メインコンテンツにスキップ
2026.09.18許認可の手続き(行政書士の実務から)

ペットショップやトリミングを始めるとき、第一種動物取扱業の登録はどう取るのか

浦松 丈二

浦松 丈二

行政書士・宅地建物取引士(四葉行政書士事務所/四葉不動産株式会社)

プロフィール(士業ドットコム)↗

ペットショップ・トリミングサロン・ペットホテル・しつけ教室などを事業として営むには、営業開始前に第一種動物取扱業の登録を都道府県知事等から受けます。根拠は動物の愛護及び管理に関する法律(昭和48年法律第105号)第10条。登録の対象となる7業種、令和2年6月1日施行の改正で厳格化された動物取扱責任者の要件、令和3年6月1日施行の飼養管理基準(数値規制)、申請から立入検査・登録・5年更新(第13条)までの流れを整理し、物件は不動産、労務は社労士へ分離受任で振る分担を示しました。

結論(先に要点):ペットショップ・トリミングサロン・ペットホテル・しつけ教室などを事業として営むには、営業を始める前に「第一種動物取扱業」の登録を、事業所の所在地を管轄する都道府県知事(保健所を設置する政令指定都市・中核市等では市長)から受けます。根拠は動物の愛護及び管理に関する法律(昭和48年10月1日法律第105号)第10条第1項です。登録には、事業所ごと・業種ごとに動物取扱責任者を選任すること(同法第22条)と、飼養施設が基準を満たすことが必要です。本記事は登録の要件と流れを整理する一般的な情報提供であり、登録の可否は登録権者である自治体が判断します。当事務所が登録を保証するものではありません。

第一種動物取扱業とは何で、どの業種が登録の対象になるのか

動物の愛護及び管理に関する法律(以下「動物愛護管理法」)第10条第1項は、動物(哺乳類・鳥類・爬虫類に属するもので、畜産農業に係るものや試験研究用・生物学的製剤の製造用などを除く)の取扱いを、営利を目的として反復・継続して行う者に、都道府県知事等の登録を義務づけています。これが第一種動物取扱業です。無償でボランティア的に多数の動物を扱う「第二種動物取扱業」(届出制)とは別の制度で、営利性と反復継続性があるかどうかで切り分けます。

登録の対象となる業種は次の7つです。同じ店舗でも、営む行為ごとに業種を特定して登録します。たとえば販売とトリミング(保管)を兼ねるなら、両方の業種で登録が要ります。

業種主な例
販売ペットショップ、ブリーダー(販売目的の繁殖・輸入を含む)
保管ペットホテル、トリミングサロン(顧客の動物を預かる場合)、ペットシッター
貸出し撮影・イベント用やレンタル用に動物を貸し出す業
訓練しつけ教室、出張訓練、預かり訓練
展示動物カフェ、ふれあい施設、移動動物園
競りあっせん動物のオークション(せり売り)のあっせん
譲受飼養有償で動物を譲り受けて飼養する老犬・老猫ホームなど

トリミングは、施術のあいだ顧客の動物を預かるため、多くの場合「保管」に当たります。自分の飼っている動物だけを扱う、あるいは友人へ無償で譲るといった行為は営利の反復継続に当たらないのが通常ですが、該当・非該当の最終的な判断は、営もうとする内容を示して開業地の自治体に確認します。

動物取扱責任者になるには、どんな資格や実務経験が要るのか

動物取扱管理法第22条は、第一種動物取扱業者に対し、事業所ごとに、業務を適正に実施するための「動物取扱責任者」を選任することを義務づけています。責任者は、その事業所に専属する常勤の職員から選びます。開設者本人が要件を満たせば、本人が責任者を兼ねることもできます。

責任者になれる人の要件は、令和2年(2020年)6月1日施行の改正で厳格化されました。動物愛護管理法施行規則が定める現在の要件は、次のいずれかを満たすことです。単に資格を持っているだけ、あるいは実務経験があるだけでは足りず、「実務経験」と「資格または学歴」を組み合わせて求める形になっています。

区分満たすべき要件
資格による場合獣医師の免許を有する者
資格による場合愛玩動物看護師の免許を有する者
経験+資格・学歴による場合営もうとする業種に係る半年以上の実務経験(常勤の職員としての在職に限る)等があり、かつ、所定の資格試験に合格しているか、1年以上教育する学校その他の教育機関を卒業していること

