倉庫業の登録は物件のどんな要件を満たせば受けられる?施設設備基準と倉庫管理主任者

他人の物品を有償で預かる営業倉庫を業として営むには、倉庫業法第3条の登録が必要です。登録の可否は、預かる物品に応じた倉庫の種類(一類・二類・三類・野積・貯蔵槽・危険品・冷蔵・水面・トランクルーム)ごとの施設設備基準(倉庫業法第6条第1項第4号・同施行規則第3条の4)に物件が適合するかで決まります。倉庫管理主任者の選任要件(同法第11条・施行規則第9条)、既存倉庫の転用時の確認点、登録申請は行政書士・物件選定は不動産・建築確認は建築士・消防は消防署へ振り分ける分離受任を整理しました。
結論(先に要点):他人の物品を有償で預かって保管する「営業倉庫」を業として営むには、倉庫業法(昭和31年法律第121号。以下「倉庫業法」)第3条にもとづく国土交通大臣の登録が必要です。登録できるかどうかは、預かる物品に応じた倉庫の種類(一類・二類・三類・野積・貯蔵槽・危険品・冷蔵・水面・トランクルーム)ごとに定められた施設設備基準に、対象物件が適合するかで決まり、この基準は倉庫業法第6条第1項第4号を根拠に、細目が倉庫業法施行規則第3条の4に置かれています。あわせて、倉庫ごとに倉庫管理主任者を選任しなければなりません(倉庫業法第11条)。本記事は、登録の要否・施設設備基準・倉庫管理主任者・役割分担を整理する一般的な情報提供であり、個別の物件が登録基準に適合するかどうかは判断しません。
倉庫業の登録が必要になるのはどんな保管ですか
倉庫業とは、寄託を受けた物品の倉庫における保管を行う営業をいい、これを営むには倉庫業法第3条により国土交通大臣(実務上の窓口は各地方運輸局)の登録を受けなければなりません。無登録での営業には罰則があります。判断の軸は「他人の物品を有償で預かり、保管の責任を負うか」です。
| 区分 | 登録の要否 | 例 |
|---|---|---|
| 営業倉庫(寄託を受けて保管) | 必要 | 荷主から料金を得て物品を預かり保管する |
| 自家用倉庫(自社の物品を保管) | 不要 | 自社の製品・原材料を自社の倉庫で保管する |
| スペースの賃貸(貸倉庫・貸コンテナ等) | 倉庫業に当たらないことが多い | 場所を貸すだけで、預かった物品の保管責任を負わない |
すでにある倉庫を「営業倉庫」として登録し直す場合も、新たに営業倉庫を始める場合も、手続の枠組みは同じです。既存倉庫を営業倉庫に転用するときは、建物が下記の施設設備基準を満たすか、用途地域や建築基準法・消防法の面で営業倉庫として使えるかを、契約や着工の前に確認しておくことが要点になります。四葉行政書士事務所は、行政書士業務の範囲で、登録の要否確認・要件整理・申請書類(倉庫業法第4条の登録申請書)の作成・申請の代理を支援します。個別の登録の可否は地方運輸局の審査によります。
施設設備基準は倉庫の種類でどう変わりますか
営業倉庫の施設設備基準は、倉庫業法第6条第1項第4号(この基準に適合しないと登録が拒否される)を根拠に、倉庫業法施行規則第3条の4で細目が定められています。どの物品をどの倉庫で保管できるかは、同規則第3条の3から第3条の11までと別表で整理されており、倉庫の種類ごとに求められる基準が変わります。
| 倉庫の種類 | 主に保管する物品の例 | 基準の傾向 |
|---|---|---|
| 一類倉庫 | 幅広い一般貨物 | 使用権原・関係法令適合・土地への定着・軸組や外壁や床の強度・防水・防湿・遮熱・耐火または防火・消火器等・防犯・防そ(ねずみ)設備・照明など、最も広い項目 |
