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業種別の労務管理

認定こども園の保育教諭、シフトと社会保険の線引きはどうする?

淡い半円が人々を覆う社会保険の仕組みを表した水彩イラスト
浦松 丈二

浦松 丈二

社会保険労務士・行政書士・宅地建物取引士(四葉社会保険労務士事務所/四葉行政書士事務所)

幼保連携型認定こども園は、教育だけの1号認定の子と、長時間保育の2号・3号認定の子が同じ建物に混在します。1号は教育標準時間(1日4時間が標準)、2号・3号は保育標準時間(最長11時間)または保育短時間(最長8時間)で、保育教諭のシフトはこの長短を重ねて組みます。保育教諭は幼稚園教諭免許状と保育士登録の併有が原則ですが(認定こども園法第15条)、いずれか一方でも保育教諭になれる特例が令和11年度末(2030年3月)まで延長されています。短時間職員の社会保険は、通常の労働者の4分の3以上働けば被保険者、そうでなくても週20時間以上・2か月超の雇用見込み・学生でない・勤め先の規模(2027年9月まで51人以上)を満たすと被保険者です(2026年10月1日から賃金月8.8万円の要件は撤廃)。開所時間とシフト、保育教諭の資格、短時間職員の社会保険、処遇改善等加算の労務対応を社会保険労務士の視点で整理し、認可・認定の申請は行政書士、会計・税務は税理士、物件は不動産へ、独立した事業体として別々にご契約いただく形で振り分けます。

結論(先に要点):幼保連携型認定こども園は、同じ建物の中に教育だけを受ける1号認定の子と、長時間の保育を受ける2号・3号認定の子が混在します。1号は教育標準時間(1日4時間が標準)、2号・3号は保育標準時間(1日最長11時間)または保育短時間(1日最長8時間)で、保育教諭のシフトはこの長短を重ねて組むことになります。保育教諭は幼稚園教諭免許状と保育士登録の併有が原則ですが(認定こども園法第15条)、令和6年(2024年)の改正で、いずれか一方でも保育教諭になれる特例が令和11年度末(2030年3月)まで延長されています。短時間職員の社会保険は、通常の労働者の4分の3以上働けば被保険者、そうでなくても週20時間以上・2か月超の雇用見込み・学生でない・勤め先の規模(2027年9月まで厚生年金被保険者51人以上)を満たすと被保険者です(2026年10月1日から賃金月8.8万円の要件は撤廃)。この記事では、開所時間とシフト、保育教諭の資格、短時間職員の社会保険、処遇改善等加算の労務対応を社会保険労務士の視点で整理し、認可・認定の申請は行政書士、会計・税務は税理士、物件は不動産へ、独立した事業体として別々にご契約いただく形で振り分けます。

幼保連携型認定こども園は、幼稚園と保育所の機能を併せ持つため、開所時間・職員の資格・社会保険の線引きが一度に問題になります。このページは、認定こども園を開こう・運営している園長や事務担当の方に向けて、開所時間とシフト、保育教諭の免許・資格、短時間職員の社会保険、処遇改善等加算への労務対応を順序立てて示します。個別の園が基準や加算の要件を満たすかどうかの最終判断は、認可・認定・確認をする自治体(都道府県・市町村)やこども家庭庁の要綱に照らして確認してください。

認定こども園の開所時間は、1号・2号・3号認定でどう変わりますか?

認定こども園の開所時間は、受け入れる子どもの認定区分で決まります。子ども・子育て支援法に基づく認定区分は、満3歳以上で保育の必要な事由に当たらない子が1号認定(教育標準時間)、満3歳以上で保育の必要な事由に当たる子が2号認定、満3歳未満で事由に当たる子が3号認定です。1号は学校教育に準じた教育標準時間(1日4時間が標準)で、2号・3号は保育の必要量に応じて**保育標準時間(1日最長11時間)または保育短時間(1日最長8時間)**に分かれます。

つまり同じ園の中で、午前中だけ登園して昼過ぎに帰る1号の子と、朝から夕方まで11時間いる2号・3号の子が同時にいます。保育教諭のシフトは、教育標準時間に手厚く配置しつつ、長時間保育の早番・遅番・延長保育を切れ目なく回す必要があり、繁閑と時間帯の偏りが大きくなります。この早番・遅番・延長を無理なくさばくシフト設計は、保育所の労務でも同じ論点で、保育所を開設するときの労務に配置基準と変形労働時間制の組み方を整理しています。

認定区分対象利用時間の区分
1号認定満3歳以上・保育の必要な事由なし教育標準時間(1日4時間が標準)
2号認定満3歳以上・保育の必要な事由あり保育標準時間(最長11時間)/保育短時間(最長8時間)
3号認定満3歳未満・保育の必要な事由あり保育標準時間(最長11時間)/保育短時間(最長8時間)

実際の開所時間や延長保育の設定は園ごとに異なるため、勤務時間の設計は園の運営規程と認定区分の見込みに照らして行います。

保育教諭の免許・資格は、シフト編成にどう関わりますか?

