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許認可の手続き(行政書士の実務から)

軽貨物の2025年安全規制強化|貨物軽自動車安全管理者の選任義務と業務記録

足場のある建設現場と小型トラック、ヘルメットの水彩イラスト
浦松 丈二

浦松 丈二

行政書士・宅地建物取引士(四葉行政書士事務所/四葉不動産株式会社)

プロフィール(士業ドットコム)↗

軽貨物(貨物軽自動車運送事業)は2024年改正(令和6年法律第23号)で安全規制が強化され、貨物軽自動車安全管理者の選任が義務化されました(貨物自動車運送事業法第36条の2)。事業者規制は令和7年4月1日施行で、四輪以上の軽自動車で運送する事業者は営業所ごとに1人を選任・講習修了・国土交通大臣へ届出し、業務記録(1年保存)・事故記録・事故報告も義務に。既存事業者は令和9年3月までの猶予、選任できる者、労働時間・改善基準告示(社労士)との分離受任を整理します。

結論(先に要点):軽貨物(貨物軽自動車運送事業)は、2024年の法改正(流通業務の総合化及び効率化の促進に関する法律及び貨物自動車運送事業法の一部を改正する法律=令和6年法律第23号)で安全規制が強化され、貨物軽自動車運送事業者に「貨物軽自動車安全管理者」の選任が義務づけられました。根拠は貨物自動車運送事業法第36条の2です。事業者に対する規制は令和7年(2025年)4月1日施行で、四輪以上の軽自動車で貨物を運送する事業者は、営業所ごとに1人の安全管理者を選任し、登録講習機関の貨物軽自動車安全管理者講習を修了させ、国土交通大臣へ選任を届け出ます。あわせて業務記録・事故記録の作成保存と事故報告が省令で義務づけられました。当方(行政書士)は経営の届出と選任の届出書類の作成・提出を担当します。選任後の労働時間の管理や改善基準告示(自動車運転者の労働時間等の改善基準)の順守など労務体制の整備は社会保険労務士へ、運転免許や行政処分に関わる事項は所管の公安委員会・弁護士へ、それぞれ独立した事業体として別々にご契約いただく前提で分けて振ります。営業所・車庫など物件の賃貸は別事業体の四葉不動産株式会社が担当します。本記事は一般的な情報提供であり、個別の選任の要否や届出の受理を保証するものではありません。制度は施行後の運用で細部が変わることがあるため、届出直前に所管の運輸支局と公式資料で確認します。当事務所は紹介料を受け取りません。

2025年4月から軽貨物の安全規制は何が変わったのか?

軽貨物(貨物軽自動車運送事業)は、宅配・ラストワンマイルの担い手として台数が急増する一方で事故が増えたことを背景に、安全対策が強化されました。改正法は令和6年法律第23号(公布は令和6年5月15日)で、関係する省令(貨物自動車運送事業輸送安全規則の改正、自動車事故報告規則等の一部を改正する省令)は令和6年10月1日に公布されています。施行は段階的で、講習機関の登録に関する部分が令和6年11月1日、貨物軽自動車運送事業者に対する規制(安全管理者の選任・業務記録など)が令和7年4月1日です。

改正で事業者に新たに生じる主な義務は、次のとおりです。いずれも省令が細部を定めるため、様式・保存場所などは届出直前に公式資料で確認します。

新しい義務内容対象から外れる例
貨物軽自動車安全管理者の選任営業所ごとに1人を選任し、講習を修了させる(貨物自動車運送事業法第36条の2)二輪の自動車のみで運送する事業者(いわゆるバイク便)
業務記録の作成・保存毎日の業務の開始・終了地点、従事した距離などを記録し1年間保存二輪のみの事業者
事故記録の作成・保存事故の概要・原因・再発防止対策などを記録し保存—
事故報告一定規模以上の事故を運輸支局等を通じて国土交通大臣へ報告—
運転者への指導監督・適性診断事故惹起運転者・初任運転者・高齢運転者への特別な指導と適性診断、運転者等台帳の備付け二輪のみの事業者

ここで扱うのは、2024年改正で新しく加わった安全規制です。軽貨物の事業そのものを始める経営の届出の手続は軽貨物(貨物軽自動車運送事業)の経営届出で、台数が増えて一般貨物自動車運送事業(緑ナンバー)へ移る場合は一般貨物自動車運送事業の許可と営業所・車庫の要件で別に整理しています。荷主から運送を請け負う利用運送の登録・許可は貨物利用運送事業(第一種・第二種)の登録と許可をあわせてご覧ください。

貨物軽自動車安全管理者は誰を選任し、いつまでに届け出るのか?

