産業廃棄物処分業(中間処理)の許可|施設設置と用途・生活環境調査
焼却・破砕などで産業廃棄物を処分する事業には、収集運搬とは別に、廃棄物処理法第14条第6項の処分業許可が必要です。さらに一定規模の施設には第15条の施設設置許可と生活環境影響調査が要り、焼却場などは建築基準法第51条の位置決定・特定行政庁の許可がかかります。処分業許可と施設設置許可の違い、用途地域、欠格要件と講習を整理し、施設の建築は建築士、物件は不動産、登記は司法書士、税務は税理士へ分離受任で振る分担をまとめました。
結論(先に要点):焼却・破砕・脱水などで産業廃棄物を「処分」する事業を業として行うには、廃棄物の処理及び清掃に関する法律(廃掃法)第14条第6項にもとづく都道府県知事の許可が必要で、これは収集運搬業の許可(第14条第1項)とは別の許可です。さらに、施行令で定める種類・処理能力の焼却施設・破砕施設などを設置するときは、同法第15条の産業廃棄物処理施設の設置許可が別に要り、申請書には生活環境影響調査の結果を記載した書類を添付します(第15条第3項)。焼却場などの処理施設は、建築基準法第51条により、都市計画で敷地の位置が決定しているか、特定行政庁の許可がないと新築・増築できません。本記事は、処分業許可・施設設置許可・用途地域・欠格要件と講習・役割分担を整理する一般的な情報提供であり、個別の許可の可否は判断しません。
産業廃棄物の『処分業』は、収集運搬の許可と何が違うのか?
産業廃棄物の許可は、「運ぶ」ための収集運搬業と、「処理する」ための処分業に分かれ、それぞれ別の許可です。処分業はさらに、最終処分の前に性状や体積を変える中間処理と、埋立てなどの最終処分に分かれます。
| 区分 | 根拠 | 内容 |
|---|---|---|
| 収集運搬業 | 第14条第1項 | 他人の産業廃棄物を業として収集・運搬する |
| 処分業(中間処理) | 第14条第6項 | 焼却・破砕・脱水・中和・選別など、最終処分の前に性状や体積を変える処理 |
| 処分業(最終処分) | 第14条第6項 | 埋立処分・海洋投入処分 |
中間処理は、たとえばがれき類を破砕して再生砕石にする、木くずを破砕・焼却する、汚泥を脱水するといった処理です。処分業の許可基準は第14条第10項に定められ、施設と申請者の能力の基準(第10項第1号)と、欠格要件に該当しないこと(第10項第2号が第5項第2号を通じて準用する第7条第5項第4号)の双方を満たす必要があります。四葉行政書士事務所は、行政書士業務の範囲で、許可の要否確認・要件整理・申請書類の作成・申請の代理を支援します。個別の許可の可否は都道府県の審査によります。
処理施設の設置許可(第15条)と生活環境影響調査は、何を求められるのか?
処分業の許可(第14条第6項)とは別に、一定の産業廃棄物処理施設を設置するには第15条第1項の施設設置許可が必要です。ここが収集運搬にはない中間処理特有のレイヤーです。
| 手続 | 根拠 | ポイント |
|---|---|---|
| 施設設置許可 | 第15条第1項 | 施行令第7条で定める種類・処理能力の施設が対象 |
| 生活環境影響調査書の添付 | 第15条第3項 | 大気質・水質・騒音・振動・悪臭等への影響を調査し、結果を書類にして添付 |
| 告示・縦覧 | 第15条第4項 | 焼却施設・最終処分場など政令で定める施設で、申請書と調査書を公衆の縦覧に供する |
| 意見書の提出 | 第15条第6項 | 縦覧期間中、利害関係を有する者が生活環境の保全上の見地から意見書を提出できる |
| 許可の基準 | 第15条の2 | 技術上の基準への適合・生活環境の保全への適正な配慮・申請者の能力・欠格要件でないこと |
施設の処理能力が施行令第7条の規模(たとえば、がれき類・木くずの破砕施設は1日あたりの処理能力が5トンを超えるもの、汚泥の焼却施設は一定規模以上のものなど)に満たない場合は、第15条の施設設置許可は要りませんが、処分業許可(第14条第6項)は別途必要です。破砕施設など焼却施設・最終処分場以外の施設では、生活環境影響調査の結果を記載した書類の添付は求められる一方、第15条第4項の告示・縦覧の対象にはなりません。施設の位置・構造の設計と建築確認申請は、建築士・指定確認検査機関の領域です。
中間処理施設は、用途地域と建築基準法でどこに置けるのか?
