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2026.07.21相続・遺言

相続手続きには一体いくらかかるのか?行政書士の相場を調べた

浦松 丈二

浦松 丈二

四葉行政書士事務所代表行政書士、四葉不動産株式会社代表取締役

プロフィール(士業ドットコム)↗

相続手続きの費用を「行政書士などの専門家報酬」「戸籍などの実費」「登記・税務など他士業の費用」の3層に分け、日本行政書士会連合会の報酬額統計や法令をもとに相場を幅で解説します。行政書士に頼むと何がいくらか、司法書士・税理士との費用の違い、自分でやる場合との比較、四葉行政書士事務所の料金の目安まで、費用の全体像を透明に整理します。

相続手続きにかかる費用は、大きく「①行政書士などの専門家報酬」「②戸籍などの実費」「③(必要な場合)登記・税務など他士業の費用」の3つの層に分かれます。「相続手続きは全部でいくら」と一つの金額に丸めてしまうと、何にいくら払っているのかが見えなくなります。まずこの3層を分けて見ることが、費用を正しく把握し、不安を解消する第一歩です。この記事では、公的な統計と法令をもとに、各層の相場を「幅」で、出典付きで整理します。

相続手続きの費用は「3つの層」に分かれる

結論: 相続費用は「専門家報酬」「実費」「他士業の費用」の3層に分けて考えると、金額の全体像と内訳が正確に把握できます。

内容誰に払うか
① 専門家報酬遺産分割協議書の作成、相続人・相続財産の調査、戸籍収集の代行、預貯金・証券の名義変更、自動車の名義変更 など行政書士 など
② 実費戸籍謄本・除籍謄本・改製原戸籍の取得手数料、郵送費、(登記が必要な場合の)登録免許税 など市区町村・法務局 など
③ 他士業の費用相続登記=司法書士報酬+登録免許税/相続税申告=税理士報酬/紛争解決=弁護士費用司法書士・税理士・弁護士(別途)

本記事の中心は①と②です。③は「行政書士報酬には含まれない別の費用」であることを、あとの章で明確に切り分けて説明します。

行政書士に依頼する場合の費用相場

結論: 行政書士の相続関連報酬は、主要な手続きでおおむね5万〜7万円台(1業務あたりの平均)が目安です。ただし、実務では複数業務をまとめて依頼するため、1案件では10万〜20万円台になることが多くなります(出典:日本行政書士会連合会「報酬額統計調査」)。

行政書士が相続で扱う代表的な業務ごとの平均報酬は、次のとおりです。

業務報酬額の平均最も多い価格帯(最頻値)
遺言書の起案・作成指導約 68,700円50,000円
遺産分割協議書の作成約 68,300円50,000円
相続人・相続財産の調査約 63,700円50,000円
遺言執行手続き約 384,500円300,000円

出典:日本行政書士会連合会「令和2年度報酬額統計調査の結果」(項目別の詳細数値)。同統計はおおむね5年ごとに実施され、最新版は「令和7年度報酬額統計調査」(令和8年1月実施)として日本行政書士会連合会が公表しています。金額には消費税を含み、立替金(実費)は含みません。

ポイントは、これらが「1業務あたり」の金額だということです。実際には、遺産分割協議書を作るには先に相続人・相続財産の調査が必要になるため、「調査+協議書作成」をセットで依頼して合計10万〜15万円程度になるケースが一般的です。さらに遺言執行まで依頼すると、その分が加算されます。同じ業務でも、相続人の人数・財産の種類や数によって手間が大きく変わるため、報酬額には数倍〜十数倍の幅が出ることもあります。正確な金額は、財産と相続人の状況を確認したうえでの見積もりで決まります。

実費はいくらか|戸籍の取得費用は全国ほぼ共通

結論: 戸籍関係の取得手数料は法令で定められ、全国ほぼ共通です。戸籍謄本(全部事項証明書)は1通450円、除籍謄本・改製原戸籍謄本は1通750円が基本です。

書類手数料(1通)
戸籍謄本(戸籍全部事項証明書)450円
除籍謄本(除籍全部事項証明書)750円
改製原戸籍謄本750円

出典:戸籍法・地方公共団体の手数料(各市区町村が公表)。

相続では、亡くなった方(被相続人)の「出生から死亡まで」の連続した戸籍をすべて集める必要があり、多くの場合、除籍・改製原戸籍を含めて数通〜十数通になります。したがって戸籍だけで数千円〜1万円台に収まることが多いものの、本籍が転々としている場合は通数が増えます。本籍地が遠方で郵送により取り寄せる場合は、定額小為替の発行手数料や往復の郵送費が別途かかります。

