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許認可の手続き(行政書士の実務から)

永住許可の申請は要件と書類がどう決まる?帰化との違い(中国・台湾の専門職向け)

旅券と地球儀で表す国際手続のイメージ
浦松 丈二

浦松 丈二

行政書士・宅地建物取引士(四葉行政書士事務所/四葉不動産株式会社)

プロフィール(士業ドットコム)↗

永住許可は、日本国籍を取得する帰化とは違い、いまの国籍を保ったまま在留資格を「永住者」に変える制度です(出入国管理及び難民認定法第22条)。素行善良・独立生計・国益適合の三要件、「永住許可に関するガイドライン」(令和8年10月1日改定・令和9年4月1日以降の申請に適用)が示す原則10年在留と就労等5年以上、納税・公的年金・公的医療保険の保険料の納付や届出義務の履行、身元保証人、高度人材の特例(1年・3年)、2024年改正入管法で新設された永住取消し(入管法第22条の4)、帰化(国籍法第5条)との違い、申請取次と争訟の振り分けを、行政書士の実務から整理しました。

結論(先に要点):永住許可は、日本国籍を取得する帰化とは違い、いまの国籍を保ったまま在留資格を「永住者」に変える制度です。根拠は出入国管理及び難民認定法第22条で、同条が定める三つの要件――素行が善良であること、独立の生計を営むに足りる資産又は技能を有すること、その者の永住が日本国の利益に合すると認められること――に適合する必要があります。「永住許可に関するガイドライン」は、原則として引き続き10年以上日本に在留し、そのうち就労資格又は居住資格をもって5年以上在留していることを求め、さらに納税・公的年金・公的医療保険の保険料の納付、入管法上の届出義務の履行、身元保証人の確保などを審査します。高度人材にはこの10年を1年又は3年に短縮する特例があります。本記事は一般的な情報提供であり、個別の許可可否や提出書類の最終判断は、事情を踏まえて資格者と出入国在留管理庁が行います。永住許可申請の書類作成と申請取次は四葉行政書士事務所(行政書士)が担い、納税証明・所得や社会保険料の整え方は税理士や税務署・年金事務所、不許可処分を争う取消訴訟は弁護士が、それぞれ独立した事業体として別々にご契約のうえ対応します。四葉行政書士事務所と四葉不動産株式会社は別事業体です。当事務所は紹介料を受け取りません。

永住許可は帰化と何が違い、どちらを選ぶべきか?

永住許可と帰化は、どちらも「日本に長く住み続ける」ための制度ですが、法的な性質がまったく違います。永住許可は在留資格の一つである「永住者」への変更で、国籍は本国(中国・台湾など)のままです(出入国管理及び難民認定法第22条)。これに対して帰化は、日本国籍そのものを取得する手続で、根拠は国籍法第5条、窓口は法務局(許可権者は法務大臣)です。

中国本土・台湾の専門職にとって実務上とくに大きいのが、国籍の扱いです。帰化して日本国籍を取得すると、原則として従前の国籍を離脱・喪失することになります。中国は重国籍を認めず、台湾も日本への帰化にあたり国籍を失う(又は離脱手続を要する)のが原則です。本国の国籍・戸籍を保ちたいのであれば永住、日本人として参政権などを得たいのであれば帰化、という大きな分かれ目になります。

項目永住許可帰化
性質在留資格を「永住者」に変更日本国籍を取得
本国の国籍保持できる原則として失う
根拠入管法第22条国籍法第5条
窓口出入国在留管理庁(地方局)法務局
在留期間・更新在留期間の更新は不要国民なので在留管理の対象外

どちらを選ぶかは、本国との往来や資産、家族の状況によって変わる個別判断です。帰化の要件は帰化の要件と国籍法(中国・台湾出身の方向け)で整理しています。なお、「永住者」の在留資格で日本に居住しながら会社を経営する道については、経営・管理の在留資格と会社設立(中国の起業家向け)も参考になります。

在留年数・就労年数・独立生計の要件はどう数えるのか?