| 二類・三類倉庫 | 燃えにくい物品・危険性の低い物品 | 一類の項目の一部(耐火・防火や防湿など)が緩和される |
| 野積倉庫 | 鉱物・木材・自動車など屋外保管に耐える物品 | 周囲の塀・柵、照明、排水など |
| 貯蔵槽倉庫(サイロ・タンク) | ばら状の穀物・液体など | 槽の構造・気密など |
| 危険品倉庫 | 消防法上の危険物・高圧ガスなど | 消防法・建築基準法等の別の規制に適合したうえでの基準 |
| 冷蔵倉庫 | 10度以下で保管する生鮮品・冷凍品など | 一定の温度を保つ構造・設備 |
このように、同じ建物でも「何を預かるか」で必要な種類と基準が変わります。基準への適合は、建物の構造や防火・防水などの性能に関わるため、設計・建築確認申請は建築士・指定確認検査機関、消火設備や危険物の取扱いは消防署・消防設備士の領域です。四葉行政書士事務所とは別事業体の四葉不動産株式会社が、独立した事業体として別契約で、営業倉庫に使える候補物件の用途地域確認・選定・賃貸借を担当します。当事務所は紹介料を受け取りません。
倉庫管理主任者には誰を選任できますか
倉庫業者は、倉庫業法第11条により、倉庫ごとに倉庫管理主任者を選任し、倉庫の管理業務を適正に行わせなければなりません。誰を選任できるかは、倉庫業法施行規則第9条の要件で決まります。
| 選任できる者(いずれかに該当) | 内容 |
|---|---|
| 実務経験(指導監督的) | 倉庫の管理業務に関して2年以上の指導監督的な実務経験を有する者 |
| 実務経験 | 倉庫の管理業務に関して3年以上の実務経験を有する者 |
| 講習修了 | 国土交通大臣の定める倉庫の管理に関する講習を修了した者 |
ご自身のケースについて相談したい方へ
在留資格・許認可など、行政手続について状況をお聞かせください。
ここでいう実務経験は営業倉庫における経験を指し、自家用倉庫での経験は含まれません。倉庫管理主任者は原則として倉庫ごとに置きますが、同一の敷地内にあり機能上一体とみなされる倉庫や、同一の営業所その他の事業所が直接管理・監督している複数の倉庫については、同一の者を選任できます。要件を満たす人が社内にいない場合は、講習の修了によって要件を満たす方法があります。講習の日程・修了の取扱いは、実施機関の最新の案内を確認してください。
物件選びと登録申請はどの専門家に分けますか
営業倉庫の立ち上げは、物件・建築・登録・登記・税務・労務と関わる専門分野が分かれます。担当は次のとおりです。
- 登録の要否確認・要件整理・登録申請書類の作成・申請代理 → 四葉行政書士事務所(行政書士)
- 施設設備基準に適合しうる候補物件の用途地域確認・選定・賃貸借 → 四葉不動産株式会社(宅地建物取引業者)
- 建物の構造設計・建築確認申請・用途変更の確認 → 建築士・指定確認検査機関
- 消火設備・危険物の取扱いなど消防関係の確認 → 消防署・消防設備士
- 会社設立・役員変更などの登記 → 司法書士
- 設備投資や減価償却、消費税などの税務 → 税理士
- 従業員の労働保険・就業規則などの労務 → 社会保険労務士
四葉行政書士事務所と四葉不動産株式会社は別事業体です。各分野は、それぞれの資格者と独立した事業体として別々にご契約いただく前提で、当事務所は紹介料を受け取りません。受任の流れは受任の流れ、料金は報酬額表、取扱業務の全体像は許認可・各種申請サービスをご覧ください。
