育成就労、いま何をしておくのか
浦松 丈二
社会保険労務士・行政書士・宅地建物取引士(四葉社会保険労務士事務所/四葉行政書士事務所)
施行は2027年4月ですが、手続はもう始まっています。監理支援機関許可の施行日前申請は受付中、育成就労計画認定の施行日前申請は2026年9月1日からです。技能実習側の期限(監理団体の新規許可は2026年9月30日まで等)とあわせ、一次資料で確認したカレンダーを整理します。
結論(先に要点):施行は2027年4月ですが、手続はもう始まっています。監理支援機関の許可の施行日前申請は受付中で、育成就労計画認定の施行日前申請は2026年9月1日からです。技能実習の側にも期限があり、監理団体の新規許可は2026年9月30日まで、1号技能実習計画の認定申請は2027年2月までとされています。
このページは、技能実習生を受け入れている会社、これから育成就労で受け入れようとする会社の経営者・総務担当の方に向けたものです。制度の解説ではなく、「いつまでに・何を」だけを、外国人技能実習機構(OTIT)の公表資料(2026年8月14日確認)から整理します。
施行は来年4月なのに、なぜ今なのか?
施行日前申請という仕組みが動き出しているからです。施行を待ってから動くと、施行日に間に合いません。そして技能実習の側には、新規の受付が閉まっていく期限が示されています。「育成就労が始まるまで技能実習で」と考えている会社ほど、この2つのカレンダーを同時に見る必要があります。
いつまでに、何を出すのか?
すべてOTITの公表資料(2026年8月14日確認)に明記されている事項です。更新が頻繁なため、動く前に必ず最新のページで再確認してください。
| 時期 | 何が起きるか |
|---|---|
| 受付中 | 監理支援機関許可の施行日前申請(申請書類一式・様式が公開済み) |
| 2026年9月1日〜 | 育成就労計画認定の施行日前申請が開始(「9月1日以降に到着するように送付」) |
| 2026年9月30日まで | 技能実習制度に基づく監理団体の新規許可の申請 |
| 2027年2月まで | 技能実習制度に基づく1号技能実習計画の認定申請 |
| 2027年4月1日 | 育成就労制度 施行(予定) |
2点、注意があります。第一に、「9月30日」は技能実習の監理団体の新規許可の期限です。育成就労の申請期限ではありません。ここを取り違えた記事が少なくないので、社内で共有するときも区別してください。第二に、提出先が申請によって違います。監理支援機関許可は本部審査課分室(本部と住所が異なります)、育成就労計画認定は地方事務所・支所(本部ではありません)。OTIT自身が両方に注意書きを付けています。施行日前申請の一般的な質問には、専用のコールセンター(0570-011-300・平日9:00〜17:00)が開設されています。
受け入れる会社は、何を準備しておくのか?
育成就労計画認定の申請書類(参考様式)の一覧から、何を求められるかが逆算できます。
| 様式 | 準備するもの |
|---|---|
| 第1-2号 | 雇用契約書及び雇用条件書——契約書式の作り直し |
| 第1-13号 | 期間中の待遇に関する重要事項説明書 |
| 第1-15号・第1-39号 | 報酬・宿泊施設・徴収費用(第1-39号は移動・転居費用等も)の説明書——待遇欄に何を書くか |
| 第1-11号 | 育成就労責任者・育成就労指導員・生活相談員の就任承諾書——3つの役職の人選 |
| 第1-35号 | 目標とする日本語能力に係る講習等履修状況申告書——日本語学習の体制 |
| 第1-16号〜第1-22号 | 転籍(実施者の変更希望)関係の7様式——転籍のときの保険と届出 |
| 第1-36号 | 優良要件適合申告書——優良要件を取りに行くかの判断 |
転籍関係だけで7様式ある——様式の数そのものが、転籍がこの制度の中心にあることを示しています。制度の全体像は技能実習と育成就労で、労務は何が変わるのかに、就業規則側の準備は受け入れる前に、就業規則をどう直すのかにまとめています。
誰に、何を頼むのか?
| すること | 誰の業務か |
|---|---|
| 監理支援機関の許可申請・育成就労計画認定の申請書類の作成 | 行政書士(四葉行政書士事務所。当事務所とは別の事業体で、別々にご契約いただきます) |
| 外部監査人の確保 | 申請書類の一覧に外部監査人・監査人の就任承諾書(監理支援機関許可=参考様式第2-5号、計画認定=第1-26号)が含まれています。つまり申請の時点で監査人が決まっていなければなりません。 依頼先の選び方・要件は育成就労の外部監査人(四葉行政書士事務所・別事業体)へ。監査で何を見られるか・何を備えるかは外部監査人(備える側) |
| 雇用契約書式・待遇の書面・就業規則・社会保険——労務の作り替え | 社会保険労務士(当事務所) |
四葉社会保険労務士事務所は、何ができますか?
