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2026.07.25会社設立とオフィス

宅建業免許と事務所要件|オフィス選びで先に確認すること

浦松 丈二

浦松 丈二

行政書士・宅地建物取引士(四葉行政書士事務所/四葉不動産株式会社)

プロフィール(士業ドットコム)↗

宅地建物取引業の免許では、事務所の独立性・実体と、事務所ごとの専任の宅地建物取引士の設置(宅建業法第3条・第31条の3)が審査されます。契約してから「この間取りでは説明が難しい」とならないよう、オフィス選びの段階で確認する観点を、文京区で宅建業免許を取得して営業する四葉が整理します。

結論(先に要点):宅地建物取引業の免許では、事務所の独立性・実体と、事務所ごとの専任の宅地建物取引士の設置が審査されます。物件を契約してから「この間取りでは独立性の説明が難しい」と分かると、移転からやり直しになりかねません。オフィス探しの段階で免許要件との突合を先に行うのが安全です。物件の確認・紹介は宅地建物取引業者が、免許申請など官公署に提出する書類の作成は行政書士が、それぞれ別契約で担当します。

宅地建物取引業を営むには、宅地建物取引業法(昭和27年法律第176号。e-Gov法令検索)第3条に基づく免許が必要です。また、同法第31条の3は、事務所ごとに専任の宅地建物取引士を置くことを求めています。免許は「人」(専任宅建士・欠格事由)と「場所」(事務所)の両面から審査され、このうち「場所」はオフィス物件を選んだ時点でほぼ決まってしまいます。東京都内のみに事務所を置く場合は東京都知事免許で、申請は東京都住宅政策本部の手引きに沿って準備します。

事務所に求められるもの——実体・独立性・使用権原

一般に、免許審査で「事務所」として認められるためのポイントは次の3点です(具体的な取り扱いは申請先の手引きによります)。

  • 実体があること:継続的に業務を行うことができる施設であること。机・電話など執務の設備が整い、事務所としての形態を備えていることが求められます。
  • 独立性があること:他の法人・個人の事務所や住居部分から独立していること。間仕切りの状況や動線(他社のスペースや居住スペースを通らずに事務所へ入れるか)が見られます。
  • 使用権原があること:賃貸物件の場合、賃貸借契約や貸主の承諾で、事務所としての使用(事業利用)が認められていること。

どのような形態であれば認められるかは、最終的には申請先(東京都など免許権者)の個別判断です。だからこそ、判断材料になる図面・写真・契約条件を契約前に確認しておくことが重要です。

よくつまずく物件パターン

  • 住居兼用で、LDK経由でしか事務室に入れない:居住スペースを通らないと事務室に入れない間取りは、独立性の説明が難しくなります。
  • 同一フロアを他社と共有し、区画が曖昧:間仕切りの高さや区画のしかたによっては、独立した事務所としての説明が難しいことがあります。
  • バーチャルオフィス・シェアオフィス:物理的な専用スペースがない形態は、原則として実体・独立性の説明が難しいとされています(詳しくは姉妹コラム「バーチャルオフィスで会社設立」)。
  • 使用承諾が「住居目的」のまま:貸主が事務所利用を承諾していない物件では、使用権原の説明ができません。契約前に用途の承諾を確認します。

東京都の申請実務——手引きと添付書類

東京都知事免許の申請は、東京都住宅政策本部「宅地建物取引業免許申請の手引」に沿って準備します。事務所については、間取りの分かる平面図や事務所の写真など、実体・独立性を示す資料の提出を求められるのが一般的です。「この間取りで説明できるか」を契約前に手引きと突き合わせておくと、申請段階の手戻りを防げます。様式・必要書類は改定されることがあるため、最新の手引きをご確認ください。

物件と申請を、同じテーブルで

宅建業の開業準備では、物件(オフィス)と免許申請が同時に動きます。四葉では、事務所要件を見据えた物件の確認・紹介・仲介を四葉不動産株式会社(宅地建物取引業)が、免許申請など官公署に提出する書類の作成を併設の四葉行政書士事務所が、それぞれ別契約で受任します(分離受任・紹介料等の授受はありません)。四葉不動産株式会社は、文京区で宅地建物取引業の免許を取得して営業している宅建業者です。自ら免許を取得・維持してきた立場から、「審査で何を見られるか」を踏まえた物件確認の観点をお伝えできます。

よくある質問

Q. 自宅の一室で宅建業免許は取れますか?
A. 一般的には、住居部分から独立した事務所スペースを確保できるか(専用の動線・間仕切り)、建物の使用権原として事務所利用が認められるかがポイントになります。間取りによっては認められる場合もありますが、最終的には申請先の個別判断です。図面を用意して、申請前に確認しながら進めることをお勧めします。

Q. シェアオフィスやバーチャルオフィスで免許は取れますか?
A. バーチャルオフィスのように物理的な専用スペースがない形態は、事務所の実体・独立性の説明が難しく、原則として困難とされています。シェアオフィスの場合は、壁で区切られた専用個室で独立性を説明できるかが分かれ目になります。いずれも最終的には申請先の個別判断のため、契約前に窓口へ確認することをお勧めします。

Q. 専任の宅地建物取引士は何人必要ですか?
A. 宅地建物取引業法第31条の3により、事務所ごとに一定数以上の成年者である専任の宅地建物取引士の設置が必要です。必要な人数は事務所の業務従事者の数に応じて定められているため、開業時の人員体制の計画とあわせて、申請先の最新の手引きでご確認ください。

Q. 物件契約の前に相談できますか?
A. できます。むしろ契約前のご相談が本筋です。候補物件の図面・使用条件と免許要件との突合を含む物件の確認・紹介は四葉不動産株式会社(宅地建物取引業)が、免許申請など官公署に提出する書類の作成は併設の四葉行政書士事務所が、それぞれ別契約で受任します(紹介料等の授受はありません)。

この記事の出典(一次情報)

※要件の具体的な運用・必要書類は改定されることがあります。着手前に必ず申請先(東京都など)の最新の手引き・窓口でご確認ください。本記事は一般的な情報提供であり、個別の免許の可否判断を保証するものではありません。

この記事の執筆者

浦松 丈二(うらまつ・じょうじ)——行政書士(登録番号 第25087022号)・宅地建物取引士(東京都知事登録 第293544号)。四葉行政書士事務所 代表/四葉不動産株式会社 代表取締役(宅地建物取引業 東京都知事(1)第113304号)。元毎日新聞記者・中国総局長。東京都文京区小日向・茗荷谷駅徒歩約5分。物件(不動産)と許認可の申請書類(行政手続)を同じテーブルで確認します。専門外の場面は連携する専門家をご案内します。

姉妹コラム「建設業許可と営業所要件」「バーチャルオフィスで会社設立」もあわせてご覧ください。会社設立とオフィス選びの全体像は、会社設立とオフィス選びの完全ガイドにまとめています。