警備会社を始めるには?認定の要件・欠格事由・教育の全体像

警備業は「許可」ではなく都道府県公安委員会の「認定」で始めます(警備業法第4条)。破産・拘禁刑・暴力団関係などの欠格事由(同第3条)に該当しないこと、営業所ごと・警備業務の区分ごとに警備員指導教育責任者を選任できること(同第22条)が前提です。警備員には新任教育(原則20時間以上)・現任教育(年度ごと10時間以上)が義務づけられ(同第21条・施行規則第38条)、無認定営業は100万円以下の罰金の対象(同第57条)。認定の有効期間は5年。認定申請の書類作成は行政書士、採用後の労務は社会保険労務士、営業所物件は不動産へ分離受任で振る分担を、一次資料で整理しました。
結論(先に要点):警備業は「許可」ではなく、都道府県公安委員会の「認定」を受けて始めます(警備業法第4条)。認定の前提として、破産・拘禁刑・暴力団関係などの欠格事由(警備業法第3条)に一つも該当しないこと、営業所ごと・警備業務の区分ごとに警備員指導教育責任者を選任できること(警備業法第22条)が要ります。警備員には新任教育(原則20時間以上)と現任教育(年度ごと10時間以上)が義務づけられ(警備業法第21条・同施行規則第38条)、認定を受けずに営業すると100万円以下の罰金の対象になります(警備業法第57条)。認定の有効期間は5年で、更新が必要です。本記事は一般的な情報提供であり、個別の可否・添付書類・審査期間は所轄警察署(公安委員会)と資格者の判断によります。認定申請の書類作成・代理は四葉行政書士事務所が担い、採用後の労務は社会保険労務士、営業所・待機所の物件は四葉不動産株式会社が、それぞれ独立した事業体として別々にご契約のうえ対応します。
警備業は「許可」ではなく「認定」——始める前に何を満たす必要があるのか?
警備業を営もうとする者は、警備業法第3条各号のいずれにも該当しないことについて、都道府県公安委員会の認定を受けなければなりません(警備業法第4条)。飲食店の営業許可や産業廃棄物収集運搬業の許可と違い、警備業は「認定」という言葉が使われますが、認定を受けずに始められないという点では同じです。認定の申請は、主たる営業所の所在地を管轄する都道府県公安委員会(窓口は所轄警察署)に、認定申請書と添付書類を提出して行います(警備業法第5条)。
警備業務は、警備業法第2条で4つの区分に分けられています。1号は事務所・住宅・興行場・駐車場・遊園地等における盗難等の事故を警戒し防止する施設警備、2号は人や車両が雑踏する場所での負傷等の事故を警戒し防止する雑踏・交通誘導警備、3号は運搬中の現金・貴金属・美術品等に係る盗難等を警戒し防止する運搬警備、4号は人の身体に対する危害の発生をその身辺において警戒し防止する身辺警備(いわゆるボディガード)です。どの区分の警備業務を行うかを認定申請書に記載し、区分ごとに教育や責任者の体制を整えます。
認定の有効期間は、認定を受けた日から起算して5年です。期間満了後も引き続き警備業を営もうとする場合は、有効期間の更新を受ける必要があり、満了日の30日前までに更新の申請をします。うっかり更新を失念して有効期間が切れると、無認定営業になりかねないため、期限の管理が実務上の要になります。
欠格事由(破産・前科・暴力団関係など)はどこまで確認されるのか?
認定の前提となる欠格事由は、警備業法第3条に列挙されています。代表的なものとして、破産手続開始の決定を受けて復権を得ない者、拘禁刑以上の刑に処せられ、又は警備業法の規定に違反して罰金の刑に処せられ、その執行を終わり等の日から5年を経過しない者、最近5年間に警備業法や同法に基づく処分に違反した者、集団的・常習的に暴力的不法行為を行うおそれがある者、暴力団員又は暴力団員でなくなった日から5年を経過しない者、アルコール・麻薬・大麻・あへん・覚醒剤の中毒者、心身の故障により警備業務を適正に行うことができない者、18歳未満の者などが定められています。
法人の場合は、その役員のうちに上記の欠格事由に該当する者があるときも認定を受けられません。つまり、会社として申請するときは、代表者だけでなく取締役など役員全員について欠格事由の有無が確認されます。欠格事由に該当するかどうかは、登記事項証明書・身分証明書・住民票の写し・誓約書などの添付書類と、公安委員会の調査によって審査されます。
どの前科・処分がどの号に当たるか、過去の事情が欠格事由に該当するかどうかの最終的な判断は、事実関係を踏まえた個別判断であり、権利義務や事実証明に関する書類の作成・提出は行政書士が支援しますが、該当性そのものの断定は避け、所轄警察署(公安委員会)の確認によります。刑事事件の帰すう(前科の消滅時期など)にわたる評価は弁護士の領域です。
警備員指導教育責任者は誰が務め、資格はどう取るのか?
