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2026.09.07許認可の手続き(行政書士の実務から)

空き家を壊すとき、解体工事業の登録と建設業許可(解体工事業)は何が違うか

浦松 丈二

浦松 丈二

行政書士・宅地建物取引士(四葉行政書士事務所/四葉不動産株式会社)

プロフィール(士業ドットコム)↗

解体を請ける側の制度は、請負代金で「解体工事業登録」と「建設業許可(解体工事業)」に分かれます。500万円未満は建設リサイクル法第21条の登録、500万円以上は建設業許可という切り分け、技術管理者の要件、2016年の解体工事業新設、発注者側の分別解体の届出(建設リサイクル法第10条・80㎡)、建物滅失登記(不動産登記法第57条)、がれき類の産業廃棄物までを条文とともに整理し、登録・許可は行政書士、滅失登記は土地家屋調査士、相続登記は司法書士、産廃は許可業者へ分離受任で振る分担をまとめました。

結論(先に要点):解体工事を請け負う側の制度は、請負代金の額で「解体工事業登録」と「建設業許可(解体工事業)」に分かれます。1件の請負代金が500万円未満(消費税込み)の解体工事だけを請け負うなら、建設リサイクル法第21条第1項にもとづき、工事を行う区域を管轄する都道府県知事の解体工事業登録が必要です。500万円以上の解体工事を請け負うには、建設業法の建設業許可(解体工事業)が要ります。一方、発注者(空き家の所有者など)には、建築物の解体で床面積80㎡以上なら建設リサイクル法第10条の届出義務があり、解体後は不動産登記法第57条の建物滅失登記や、がれき類の産業廃棄物の適正処理が関わります。本記事は、登録と許可の切り分け、技術管理者、届出、滅失登記、産業廃棄物、そして誰に何を頼むかを整理する一般的な情報提供であり、個別の登録・許可の可否は判断しません。

解体工事に必要なのは『登録』か『建設業許可』か?

請け負う解体工事の金額で、必要な制度が変わります。

請け負う解体工事(1件の請負代金・税込)必要な制度
500万円未満の解体工事のみ解体工事業登録(建設リサイクル法第21条第1項)。工事を行う区域の都道府県知事ごとに登録
500万円以上の解体工事建設業許可(解体工事業)。建設業法にもとづく許可

登録は、業を行おうとする区域を管轄する都道府県知事ごとに受け、5年ごとに更新します。ただし、建設業法の土木工事業・建築工事業・解体工事業のいずれかの許可を受けている者は、その区域での解体工事業登録は要りません。四葉行政書士事務所では、行政書士業務の範囲で、登録・許可の要否確認、要件の整理、申請書類の作成、申請の代理を支援します。実際の解体工事は、登録又は許可を受けた解体業者が行います。

解体工事業登録の要件と技術管理者とは何か?

解体工事業登録では、各営業所ではなく、工事現場に技術管理者を置くことが求められます(建設リサイクル法第31条)。技術管理者は、解体工事の施工の技術上の管理をつかさどる者です。認められ方の代表例は次のとおりです。

区分主な要件
実務経験のみ学歴を問わず、解体工事に関し8年以上の実務経験
指定学科+実務経験大学・高等専門学校の指定学科卒業後2年以上、高校・専修学校の指定学科卒業後4年以上
国家資格等土木施工管理技士・建築施工管理技士、建築士、解体工事施工技士、とび・とび工の技能士など

国土交通大臣の登録を受けた講習を修了すると、実務経験の年数を1年短縮できます。登録には、このほか欠格要件に当たらないことなどが求められます。国家資格や講習の取得そのものは各制度によります。

建設業許可(解体工事業)が必要になるのはどの規模か?

1件の請負代金が500万円以上(税込)の解体工事を請け負うには、登録では足りず、建設業法の建設業許可(解体工事業)が必要です。解体工事業は、2016年(平成28年)6月1日施行の改正で、従来「とび・土工工事業」に含まれていた解体工事から独立した業種として新設されました。

新設に伴う経過措置(とび・土工工事業の許可で解体工事を営めた期間)は2019年(平成31年)5月31日で終了し、技術者のみなし措置も2021年(令和3年)3月31日で終了しています。現在は、解体工事業の許可基準(経営業務の管理責任者・専任技術者・財産的基礎・欠格要件)を満たす必要があります。建設業許可の要件全体は建設業許可を取るには何が要るか(経営業務の管理責任者・専任技術者・財産的基礎)で整理しています。

空き家を壊した後の滅失登記と産業廃棄物はどうするか?

解体工事の前後には、発注者側にも手続があります。

  • 事前の届出:建築物の解体で床面積の合計が80㎡以上など一定規模以上の工事(対象建設工事)は、発注者又は自主施工者が、工事に着手する日の7日前までに、分別解体等の計画を都道府県知事へ届け出ます(建設リサイクル法第10条)。怠ると20万円以下の罰金の対象です。実務上は元請業者が発注者から委任を受けて代行することもあります。
  • 建物滅失登記:建物が滅失したときは、表題部所有者又は所有権の登記名義人が、その滅失の日から1か月以内に建物の滅失の登記を申請しなければなりません(不動産登記法第57条)。怠ると10万円以下の過料の対象です。これは表示に関する登記なので、代理申請は土地家屋調査士の業務で、申請先は法務局です。
  • がれき類の処理:解体で生じたコンクリート塊・木くずなどのがれき類は産業廃棄物で、廃棄物の処理及び清掃に関する法律にもとづき、収集運搬・処分は許可を受けた業者が行います。産業廃棄物収集運搬業の許可の取り方は産業廃棄物収集運搬業の許可はどう取る?で整理しています。

相続した空き家の場合は、解体の前後で相続登記(司法書士)も関わります。相続不動産の名義変更の流れは相続登記はどう進める?を、更地にして売るか古家付きで売るかといった売却の窓口は、四葉行政書士事務所とは別事業体の不動産の相続・売却の窓口をご覧ください。

発注者(空き家所有者)が事前に確認すべき点は何か?