文京区小日向の四葉社会保険労務士事務所は、育成就労の受け入れに向けた労務側の準備——雇用契約書式(第1-2号に対応する中身)、待遇の説明書面の整理、就業規則の見直し、社会保険・労働保険の手続——をお受けします。ご相談は無料です。 料金は報酬額表に掲載しています。「うちの場合、いつまでに何をやればいいのか」の棚卸しからご一緒します。
誰に相談するか
監理支援機関の許可申請・育成就労計画認定の申請・在留資格は四葉行政書士事務所(当事務所とは別の事業体で、別々にご契約いただきます)。外部監査人は弁護士・社会保険労務士・行政書士のいずれの資格でも就任でき、四葉では行政書士事務所・社会保険労務士事務所のどちらでも受けますが、それぞれ別の事業体として、別の契約で受任します。住まい・社宅は四葉不動産株式会社(同)、給与課税は税理士、紛争性のある事案は弁護士の業務です。いずれも紹介料の授受はありません。
よくある質問
Q. 施行前なのに、なぜ申請が始まっているのですか?
A. 施行日前申請という仕組みが設けられているためです。監理支援機関許可は受付中、育成就労計画認定は2026年9月1日から始まります(OTITの公表資料・2026年8月14日確認)。施行日(2027年4月1日予定)に制度を使い始めるためには、施行前に許可・認定の手続を進めておく必要があります。
Q. 「9月30日までに申請」と聞きましたが、育成就労の期限ですか?
A. 違います。2026年9月30日は、技能実習制度に基づく監理団体の新規許可の申請期限としてOTITが案内している日付です。育成就労の申請の推奨期限ではありません。この2つを取り違えた情報が出回っていますので、一次資料(OTITのページ)でご確認ください。
Q. まだ技能実習で受け入れ中です。何か関係ありますか?
A. あります。1号技能実習計画の認定申請は2027年2月までとされており、以後の新規は育成就労側に移ります。いま技能実習で受け入れている会社ほど、移行のカレンダーを早めに引く必要があります。全体の違いは技能実習と育成就労で、労務は何が変わるのかをご覧ください。
Q. 外部監査人は、いつまでに決めればいいのですか?
A. 申請書類の一覧に就任承諾書(監理支援機関許可=参考様式第2-5号)が含まれているため、申請書を出す時点で決まっている必要があります。「許可が下りてから探す」という順序では申請できません。依頼先の選び方は育成就労の外部監査人(四葉行政書士事務所・別事業体)をご覧ください。
この記事の根拠
- 外国人技能実習機構「監理支援機関許可施行日前申請」(令和8年7月10日更新・2026年8月14日確認)――受付中・申請書類一覧(参考様式第2-5号を含む)・提出先(本部審査課分室)・コールセンター・「技能実習制度に基づく監理団体の新規許可の申請は、令和8年9月30日までに」の注記
- 外国人技能実習機構「育成就労計画認定施行日前申請」(令和8年8月5日更新・2026年8月14日確認)――「9月1日から開始・9月1日以降に到着するように送付」・提出先(地方事務所・支所)・参考様式第1-1号〜第1-39号の一覧・「1号技能実習計画の認定申請は、令和9年2月までに」の注記
- 育成就労制度の根拠法令は、外国人の技能実習の適正な実施及び技能実習生の保護に関する法律(平成28年法律第89号)を令和6年法律第60号が改正したものです(e-Govの現行条文は改題前であることを2026年8月14日に確認。制度の内容はOTIT・法務省・厚生労働省の公表資料によります)
- 各期限・受付状況は更新されます。お手続の前に、必ずOTITの最新のページでご確認ください
本記事は一般的な情報提供です。個別のご事情に応じた判断は、面談のうえ資格者が行います。執筆は浦松丈二(社会保険労務士・行政書士・宅地建物取引士)です。
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