実務経験に代えて、取り扱おうとする動物の種類ごとに「同等と認められる1年以上の飼養に従事した経験」も認められますが、個人の趣味での飼育は含まれず、何を同等とみるかは自治体の裁量判断になるため、事前の個別協議が要ります。また、責任者は動物愛護管理法第12条第1項各号の欠格事由(拘禁刑以上の刑や動物関連法令違反の罰金刑を受けて一定期間を経ていない等)に当たらない者でなければなりません。選任後は、動物取扱責任者研修を年1回以上受けさせる義務があります(同法第22条)。

施設の基準(ケージ・照明・遮音など)はどこまで求められるのか

飼養施設の構造・規模については、令和3年(2021年)6月1日施行の改正で、いわゆる数値規制が段階的に導入されました。動物愛護管理法施行規則の改正で、ケージ等の大きさ、寝床と運動スペースの確保、床・壁の材質、採光・換気・遮音、汚物や汚水の処理などの基準が具体化されています。

項目主な内容
ケージ等の大きさ犬・猫について、体長・体高を基準とした最小面積・高さの数値基準
運動スペース寝床・休息場所と、運動スペースを分ける場合と一体とする場合で基準が異なる
従業員1人あたりの飼養頭数上限犬は1人あたり20頭(うち繁殖犬15頭)、猫は1人あたり30頭(うち繁殖猫25頭)が上限
繁殖の制限犬・猫の繁殖に用いる年齢や生涯の出産回数の上限
環境の管理温度・湿度の管理、明るさの確保、臭気・害虫の防止など

従業員1人あたりの飼養頭数上限などは、改正時点で営業していた既存事業者には経過措置が置かれ、第一種動物取扱業では令和6年(2024年)6月1日に完全施行されています。ケージの具体的な寸法や適用の細部は施行規則・告示と自治体の運用によるため、数値の当否は開業地の自治体の手引きで確認します。ここでは全国一律の寸法値を断定しません。

登録の申請から営業開始まで、どんな順番で進むのか

登録は、申請書に添付書類をそろえて自治体の窓口へ提出し、飼養施設の立入検査を経て、登録証の交付を受ける流れです。営業を始められるのは登録を受けた後で、店頭には標識、従業者には名札の掲示が求められます。登録の有効期間は5年で、5年ごとに更新を受けなければなりません(動物愛護管理法第13条)。

ご自身のケースについて相談したい方へ

在留資格・許認可など、行政手続について状況をお聞かせください。

段階主な内容
事前相談業種・施設の図面を持参し、基準を満たせるか自治体に相談
申請書の提出第一種動物取扱業登録申請書(業種ごと・事業所ごと)
主な添付書類動物取扱責任者の資格・実務経験を証する書類、飼養施設の平面図・付近見取図、事業計画、法人は登記事項証明書など
立入検査飼養施設が基準を満たすかの確認
登録・交付登録簿へ登録、登録証の交付、標識・名札の掲示
更新有効期間5年。期間満了前に更新申請

申請手数料や様式、必要書類の細部は自治体ごとに異なります。標準処理期間も自治体で違うため、開業予定日から逆算して、まず事前相談から始めるのが安全です。

物件選びと登録は、誰がどの順で手当てするのか(振り先の整理)

先に物件を契約してしまうと、飼養施設の基準を満たせない、あるいは用途地域や建物の管理規約で動物取扱業ができない、といった事態に後から気づくことがあります。安全な順番は、①物件の下見と用途の確認 → ②施設が基準を満たせるかの確認・自治体への事前相談 → ③契約 → ④内装・設備の工事 → ⑤登録申請 → ⑥立入検査 → ⑦登録・営業開始、です。物件側にどんな条件が要るかは、動物取扱業に使える物件の条件(不動産)で整理しています。

  • 第一種動物取扱業の登録申請の作成、自治体との事前相談の支援 → 四葉行政書士事務所(行政書士)
  • 事業用物件の選定・賃貸借・重要事項説明、用途地域や管理規約の確認 → 四葉不動産株式会社
  • 内装が大規模な用途変更に及ぶ場合の確認申請 → 建築士・特定行政庁
  • 開業後の従業員の労働条件・社会保険・就業規則 → 四葉社会保険労務士事務所(社会保険労務士)
  • 会計・税務 → 税理士
  • 権利義務・紛争にわたる個別の法的判断 → 弁護士