永住許可の法律上の要件は、入管法第22条第2項が定める次の三つです。配偶者・子など一部の身分の方は①②が免除される場合があります。

  1. 素行が善良であること
  2. 独立の生計を営むに足りる資産又は技能を有すること
  3. その者の永住が日本国の利益に合すると認められること

このうち③の「日本国の利益に合する(国益適合)」を具体化したのが「永住許可に関するガイドライン」で、在留年数の目安が示されています。基本は、原則として引き続き10年以上日本に在留していること、そしてそのうち就労資格又は居住資格をもって5年以上在留していることです。「引き続き」なので、長期の出国などで在留が途切れると数え直しになることがあります。

区分在留年数の目安
原則引き続き10年以上在留(うち就労・居住資格で5年以上)
高度専門職(70点以上)3年以上の継続在留
高度専門職(80点以上)1年以上の継続在留
日本人・永住者等の配偶者婚姻後一定年数・在留年数(個別の基準による)

②の独立生計は、世帯単位で、公共の負担にならず将来にわたって安定した生活を営めると見込まれるかで見られます。年収や職業の安定性などが問われますが、具体的な金額や評価は年々見直されています。「永住許可に関するガイドライン」は令和8年10月1日に改定され、令和9年4月1日以降の申請に適用されます。日本語能力(B1相当以上)や世帯年収・年金の見込みなど評価要素が加わる方向で見直しが進んでいるため、申請の時点でどの版が適用されるかを含め、必ず最新の公式ガイドラインを確認してください。

納税・年金・健康保険の履行は永住審査でどこまで見られるか?

③の国益適合では、公的義務をきちんと果たしてきたかが重くみられます。具体的には、所得税・住民税などの納税、公的年金(厚生年金・国民年金)の保険料、公的医療保険(健康保険・国民健康保険)の保険料を、期限内に納付してきたかが確認されます。加えて、懲役・禁錮・罰金などの刑に処せられていないこと、入管法上の各種届出義務(住居地や所属機関の届出など)を履行していることも審査されます。

とくに近年は、保険料や税の「納付の遅れ」も厳しくみられる傾向があります。期限後に慌てて納付した履歴があると、評価に影響することがあります。さらに、2024年(令和6年)の改正入管法(令和6年法律第60号)により、永住許可を得た後でも、故意に公租公課を納付しない場合や一定の刑に処された場合などに、永住者の在留資格を取り消せる取消事由が新設されました(入管法第22条の4)。許可を取ることと、取った後も公的義務を履行し続けることの両方が必要になっています。

ここで注意したいのは、所得や納税の「整え方」そのものは税理士・税務署の領域だということです。当事務所は、課税・納税証明書や社会保険料の納付状況を証する資料を集めて申請書類に整えることは支援しますが、節税や申告内容の指南には踏み込みません。年金・医療保険の加入記録の確認は年金事務所や保険者が担います。

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身元保証人と提出書類は何を揃えるのか?

永住許可の申請には、身元保証人が必要です。身元保証人は、日本人又は永住者であることが一般的で、申請人が法令を遵守し公的義務を履行するよう指導・支援する役割を期待されます(法的な連帯債務とは異なりますが、道義的な保証です)。誰に依頼するかは申請前に固めておく必要があります。

主な提出書類の例は次のとおりです。在留資格や家族構成によって異なるため、提出書類一覧表で最新の内容を確認してください。

区分書類の例
身分・在留永住許可申請書、写真、在留カード・パスポート、住民票
職業・収入在職証明書、住民税の課税証明書・納税証明書(直近数年分)
公的義務公的年金・公的医療保険の保険料の納付状況を証する資料
保証身元保証書、身元保証人の職業・収入等を証する資料
その他理由書、高度人材の場合は計算結果通知書やポイント計算書

申請は、住居地を管轄する地方出入国在留管理官署(出入国在留管理庁の地方局・支局)に対して行います。標準処理期間はおおむね4か月とされますが、実際にはこれより長くかかることもあります。許可時には手数料がかかります(最新の金額は公式の案内で確認してください)。

不許可だったとき、申請取次と争訟は誰が担うのか?

永住許可申請の書類作成と、窓口への申請取次は、申請取次の届出をした行政書士(四葉行政書士事務所)が、独立した事業体として担います。申請取次により、原則としてご本人が何度も窓口へ出向かなくても手続を進められます。帰化を選ぶ場合も、国籍法第5条に基づく帰化許可申請の書類作成は行政書士が支援できますが、これは法務局に対する別の手続で、永住許可とは申請先も要件も異なります。

役割分担は次のとおりです。永住許可・帰化許可の申請書類の作成と申請取次は四葉行政書士事務所(行政書士)、所得や納税の整え方・課税納税証明の取得は税理士や税務署、年金・医療保険の加入記録の確認は年金事務所や保険者、そして万一不許可となった場合に処分を争う審査請求・取消訴訟は弁護士が担当します。もし日本で住まいの購入を検討される場合の不動産の売買・仲介は四葉不動産株式会社(宅地建物取引業者)が扱いますが、四葉行政書士事務所と四葉不動産株式会社は別事業体です。

