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許認可の手続き(行政書士の実務から)

探偵業を始めるには?探偵業法の届出・営業所の要件・欠格事由を行政書士が解説

窓口カウンターに置かれた申請書の束を描いた水彩イラスト
浦松 丈二

浦松 丈二

行政書士・宅地建物取引士(四葉行政書士事務所/四葉不動産株式会社)

プロフィール(士業ドットコム)↗

探偵業は許可制ではなく届出制です。探偵業の業務の適正化に関する法律(探偵業法)第4条により、営業開始の前日までに営業所ごとに公安委員会へ(管轄警察署の防犯係を経由して)届出書を提出し、手数料はかかりません。かつての探偵業届出証明書は2024年(令和6年)4月1日施行の改正で廃止され、標識の掲示に変わりました(第12条)。第3条の欠格事由、第5条の名義貸しの禁止、第8条の重要事項の説明・書面交付、無届営業・名義貸しの罰則(6月以下の拘禁刑又は30万円以下の罰金)、届出=行政書士/違法・紛争=弁護士/営業所の物件=別事業体の不動産という分離受任を、行政書士の実務から整理しました。

結論(先に要点):探偵業は許可制ではなく届出制です。探偵業の業務の適正化に関する法律(探偵業法)第4条により、営業を開始する前日までに、営業所ごとに、その営業所の所在地を管轄する公安委員会へ(管轄警察署の防犯係を経由して)探偵業開始届出書を提出します。届出手数料はかかりません。かつて交付されていた探偵業届出証明書は2024年(令和6年)4月1日施行の改正で廃止され、代わりに届出をしたことを示す標識を営業所に掲示します(第12条)。届出ができない欠格事由は第3条に定められ、破産手続開始の決定を受けて復権を得ない者、拘禁刑以上の刑などを受けて執行終了等から5年を経過しない者、暴力団員等、法人では役員に該当者がいる場合などが該当します。自己の名義で他人に探偵業を営ませる名義貸しは第5条で禁止され、無届営業・名義貸しには6月以下の拘禁刑又は30万円以下の罰金が定められています。本記事は一般的な情報提供で、個別の届出が受理されるかの最終判断をするものではありません。四葉グループの行政書士は、探偵業開始届出書の作成・公安委員会への提出の支援を、独立した事業体として担います。調査に伴う名誉毀損・プライバシー侵害やストーカー規制法違反など違法・紛争の領域は弁護士、営業所にする物件探し・賃貸借は別事業体である不動産業者(当社)の領域で、それぞれ別々にご契約いただきます。当事務所は各専門家から紹介料を受け取りません。

探偵業は許可制か届出制か、始める前に何を出す必要があるのか?

探偵業は、許可を受けてから始める「許可制」ではなく、営業を始める前に届け出る「届出制」です。探偵業の業務の適正化に関する法律(探偵業法。平成18年法律第60号、2007年〔平成19年〕6月1日施行)第4条は、探偵業を営もうとする者は、営業を開始する前日までに、営業所ごとに、その営業所の所在地を管轄する公安委員会に届出書を提出しなければならないと定めています。実務上は、営業所を管轄する警察署の防犯係を経由して提出します。

項目内容(探偵業法)
制度届出制(許可制ではない)
届出先営業所の所在地を管轄する公安委員会(管轄警察署の防犯係を経由)
時期営業を開始する前日まで(第4条第1項)
単位営業所ごと
手数料なし
名義貸し禁止(第5条)

ここでいう「探偵業務」とは、他人の依頼を受けて、特定人の所在又は行動についての情報を収集することを目的に、面接による聞込み・尾行・張込みその他これらに類する方法により実地の調査を行い、その結果を依頼者に報告する業務をいいます(第2条第1項)。もっぱら報道機関の報道の用に供する目的の依頼を受けて行うものは、探偵業から除かれます(第2条第2項)。届出書の作成・提出の支援は、当事務所の許認可業務のご案内でも扱っています。

探偵業の届出ができない『欠格事由』にはどんなものがあるのか?

探偵業法第3条は、次のいずれかに該当する者は探偵業を営んではならないとして、欠格事由を定めています。届出の前に、自分(法人では役員)が該当しないかを確認します。

号欠格事由(第3条)
第1号破産手続開始の決定を受けて復権を得ない者
第2号拘禁刑以上の刑、又はこの法律の規定に違反して罰金の刑に処せられ、執行を終わり等から5年を経過しない者
第3号最近5年間に第15条の処分(営業停止・廃止命令)に違反した者
第4号暴力団員、又は暴力団員でなくなった日から5年を経過しない者
第5号心身の故障により探偵業務を適正に行うことができない者として内閣府令で定めるもの
第6号営業に関し成年者と同一の能力を有しない未成年者で、法定代理人が第1号〜第5号又は第7号に該当するもの
第7号法人で、役員のうちに第1号〜第5号のいずれかに該当する者があるもの

2022年(令和4年)の刑法等の改正で懲役・禁錮が「拘禁刑」に一本化され、2025年(令和7年)6月1日から施行されたため、条文の表現も「拘禁刑以上の刑」となっています。欠格事由に該当するかどうかの最終的な評価は公安委員会が行う領域で、行政書士が代わって受理を保証するものではありません。

営業所や自宅開業でどんな要件・表示義務があるのか?