処理施設は建築基準法の用途地域による制限を受けます。おおまかな傾向は次のとおりですが、施設の種類・規模や自治体の運用で変わるため、必ず所在地の特定行政庁に確認してください。
| 用途地域 | 中間処理施設の立地の傾向 |
|---|---|
| 工業専用地域・工業地域 | 立地しやすい |
| 準工業地域 | 種類・規模により可否が分かれる |
| 住居系・商業系 | 原則として困難 |
加えて、ごみ焼却場その他政令で定める処理施設(産業廃棄物処理施設を含む)は、建築基準法第51条により、都市計画でその敷地の位置が決定しているものでなければ新築・増築できません。ただし、特定行政庁が都道府県都市計画審議会等の議を経て、その敷地の位置が都市計画上支障がないと認めて許可した場合等は、この限りではありません。用途地域の確認や候補地の取得・賃貸借は、宅地建物取引業者の役割です。四葉行政書士事務所とは別事業体の四葉不動産株式会社が、独立した事業体として別契約で物件調査と取得・賃貸借を担当します。当事務所は紹介料を受け取りません。
欠格要件・講習・能力の要件は、処分業でどう変わるのか?
処分業の許可基準(第14条第10項)は、収集運搬業と同じ枠組みで、施設・能力の基準と欠格要件で構成されます。
- 施設・能力の基準(第10項第1号):処分の方法に応じた施設と、事業を的確かつ継続して行うに足りる能力(経理的基礎を含む)
- 欠格要件(第10項第2号):第5項第2号が準用する第7条第5項第4号(拘禁刑以上の刑、環境関連法令違反の罰金、暴力団関係、破産して復権を得ない等)に該当しないこと
- 講習:公益財団法人日本産業廃棄物処理振興センター(JWセンター)の産業廃棄物の処分課程の修了。収集運搬課程とは別の課程で、申請の前に修了しておく必要があります
拘禁刑は、2022年の刑法改正で懲役・禁錮を一本化したもので、条文も拘禁刑以上の刑と表記されます。講習の日数・修了証の有効期間・自治体ごとの扱いには差があるため、申請先の都道府県の最新の手引きを確認してください。欠格要件は申請者本人だけでなく、法人の役員や一定の使用人にも及びます。
許可申請・施設の建築・税務は、それぞれ誰が担うのか?
中間処理施設の計画は、許可・物件・設計・登記・税務・労務と関わる専門分野が分かれます。担当は次のとおりです。
- 処分業許可・施設設置許可の要件確認・申請書類の作成・申請代理 → 四葉行政書士事務所(行政書士)
- 候補地の用途地域確認・取得・賃貸借 → 四葉不動産株式会社(宅地建物取引業者)
- 施設の構造設計・建築確認申請 → 建築士・指定確認検査機関
- 法人設立・役員変更などの登記 → 司法書士
- 設備投資や減価償却、消費税などの税務 → 税理士
- 従業員の労働保険・就業規則などの労務 → 社会保険労務士
四葉行政書士事務所と四葉不動産株式会社は別事業体です。各分野は、それぞれの資格者と独立した事業体として別々にご契約いただく前提で、当事務所は紹介料を受け取りません。収集運搬から広げる場合の流れは産廃収集運搬業許可の取り方を、受任の流れは受任の流れ、料金は報酬額表、取扱業務の全体像は許認可・各種申請サービスをご覧ください。
