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2026.09.09雇用保険

育児休業給付の延長が2025年から厳しくなった?必要書類と落とし穴

浦松 丈二

浦松 丈二

社会保険労務士・行政書士・宅地建物取引士(四葉社会保険労務士事務所/四葉行政書士事務所)

育児休業給付金は原則子が1歳まで、保育所等に入所できない等の事由があれば1歳6か月・2歳まで延長できます(雇用保険法)。2025年4月1日施行の雇用保険法施行規則の改正で、この延長の認定が厳格化されました。従来の入所保留通知書に加え、市区町村へ提出した保育所等の利用申込書の写しと、本人記入の延長事由認定の申告書が必要になり、ハローワークが速やかな職場復帰のための申込みだったかを確認します。認可外のみへの申込みや1歳の誕生日以降の申込みは対象外となりうる点を含め、変更点・必要書類・提出時期・役割分担を整理します。

結論(先に要点):育児休業給付金は原則として子が1歳になるまでですが、保育所等に入所できない等の事由があれば1歳6か月まで、さらに2歳まで延長できます(雇用保険法)。2025年4月1日施行の改正(雇用保険法施行規則の改正)で、この延長の認定が厳格化されました。従来の「入所保留通知書」に加えて、市区町村へ提出した保育所等の利用申込書の写しと、本人が記入する延長事由認定の申告書の提出が必要になり、ハローワークが「速やかな職場復帰のために保育所等の利用を希望していたか」を確認します。認可外保育所のみへの申込みや、申込日が子の1歳の誕生日以降であるなど、いわゆる「落選狙い」とみなされる申込みは延長対象外となりうる点が要注意です。この記事では、変更点・必要書類・提出のタイミング・実質性の判断・役割分担を、社会保険労務士の視点で整理します。

育休給付の延長を扱う人事・労務のご担当、および延長を予定する従業員に説明する立場の方に向けて、2025年4月以降の申請実務を順に整理します。個別の入所可否そのものは市区町村が判定し、給付の支給・不支給はハローワークが決定するため、最終的な判断はそれぞれの窓口に確認してください。育児・介護休業法側の改正の全体像は育児・介護休業法の2025年改正で、会社は何をするのかもあわせてご覧ください。

育児休業給付の延長は、2025年4月から何が変わったのか?

育児休業給付金は、原則として子が1歳に達する日の前日までの育児休業について支給されます。保育所等に入所できない等の事由があるときは、支給対象期間を1歳6か月まで、さらに2歳まで延長できます。2025年4月1日施行の改正で変わったのは、この延長を認めるかどうかの確認が厳しくなった点です。

区分内容
原則の支給期間子が1歳に達する日の前日までの育児休業
延長の上限1歳6か月まで、要件を満たせばさらに2歳まで
主な延長事由保育所等(認可保育所等)への入所を希望し申し込んだが入所できない等
2025年4月の変更点提出書類の追加と、速やかな職場復帰のための申込みだったかの実質的な確認

給付金の額や仕組みそのものが変わったのではなく、「保育所に入れなかったから延長する」という事由の確認方法が厳しくなった、と捉えるのが正確です。時短勤務時の給付は別制度で、育児時短就業給付は、いつから・いくら出るのかで、産後の休業支援は出生後休業支援給付は、共働きでいくら出るのかで整理しています。

「保育所に入れなかった」証明は、どこまで求められるのか?

これまでも延長には市区町村が発行する「保育所等を利用できない旨の通知」(入所保留通知書・入所不承諾通知書など)が必要でした。2025年4月からは、それに加えて申込みの中身がわかる書類が求められます。

書類位置づけ
市区町村が発行する入所保留通知書(入所不承諾通知書等)従来から必要。選考の結果として入所できなかったことを示す
市区町村へ提出した保育所等の利用申込書の写し2025年4月から追加。いつ・どの保育所に・いつからの入所を希望して申し込んだかを示す
育児休業給付金の支給対象期間延長事由の認定に係る申告書2025年4月から追加。本人が申込みの状況を申告する新しい様式

つまり、「入所できなかった」という結果だけでなく、「速やかに復職するために本気で入所を申し込んでいた」という申込みの中身まで確認される、という変更です。入所保留通知書だけを添えれば通る、という従来の感覚のままだと、書類不足で延長が認められないおそれがあります。

実質的な入所申込みと見なされないのは、どんなケースか?