警備業者は、営業所ごと、かつ当該営業所で取り扱う警備業務の区分ごとに、警備員指導教育責任者資格者証の交付を受けている者のうちから、警備員指導教育責任者を選任しなければなりません(警備業法第22条第1項)。この責任者は、警備員に対する教育計画の作成や教育の実施、指導・監督の中心を担う役職で、認定の申請時にも氏名・住所を記載します。責任者を選任できると認められないことに相当の理由があると、そもそも認定を受けられません(欠格事由の一つ)。
資格者証は、都道府県公安委員会が行う警備員指導教育責任者講習を修了した者などに交付されます。区分(1号〜4号)ごとに講習・資格者証が分かれているため、施設警備と交通誘導の両方を行う営業所では、それぞれの区分について資格者証を持つ責任者の体制が要ります。同じ営業所で複数区分を扱う場合の兼任の可否や配置の詳細は、所轄の運用に従って確認します。
新任教育・現任教育の時間数と記録の義務はどうなっているのか?
警備業者及び警備員は、警備業務を適正に行うため、警備業務に関する知識・能力の向上に努める義務があり、警備業者は警備員に対し、教育を行うとともに必要な指導・監督をしなければなりません(警備業法第21条)。教育の時間数は警備業法施行規則第38条などに定められています。
| 教育の区分 | 時間数(原則) | 備考 |
|---|---|---|
| 新任教育(未経験の警備員) | 基本教育+業務別教育で合計20時間以上 | 令和元年(2019年)の改正で従来の30時間以上から短縮 |
| 新任教育(当該業務3年以上の経験者など) | 合計7時間以上 | 経験・資格により短縮・免除 |
| 現任教育 | 年度ごとに10時間以上 | 一定の資格保有者は6時間以上に短縮される場合あり |
ご自身のケースについて相談したい方へ
在留資格・許認可など、行政手続について状況をお聞かせください。
教育を行ったときは、教育実施簿などの記録を作成・備え付けて保存する義務があります。時間数や区分は改正で変わることがあり、直近では令和6年(2024年)にも見直しがあったため、実施前に所轄警察署・公安委員会の最新の案内で確認してください。教育の記録が整っていないと、立入検査や指示処分の対象になり得ます。
認定を受けずに警備業務を請け負うと何が起きるのか?
認定の申請をしないで、又は認定に係る通知を受ける前に警備業を営んだ者は、100万円以下の罰金に処せられます(警備業法第57条第1号)。同様に、認定証の有効期間の更新の申請をしないで有効期間満了後も引き続き警備業を営んだ者、警備員指導教育責任者を選任しなかった者も、100万円以下の罰金の対象です(同条各号)。
警備業法違反で罰金の刑を受けると、その執行を終わり等の日から5年を経過するまでは欠格事由に当たり、認定申請ができなくなります。無認定で始めてしまうと、目先の受注のために、その後5年にわたって適法に営業できなくなるおそれがあるということです。「認定の通知を受ける前に業務を始めない」ことが、実務では最初の分岐点になります。
認定・労務・営業所物件を誰に分けて頼むのが安全か?
警備会社の立ち上げは、段階ごとに担当が分かれます。
- 認定申請書・添付書類の作成、公安委員会(所轄警察署)への申請、警備員指導教育責任者に関する書類の整備、機械警備業務開始届出などの各種届出 → 四葉行政書士事務所(行政書士)
- 採用後の労働時間・仮眠時間の取扱い、深夜割増賃金、就業規則、社会保険の手続など労務管理 → 社会保険労務士
- 営業所・待機所・仮眠室となる物件探し、使用権原の確認、賃貸借契約 → 四葉不動産株式会社(宅地建物取引業者)
- 会社の設立登記・役員変更登記 → 司法書士
- 法人税・消費税などの税務 → 税理士
- 従業員との紛争や、欠格事由に関わる刑事事件の評価など権利義務にわたる個別の法的判断 → 弁護士
四葉行政書士事務所は、警備業の認定申請と各種届出の書類作成・代理を、独立した事業体として担います。採用後の労務は社会保険労務士、営業所・待機所の物件は四葉不動産株式会社(宅地建物取引業者)が担当します。四葉行政書士事務所と四葉不動産株式会社は別事業体です。各分野は、それぞれの資格者・事業者と独立した事業体として別々にご契約いただく前提で、当事務所は紹介料を受け取りません。受任の流れは受任の流れ、料金は報酬額表、取扱業務の全体像は許認可・各種申請サービスをご覧ください。個別の認定可否や必要書類の最終判断は、事情を踏まえて資格者と所轄警察署(公安委員会)が行います。