幼保連携型認定こども園に置く主幹保育教諭・指導保育教諭・保育教諭等は、幼稚園教諭免許状を有し、かつ保育士登録を受けた者であることが原則です(認定こども園法第15条)。これは、同じ職員が教育(1号の子)と保育(2号・3号の子)の両方を担うという園の性格からくる要件です。

ただし、免許・資格の併有を一度に満たすのは難しいため、いずれか一方の免許・資格でも保育教諭等になれる特例が置かれ、令和6年(2024年)の改正で令和11年度末(2030年3月)まで延長されました。一方、主幹保育教諭・指導保育教諭について一方の免許・資格のみで就ける特例は延長幅が短く、令和8年度末(2027年3月)までとされています。特例の期限が近づくと、片方しか持たない職員にもう一方を取得してもらう必要が出てくるため、シフトを組むうえでも誰がいつまでに併有を満たすのかを把握しておくことが欠かせません。

区分原則特例の期限
保育教諭等(併有の特例)幼稚園教諭免許状+保育士登録令和11年度末(2030年3月)まで一方でも可
主幹保育教諭・指導保育教諭(一方のみで就ける特例)同上令和8年度末(2027年3月)まで

特例の対象範囲や取得に必要な単位は、文部科学省・こども家庭庁の最新の案内と、免許・資格を取得する際の都道府県の取扱いで確認してください。併有を満たしているかどうかの最終的な確認は、資格者が行います。

短時間職員の社会保険は、どの基準で加入になりますか?

認定こども園は早番・遅番・延長保育を短時間のパート職員で支えることが多く、社会保険(健康保険・厚生年金保険)の加入判定が欠かせません。判定は2段階です。まず、1週間の所定労働時間および1か月の所定労働日数が、同じ業務の通常の労働者の4分の3以上であれば被保険者になります(この4分の3基準の考え方はパートの社会保険と4分の3基準で詳しく扱っています)。

4分の3に満たない短時間職員でも、次の要件をすべて満たすと被保険者になります——①週の所定労働時間20時間以上、②2か月を超える雇用の見込み、③学生でない、④勤め先の厚生年金被保険者数が一定以上(2027年9月までは51人以上、2027年10月からは36人以上に拡大)。かつては「所定内賃金が月8.8万円以上」という賃金要件もありましたが、令和7年(2025年)年金制度改正法により2026年(令和8年)10月1日から撤廃され、週20時間以上などを満たせば賃金額にかかわらず判定されるようになりました。この企業規模要件の段階的拡大の全体像は社会保険の適用拡大(2027年以降)に整理しています。

判定内容
4分の3基準週の所定労働時間・月の所定労働日数が通常の労働者の4分の3以上 → 被保険者
短時間労働者の要件週20時間以上/2か月超の雇用見込み/学生でない/規模要件(2027年9月まで51人以上・同年10月から36人以上)
賃金要件(月8.8万円)2026年10月1日から撤廃

加入の見込みが変わると保険料や標準報酬の届出も変わります。特定の職員が被保険者に当たるかどうかの最終判断は、勤め先の規模や実際の勤務実態に照らして資格者が行います。

処遇改善等加算を賃金に反映するとき、労務で何を整えますか?

処遇改善等加算は、職員の賃金改善を前提に施設型給付に上乗せされる仕組みで、受け取った加算分をどの職員にどう配分するかを就業規則・賃金規程に落とし込む必要があります。賃金の決定・計算・支払の方法や昇給に関する事項は就業規則の絶対的必要記載事項であり(労働基準法第89条)、常時10人以上を使用する園は就業規則の作成・届出が義務です。加算に対応する手当や配分のルールを規程に書き、実際の支給と齟齬が出ないようにしておくことが、監査や実績報告での説明の土台になります。

ご自身のケースについて相談したい方へ

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整えるもの根拠・ねらい
賃金規程(手当・配分ルール)労働基準法第89条の必要記載事項。加算分の配分根拠を明文化
就業規則の作成・届出常時10人以上で義務(労働基準法第89条)
賃金台帳・勤怠記録加算の実績報告と支給実態の整合

加算の金額の算定や会計・税務上の処理、実績報告の数値そのものは税理士や自治体の要綱の領域です。労務として担うのは、加算を賃金として職員に届けるための規程整備と勤怠・賃金台帳の管理です。配分が適切かどうかの最終判断は、園の実態と自治体の要綱に照らして資格者が行います。

認可・認定の申請、会計、物件は、誰に振り分けますか?