四葉行政書士事務所と四葉不動産株式会社は別事業体です。当事務所は第一種動物取扱業の登録申請の支援のみを独立した事業体として担い、物件・労務・税務は、それぞれの資格者・事業体と別々にご契約・ご相談いただきます。当事務所は紹介料を受け取りません。許認可の全体像は許認可の手続き、受任の流れは受任の流れ、料金は報酬額表をご覧ください。登録の可否そのものは自治体が判断します。

よくある質問

Q. 自分でトリミングサロンを開きます。動物取扱業の登録は必要ですか?
A. 施術の間、顧客の動物を預かる形になるのが通常で、その場合は「保管」の業種に当たり、第一種動物取扱業の登録が必要です(動物愛護管理法第10条第1項)。販売も兼ねるなら「販売」の業種も加えて登録します。該当・非該当の最終判断は、営もうとする内容を示して開業地の自治体に確認してください。

Q. ペットショップの経験が長ければ、動物取扱責任者になれますか?
A. 経験だけでは足りません。令和2年6月1日施行の改正後は、獣医師・愛玩動物看護師の資格を持つか、半年以上の実務経験に加えて所定の資格試験の合格か1年以上の教育機関の卒業を組み合わせることが求められます(動物愛護管理法施行規則)。要件の当てはめは自治体に確認してください。

Q. 登録は一度取れば、ずっと有効ですか?
A. いいえ。登録の有効期間は5年で、5年ごとに更新を受ける必要があります(動物愛護管理法第13条)。更新を受けずに期間が過ぎると登録は失効します。更新の受付開始時期は自治体で異なるため、有効期間の満了前に早めに手続きしてください。

Q. 物件を先に借りてから登録の準備を始めても大丈夫ですか?
A. おすすめしません。飼養施設の基準を満たせない物件や、用途地域・管理規約で動物取扱業ができない物件を借りてしまうと、内装や契約のやり直しになりがちです。物件の下見・用途確認と、施設が基準を満たせるかの確認を先に行い、契約前に見通しを立てるのが安全です。

この記事の出典(一次情報)

  • e-Gov法令検索「動物の愛護及び管理に関する法律」(昭和48年10月1日法律第105号)第10条(第一種動物取扱業の登録)、第12条(登録の拒否=欠格事由)、第13条(登録の更新・有効期間5年)、第22条(動物取扱責任者の選任・研修)(参照日 2026-09-18)
  • e-Gov法令検索「動物の愛護及び管理に関する法律施行規則」(平成18年環境省令第1号)(動物取扱責任者の要件、飼養施設・飼養管理の基準。参照日 2026-09-18)
  • 環境省「第一種動物取扱業者の規制」(登録の対象となる7業種、登録制・都道府県知事等の登録、動物取扱責任者の選任。参照日 2026-09-18)
  • 環境省「飼養管理基準(いわゆる数値規制)」(令和3年6月1日施行、犬・猫の飼養頭数上限は第一種で令和6年6月1日完全施行。参照日 2026-09-18)
  • 開業予定地の都道府県・政令指定都市・中核市が公表する第一種動物取扱業登録申請の手引き(様式・手数料・必要書類・標準処理期間。参照日 2026-09-18)

本記事は一般的な情報提供であり、個別の登録の可否、動物取扱責任者の要件への適合、飼養施設の基準への適合、検査の結果を保証するものではありません。第一種動物取扱業の登録・立入検査・更新は、事業所の所在地を管轄する自治体(都道府県・政令指定都市・中核市等)が行います。飼養施設の具体的な数値基準や様式・必要書類は当該自治体の公式ページで確認してください。事業用物件の選定・賃貸借・重要事項説明は四葉不動産株式会社、大規模な用途変更に及ぶ場合の建築確認は建築士・特定行政庁、開業後の従業員の労働条件・社会保険・就業規則は四葉社会保険労務士事務所、会計・税務は税理士、権利義務・紛争にわたる個別の法的判断は弁護士が、それぞれ独立した事業体として別々にご契約・ご相談のうえ対応します。当事務所は紹介料を受け取りません。個別の判断は、面談のうえ資格者が行います。執筆は浦松 丈二(行政書士・宅地建物取引士)です。

まずは、状況を整理するところから。

四葉行政書士事務所(文京区小日向・東京メトロ丸ノ内線「茗荷谷」駅 徒歩5分)が、要件の整理から書類作成・申請までお手伝いします。

LINEは代表・浦松丈二に直接つながります。24時間受付・順次お返事します。

東京メトロ丸ノ内線「茗荷谷」駅 徒歩5分|火・水 10:00〜19:00/月・木・金・土・日 18:00〜19:00