賃貸住宅管理業の登録はどの規模から?サブリース勧誘規制と業務管理者の要件
賃貸住宅の管理を受託する事業は、管理戸数が200戸以上になると国土交通大臣の登録が必要です(賃貸住宅の管理業務等の適正化に関する法律第3条・施行規則第3条)。登録の有効期間5年、営業所ごとの業務管理者の選任(第12条)、財産的基礎(第6条)を整理し、あわせて登録の有無や規模にかかわらず適用されるサブリース(特定転貸事業者)の誇大広告等の禁止・不当な勧誘等の禁止・重要事項説明・契約時書面(第28〜31条)を解説しました。宅建業免許は別制度、契約紛争は弁護士、登記は司法書士、税務は税理士へ分離受任で振る分担を示しました。
結論(先に要点):賃貸住宅の管理業務を受託する事業は、管理する賃貸住宅の戸数が200戸以上になると国土交通大臣の登録が必要です(賃貸住宅の管理業務等の適正化に関する法律第3条第1項ただし書・同法施行規則第3条)。登録の有効期間は5年で、営業所・事務所ごとに業務管理者を1人以上選任し(第12条)、財産的基礎などの登録拒否事由に当たらないことが求められます(第6条)。一方、サブリース(マスターリース)で賃貸住宅を転貸するときは、戸数や登録の有無にかかわらず、特定転貸事業者・勧誘者として誇大広告等の禁止・不当な勧誘等の禁止・契約締結前の重要事項説明・契約成立時の書面交付という規制を受けます(第28条〜第31条)。本記事は登録が必要となる規模・登録要件・サブリース勧誘規制を整理する一般的な情報提供であり、個別の登録の可否や法的判断は行いません。
賃貸住宅管理業の登録が必要なのは管理戸数何戸からか?
賃貸住宅管理業とは、賃貸住宅の賃貸人(オーナー)から委託を受けて、家賃等の管理や賃貸住宅の維持保全を行う事業をいいます(賃貸住宅の管理業務等の適正化に関する法律・令和2年法律第60号)。この事業を営もうとする者は国土交通大臣の登録を受けなければなりません(第3条第1項)。ただし、その事業の規模が国土交通省令で定める規模未満であるものは登録不要とされ(同項ただし書)、施行規則第3条は、その規模を管理戸数200戸としています。つまり、管理受託する賃貸住宅が200戸未満の間は登録が任意、200戸以上になると登録が義務になります。
登録制度は令和3年(2021年)6月15日に施行されました。200戸以上を管理しながら無登録で営業した場合、1年以下の拘禁刑若しくは100万円以下の罰金に処し、又はこれを併科するとされています(第41条)。自己所有物件のみを自ら管理する自主管理は、他人からの委託を受けて行う管理業には当たらないため、この登録の対象外です。
| 管理受託の戸数 | 登録の要否 |
|---|---|
| 200戸未満 | 登録は任意(登録すれば規制の対象になる) |
| 200戸以上 | 登録が義務(無登録営業は罰則の対象) |
| 自己所有物件のみの自主管理 | 管理受託ではないため対象外 |
戸数のカウント方法や、自社の管理形態が「管理受託」に当たるかどうかの最終的な判断は、登録先である行政庁の運用によります。当事務所は登録の要否や可否を保証しません。受任の流れは受任の流れ、料金は報酬額表、取扱業務は取扱業務をご覧ください。
サブリース(特定転貸事業者)の勧誘・誇大広告規制とは何か?
