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2026.09.07許認可の手続き(行政書士の実務から)

建設業許可を取るには何が要るか──経営業務の管理責任者・専任技術者・財産的基礎

浦松 丈二

浦松 丈二

行政書士・宅地建物取引士(四葉行政書士事務所/四葉不動産株式会社)

プロフィール(士業ドットコム)↗

建設業で500万円以上の工事を請けたい、元請や取引先から許可取得を求められた──そんなときに要る建設業許可の要件を整理します。軽微な建設工事との線引き(建設業法施行令第1条の2)、経営業務の管理責任者・専任技術者・財産的基礎・欠格要件(建設業法第7条・第8条)、知事許可と大臣許可、一般建設業と特定建設業の下請金額(2023年1月引上げの4,500万円・建築一式7,000万円)を条文とともに示し、許可申請は行政書士、社会保険の体制は社会保険労務士、登記は司法書士へ分離受任で振る分担をまとめました。

結論(先に要点):建設業を営もうとする者は、建設業法第3条第1項にもとづき許可を受けなければなりません。ただし、政令で定める「軽微な建設工事」だけを請け負う場合は許可が要りません。許可を受けるには、経営業務の管理責任者、営業所ごとの専任技術者、誠実性、財産的基礎という許可基準(建設業法第7条・特定建設業は第15条)を満たし、建設業法第8条の欠格要件に当たらないことが必要です。本記事は、許可が必要になる工事の線引き、経営業務の管理責任者・専任技術者・財産的基礎・欠格要件、知事許可と大臣許可、一般建設業と特定建設業の違い、そして行政書士・社会保険労務士・司法書士の分担を整理する一般的な情報提供であり、個別の許可の可否や要件充足の当否は判断しません。

建設業許可はどんな工事で必要になるのか(軽微な工事との線引き)?

建設業許可は、請け負う工事の規模で要否が分かれます。政令で定める「軽微な建設工事」だけを請け負うのであれば、許可は要りません(建設業法第3条第1項ただし書、建設業法施行令第1条の2)。

工事の種類軽微な建設工事(許可不要)の範囲
建築一式工事1件の請負代金が1,500万円未満の工事、又は延べ面積150㎡未満の木造住宅工事
建築一式工事以外の建設工事1件の請負代金が500万円未満の工事

請負代金は消費税・地方消費税を含めた額で判断します。また、1件の工事を正当な理由なく2以上の契約に分割したときは、各契約の請負代金を合算して判定します。分割して500万円未満に見せることはできません。元請や取引先から許可の取得を求められるのは、これらの金額を超える工事を継続して請け負う体制を整えるためです。四葉行政書士事務所では、行政書士業務の範囲で、許可の要否の確認、要件の整理、申請書類の作成、申請の代理を支援します。

『経営業務の管理責任者』の要件は何か?

経営業務の管理責任者(経管)は、建設業の経営を適正に行うために置く常勤役員等です。建設業法第7条第1号は、適正に経営業務の管理を行うに足りる能力を有する者として国土交通省令で定める基準に適合することを求めています。

代表的な認められ方は、建設業に関し5年以上、役員等として経営業務を管理した経験があることです。2020年(令和2年)10月1日施行の改正で、常勤役員等の一人を補佐する体制(財務・労務・業務運営の経験者を置く形)でも基準を満たせるようになりました。経験の内容は、確認資料(登記事項証明書、契約書、確定申告書など)で裏づける必要があります。

『専任技術者』に必要な資格・実務経験は何か?

専任技術者(専技)は、請負契約の適正な締結・履行を技術面で担保するために、営業所ごとに専任で置く技術者です。認められ方は次のとおりで、業種(29業種)ごとに判断します。

区分主な要件
国家資格等施工管理技士(土木・建築・電気工事など)、技術士、建築士など、業種に対応する資格
指定学科+実務経験大学・高等専門学校の指定学科卒業後3年以上、高校等の指定学科卒業後5年以上の実務経験
実務経験のみ学歴を問わず、当該業種で10年以上の実務経験

特定建設業の専任技術者は、原則として1級の国家資格者などに限られ、要件が加重されます。国家資格の取得そのものは各資格試験の制度によります。当事務所は資格の取得は行いません。誰をどの営業所の専任技術者に据えるかは、許可の可否に直結します。

財産的基礎・欠格要件・社会保険加入で見られる点は何か?

財産的基礎は、請負契約を履行するに足りる財産的基礎又は金銭的信用を求めるものです(建設業法第7条第4号、特定は第15条第3号)。

区分財産的基礎の目安
一般建設業自己資本500万円以上、又は500万円以上の資金調達能力、又は直前5年間に許可を受けて継続して営業した実績のいずれか
特定建設業資本金2,000万円以上かつ自己資本4,000万円以上、欠損額が資本金の20%以下、流動比率75%以上(すべてを満たす)

欠格要件(建設業法第8条)に一つでも当たると許可を受けられません。申請書等の虚偽記載、破産手続開始の決定を受けて復権を得ない者、拘禁刑以上の刑に処せられ執行終了等から5年を経過しない者、建設業法や暴力団関係の一定の違反などが含まれ、役員等や一定の使用人にも及びます。2022年(令和4年)の刑法改正で懲役・禁錮は「拘禁刑」に一本化されました。あわせて、適切な社会保険(健康保険・厚生年金保険・雇用保険)への加入が許可の要件とされています。社会保険・労働保険の加入体制の整備や就業規則は、四葉行政書士事務所とは別事業体の社会保険労務士(四葉社会保険労務士事務所)が、独立した事業体として別々にご契約のうえ担当します。当事務所は紹介料を受け取りません。

知事許可と大臣許可、一般と特定はどう違うか?

