をしたか」ですが、採用系の助成金には**「どの経路で雇い入れたか」**という、あとから変えられない要件が含まれるからです。

例えば、特定求職者雇用開発助成金(特定就職困難者コース)は、対象となる方をハローワークまたは民間の職業紹介事業者等の紹介により雇い入れることが要件のひとつです(厚生労働省の公表資料・2026年8月14日参照)。求人媒体経由や直接応募で同じ方を採用しても、この要件は満たせません。雇入れ日を過ぎてから気づいても、採用経路は遡って変えられない——これが「入口で決まる」の意味です。

助成金を狙うなら、最初の契約形態で決まるで書いたのは入社後の転換の入口(契約形態)でした。本記事はその一つ手前、募集経路の入口です。2つの入口はどちらも、動いたあとでは戻れません。

ハローワークを通すと、何が変わるのか?

紹介を受けて雇い入れたことの記録が残ることが本質です。ハローワークの紹介で雇い入れれば紹介の事実が確認でき、民間の職業紹介事業者等の場合は、助成金の取扱いについて労働局に届出をしている事業者からの紹介であることと、紹介証明が要ります(厚生労働省「雇用関係助成金を取り扱う職業紹介事業者等」・2026年8月14日参照)。

つまり同じ「紹介会社経由」でも、その事業者が助成金の取扱届出をしているかで結論が分かれ得ます。紹介会社と契約する前に確認する価値のある一点です。

どの助成金が、採用のときに関係するのか?

名称だけ挙げます(金額・細目は支給要領で確認します)。

場面関係し得る助成金の例
高年齢者・障害者・母子家庭の母などを雇い入れる特定求職者雇用開発助成金(特定就職困難者コースなど。紹介要件あり
有期で迎えて正社員に転換するキャリアアップ助成金(正社員化コース。入口は契約形態——別記事

どのコースにどの要件(紹介経路・対象者・雇用形態・賃金)が付くかは、年度の支給要領が正本です。名称が同じでもコースの統廃合があり、リーフレットの日付が古いまま判断するのは危険です。

いつ、誰に相談すればいいのか?

求人を出す前です。順序はこうなります。

  1. 採りたい人物像を決める(ここで対象者類型が見える)
  2. 使える可能性のある助成金と、その紹介要件を確認する(当事務所)
  3. 経路を決める——ハローワークに求人を出すか、取扱届出のある紹介事業者を使うか
  4. 求人票の労働条件内定書面を整える
  5. 雇入れ・申請

この順序を逆にして「もう採ってしまったが、何か使える助成金はないか」から始めると、選択肢は大きく減っています。

四葉社会保険労務士事務所は、何ができますか?

文京区小日向の四葉社会保険労務士事務所は、募集・採用の労務サポートの一部として、採用計画段階での助成金の入口設計(紹介要件・契約形態の確認)、雇用関係助成金の申請をお受けします。ご相談は無料です。 料金は報酬額表に掲載しています。「この採り方で、あとから困らないか」の確認だけでも構いません。

誰に相談するか

求職者の紹介そのものはハローワークまたは許可を受けた職業紹介事業者の領域です(当事務所は紹介・あっせんを取り扱っておらず、紹介料の授受もありません——社労士に、採用の何を頼めて、何を頼めないのか)。税務は税理士、在留資格は四葉行政書士事務所(当事務所とは別の事業体で、別々にご契約いただきます)、紛争性のある事案は弁護士の業務です。

よくある質問

Q. 求人サイトで良い人が応募してきました。いまから助成金は使えますか?
A. 紹介経由の雇入れが要件になっている助成金は、直接応募では使えません。ただし、採用のすべてが紹介要件付きではなく、雇入れ後の転換を入口とするもの(キャリアアップ助成金など)は別の道が残ることがあります。雇入れ日を確定させる前に、一度ご相談ください。

Q. どの紹介会社でも、助成金の対象になりますか?
A. なりません。民間の職業紹介事業者等の場合、雇用関係助成金の取扱いに係る届出を労働局に行っている事業者からの紹介であることが必要です(厚生労働省の公表資料による)。契約前に、その事業者が取扱届出をしているかをご確認ください。

Q. 助成金の金額はいくらですか?
A. 本記事では書きません。額と要件は年度ごとに、また年度の途中でも改定されるためです。ご相談いただいた時点の最新の支給要領で、対象になり得るコースと額をお示しします。

Q. 申請だけをお願いすることはできますか?
A. 雇用関係助成金の申請はお受けします。ただし採用系の助成金は、雇入れ前の経路・契約形態で可否が決まっているため、申請段階からでは要件を満たせないことがあります。できるだけ求人を出す前にご相談ください。

この記事の根拠

  • 特定求職者雇用開発助成金(特定就職困難者コース)の紹介要件(ハローワークまたは民間の職業紹介事業者等の紹介による雇入れ) ―― 厚生労働省「特定求職者雇用開発助成金(特定就職困難者コース)」(2026年8月14日参照)
  • 民間の職業紹介事業者等の取扱届出 ―― 厚生労働省「雇用関係助成金を取り扱う職業紹介事業者等」(2026年8月14日参照)
  • 職業紹介・有料職業紹介事業の許可は、職業安定法(昭和22年法律第141号)第4条第1項・第30条第1項(2026年8月14日にe-Gov法令検索で現行条文を確認)
  • 助成金の名称・コース・要件・額は改定されます。申請時は必ず最新の支給要領をご確認ください。本記事は金額を記載していません

本記事は一般的な情報提供です。個別の支給の可否は支給要領と個別の事情によります。個別のご事情に応じた判断は、面談のうえ資格者が行います。執筆は浦松丈二(社会保険労務士・行政書士・宅地建物取引士)です。

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