他士業の費用は「別途」|登記は司法書士、税務は税理士

結論: 相続登記(不動産の名義変更)は司法書士、相続税の申告は税理士の業務であり、いずれも行政書士報酬には含まれない別の費用です。紛争性のある事案は弁護士が担当します。

行政書士が担当できるのは、相続人・相続財産の調査、遺産分割協議書の作成、預貯金・自動車の名義変更、遺言のサポートなどです。一方で、次の費用は行政書士報酬とは別に発生します。

  • 相続登記(不動産の名義変更)=司法書士:登記の申請は司法書士の業務です。ここには司法書士報酬に加えて、実費として登録免許税がかかります。相続による所有権移転登記の登録免許税は、原則「固定資産評価額 × 0.4%」です(例:評価額1,000万円の不動産なら約4万円)。(出典:登録免許税法 別表第一)
  • 相続税の申告=税理士:相続税の申告・税額計算は税理士の業務です。税理士報酬は事務所や遺産規模によって異なり、遺産総額に応じて設定されることが一般的です。
  • 紛争性のある事案=弁護士:相続人間で争いがある(誰かが協議に応じない、代理人交渉が必要など)場合は、弁護士が代理人として対応します。

当事務所を含む行政書士は、これらの専門家の費用を自らの報酬に含めて受任することはできません。実務では、司法書士・税理士・弁護士と連携し、必要な手続きをそれぞれの専門家につなぐ形で進めます。

自分で手続きする場合との比較

結論: 自分で行えば専門家報酬は抑えられますが、戸籍収集・書類作成・金融機関対応の手間と、相続登記の申請期限に注意が必要です。費用と「時間・正確性」のトレードオフで判断します。

戸籍の取得や金融機関の名義変更は、時間をかければ自分で進めることも可能です。その場合にかかるのは主に実費(戸籍手数料・郵送費など)です。ただし、金融機関や役所の窓口は平日日中が中心で、財産ごとに手続き方法も異なります。相続人の確定に想定外の戸籍(異父母兄弟や婚外子など)が出てくることもあり、書類の不備は手戻りの原因になります。

とくに注意したいのが不動産です。相続登記は2024年4月1日から義務化され、不動産を取得したことを知った日から原則3年以内に申請する必要があります。 正当な理由なく怠ると10万円以下の過料の対象になり得ます。施行日より前に発生した相続にも適用され、その場合の期限は2027年(令和9年)3月31日です。期限内に遺産分割がまとまらないときは、暫定的に「相続人申告登記」で過料を回避する方法もあります。(出典:不動産登記法76条の2ほか。2024年4月1日施行)

費用が変わる主な要因

結論: 相続費用は「相続人の数」「財産の種類・数」「金融機関の数」「遺言の有無」「争いの有無」で変動します。

  • 相続人の数:多いほど戸籍収集・調整の手間が増えます。
  • 財産の種類・数:不動産・預貯金・証券などが多いほど手続きが増えます。
  • 金融機関の数:口座がある金融機関ごとに名義変更が必要です。
  • 遺言の有無:遺言があると手続きが変わり、遺言執行が加わることもあります。
  • 争いの有無:揉めている場合は弁護士の領域となり、費用構造が変わります。

四葉行政書士事務所の考え方

当事務所は、費用を事前に明示することを基本にしています。ご依頼の前に、財産と相続人の状況をうかがったうえで、どこまでが行政書士報酬で、どこからが実費・他士業の費用なのかを分けてお見積もりします。

また、相続では不動産が論点になることが少なくありません。当事務所は四葉不動産株式会社と連携しているため、相続手続きのあとの不動産の管理・活用・売却まで、費用感を含めて一つの窓口でご相談いただけます(登記そのものは提携する司法書士が担当します)。中国語・英語での対応も可能です。

当事務所の相続関連の料金(目安)