各分野は、それぞれの資格者・事業者と独立した事業体として別々にご契約いただく前提で、当事務所は紹介料を受け取りません。受任の流れは受任の流れ、料金は報酬額表、取扱業務の全体像は許認可・各種申請サービスをご覧ください。個別の許可可否や必要書類の最終判断は、事情を踏まえて資格者と出入国在留管理庁が行います。

よくある質問

Q. 永住と帰化はどちらを選ぶべきですか?
A. 本国の国籍を保ちたいか、日本国籍を取得したいかが大きな分かれ目です。永住は国籍を保ったまま在留資格を「永住者」に変える制度(入管法第22条)で、帰化は日本国籍を取得する制度(国籍法第5条)です。中国本土・台湾は原則として重国籍を認めないため、帰化すると従前の国籍を失います。往来・資産・家族の状況を踏まえた個別判断になります。

Q. 原則10年の在留年数はどう数えますか?
A. 原則として引き続き10年以上日本に在留し、そのうち就労資格又は居住資格をもって5年以上在留していることが目安です(永住許可に関するガイドライン)。「引き続き」なので、長期の出国などで在留が途切れると数え直しになることがあります。高度専門職は、ポイントに応じて3年又は1年に短縮される特例があります。

Q. 税金や年金の支払いが遅れたことがあると不利ですか?
A. 影響し得ます。国益適合の審査では、納税や公的年金・公的医療保険の保険料を期限内に納付してきたかが確認され、納付の遅れも厳しくみられる傾向があります。さらに2024年改正入管法で、永住後も故意に公租公課を納付しない場合などに永住許可を取り消せる取消事由が新設されました(入管法第22条の4)。所得や納税の整え方そのものは税理士・税務署の領域です。

Q. 身元保証人は必ず必要ですか?
A. はい、永住許可の申請には身元保証人が必要です。日本人又は永住者に依頼するのが一般的で、申請人が法令を遵守し公的義務を履行するよう指導・支援する道義的な保証です。法的な連帯債務とは異なりますが、誰に依頼するかは申請前に固めておく必要があります。

この記事の出典(一次情報)

  • e-Gov法令検索「出入国管理及び難民認定法」第22条(永住許可。素行善良・独立生計・国益適合)、第22条の4(在留資格の取消し。令和6年法律第60号による改正)(参照日 2026-10-06)
  • 出入国在留管理庁「永住許可に関するガイドライン」(令和8年10月1日改定。令和9年4月1日以降の申請に適用。原則10年在留・就労等5年以上、公的義務の履行、身元保証人、高度人材の特例)(moj.go.jp/isa。参照日 2026-10-06)
  • 出入国在留管理庁「永住許可申請」提出書類・標準処理期間・申請先(住居地を管轄する地方出入国在留管理官署)(moj.go.jp/isa。参照日 2026-10-06)
  • 出入国在留管理庁「永住許可制度の適正化Q&A」(公租公課の不納付等を理由とする取消事由。入管法第22条の4)(moj.go.jp/isa。参照日 2026-10-06)
  • e-Gov法令検索「国籍法」第5条(帰化の条件)(参照日 2026-10-06)

本記事は一般的な情報提供であり、特定の申請の許可可否、必要書類、審査期間を保証するものではありません。在留年数の数え方、独立生計や国益適合の具体的な評価、日本語能力や世帯年収などの要素、提出書類の細部は、出入国在留管理庁の運用やガイドラインの改定により変わることがあるため、申請の時点でどの版が適用されるかを含め、必ず最新の公式ガイドラインで確認してください。永住許可・帰化許可の申請書類の作成と申請取次は四葉行政書士事務所(行政書士)、所得や納税の整え方・課税納税証明の取得は税理士や税務署、年金・医療保険の加入記録の確認は年金事務所や保険者、不許可処分を争う審査請求・取消訴訟は弁護士、住まいの購入にかかる不動産の売買・仲介は四葉不動産株式会社(宅地建物取引業者)が、それぞれ独立した事業体として別々にご契約のうえ対応します。四葉行政書士事務所と四葉不動産株式会社は別事業体です。当事務所は紹介料を受け取りません。個別の判断は、面談のうえ資格者が行います。執筆は浦松 丈二(行政書士・宅地建物取引士)です。

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