探偵業法には、飲食店営業のような建物の構造・設備の基準はありませんが、営業所ごとの届出と、届出をしたことを示す標識の掲示が義務づけられています。従来の探偵業届出証明書は、2024年(令和6年)4月1日施行の改正(届出手続の見直し)で廃止され、事業者自身が作成した標識を営業所の見やすい場所に掲示する方式に変わりました(第12条)。

区分内容
営業所営業所ごとに届出が必要。自宅を営業所とすることも可能(管轄は営業所所在地)
標識届出をしたことを示す標識を営業所の見やすい場所に掲示(旧・届出証明書は廃止)
従業者名簿営業所ごとに備付け(第12条)
教育従業者に探偵業務を適正に行わせるための教育(第11条)

標識には、届出をした公安委員会の名称、届出書の受理番号、届出年月日、商号・名称・氏名、営業所の名称・所在地などを記載します。様式や記載要領は各都道府県警察が示しているため、作成前に管轄の公式ページで最新の内容を確認します。営業所を借りて開業する場合、物件探しや賃貸借契約は別事業体である不動産業者(当社)の領域で、当社の不動産の相談窓口もご利用いただけます。受任の進め方は受任の流れをご覧ください。

重要事項説明書・契約書面で探偵業者に義務づけられていることは?

探偵業者は、依頼者と契約するにあたって、契約前の書面交付と契約後の書面交付の両方が義務づけられています(第8条)。あわせて、調査結果を犯罪や差別などの違法な目的に使用しない旨を依頼者から書面で受け取る必要があります(第7条)。

場面根拠主な記載事項
契約前(重要事項の説明)第8条第1項商号・住所、届出先の公安委員会の名称、守秘に関する事項、業務の内容、委託の有無、対価の概算額と支払時期、契約の解除、資料の処分
契約後(契約内容の明示)第8条第2項担当者氏名・契約年月日、調査の内容・期間・方法、報告の方法・期限、対価の額・支払時期・方法、解除・資料処分の定め
依頼者からの書面第7条調査結果を違法な目的に用いない旨の確認

ご自身のケースについて相談したい方へ

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探偵業務を行うに当たっては、人の生活の平穏を害するなど個人の権利利益を侵害することがないようにしなければならず、他の法令で禁止・制限される行為がこの法律によって許されるわけではありません(第6条)。また、探偵業務の全部・一部を探偵業者以外の者へ委託することは禁止され、調査結果が違法行為に用いられると知ったときは業務を行ってはなりません(第9条)。費用の目安は当事務所の報酬額表で別に定めています。

届出を怠る・名義を貸すとどんな罰則やリスクがあるのか?

届出をしないまま探偵業を営むこと(無届営業)と、自己の名義で他人に探偵業を営ませること(名義貸し)には、罰則が定められています。名義貸しは第5条で明文で禁止されており、無届営業・名義貸しのいずれも、6月以下の拘禁刑又は30万円以下の罰金の対象です(第18条)。

行為根拠罰則
無届で探偵業を営む第4条第1項違反6月以下の拘禁刑又は30万円以下の罰金(第18条)
名義貸し第5条違反6月以下の拘禁刑又は30万円以下の罰金(第18条)
業務実施上の規制違反・虚偽届出等各規定営業停止・廃止命令(第15条)や罰則の対象となりうる

欠格事由の確認を怠って届け出ると、後に処分の対象となるおそれがあります。古物商許可など他の営業と並行する場合は、根拠法と監督官庁が異なるため分けて確認します。古物商は古物商許可の営業所の要件、警備業は警備業の認定の要件・欠格・教育で整理しています。警備業が「認定」であるのに対し、探偵業は「届出」である点が制度の大きな違いです。

調査の適法範囲を超えそうなとき、誰に相談を振り分けるべきか?