サブリースは、事業者がオーナーから賃貸住宅を一括して借り上げ(マスターリース=特定賃貸借契約)、入居者へ転貸する仕組みです。この特定賃貸借契約に基づき賃貸住宅を転貸する事業を営む者を「特定転貸事業者」といい、その契約締結の勧誘を行う者を「勧誘者」といいます。サブリースに関する規制は、賃貸住宅管理業の登録の有無や管理戸数の規模にかかわらず、すべての特定転貸事業者・勧誘者に適用され、令和2年(2020年)12月15日に施行されました。
| 規制 | 条文 | 内容の例 |
|---|---|---|
| 誇大広告等の禁止 | 第28条 | 家賃保証や契約解除条件について、著しく事実に相違し、又は実際より著しく優良・有利と誤認させる表示をしてはならない |
| 不当な勧誘等の禁止 | 第29条 | 家賃減額の可能性など判断に影響する事項を故意に告げず、又は不実を告げる行為等をしてはならない |
| 締結前の重要事項説明 | 第30条 | 契約締結前に、家賃・維持保全の内容・契約期間・減額請求の可能性などを記載した書面を交付して説明する |
| 締結時の書面交付 | 第31条 | 契約成立時に、対象住宅・家賃等の条件・維持保全の方法などを記載した書面を遅滞なく交付する |
とくに、家賃が将来にわたり保証されるかのような表示や、賃料が減額されうることを伏せた勧誘は、第28条・第29条に触れるおそれがあります。オーナーの側では、提示された家賃保証が「借地借家法上の減額請求を排除するものではない」点を、契約前の重要事項説明で確認することが重要です。個別の広告・勧誘が規制に当たるかどうかの判断は、行政庁の監督と、争いになれば裁判所の判断によります。
登録の要件(業務管理者・財産的基礎)は何か?
登録は、要件を満たせば賃貸住宅管理業者登録簿に登録されます。主な要件と、登録が拒否される事由(第6条)は次のとおりです。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 業務管理者の選任 | 営業所又は事務所ごとに、業務管理者を1人以上選任する(第12条)。他の営業所・事務所との兼任はできない |
| 業務管理者の要件 | 管理業務に関し2年以上の実務経験があり、かつ登録試験(賃貸不動産経営管理士試験)に合格した者、又は宅地建物取引士で指定講習を修了した者等(施行規則第14条) |
| 財産的基礎 | 賃貸住宅管理業を的確に遂行するに足りる財産的基礎を有しないと認められると登録が拒否される(第6条第1項第10号) |
| 欠格事由 | 心身の故障、破産手続開始の決定を受けて復権を得ない、拘禁刑以上の刑や本法の罰金刑から5年を経過しない、暴力団員等に当たらないこと等(第6条) |
ご自身のケースについて相談したい方へ
在留資格・許認可など、行政手続について状況をお聞かせください。
登録の有効期間は5年で、引き続き登録を受けるには、有効期間満了日の90日前から30日前までに更新の申請を行います(第3条第2項)。更新しなければ期間満了で効力を失います。新規登録の際には、登録免許税90,000円がかかります。
業務管理者になれる資格の判定や、自社の財産的基礎が基準を満たすかどうかの最終的な判断は、登録行政庁が審査します。行政書士は、オーナーや管理会社の依頼を受けて、登録申請書・添付書類やサブリースの重要事項説明書・契約書面など、書類の作成・提出の代理を行政書士業務の範囲で行います。当事務所は登録の可否を保証しません。
宅建業免許・契約紛争は誰に振るのか?
賃貸住宅管理業の登録は、宅地建物取引業(宅建業)免許とは別の制度です。売買・交換の媒介や代理、貸借の媒介・代理を業として行うには宅建業免許が必要で、これは賃貸住宅管理業の登録では代替できません。四葉行政書士事務所と四葉不動産株式会社は別事業体です。宅建業免許を要する不動産取引そのものは四葉不動産株式会社が宅地建物取引業者として、賃貸住宅管理業やサブリースの登録申請書類の作成・提出代理は四葉行政書士事務所が、それぞれ独立した事業体として別々にご契約のうえ対応します。当事務所は紹介料を受け取りません。
賃貸借契約をめぐる原状回復・家賃滞納・立退きといった個別の紛争や、サブリースの家賃減額をめぐる争いの代理・和解交渉は弁護士、賃貸住宅の所有権・抵当権など不動産登記は司法書士、管理業やサブリースにかかる課税・確定申告は税理士の領域です。これらは四葉行政書士事務所とは独立した事業体で、それぞれ別々にご契約いただきます。当事務所は紹介料を受け取りません。受任の流れは受任の流れ、料金は報酬額表、取扱業務は取扱業務をご覧ください。