空き家を壊すときに、発注者としてあらかじめ確かめておきたい点を整理します。

  • 依頼先が、その工事区域で有効な解体工事業登録又は**建設業許可(解体工事業)**を受けているか(登録番号・許可番号の確認)
  • 建築物の解体で80㎡以上など対象建設工事に当たるか(建設リサイクル法第10条の届出の要否と、届出を誰が行うか)
  • 解体後の建物滅失登記を誰が手配するか(表題部の登記は土地家屋調査士)
  • がれき類などの産業廃棄物が適正に処理される契約になっているか(マニフェストの交付)
  • 相続した空き家なら、相続登記(司法書士)や売却(不動産)の順番

分野ごとの担当は次のとおりです。

  • 解体工事業登録・建設業許可(解体工事業)の要否確認・書類作成・申請代理 → 四葉行政書士事務所(行政書士)
  • 実際の解体工事 → 登録・許可を受けた解体業者
  • 建物滅失登記(表題部)→ 土地家屋調査士(申請先は法務局)
  • 相続登記・会社設立などの登記 → 司法書士
  • がれき類の産業廃棄物の収集運搬・処分 → 許可を受けた産業廃棄物処理業者
  • 更地・古家付き土地の売却や物件手配 → 四葉不動産株式会社(宅地建物取引業者)

四葉行政書士事務所と四葉不動産株式会社は別事業体です。土地家屋調査士・司法書士を含む各分野は、それぞれの資格者と独立した事業体として別々にご契約いただく前提で、当事務所は紹介料を受け取りません。受任の流れは受任の流れ、料金は報酬額表、取扱業務の全体像は許認可・各種申請サービスをご覧ください。

よくある質問

Q. 自分の家を自分で壊すのにも登録や許可は要りますか?
A. 自らが施工する自主施工の場合、他人から請け負う「業」ではないため、解体工事業登録や建設業許可は必要ありません。ただし、建築物の解体で床面積80㎡以上など対象建設工事に当たれば、発注者・自主施工者として建設リサイクル法第10条の届出が必要です。生じたがれき類の適正処理も求められます。

Q. 500万円ちょうどの解体工事はどちらが要りますか?
A. 軽微な建設工事は「500万円未満」なので、消費税込みで500万円以上になる解体工事は、解体工事業登録では足りず、建設業許可(解体工事業)が必要です。1件の工事を正当な理由なく分割したときは各契約を合算して判定します。金額の見込みは税込みで確認してください。

Q. 解体後の建物滅失登記は行政書士に頼めますか?
A. 建物滅失登記は表示に関する登記で、代理申請は土地家屋調査士の業務です。行政書士は登記申請の代理を行いません。当事務所は解体工事業登録・建設業許可(解体工事業)の申請部分を担当し、滅失登記は土地家屋調査士が、独立した事業体として別々にご契約のうえ対応します。当事務所は紹介料を受け取りません。

Q. 相続した空き家を壊す場合、先に相続登記が必要ですか?
A. 建物滅失登記や解体工事の発注の前提として、名義や権利関係の整理が関わります。相続した不動産の名義変更(相続登記)は司法書士の業務で、2024年(令和6年)4月1日から相続登記が義務化されています。解体・売却・登記の順番は、司法書士・土地家屋調査士・不動産の各担当と別々にご契約のうえ、個別にご確認ください。

この記事の出典(一次情報)

  • e-Gov法令検索「建設工事に係る資材の再資源化等に関する法律」(建設リサイクル法。平成12年法律第104号)第10条、第21条、第31条(参照日 2026-09-07)
  • e-Gov法令検索「建設業法」(昭和24年法律第100号)第3条第1項、別表第一(解体工事業)(参照日 2026-09-07)
  • e-Gov法令検索「不動産登記法」(平成16年法律第123号)第57条(参照日 2026-09-07)
  • e-Gov法令検索「廃棄物の処理及び清掃に関する法律」(昭和45年法律第137号)第14条(産業廃棄物の収集運搬・処分)(参照日 2026-09-07)
  • 国土交通省「解体工事業の登録について」「建設業許可(解体工事業の新設・経過措置)」の解説資料(参照日 2026-09-07)

本記事は一般的な情報提供であり、個別の登録・許可の可否、要件の充足、必要書類、審査期間を保証するものではありません。登録・許可の可否と審査は都道府県・許可行政庁が行います。建物滅失登記(表題部)は土地家屋調査士、相続登記・会社設立などの登記は司法書士、がれき類の産業廃棄物の処理は許可を受けた処理業者、更地・古家付き土地の売却は四葉不動産株式会社(宅地建物取引業者)が、それぞれ独立した事業体として別々にご契約のうえ対応します。当事務所は紹介料を受け取りません。個別の判断は、面談のうえ資格者が行います。執筆は浦松 丈二(行政書士・宅地建物取引士)です。

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