探偵業の届出をしていても、尾行・張込み・聞込みが行き過ぎれば、ストーカー行為等の規制等に関する法律(ストーカー規制法)や名誉毀損、プライバシー侵害などに触れるおそれがあります。これらは違法・紛争の領域で、行政書士が扱う範囲ではありません。関係する専門家は、それぞれ独立した事業体として別々にご契約いただくのが基本です。

依頼先主な役割
行政書士(当事務所)探偵業開始届出書の作成・公安委員会への提出の支援、欠格事由の確認の整理
弁護士ストーカー規制法違反・名誉毀損・プライバシー侵害など違法・紛争への対応、法的効果の最終判断
不動産業者(別事業体の当社)営業所にする物件探し・賃貸借契約
公安委員会・警察署届出の受理、標識・名簿などの指導

尾行・張込みなどが適法の範囲を超えそうな業務、依頼そのものが違法目的と疑われる調査は、当事務所では扱いません。当事務所は各専門家と独立した事業体として契約し、相互に紹介料を受け取りません。個別の受理可否や適法性の最終判断は、面談のうえ資格者・公安委員会が行います。

よくある質問

Q. 探偵業は許可を取ってから始めるのですか?
A. いいえ。探偵業は許可制ではなく届出制です。探偵業法第4条により、営業を開始する前日までに、営業所ごとに、その所在地を管轄する公安委員会へ(管轄警察署の防犯係を経由して)届出書を提出します。届出手数料はかかりません。許可の審査を待つ仕組みではありませんが、欠格事由に該当しないことや書面交付などの義務の履行は前提です。

Q. 自宅を営業所にして開業できますか?
A. 営業所ごとに届け出る必要がありますが、自宅を営業所とすること自体は可能です。管轄は営業所の所在地で決まります。届出をしたことを示す標識を営業所の見やすい場所に掲示し、従業者名簿を備える義務があります(第12条)。従来の探偵業届出証明書は2024年(令和6年)4月1日施行の改正で廃止され、標識の掲示に変わりました。

Q. 届出をしないで探偵業を始めると、どうなりますか?
A. 無届で探偵業を営んだ者は、6月以下の拘禁刑又は30万円以下の罰金の対象となります(第18条)。自己の名義で他人に探偵業を営ませる名義貸しも第5条で禁止され、同じ罰則の対象です。届出は営業開始の前日までに済ませる必要があります。

Q. 行政書士はどこまで対応できますか?
A. 行政書士は、探偵業開始届出書の作成と公安委員会への提出の支援、欠格事由の確認の整理などを独立した事業体として担います。尾行・張込みが行き過ぎた場合のストーカー規制法違反や名誉毀損、プライバシー侵害など違法・紛争への対応は弁護士、営業所の物件・賃貸借は別事業体の不動産業者の領域で、それぞれ別々にご契約いただきます。

この記事の出典(一次情報)

  • e-Gov法令検索・警察庁「探偵業の業務の適正化に関する法律」(平成18年法律第60号、2007年〔平成19年〕6月1日施行)第2条(探偵業務・探偵業の定義)・第3条(欠格事由。破産手続開始の決定を受けて復権を得ない者、拘禁刑以上の刑等で執行終了等から5年未経過、暴力団員等、心身の故障、未成年者、法人の役員)・第4条(営業所ごと・営業開始前日までの公安委員会への届出)・第5条(名義貸しの禁止)・第6条(探偵業務の実施の原則)・第7条(依頼者からの書面の受領)・第8条(契約前の重要事項の説明・書面交付、契約後の書面交付)・第9条(委託の制限)・第12条(従業者名簿・標識)・第18条(無届営業・名義貸しの罰則=6月以下の拘禁刑又は30万円以下の罰金)(参照日 2026-10-17)
  • 各都道府県警察「探偵業法の一部改正について」(2024年〔令和6年〕4月1日施行。探偵業届出証明書〔旧・第4条第3項の書面〕の廃止と標識掲示への移行、標識の記載事項・様式、届出は営業開始前日までに営業所管轄の警察署防犯係を経由、届出手数料なし)(参照日 2026-10-17)
  • e-Gov法令検索・警察庁「ストーカー行為等の規制等に関する法律」(調査が適法の範囲を超える場合に関係しうる法令。個別の適否は弁護士・捜査機関の領域)(参照日 2026-10-17)

本記事は一般的な情報提供であり、個別の届出が受理されるか、個別の調査が適法かといった最終判断をするものではありません。探偵業は届出制で、欠格事由の確認や書面交付などの義務があります。探偵業開始届出書の作成・公安委員会への提出の支援は四葉グループの行政書士が独立した事業体として担い、ストーカー規制法違反・名誉毀損・プライバシー侵害など違法・紛争への対応は弁護士、営業所にする物件探し・賃貸借は別事業体である四葉不動産株式会社が、それぞれ別々にご契約のうえ対応します。当事務所は紹介料を受け取りません。尾行・張込み等が適法の範囲を逸脱する業務や違法目的が疑われる依頼は扱いません。個別の判断は、面談のうえ資格者・公安委員会が行います。執筆は浦松 丈二(行政書士・宅地建物取引士)です。

まずは、状況を整理するところから。

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