参考までに、四葉行政書士事務所の相続関連の主な報酬額(税込の目安)は次のとおりです。必要な手続きだけを選んでご依頼いただけます。

業務報酬額(税込・目安)
戸籍収集(代行)33,000円(3名まで/追加1名 11,000円)
法定相続情報一覧図22,000円
相続関係説明図/財産目録各 33,000円
遺産分割協議書の作成99,000円〜(遺産総額により変動)
金融機関の解約・名義変更55,000円/1行
遺言書案の作成165,000円(証人費用・公証人手数料は別途)
遺言執行手続330,000円〜(遺産額により変動)
家族信託 契約書の作成別途お見積り(登記は提携司法書士)
改葬許可申請(墓じまい)88,000円〜

金額はすべて税込の目安です。別途、登録免許税・自治体手数料・戸籍取得費などの実費がかかります。事案の内容により変動する場合は、ご契約前に書面でお見積りを提示します。最新・全業務の料金は報酬額表をご覧ください。

よくある質問(FAQ)

Q. 相続手続きは全部でいくらかかりますか?
財産や相続人の状況によって幅がありますが、行政書士に調査と遺産分割協議書の作成をまとめて依頼する場合で、報酬はおおむね10万〜15万円程度が一つの目安です(出典:日本行政書士会連合会「報酬額統計調査」)。これに戸籍などの実費が加わり、不動産の登記や相続税の申告が必要な場合は、司法書士・税理士の費用が別途かかります。正確な金額は見積もりで確定します。

Q. 行政書士と司法書士で費用はどう違いますか?
担当できる業務が異なります。行政書士は相続人・財産の調査、遺産分割協議書の作成、預貯金や自動車の名義変更などを行います。不動産の登記名義の変更(相続登記)は司法書士の業務で、司法書士報酬と登録免許税がかかります。どちらか一方だけで完結しないことが多く、実務では役割を分担して連携します。

Q. 戸籍集めだけを頼むこともできますか?
可能です。相続人の調査・戸籍収集だけを切り出してご依頼いただくこともできます。費用は依頼範囲によって変わりますので、範囲を確認のうえお見積もりします。

Q. 相続税がかからない場合でも費用はかかりますか?
はい。相続税の申告が不要な場合でも、戸籍収集や名義変更などの手続き自体は必要で、行政書士報酬・実費は相続税の有無とは別に発生します。なお相続税は、遺産が基礎控除(3,000万円+600万円×法定相続人の数)以下であれば、申告が不要となる場合があります(出典:国税庁)。個別の要否は税理士にご確認ください。

Q. 費用は誰が払うのですか?相続人で分担できますか?
手続き費用を相続人で分担すること自体は可能で、実務上は相続財産の中から精算したり、相続人間で取り決めたりします。分担方法は遺産分割協議の中で調整できます。

Q. 見積もりは無料ですか?
当事務所では、LINEでの一言相談を無料で受け付けています。ご依頼の前には、費用の内訳(行政書士報酬・実費・他士業の費用)を分けたお見積りを書面でご提示し、ご納得いただいてから着手します。料金の目安は報酬額表をご覧ください。

まずは費用の全体像を一緒に整理するところから

相続の費用は、3つの層に分けて見れば、決して「よくわからないもの」ではありません。四葉行政書士事務所では、費用の内訳を明示したうえで、必要な手続きを整理してご案内します。費用の見通しから相談したい方は、報酬額表受任の流れをご覧ください。

四葉行政書士事務所(東京都文京区小日向4-2-5 小日向安田ビル203/東京メトロ丸ノ内線「茗荷谷」駅 徒歩5分)。LINEで一言相談(無料)・お問い合わせフォーム・電話 03-6161-9428 からご連絡ください。中国語・英語対応可。


著者:浦松 丈二(うらまつ じょうじ) ― 四葉行政書士事務所 代表行政書士(登録番号 第25087022号)/宅地建物取引士。元毎日新聞中国総局長。不動産(四葉不動産株式会社)と行政書士業務をワンストップで手がけ、相続手続きと相続不動産の活用・売却まで一貫して相談に応じている。中国語・英語対応。

※本記事は相続手続きの費用相場に関する一般的な情報提供を目的としたものであり、個別の税額計算・法的判断を行うものではありません。具体的な相続税の計算・申告は税理士、不動産登記は司法書士、紛争性のある事案は弁護士など、それぞれの有資格者にご相談ください。掲載した相場・手数料は執筆時点の公表情報に基づきます。