よくある質問
Q. 警備業は「許可」と「認定」のどちらですか?
A. 「認定」です。警備業を営もうとする者は、欠格事由に該当しないことについて都道府県公安委員会の認定を受けなければなりません(警備業法第4条)。申請は主たる営業所の所在地を管轄する公安委員会(窓口は所轄警察署)に行います(警備業法第5条)。認定の有効期間は5年で、満了後も続けるには更新が必要です。
Q. 前に罰金刑を受けたことがあります。認定は受けられませんか?
A. 拘禁刑以上の刑、又は警備業法違反等で罰金の刑に処せられ、その執行を終わり等の日から5年を経過しない者は欠格事由に当たります(警備業法第3条)。どの刑・処分がどの号に当たるか、いつ5年を経過するかは事実関係により異なり、断定はできません。書類の準備は行政書士が支援しますが、該当性の確認は所轄警察署(公安委員会)、刑事事件の評価は弁護士によります。
Q. 警備員指導教育責任者は社長が兼ねてもよいですか?
A. 資格者証の交付を受けている者であれば、役員が務めることも考えられます。責任者は営業所ごと・警備業務の区分ごとに選任が必要で(警備業法第22条第1項)、資格者証は公安委員会の講習を修了した者などに交付されます。複数営業所・複数区分での兼任の可否は所轄の運用によるため、申請前に確認してください。
Q. 認定の通知を待たずに現場に入ってはいけませんか?
A. 認定の申請をしないで、又は認定に係る通知を受ける前に警備業を営むと、100万円以下の罰金の対象です(警備業法第57条第1号)。罰金刑を受けると5年間は欠格事由に当たり認定申請ができなくなるため、通知を受けてから業務を始めるのが安全です。
この記事の出典(一次情報)
- e-Gov法令検索「警備業法」(昭和47年法律第117号)第2条(警備業務の区分)、第3条(認定の欠格事由)、第4条(認定)、第5条(認定の手続・提出先)、第7条(認定の有効期間5年・更新)、第21条(教育)、第22条(警備員指導教育責任者)、第57条(罰則)(参照日 2026-09-25)
- e-Gov法令検索「警備業法施行規則」(昭和58年国家公安委員会規則第1号)第38条ほか(教育の区分と時間数)(参照日 2026-09-25)
- 警視庁「警備業の認定申請」「警備員に対する教育時間」(keishicho.metro.tokyo.lg.jp。新任教育・現任教育の時間数。参照日 2026-09-25)
本記事は一般的な情報提供であり、特定の申請の認定可否、必要書類、審査期間を保証するものではありません。欠格事由への該当性、教育時間・区分の細部、責任者の配置は、所轄警察署(公安委員会)の運用や法改正により異なることがあるため、申請前に最新の案内で確認してください。認定申請と各種届出の書類作成・代理は四葉行政書士事務所(行政書士)、採用後の労務管理は社会保険労務士、営業所・待機所の物件探しと賃貸借は四葉不動産株式会社(宅地建物取引業者)、設立・役員変更などの登記は司法書士、税務は税理士、従業員との紛争や刑事事件にわたる個別の法的判断は弁護士が、それぞれ独立した事業体として別々にご契約のうえ対応します。四葉行政書士事務所と四葉不動産株式会社は別事業体です。当事務所は紹介料を受け取りません。個別の判断は、面談のうえ資格者が行います。執筆は浦松 丈二(行政書士・宅地建物取引士)です。
まずは、状況を整理するところから。
四葉行政書士事務所(文京区小日向・東京メトロ丸ノ内線「茗荷谷」駅 徒歩5分)が、要件の整理から書類作成・申請までお手伝いします。
LINEは代表・浦松丈二に直接つながります。24時間受付・順次お返事します。
東京メトロ丸ノ内線「茗荷谷」駅 徒歩5分|火・水 10:00〜19:00/月・木・金・土・日 18:00〜19:00
