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親なき後の備え —— 障害のある子と、実家をどうするか

親なき後の備えは、まずお住まいの市区町村の障害福祉の相談窓口と、地域の育成会(親の会)に相談するところから始まります。そのうえで、暮らしの場、お金の管理、生活資金、そして実家をどうするかを順番に決めていきます。

親なき後とは、何を指しますか?

親御さんが亡くなったり、介護が必要になったりして、これまでのように障害のあるお子さんを支えられなくなった後の暮らしを指します。備えの中身は、大きく4つに分かれます。

  • 暮らしの場:どこで、誰と暮らすか
  • お金の管理:ご本人に代わって誰が財産を管理し、契約するか
  • 生活資金:日々の暮らしを支えるお金をどう確保するか
  • 実家(不動産):住み続けるのか、貸すのか、売るのか、別の使い方をするのか

このうち最初の3つには、公的な制度と相談窓口があります。4つ目の実家については、制度ではなく個別の判断になります。

まず相談できる公的な窓口・当事者団体はどこですか?

専門家に依頼する前に、まずこちらにご相談ください。いずれも公的機関または当事者団体で、相談は無料または低額です。

  • 市区町村の障害福祉の相談窓口障害福祉全般の総合相談。暮らしの場、サービスの利用、地域にどんな資源があるか。窓口:市区町村の障害福祉担当課、相談支援事業所(基幹相談支援センター等)。名称・設置状況は自治体により異なります。
  • 地域生活支援拠点等緊急時の受け入れ、体験の機会・場、専門的人材の確保など、親なき後を見据えた地域の仕組み。窓口:市区町村(障害者総合支援法に基づく整備)。
  • 成年後見の中核機関・権利擁護センター成年後見制度の入口相談、申立ての進め方。窓口:市区町村、社会福祉協議会。
  • 社会福祉協議会日常生活自立支援事業(福祉サービス利用援助事業)。日常的な金銭管理、書類等の預かり。窓口:市区町村社会福祉協議会。
  • 育成会(親の会)同じ立場のご家族の経験。制度を調べても分からない「実際に使ってみてどうだったか」が聞けます。窓口:全国手をつなぐ育成会連合会、都道府県・市区町村の育成会。

制度は調べれば分かりますが、「実際に使ってみてどうだったか」は、同じ立場のご家族の話にしかありません。専門家へのご相談は、その後で十分に間に合います。

お金と財産の備えには、どんな制度がありますか?

  • 成年後見制度(法定後見・任意後見)判断能力が十分でない方に代わって、家庭裁判所が選んだ人が財産管理や契約を行います。後見・保佐・補助の3類型があります。根拠・運営:民法/家庭裁判所
  • 日常生活自立支援事業福祉サービスの利用援助、日常的な金銭管理、書類等の預かり。成年後見より軽い支援です。根拠・運営:社会福祉法に基づく福祉サービス利用援助事業/市区町村社会福祉協議会
  • 障害者扶養共済制度(しょうがい共済)保護者が加入し、保護者が亡くなるか重度障害となった場合に、1口あたり月額2万円の年金が障害のある方へ終身支給されます(2口まで加入できます)。根拠・運営:都道府県・指定都市の条例/独立行政法人福祉医療機構(WAM)
  • 特定贈与信託ご親族等が信託銀行等に財産を信託し、障害のある方の生活を支える仕組みです。特別障害者の方は6,000万円、特別障害者以外の特定障害者の方は3,000万円を限度に贈与税が非課税となります。根拠・運営:相続税法第21条の4/信託銀行等
  • 民事信託(家族信託)ご家族の間の契約で、財産の管理と承継を設計します。根拠・運営:信託法
  • 遺言誰に何を遺すかを定めます。付言事項でお気持ちを伝えることもできます。根拠・運営:民法

これらは組み合わせて使うものです。どれか一つで完結するものではなく、お子さんの状況、ご家族の構成、財産の中身によって必要な組み合わせは変わります。どれを選ぶかの判断は、面談のうえ資格者が行います。

実家(不動産)は、どう考えればいいですか?