よくある質問
Q. 中間処理をするには、収集運搬の許可だけでは足りませんか?
A. 足りません。廃棄物を「運ぶ」収集運搬業(第14条第1項)と、焼却・破砕などで「処理する」処分業(第14条第6項)は別の許可です。他社から委託を受けて中間処理を行うには処分業の許可が要り、扱う品目ごとに許可の範囲が決まります。
Q. 施設設置許可(第15条)は、どんな施設でも必要ですか?
A. いいえ。施設設置許可が要るのは、施行令第7条で定める種類・処理能力の施設です。たとえば、がれき類・木くずの破砕施設では1日あたりの処理能力が5トンを超えるかどうかが目安になります。規模がこれに満たない場合は施設設置許可は不要ですが、処分業許可は別に必要です。
Q. 生活環境影響調査は、破砕施設でも縦覧されますか?
A. 生活環境影響調査の結果を記載した書類の添付(第15条第3項)は、施設設置許可の対象となる施設で求められます。一方、申請書と調査書を公衆の縦覧に供し、利害関係者が意見書を提出できる手続(第15条第4項・第6項)は、焼却施設・最終処分場など政令で定める施設が対象で、破砕施設はこの縦覧手続の対象にはなりません。
Q. 住宅地の近くの遊休地に焼却施設を建てられますか?
A. 用途地域と建築基準法第51条の確認が必要です。ごみ焼却場等の処理施設は、都市計画で敷地の位置が決定しているか、特定行政庁が都道府県都市計画審議会等の議を経て許可した場合でなければ新築できません。候補地が要件を満たすかは、所在地の特定行政庁と都道府県の審査によります。
この記事の出典(一次情報)
- e-Gov法令検索「廃棄物の処理及び清掃に関する法律」(昭和45年法律第137号)第14条第1項・第6項・第10項、第15条第1項〜第4項・第6項、第15条の2、第7条第5項第4号(参照日 2026-09-11)
- e-Gov法令検索「廃棄物の処理及び清掃に関する法律施行令」(昭和46年政令第300号)第7条(産業廃棄物処理施設の種類・処理能力の規模)(参照日 2026-09-11)
- e-Gov法令検索「建築基準法」(昭和25年法律第201号)第51条、建築基準法施行令第130条の2の3(参照日 2026-09-11)
- 環境省「廃棄物処理施設生活環境影響調査指針」(生活環境影響調査書の添付・告示・縦覧・意見聴取の解説)(参照日 2026-09-11)
- 公益財団法人日本産業廃棄物処理振興センター(JWセンター)「産業廃棄物処理業の許可申請に関する講習会(処分課程)」開催案内(参照日 2026-09-11)
本記事は一般的な情報提供であり、個別の許可の可否、施設設置許可の要否、生活環境影響調査の項目、用途地域や建築基準法第51条の適用、審査期間を保証するものではありません。許可の可否と審査は都道府県が行い、用途地域と第51条の適用は所在地の特定行政庁が判断します。候補地の用途地域確認・取得・賃貸借は四葉不動産株式会社(宅地建物取引業者)、施設の構造設計・建築確認申請は建築士・指定確認検査機関、法人設立・役員変更などの登記は司法書士、設備投資や消費税などの税務は税理士、従業員の労務は社会保険労務士が、それぞれ独立した事業体として別々にご契約のうえ対応します。当事務所は紹介料を受け取りません。個別の判断は、面談のうえ資格者が行います。執筆は浦松 丈二(行政書士・宅地建物取引士)です。
まずは、状況を整理するところから。
四葉行政書士事務所(文京区小日向・東京メトロ丸ノ内線「茗荷谷」駅 徒歩5分)が、要件の整理から書類作成・申請までお手伝いします。
LINEは代表・浦松丈二に直接つながります。24時間受付・順次お返事します。
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