貨物自動車運送事業法第36条の2は、四輪以上の軽自動車で貨物を運送する貨物軽自動車運送事業者に対し、経営の届出をした後速やかに、営業所ごとに1人の貨物軽自動車安全管理者を選任することを求めています。一人で事業を営んでいる場合でも、その人自身が要件を満たして選任される必要があります(二輪のみのバイク便は対象外です)。

選任できるのは、次のいずれかに当たる者です。

選任できる者要件
講習修了者登録講習機関が実施する貨物軽自動車安全管理者講習を、選任日前2年以内に修了した者
定期講習まで修了した者上記の講習を修了し、さらに貨物軽自動車安全管理者定期講習を選任日前2年以内に修了した者
運行管理者一般貨物自動車運送事業・特定貨物自動車運送事業もあわせて営む場合で、その営業所の運行管理者に選任されている者

選任したとき(および解任したとき)は、国土交通省令の定めに従い、遅滞なく安全管理者の氏名などを国土交通大臣に届け出ます。実際の窓口は管轄の運輸支局で、選任届には選任日前2年以内に修了した講習の修了証明書などを添付します。選任後は、運行管理者を兼ねる者を除き、2年ごとに定期講習を受けさせる必要があります。費用・納付期限・講習日程は講習機関と運輸支局の公式案内で確認します。

どんな記録・報告が新たに必要になるのか?

安全管理者の選任とあわせて、日々の運行と事故に関する記録・報告が義務づけられました。これらは貨物自動車運送事業輸送安全規則など省令が細部を定めるため、様式・保存方法は公式資料で確認します。

  • 業務記録:毎日の業務の開始地点・終了地点、業務に従事した距離などを記録し、1年間保存します。
  • 事故記録:事故の概要、原因、再発防止対策などを記録し保存します(保存期間は省令の定めによります。国土交通省の案内では事故記録は3年間とされています)。
  • 事故報告:死傷者を生じた事故など一定規模以上の事故について、運輸支局等を通じて国土交通大臣へ報告します。
  • 運転者への指導監督・適性診断:事故惹起運転者・初任運転者・高齢運転者に対する特別な指導と適性診断の受診を行い、貨物軽自動車運転者等台帳を作成して営業所に備え置きます。

記録は「作って終わり」ではなく、安全管理者がそれを使って運行の安全を確保することが制度の目的です。業務記録は労働時間の管理とも関係しますが、記録の作成・保存は運送事業の安全規制の側の義務で、労働時間そのものの管理は後述のとおり労務の体制の問題です。

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すでに営業している事業者は何をすればよいのか?

既に軽貨物を営んでいる事業者には、安全管理者の選任について経過措置(猶予期間)があります。令和7年3月末までに貨物軽自動車運送事業の経営届出を行っていた事業者は、施行後2年の猶予が設けられ、令和9年(2027年)3月までに安全管理者を選任すればよいとされています。一方、令和7年4月以降に経営届出を行う事業者には猶予期間がなく、事業の開始までに速やかに選任します。運転者への指導監督・適性診断や運転者等台帳の整備については、施行後3年の猶予が設けられています。

事業者の区分安全管理者の選任の期限
令和7年3月末までに経営届出をした既存事業者令和9年(2027年)3月までに選任
令和7年4月以降に経営届出をする事業者事業の開始までに速やかに選任

猶予があるからといって講習の受講を後回しにすると、修了は選任日前2年以内である必要があるため、講習の予約が取りにくい時期に重なると選任が間に合わないおそれがあります。既存事業者も、早めに講習日程を押さえ、業務記録の様式を整えておくのが安全です。各手続の全体像と当方が担当する範囲は取扱業務、受任の流れは受任の流れで確認できます。

届出と労務の体制は誰が担当するのか?

軽貨物の安全規制強化への対応は、「行政への届出」と「社内の労務体制」の二つが重なります。専門分野が分かれるため、それぞれ独立した事業体として別々にご契約いただく前提で分けて振ります。

  • 経営の届出、変更の届出、貨物軽自動車安全管理者の選任の届出書類の作成・提出 → 行政書士(当方。行政書士法第1条の3)
  • 労働時間の管理、改善基準告示(自動車運転者の労働時間等の改善基準)に沿った勤務体制や拘束時間・休息期間の設計、就業規則、社会保険・労働保険の手続 → 社会保険労務士(別事業体)
  • 運転免許の区分・適性、行政処分(運転免許の停止・取消し)に関わる個別の判断や争い → 所管の公安委員会、弁護士
  • 営業所・車庫など事業用物件の賃貸 → 宅地建物取引業者(別事業体の四葉不動産株式会社)