ここが最も個別性の高いところです。正解は一つではありません。判断の材料として、4つの選択肢を並べます。

  • ① ご本人が住み続ける向いているとき:住み慣れた家で暮らせる。ヘルパーや見守りなど、地域の支援体制がある。注意する点:一人暮らしを支える体制が要ります。修繕・固定資産税・各種契約を誰が担うかを決めておく必要があります。
  • ② 賃貸に出して収益にする向いているとき:ご本人が別の場所(グループホーム等)で暮らし、家賃を生活資金に充てたい。注意する点:管理の担い手が要ります。空室・修繕のリスク。収入があることで各種制度に影響が出る場合があります。
  • ③ 売却して現金化する向いているとき:管理の担い手がいない。現金のほうが管理・分割をしやすい。注意する点:一度手放すと戻せません。売却の時期・価格のほか、税の扱いは提携税理士にご確認いただきます。
  • ④ グループホーム等に活用する向いているとき:立地・間取りが適していて、運営を担う事業者がいる。注意する点:用途地域・建築基準・消防への適合が必要です。指定基準を満たせるかは契約前の確認が要点になります。

④について、戸建てや空き家をグループホームに活用できるかは、契約前に指定基準(面積・設備・消防・用途)との適合を確認することが要点です。詳しくはグループホーム開設と物件のご案内をご覧ください。

①〜③の判断には、いま実家がいくらで貸せるのか、いくらで売れるのかという実勢の数字が要ります。数字が分からないまま「残す/手放す」を決めると、後から選び直すことができません。実勢の調査と賃貸・売却・活用の実務は、併設の四葉不動産株式会社(宅地建物取引業)が別契約で承ります。

いつから、どの順番で準備すればいいですか?

  1. 相談窓口・育成会に相談する(現状の整理。ここが最初です)
  2. 暮らしの場を考える(ご本人の希望、体験利用、待機の状況)
  3. お金の管理の方法を決める(後見か、日常生活自立支援事業か、まだ不要か)
  4. 生活資金を手当てする(扶養共済・信託・保険)
  5. 実家の方針を決める(住み続ける/貸す/売る/活用する)
  6. 遺言・信託で形にする

今すぐ全部を決めなければならない、ということはありません。1から順に、親御さんがお元気なうちに少しずつ決めていけるものです。ただし、暮らしの場と生活資金は、決めてから実際に動き出すまでに時間がかかります。

四葉行政書士事務所は、何ができますか?

当事務所がお引き受けできるのは、次の範囲です。

  • 親なき後に関わる選択肢と論点の整理(面談による)
  • 遺言書・民事信託契約書など、書類の作成
  • 成年後見の申立てに必要な書類の作成
  • 障害福祉サービスや制度についての情報提供と、窓口のご案内

官公署に提出する書類の作成は、行政書士の独占業務にあたります(行政書士法第1条の2・第19条)。

一方、次の業務は他の資格者が担当します。

  • 不動産・法人の登記:司法書士
  • 相続税・贈与税の申告と税務相談:税理士
  • 家庭裁判所への申立ての代理、法的紛争の解決、法律判断:弁護士

必要な場合は提携する専門家をご紹介します。紹介料の授受は一切ありません。各専門家とお客様に直接ご契約いただく形をとっています。

このページは一般的な情報提供です。個別のご事情に応じた判断は、面談のうえ資格者が行います。ここに記した制度の適用可否も、ご本人の障害の種別・程度、お住まいの自治体、財産の状況によって変わります。

なぜ当事務所がこの分野に取り組んでいるのかは、代表の署名記事に書きました。なぜ、親なき後に取り組むのか

このページの根拠

  • 障害者扶養共済制度(しょうがい共済)=厚生労働省「障害者扶養共済制度 案内の手引き」、独立行政法人福祉医療機構(WAM)「しょうがい共済制度のごあんない」。1口あたり月額2万円・終身支給の記載を確認(2026年7月25日時点)
  • 特定贈与信託=一般社団法人信託協会「特定贈与信託」。特別障害者6,000万円/特別障害者以外の特定障害者3,000万円を限度に贈与税非課税。根拠=相続税法第21条の4
  • 成年後見制度=厚生労働省「成年後見はやわかり」
  • 日常生活自立支援事業=社会福祉法に基づく福祉サービス利用援助事業
  • 全国手をつなぐ育成会連合会

制度の運用は自治体により異なります。最新の取り扱いは、お住まいの市区町村の窓口でご確認ください。

まずは、状況を整理するところから。

四葉行政書士事務所(文京区小日向・東京メトロ丸ノ内線「茗荷谷」駅 徒歩5分)が、要件の整理から書類作成・申請までお手伝いします。

LINEは代表・浦松丈二に直接つながります。24時間受付・順次お返事します。

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