許可には「営業所の所在」で分かれる区分と、「下請に出す金額」で分かれる区分があります。

  • 知事許可と大臣許可:営業所が一つの都道府県の区域内だけにあれば都道府県知事許可、二以上の都道府県の区域内にあれば国土交通大臣許可です(建設業法第3条第1項)。営業できる区域が知事許可に限られるわけではなく、区分は営業所の所在で決まります。
  • 一般建設業と特定建設業:発注者から直接請け負った1件の工事について、下請に出す代金の総額が4,500万円(建築一式工事は7,000万円)以上になる元請は、特定建設業の許可が必要です。この金額は2023年(令和5年)1月1日施行の建設業法施行令改正で、従来の4,000万円・6,000万円から引き上げられました。特定建設業は財産的基礎・専任技術者の要件が加重されます。

行政書士・社会保険労務士・司法書士に、誰が何を頼むか?

建設業許可の取得と体制整備には、複数の専門分野が関わります。担当は次のとおりです。

  • 許可の要否確認・要件の整理・申請書類の作成・申請代理 → 四葉行政書士事務所(行政書士)
  • 会社設立・役員変更・増資(資本金)などの登記 → 司法書士
  • 社会保険・労働保険の加入体制、就業規則、労務の整備 → 社会保険労務士
  • 営業所や資材置場となる物件の手配・賃貸借 → 四葉不動産株式会社(宅地建物取引業者)
  • 専任技術者に必要な国家資格(施工管理技士など)の取得 → 各資格試験の制度

四葉行政書士事務所と四葉不動産株式会社は別事業体です。社会保険労務士・司法書士を含む各分野は、それぞれの資格者と独立した事業体として別々にご契約いただく前提で、当事務所は紹介料を受け取りません。受任の流れは受任の流れ、料金は報酬額表、取扱業務の全体像は許認可・各種申請サービスをご覧ください。解体工事を請ける場合の登録・許可の切り分けは空き家を壊すとき、解体工事業の登録と建設業許可(解体工事業)は何が違うかで整理しています。

よくある質問

Q. 500万円未満の工事しか請けないなら、建設業許可はいらないのですか?
A. 建築一式工事以外なら、1件の請負代金が500万円未満(消費税込み)の軽微な建設工事だけを請け負う場合は許可は不要です(建設業法施行令第1条の2)。ただし、1件の工事を正当な理由なく分割したときは各契約を合算して判定します。金額を超える工事を継続して請ける予定があるなら、早めの取得をおすすめします。

Q. 経営業務の管理責任者と専任技術者は、同じ人が兼ねられますか?
A. 同一の営業所で、常勤で、それぞれの要件を満たしていれば、一人が経営業務の管理責任者と専任技術者を兼ねることは一般に可能とされています。ただし専任技術者は営業所ごとに専任である必要があり、他の営業所や他社との兼務はできません。個別の可否は許可行政庁の審査によります。

Q. 会社を作ってから許可を取るのと、個人で取るのはどちらがよいですか?
A. 個人でも法人でも許可は取得できます。資本金や登記が関わる法人設立は司法書士、社会保険の体制整備は社会保険労務士の領域です。事業の規模や取引先の求め、税務上の判断(税理士の領域)も関わるため、どの形で取得するかは各専門家と別々にご契約のうえ検討してください。当事務所は許可申請の部分を担当します。

Q. 特定建設業と一般建設業は、途中で切り替えられますか?
A. 下請に出す金額が4,500万円(建築一式は7,000万円)以上になる見込みなら特定建設業の許可が必要です。要件を満たせば一般から特定への切り替え(般・特新規など)の申請ができます。財産的基礎や専任技術者の要件が加重されるため、決算内容や技術者の資格を確認したうえで申請します。

この記事の出典(一次情報)

  • e-Gov法令検索「建設業法」(昭和24年法律第100号)第3条第1項、第7条、第8条、第15条(参照日 2026-09-07)
  • e-Gov法令検索「建設業法施行令」(昭和31年政令第273号)第1条の2、第2条(参照日 2026-09-07)
  • 国土交通省不動産・建設経済局建設業課「建設業法施行令の一部を改正する政令について」(令和4年11月18日事務連絡。特定建設業の下請代金額を4,500万円・建築一式7,000万円に引上げ、令和5年1月1日施行)(参照日 2026-09-07)
  • 国土交通省「建設業許可事務ガイドライン」(許可基準・経営業務の管理責任者・専任技術者・社会保険加入の取扱いを含む)(参照日 2026-09-07)

本記事は一般的な情報提供であり、個別の許可の可否、要件の充足、必要書類、審査期間を保証するものではありません。許可の可否と審査は許可行政庁(都道府県知事・国土交通大臣)が行います。会社設立・役員変更・増資などの登記は司法書士、社会保険・労働保険の加入体制と労務は社会保険労務士、営業所・資材置場の物件手配は四葉不動産株式会社(宅地建物取引業者)が、それぞれ独立した事業体として別々にご契約のうえ対応します。当事務所は紹介料を受け取りません。個別の判断は、面談のうえ資格者が行います。執筆は浦松 丈二(行政書士・宅地建物取引士)です。

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