グループホームの指定基準を満たす物件条件|居室7.43㎡・定員・設備
障害者グループホーム(共同生活援助)の指定を受けるには、居室面積・入居定員・共用設備が指定基準を満たす必要があります。東京都の条例に基づく数値基準を、表で整理して解説します。
結論(先に要点):障害者グループホーム(共同生活援助)の指定を受けるには、物件が**居室面積(原則7.43㎡以上)・入居定員(1住居2人以上10人以下)・共用設備(食堂・台所・便所・浴室等)**の基準を満たす必要があります。基準の根拠は国の省令(平成18年厚生労働省令第171号)と、それに基づき東京都が定める条例(東京都指定障害福祉サービスの事業等の人員、設備及び運営の基準に関する条例平成24年東京都条例第155号)です。数値は改正されるため、着手前に必ず最新の基準を確認してください。
居室の基準
| 項目 | 基準 |
|---|---|
| 面積 | 収納設備を除き、内法で7.43㎡以上 |
| 構造 | 原則個室。他人の居室を通らずに自室へ入退室できる構造 |
| 収納 | 収納設備を別途設置 |
7.43㎡はおおむね4.5畳に相当するといわれますが、建物の形状によっては畳数換算だけで判断できない場合があります。指定基準はあくまで「収納を除く内法7.43㎡以上」という数値基準であることに注意してください。
共同生活住居・ユニットの基準
| 項目 | 基準 |
|---|---|
| 入居定員(1住居あたり) | 原則2人以上10人以下 |
| サテライト型住居 | 1住居1人 |
| ユニット | 5〜9人を1ユニット、1事業所あたり2ユニットが限度 |
| 事業所全体の定員 | 4人以上 |
ユニットとは、入居者の日常生活の場としてまとまりを持つ区画の単位です。1つの事業所に複数のユニットを置く場合、生活に必要な設備(食堂・台所等)は原則としてユニットごとに設置します。住居の形態(戸建て型・アパート型・サテライト型)による基準の当てはめ方の違いは、姉妹コラム「戸建て型・アパート型・サテライト型の物件選びの違い」をご覧ください。
共用設備の基準
指定基準では、居室のほかに次のような共用設備を求めています。
- 食堂・台所(利用者が日常的に利用できるもの)
- 便所・洗面設備
- 浴室
- 消防用設備(詳しくは姉妹コラム「消防設備の要否」)
これらは「あればよい」のではなく、入居者が日常的に安全・衛生的に使える状態であることが求められます。台所・浴室等の衛生管理(清掃・消毒等の体制)も運営基準として確認されます。
国の省令と東京都の条例の関係
グループホームの指定基準は、まず国が障害者総合支援法(平成17年法律第123号)に基づき、指定障害福祉サービスの事業等の人員、設備及び運営に関する基準(平成18年厚生労働省令第171号)で全国共通の基準(参酌基準等)を定めています。その上で、地域主権改革により、都道府県・指定都市・中核市が条例で具体的な基準を定める仕組みになっており、東京都(八王子市を除く)では東京都指定障害福祉サービスの事業等の人員、設備及び運営の基準に関する条例(平成24年東京都条例第155号)が適用されます。**つまり、東京都内で開設する場合は、国の省令だけでなく東京都の条例(および施行規則)を確認する必要があります。**八王子市など中核市は独自に条例を定めている場合があるため、開設地の指定権者に確認してください。
物件と指定申請を、一つの窓口で(四葉の視点)
居室面積・定員・設備の基準は、物件を契約してから直すのが難しい項目です。四葉は四葉不動産(宅地建物取引業)と四葉行政書士事務所(行政書士業務)の両方を持ち、指定基準を見据えた図面確認を物件選びの段階から行います。詳しくは姉妹コラム「物件と指定申請を一つの窓口で」をご覧ください。用途地域を含めた物件探しの基本は姉妹コラム「グループホームに使える物件の探し方」もあわせてご覧ください。
現場の実感(文京区の事業者の例)
文京区で開設を検討していたある事業者の例では、間取り図の居室部分に収納(クローゼット)を含めて7.43㎡を計算していました。指定基準は「収納設備を除く」内法面積のため、実際に使える居室面積は基準を下回っていることが図面の再確認で分かりました。「畳数」や「壁芯面積」ではなく、収納を除いた内法面積で確認する——数値基準は思わぬところで解釈の差が出ます。(個別事情は抽象化しています。可否は物件ごとに異なり、当方が一律に保証するものではありません。)
よくある質問
Q. 居室7.43㎡は絶対の基準ですか?
A. 東京都の条例等に基づく指定基準では、収納設備を除く内法で7.43㎡以上とされています。基準は改正されることがあるため、着手前に指定権者(東京都等)の最新の基準をご確認ください。
Q. 1つの住居に何人まで入居できますか?
A. 共同生活住居の入居定員は原則2人以上10人以下です(サテライト型住居は1人)。ユニットは5〜9人で構成し、1事業所あたり2ユニットが限度とされています。
Q. 東京都の基準と国の基準、どちらを見ればよいですか?
A. 国の省令(平成18年厚生労働省令第171号)が全国共通の基準を定め、東京都はそれに基づき条例(平成24年東京都条例第155号)で具体的な基準を定めています。東京都内(八王子市を除く)で開設する場合は、東京都の条例を確認してください。
Q. 既存の建物の間取りのままで基準を満たせますか?
A. 物件によります。居室の面積・構造、共用設備の有無・配置は物件ごとに異なるため、図面をもとに個別に確認する必要があります。
Q. 台所や浴室は各居室に必要ですか?
A. 一般的なグループホームでは、食堂・台所・浴室は共用設備として設置し、居室は個室として整備する形態が多く見られます。設備の配置は建物の構造によって異なります。
Q. 基準を満たすか、契約前に確認してもらえますか?
A. はい。四葉不動産が図面をもとに居室面積・定員・設備の観点から確認し、四葉行政書士事務所が指定申請を見据えて整理します。契約前のご相談をお勧めします。
この記事の出典(一次情報)
- e-Gov法令検索「障害者の日常生活及び社会生活を総合的に支援するための法律」(平成17年法律第123号)
- e-Gov法令検索「指定障害福祉サービスの事業等の人員、設備及び運営に関する基準」(平成18年厚生労働省令第171号)
- 東京都例規集「東京都指定障害福祉サービスの事業等の人員、設備及び運営の基準に関する条例」(平成24年東京都条例第155号)
- 東京都例規集「東京都指定障害福祉サービスの事業等の人員、設備及び運営の基準に関する条例施行規則」
※基準は改正されます。数値・要件は着手前に必ず指定権者(東京都等)の窓口で最新の内容をご確認ください。本記事は一般的な情報提供であり、個別の可否判断・効果を保証するものではありません。
この記事の執筆者
浦松 丈二(うらまつ・じょうじ)——行政書士(登録番号 第25087022号)・宅地建物取引士(東京都知事登録 第293544号)。四葉行政書士事務所 代表/四葉不動産株式会社 代表取締役(宅地建物取引業 東京都知事(1)第113304号)。元毎日新聞記者・中国総局長。東京都文京区小日向・茗荷谷駅徒歩約5分。物件(不動産)と指定申請(行政手続)を一つの窓口で。
開設の流れ全体は「グループホーム開設の流れ【東京都・文京区版】」、全体像は開設の完全ガイド(物件と指定申請)をご覧ください。