よくある質問
Q. 自社の商品を保管するだけの倉庫でも登録は必要ですか?
A. 原則として不要です。倉庫業の登録が必要になるのは、寄託を受けて他人の物品を保管する営業倉庫です(倉庫業法第3条)。自社の製品や原材料を自社の倉庫で保管する自家用倉庫は倉庫業に当たりません。ただし、他社から料金を得て物品を預かる形になると営業倉庫に当たり得るため、事業の実態で判断されます。
Q. 貸倉庫やレンタルスペースを貸す事業にも登録が要りますか?
A. 場所を貸すだけで、預かった物品の保管責任を負わない賃貸は、倉庫業に当たらないことが多いです。一方、物品を預かって保管の責任を負う実態があれば営業倉庫に当たり得ます。名称ではなく契約と保管の実態で判断されるため、境界が微妙な場合は事前に地方運輸局へ確認してください。
Q. 既存の建物を営業倉庫として登録できますか?
A. その建物が、預かる物品に応じた倉庫の種類の施設設備基準(倉庫業法第6条第1項第4号、倉庫業法施行規則第3条の4)に適合すれば登録できます。防火・防水・防湿・耐火などの性能や、用途地域・建築基準法・消防法との関係を、契約や改修の前に確認しておくことが要点です。適合するかは審査によります。
Q. 倉庫管理主任者は外部の人でもよいですか?
A. 倉庫業法施行規則第9条の要件(2年以上の指導監督的な実務経験、3年以上の実務経験、または国土交通大臣の定める講習の修了のいずれか)を満たす人であれば選任できます。要件を満たす人が社内にいない場合は、講習の修了で要件を満たす方法があります。営業倉庫での実務経験が対象で、自家用倉庫での経験は含まれません。
この記事の出典(一次情報)
- e-Gov法令検索「倉庫業法」(昭和31年法律第121号)第3条(登録)・第4条(登録の申請)・第6条第1項第4号(施設設備基準への適合)・第11条(倉庫管理主任者)(参照日 2026-09-22)
- e-Gov法令検索「倉庫業法施行規則」(昭和31年運輸省令第59号)第3条の3から第3条の11まで・別表(物品の種類と保管可能な倉庫)・第3条の4(施設設備基準の細目)・第9条(倉庫管理主任者の要件)(参照日 2026-09-22)
- 国土交通省「倉庫業法」(登録制度・倉庫の種類・倉庫管理主任者の概要)(参照日 2026-09-22)
- 国土交通省「営業倉庫の施設設備基準(倉庫業法第6条第1項第4号)」(倉庫の種類別の基準項目一覧)(参照日 2026-09-22)
- 国土交通省「倉庫管理主任者マニュアル」(倉庫業法施行規則第9条の要件・選任の考え方)(参照日 2026-09-22)
本記事は一般的な情報提供であり、個別の物件が施設設備基準に適合するか、登録の可否、倉庫の種類の該当、審査期間を保証するものではありません。登録の可否と審査は地方運輸局が行います。候補物件の用途地域確認・選定・賃貸借は四葉不動産株式会社(宅地建物取引業者)、建物の構造設計・建築確認申請・用途変更の確認は建築士・指定確認検査機関、消火設備や危険物の取扱いは消防署・消防設備士、会社設立・役員変更などの登記は司法書士、設備投資や消費税などの税務は税理士、従業員の労務は社会保険労務士が、それぞれ独立した事業体として別々にご契約のうえ対応します。当事務所は紹介料を受け取りません。個別の判断は、面談のうえ資格者が行います。執筆は浦松 丈二(行政書士・宅地建物取引士)です。
まずは、状況を整理するところから。
四葉行政書士事務所(文京区小日向・東京メトロ丸ノ内線「茗荷谷」駅 徒歩5分)が、要件の整理から書類作成・申請までお手伝いします。
LINEは代表・浦松丈二に直接つながります。24時間受付・順次お返事します。
東京メトロ丸ノ内線「茗荷谷」駅 徒歩5分|火・水 10:00〜19:00/月・木・金・土・日 18:00〜19:00