よくある質問
Q. 管理戸数が200戸未満でも登録できますか?
A. できます。200戸未満は登録が任意ですが、登録すると賃貸住宅管理業者として法の規制(業務管理者の選任、管理受託契約の重要事項説明、財産の分別管理など)の対象になります。将来200戸以上になる見込みがある場合や、取引先への信頼性を高めたい場合に任意登録が選ばれることがあります。戸数の数え方や自社が登録対象かどうかの最終判断は登録行政庁の運用によります。
Q. サブリースだけをする場合も登録が必要ですか?
A. サブリース(特定転貸事業)自体には、賃貸住宅管理業の登録のような戸数基準の登録制度はありません。ただし、特定転貸事業者・勧誘者は、登録の有無や規模にかかわらず、誇大広告等の禁止(第28条)、不当な勧誘等の禁止(第29条)、締結前の重要事項説明(第30条)、締結時の書面交付(第31条)の規制を受けます。あわせて維持保全などの管理受託が200戸以上になれば、賃貸住宅管理業の登録が別途必要になります。
Q. 業務管理者は誰でもなれますか?
A. いいえ。業務管理者は、管理業務に関し2年以上の実務経験があり、かつ登録試験(賃貸不動産経営管理士試験)に合格した者、又は宅地建物取引士で指定講習を修了した者等に限られます(第12条・施行規則第14条)。営業所・事務所ごとに1人以上を選任する必要があり、他の営業所・事務所との兼任はできません。資格要件を満たすかどうかの最終判断は登録行政庁が審査します。
Q. 登録申請の書類作成は行政書士に頼めますか?
A. 登録申請書や添付書類、サブリースの重要事項説明書・契約書面などの作成・提出代理は、行政書士業務の範囲で行政書士が対応できます。一方、宅建業免許を要する不動産取引そのものは宅地建物取引業者、賃貸借をめぐる紛争の代理は弁護士、登記は司法書士、課税は税理士の領域で、それぞれ独立した事業体として別々にご契約いただきます。当事務所は紹介料を受け取りません。
この記事の出典(一次情報)
- e-Gov法令検索「賃貸住宅の管理業務等の適正化に関する法律」(令和2年法律第60号)第3条・第6条・第12条・第28条・第29条・第30条・第31条・第41条(賃貸住宅管理業の登録制度は令和3年6月15日施行、特定転貸事業者等に関する規制は令和2年12月15日施行)(参照日 2026-09-19)
- e-Gov法令検索「賃貸住宅の管理業務等の適正化に関する法律施行規則」(令和2年国土交通省令第83号)第3条(登録を要しない規模=管理戸数200戸)・第14条(業務管理者の要件)(参照日 2026-09-19)
- 国土交通省「賃貸住宅管理業法ポータルサイト」(登録の有効期間5年・更新は満了日の90日前から30日前まで・管理戸数200戸以上で登録が必要)(参照日 2026-09-19)
- 国土交通省「賃貸住宅管理業法に係る登録申請方法等について」(新規登録の登録免許税90,000円)(参照日 2026-09-19)
本記事は一般的な情報提供であり、個別の登録の要否・可否、業務管理者の資格要件の充足、広告・勧誘が規制に当たるかどうかの判断を保証するものではありません。登録申請書類やサブリースの重要事項説明書・契約書面の作成は行政書士、宅建業免許を要する不動産取引そのものは宅地建物取引業者、賃貸借をめぐる紛争の代理は弁護士、不動産登記は司法書士、課税は税理士が、それぞれ独立した事業体として別々にご契約のうえ対応します。四葉行政書士事務所と四葉不動産株式会社は別事業体です。当事務所は紹介料を受け取りません。個別の判断は、面談のうえ資格者および登録行政庁の審査によります。執筆は浦松 丈二(行政書士・宅地建物取引士)です。
まずは、状況を整理するところから。
四葉行政書士事務所(文京区小日向・東京メトロ丸ノ内線「茗荷谷」駅 徒歩5分)が、要件の整理から書類作成・申請までお手伝いします。
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