ハローワークは、提出された申込書の写しなどから、速やかな職場復帰のための申込みだったかどうかを確認します。次のようなケースは、延長対象外となりうるとされています。

ケース延長との関係
認可保育所等を含めず、認可外保育所のみに申し込んだ速やかな復職のための申込みと認められにくく、対象外となりうる
保育所等への申込日が、子の1歳の誕生日以降だった申込みが遅く、対象外となりうる
入所希望日を、子の1歳(延長時は1歳6か月)の誕生日の翌日より後に設定した復職の意思が確認しにくく、対象外となりうる
合理的な理由なく、通所が著しく困難な保育所のみを希望した実質的な申込みと認められにくい
市区町村からの説明を受けて、申込みそのものを行わなかった申込みの事実がなく、延長事由に当たらない

いずれも、給付金の延長を目的に、はじめから入所しにくい形で申し込む「落選狙い」を防ぐための確認です。逆にいえば、通所可能な範囲の認可保育所等を含め、1歳到達日の翌日を入所希望日として、その日以前に申し込んでおくことが、延長を受けるうえでの基本になります。個別の入所可否は市区町村が判定するため、申込みの内容は早めに市区町村の窓口で確認してください。

延長申請で必要な書類と提出のタイミングはいつか?

延長の手続は、原則として現に受けている支給単位期間の分の支給申請とあわせて、ハローワークに行います。書類は前もって市区町村から取り寄せておくとスムーズです。

段階すること
育休の申出・当初の給付申請子が1歳になるまでの育児休業給付金を、通常どおり2か月ごとに申請
1歳時点で入所できないとき1歳に達する日の翌日を入所希望日として、その日以前に保育所等へ申し込んでおく
延長の申請入所保留通知書・利用申込書の写し・延長事由認定の申告書を添えて、延長分の支給申請を行う
1歳6か月→2歳の再延長1歳6か月時点でも入所できない場合、同様の書類で再度の延長を申請

延長は1歳6か月時点・2歳時点でそれぞれ改めて事由の確認が必要です。申込みのタイミングが遅れると、そもそも延長の入口に立てないため、「1歳(1歳6か月)の誕生日の前」に申込みを済ませておく段取りが重要になります。書類の様式や具体的な添付は、事業所を管轄するハローワークの最新の案内で確認してください。

給付は社労士、入所判定は市区町村とどう役割を分けるのか?

育休給付の延長は、労務手続・保育所の入所判定・税務がそれぞれ別の窓口に分かれます。担い手を取り違えると手続が止まります。

すること誰が担うか
育児休業給付金・延長の支給申請、申告書の作成支援、就業規則・育休規程の整備、復職の労務設計社会保険労務士(当事務所)
保育所等の利用申込みの受付・入所可否の判定・入所保留通知書の発行市区町村(保育担当課)
給付の支給・不支給の決定ハローワーク(公共職業安定所)
給与課税・年末調整(育児休業給付金自体は非課税)税理士(提出先は税務署)

当事務所は労務・雇用保険の情報提供と手続に限ります。保育所の入所可否は市区町村が判定し、給付の支給・不支給はハローワークが決定します。給与課税や年末調整は税理士(提出先は税務署)へご案内し、これらはそれぞれ独立した事業体が担い、別々にご契約いただく前提です。一括受任はせず、当事務所は紹介料を受け取りません。個別の延長が認められるかどうかの最終判断は、ハローワークが行います。

四葉社会保険労務士事務所は、何ができますか?