行政書士が担当するのは、届出書類の作成・提出と、各専門家へ渡す資料の整理です。労働時間や改善基準告示の適合判断、個別の法的な見通しの断定はしません。トラック・バス・タクシーで外国人ドライバーを受け入れる場合の労務や在留資格は、社会保険労務士・申請取次行政書士の担当領域とも重なります。料金は報酬額表をご覧ください。一つの窓口でご相談を受けて各専門家へ整理してお渡しすることはできますが、受任は分かれます。当事務所は紹介料を受け取りません。

よくある質問

Q. 一人で軽貨物をやっている場合も、安全管理者を選任しなければなりませんか?
A. はい。四輪以上の軽自動車で貨物を運送する事業者は、一人で営んでいる場合でも、その人自身が講習を修了して営業所ごとに安全管理者として選任される必要があります。対象から外れるのは二輪の自動車のみで運送する事業者(いわゆるバイク便)です。詳細は届出直前に運輸支局の案内で確認します。

Q. いつまでに安全管理者を選任すればよいですか?
A. 令和7年3月末までに経営届出をしていた既存事業者には施行後2年の猶予があり、令和9年(2027年)3月までに選任すればよいとされています。令和7年4月以降に経営届出をする事業者には猶予がなく、事業の開始までに速やかに選任します。講習の修了は選任日前2年以内である必要があるため、早めの受講をおすすめします。

Q. 業務記録や事故記録はどのくらい保存するのですか?
A. 業務記録は毎日の業務の開始・終了地点や従事距離などを記録して1年間保存します。事故記録は事故の概要・原因・再発防止対策などを記録して保存します(国土交通省の案内では3年間とされています)。様式や保存方法は貨物自動車運送事業輸送安全規則などの省令が定めるため、公式資料で確認します。

Q. 届出から労働時間の管理まで、一つの事務所にまとめて頼めますか?
A. 経営の届出・安全管理者の選任の届出は行政書士(当方)、労働時間の管理や改善基準告示に沿った勤務体制・就業規則・社会保険の手続は社会保険労務士が担当し、それぞれ独立した事業体として別々にご契約いただきます。一つの窓口でご相談を受けて各専門家へ整理してお渡しすることはできますが、受任は分かれます。当事務所は紹介料を受け取りません。

この記事の出典(一次情報)

  • e-Gov法令検索「貨物自動車運送事業法」第36条の2(貨物軽自動車安全管理者の選任等=四輪以上の軽自動車での運送事業者に営業所ごと1人の選任義務、第1項の選任できる者〔講習修了者・定期講習修了者・運行管理者〕、第2項の選任・解任の届出、第3項の定期講習)(参照日 2026-10-22)
  • 国土交通省「貨物軽自動車運送事業の安全対策の制度改正について」(改正法=流通業務の総合化及び効率化の促進に関する法律及び貨物自動車運送事業法の一部を改正する法律〔令和6年法律第23号・公布 令和6年5月15日〕、省令の公布 令和6年10月1日、施行=講習機関登録関係は令和6年11月1日・事業者規制関係は令和7年4月1日、業務記録の作成と1年間の保存、事故記録の作成・保存〔3年間〕、事故報告、運転者への指導監督・適性診断と運転者等台帳、二輪のバイク便の除外)(参照日 2026-10-22)
  • 国土交通省・各運輸局「貨物軽自動車安全管理者の選任等」案内(選任届の添付書類=選任日前2年以内に修了した講習の修了証明書、届出先は管轄の運輸支局、一人の事業者も対象、経過措置=令和7年3月末までに経営届出をした既存事業者は令和9年3月までに選任・運転者等台帳等は施行後3年猶予)(参照日 2026-10-22)
  • 厚生労働省「自動車運転者の労働時間等の改善基準」(改善基準告示。令和6年〔2024年〕4月1日適用の拘束時間・休息期間等の見直し。労務体制の整備は社会保険労務士の領域)(参照日 2026-10-22)

本記事は一般的な情報提供であり、個別の選任の要否、届出の受理、事故報告の要否、記録の保存期間の具体を保証するものではありません。制度は施行後の運用や省令改正で細部が変わることがあるため、届出直前に所管の運輸支局と公式資料で確認します。経営の届出・安全管理者の選任の届出は行政書士(当方)、労働時間の管理や改善基準告示に沿った体制整備は社会保険労務士が、それぞれ独立した事業体として別々にご契約のうえ対応します。営業所・車庫など物件の賃貸は別事業体の四葉不動産株式会社が担当し、当事務所は紹介料を受け取りません。執筆は浦松 丈二(行政書士・宅地建物取引士)です。

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