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2026.09.01採用と雇用

留学生を雇うとき、週28時間をどう数えるか

浦松 丈二

浦松 丈二

社会保険労務士・行政書士・宅地建物取引士(四葉社会保険労務士事務所/四葉行政書士事務所)

留学生のアルバイトは資格外活動許可により週28時間以内(学則上の長期休業期間は1日8時間以内)に制限されています。28時間は自社ではなく本人の合計時間で、他社での勤務は会社から見えません。申告の仕組みとシフト上限の設計、雇用保険・届出の扱いまで整理します。

結論(先に要点):留学生のアルバイトは、資格外活動許可により1週について28時間以内に制限されています(出入国管理及び難民認定法施行規則第19条第5項第1号。在籍する教育機関の学則で定める長期休業期間は1日8時間以内)。許可は入管の制度ですが、時間を数えて守らせるのは労務管理です。難所は、他社での勤務時間が会社からは見えないことです。

このページは、留学生をアルバイトで雇っている・雇おうとしている会社の経営者・店長・総務担当の方に向けたものです。許可を取る手続そのものではなく、雇ったあとの時間管理の側から書きます。

週28時間は、どこからどこまでを数えるのか?

条文で確認できるのは次の3点です(出入国管理及び難民認定法施行規則第19条第5項第1号)。

  • 1週について28時間以内。在籍する教育機関が学則で定める長期休業期間にあるときは1日8時間以内
  • 教育機関に在籍している間に行うものに限る(卒業後・除籍後は前提が変わります)
  • 風俗営業等の営業所で行うものは許可の対象外

時間の数え方の細部——起算日の取り方や複数社勤務の合算方法——は、出入国在留管理庁の案内・個別の運用によります。押さえるべき原則はひとつで、**28時間は「その会社での時間」ではなく「本人の合計時間」**だということです。2社で15時間ずつ働けば、それぞれの会社では適法に見えても、本人は超えています。

他の会社での勤務は、どうやって把握するのか?

見えないものは、申告してもらう仕組みを先に作るしかありません。実務の型は3つです。

仕組み中身
採用時の確認在留カードで資格外活動許可の有無を確認し、他社での勤務の有無と時間数を書面で申告してもらう
変更時の申告義務他社での勤務を始める・時間が変わるときは会社に申告する旨を、雇用契約書や服務規律に定めておく
シフトの上限設計自社のシフトを28時間の全部で組まない。他社分の余地を残した上限(例として週20時間台前半)で設計する会社が多い

申告に頼る以上、完全にはなりません。だからこそ、会社として確認の手を尽くした記録——採用時の書面・定期の確認——を残すことが、後述のリスクに対する防波堤になります。

雇用保険には入るのか?

昼間の課程の学生は、原則として雇用保険の被保険者になりません(雇用保険法第6条第4号)。休学中の方や定時制の課程の方など、省令で被保険者となる場合が定められていますので、当てはまりそうなときは個別に確認します。

一方、外国人雇用状況の届出は、雇用保険に入らない留学生アルバイトにも必要です(様式第3号・翌月末日まで。詳細は外国人を雇ったら、ハローワークに届け出る)。また、短時間労働者としての社会保険の適用拡大には「学生でないこと」という要件が置かれています(短い時間で雇うと、社会保険はどうなるか)。「学生だから何の手続もない」とはならない点に注意してください。

超えてしまったら、何が起きるのか?

本人の側は資格外活動許可の条件に反する就労となり、在留資格の更新などに影響し得ます(この先の個別判断は入管の領域です)。会社の側には、不法就労助長罪(出入国管理及び難民認定法第73条の2。3年以下の拘禁刑もしくは300万円以下の罰金、または併科)のリスクがあります。同条第2項は、知らなかったことを理由に処罰を免れることはできない(過失がないときを除く)と定めています。「他社の分は知らなかった」で終わらない構造だからこそ、前章の確認の仕組みと記録が意味を持ちます。

四葉社会保険労務士事務所は、何ができますか?

文京区小日向の四葉社会保険労務士事務所は、留学生アルバイトの採用時確認の書式づくり、他社勤務の申告ルールの設計(雇用契約書・服務規律)、シフト上限の設計、外国人雇用状況の届出をお受けします。ご相談は無料です。 料金は報酬額表に、外国人雇用の全体の流れは外国人を1人雇うと、窓口はいくつ必要かにまとめています。

誰に相談するか

資格外活動許可の申請や在留資格の変更・更新は四葉行政書士事務所(当事務所とは別の事業体で、別々にご契約いただきます)。税務は税理士、すでに紛争になっている事案は弁護士の業務です。いずれも紹介料の授受はありません。

よくある質問

Q. うちの店では週20時間しか入れていません。それでも問題になり得ますか?
A. あり得ます。28時間の制限は本人の合計時間で考えるため、他社と掛け持ちしていれば、自社のシフトが少なくても本人は超えている場合があります。採用時と定期の申告で他社分を把握する仕組みが必要です。

Q. 夏休みは何時間まで働けますか?
A. 在籍する教育機関が学則で定める長期休業期間にあるときは、1日8時間以内とされています(出入国管理及び難民認定法施行規則第19条第5項第1号)。学則上の期間かどうかが基準になるため、学校の学年暦で確認してください。

Q. 留学生のアルバイトにも、ハローワークへの届出は要りますか?
A. 要ります。雇用保険の被保険者にならない場合は様式第3号を雇入れ・離職の翌月末日までに届け出ます。届出をしない・虚偽の届出には30万円以下の罰金があります(労働施策総合推進法第40条第1項第2号)。

Q. 資格外活動許可を持っているかは、どう確認しますか?
A. 在留カードの裏面(資格外活動許可欄)と、必要に応じて指定書で確認します。許可を持っていない留学生を働かせると、時間数にかかわらず不法就労の問題になります。許可の申請そのものは行政書士(四葉行政書士事務所・別事業体)の領域です。

この記事の根拠

  • 出入国管理及び難民認定法施行規則(昭和56年法務省令第54号)第19条第5項第1号(1週28時間以内・長期休業期間は1日8時間以内・教育機関在籍中に限る・風俗営業等の除外) ―― 2026年8月14日にe-Gov法令検索で現行条文を確認
  • 出入国管理及び難民認定法(昭和26年政令第319号)第73条の2(不法就労助長。第2項=知らないことを理由に処罰を免れない〔過失がないときを除く〕) ―― 同日にe-Gov法令検索で現行条文を確認
  • 雇用保険法(昭和49年法律第116号)第6条第4号(学生・生徒の適用除外。被保険者となる例外は厚生労働省令の定めによる) ―― 同日にe-Gov法令検索で現行条文を確認
  • 労働施策の総合的な推進並びに労働者の雇用の安定及び職業生活の充実等に関する法律(昭和41年法律第132号)第28条第1項・第40条第1項第2号 ―― 同日にe-Gov法令検索で現行条文を確認
  • 時間の数え方の細部(起算日・複数社の合算の運用)は出入国在留管理庁の案内によります。個別の事案では最新の案内をご確認ください

本記事は一般的な情報提供です。在留資格への影響など入管の領域の個別判断には踏み込みません。個別のご事情に応じた判断は、面談のうえ資格者が行います。執筆は浦松丈二(社会保険労務士・行政書士・宅地建物取引士)です。

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