文京区小日向の四葉社会保険労務士事務所は、育児休業給付金の延長を扱う事業所について、延長分を含む支給申請、延長事由認定の申告書の作成支援、入所保留通知書・利用申込書の写しなど必要書類の整理、育休・復職の労務設計、就業規則・育児介護休業規程の整備をお受けします。従業員への説明資料づくりや、1歳・1歳6か月・2歳の各タイミングの段取りもお手伝いします。ご相談は無料です。 料金の考え方は報酬額表を、よくいただくご質問はよくあるご質問をご覧ください。

保育所等の入所可否は市区町村(保育担当課)へ、給与課税・年末調整は税理士(提出先は税務署・独立した事業体・別々にご契約)へご案内します。当事務所は紹介料を受け取りません。

よくある質問

Q. 2025年4月から、育休給付の延長は具体的に何が変わったのですか?
A. 延長を認めるかどうかの確認が厳しくなりました。従来の入所保留通知書に加え、市区町村へ提出した保育所等の利用申込書の写しと、本人が記入する延長事由認定の申告書の提出が必要になり、ハローワークが「速やかな職場復帰のための申込みだったか」を確認します(2025年4月1日施行の雇用保険法施行規則の改正)。給付金の額や延長できる上限(1歳6か月・2歳)自体は変わっていません。

Q. 認可外保育所だけに申し込んでいた場合、延長は認められますか?
A. 認められにくくなりました。速やかな職場復帰のための申込みと認められるかが確認されるため、認可保育所等を含めず認可外のみに申し込んだ場合や、申込日が子の1歳の誕生日以降である場合などは、延長対象外となりうるとされています。通所可能な範囲の認可保育所等を含め、1歳到達日の翌日を入所希望日として、その日以前に申し込んでおくのが基本です。

Q. 延長のための保育所の申込みは、いつまでに済ませればよいですか?
A. 目安として、子が1歳(再延長は1歳6か月)に達する日の翌日を入所希望日とし、その誕生日より前に市区町村へ申し込んでおくことが重要です。申込みが遅れると、そもそも延長の要件を満たせなくなるおそれがあります。具体的な締切や様式は、事業所を管轄するハローワークと、お住まいの市区町村の案内で確認してください。

Q. 延長が認められるかどうかは、社労士が決めるのですか?
A. いいえ。保育所等の入所可否は市区町村が判定し、給付の支給・不支給と延長の可否はハローワークが決定します。社会保険労務士が担うのは、支給申請や申告書の作成支援、必要書類の整理、就業規則・育休規程の整備といった労務の手続と設計です。個別の延長が認められるかの最終判断は行いません。

この記事の根拠

  • 雇用保険法(昭和49年法律第116号)の育児休業給付金(原則は子が1歳に達する日の前日まで、保育所等に入所できない等の事由で1歳6か月・2歳まで延長)/e-Gov法令検索により条文を確認(2026年9月参照)
  • 雇用保険法施行規則の一部改正(令和6年厚生労働省令。2025年〈令和7年〉4月1日施行)による育児休業給付金の延長認定の厳格化(利用申込書の写し・延長事由認定に係る申告書の追加、速やかな職場復帰のための申込みの確認)/厚生労働省「育児休業給付の延長手続の変更」の案内により確認(2026年9月参照)
  • 延長対象外となりうるケース(認可外保育所のみへの申込み、申込日が1歳の誕生日以降、入所希望日が1歳到達日の翌日より後など)は、厚生労働省の案内により確認(2026年9月参照)。個別の判断はハローワークが行う
  • 保育所等の利用申込みの受付・入所可否の判定・入所保留通知書の発行は市区町村(保育担当課)が行う。育児休業給付金は所得税法上非課税である点も含め、公的機関の案内により確認(2026年9月参照)

この記事は、誰に相談するかまでは決めていません。育児休業給付金の支給申請・延長、申告書の作成支援、就業規則・育児介護休業規程の整備、復職の労務設計は社会保険労務士の業務です。保育所等の入所可否の判定は市区町村、給付の支給・不支給の決定はハローワーク、給与課税・年末調整は税理士の業務(提出先は税務署)です。社会保険労務士業務とこれらの業務は、それぞれ独立した事業体として別々にご契約いただきます。当事務所は紹介料を受け取りません。個別の延長が認められるかどうかの最終判断は、ハローワークが行います。四葉社会保険労務士事務所にご相談いただく場合の費用は報酬額表に、よくいただくご質問はよくあるご質問にまとめています。

本記事は一般的な情報提供です。個別のご事情に応じた判断は、面談のうえ資格者が行います。執筆は浦松丈二(社会保険労務士・行政書士・宅地建物取引士)です。

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