認定こども園を開く・体制を見直す場面では、複数の専門領域が同時に動きます。認可・認定の申請や設置の許認可は行政書士の業務で、申請の流れと要件は認定こども園の認可・認定の申請にまとめています。施設型給付・処遇改善等加算の会計や税務申告は税理士、園舎の用途・設備や賃貸借の条件は宅地建物取引業者(不動産)の領域です。社会保険労務士はこれらと独立した事業体として、社会保険・労働保険の適用と手続、就業規則・賃金規程、変形労働時間制のシフト設計など労務の部分だけを別々にご契約いただく形でお受けします。

労務の立場からは、開所時間とシフトの設計、保育教諭の併有状況の管理、短時間職員の社会保険の適用判定、処遇改善等加算に対応した賃金規程の整備を、開園の段取りと並行して早めに固めておくことが、後の手続のやり直しを一番小さくします。

四葉社会保険労務士事務所は、何ができますか?

文京区小日向の四葉社会保険労務士事務所は、幼保連携型認定こども園の労務について、開所時間と1号〜3号認定を踏まえたシフト・変形労働時間制の設計、保育教諭の免許・資格(併有)の管理、短時間職員の社会保険・雇用保険の適用判定と加入手続、処遇改善等加算に対応した就業規則・賃金規程の整備をお受けします。ご相談は無料です。 内容と人数に応じてお見積りし、料金の考え方は報酬額表を、よくいただくご質問はよくあるご質問をご覧ください。

認可・認定の申請や設置の許認可は行政書士、会計・税務は税理士、物件は不動産の領域で、それぞれ独立した事業体として別々にご契約いただく形をご案内します。当事務所は紹介料を受け取りません。

よくある質問

Q. 認定こども園の開所時間は、1号と2号・3号で違うのですか?
A. 違います。1号認定は学校教育に準じた教育標準時間(1日4時間が標準)、2号・3号認定は保育の必要量に応じて保育標準時間(1日最長11時間)または保育短時間(1日最長8時間)に分かれます。同じ園に短時間の1号と長時間の2号・3号が混在するため、保育教諭のシフトは教育時間と早番・遅番・延長保育を重ねて組む必要があります。実際の開所時間は園ごとに異なります。

Q. 保育教諭は幼稚園教諭免許と保育士資格の両方が必要ですか?
A. 併有が原則です(認定こども園法第15条)。ただし、いずれか一方でも保育教諭等になれる特例があり、令和6年(2024年)の改正で令和11年度末(2030年3月)まで延長されています。主幹保育教諭・指導保育教諭を一方の免許・資格のみで務める特例は令和8年度末(2027年3月)までと期限が短いため、誰がいつまでに併有を満たすかを把握しておく必要があります。

Q. 短時間のパート保育教諭は社会保険に入りますか?
A. 通常の労働者の4分の3以上働けば被保険者です。4分の3に満たなくても、週20時間以上・2か月超の雇用見込み・学生でない・勤め先の厚生年金被保険者数が一定以上(2027年9月まで51人以上、同年10月から36人以上)を満たすと被保険者になります。賃金月8.8万円以上という要件は2026年10月1日に撤廃されました。該当するかどうかの最終判断は勤務実態に照らして資格者が行います。

Q. 処遇改善等加算の手続や会計は社労士に頼めますか?
A. 加算を賃金として職員に届けるための就業規則・賃金規程の整備や、賃金台帳・勤怠の管理は社会保険労務士が担います。一方、加算額の算定や会計・税務申告、実績報告の数値そのものは税理士や自治体の要綱の領域です。認可・認定の申請は行政書士で、それぞれ独立した事業体として別々にご契約いただきます。

この記事の根拠

  • 認定こども園法(就学前の子どもに関する教育、保育等の総合的な提供の推進に関する法律、平成18年法律第77号)第15条(職員の資格)。主幹保育教諭・指導保育教諭・保育教諭等は、幼稚園の教諭の普通免許状を有し、かつ保育士登録を受けた者であることを原則とする(文部科学省の説明および同条の見出し。2026年10月28日参照)
  • 保育教諭等の資格特例の延長。令和6年(2024年)の改正で、幼稚園教諭免許状または保育士資格のいずれかで保育教諭等になれる特例を5年延長し令和11年度末(2030年3月)までとした。主幹保育教諭・指導保育教諭を一方のみで務める特例は2年延長で令和8年度末(2027年3月)まで(文部科学省・こども家庭庁および都道府県の案内。2026年10月28日参照)
  • 認定区分と利用時間(1号=教育標準時間、2号・3号=保育標準時間〔1日最長11時間〕/保育短時間〔1日最長8時間〕)は子ども・子育て支援法に基づく認定による(自治体の利用案内。2026年10月28日参照)
  • 短時間労働者の社会保険:1週間の所定労働時間および1か月の所定労働日数が通常の労働者の4分の3以上で被保険者。4分の3未満でも、週20時間以上・2か月を超える雇用見込み・学生でない・勤め先の厚生年金被保険者数が一定以上(2027年9月まで51人以上、2027年10月から36人以上)を満たすと被保険者(健康保険法・厚生年金保険法、日本年金機構の案内。2026年10月28日参照)
  • 所定内賃金が月額8.8万円以上という賃金要件は、令和7年(2025年)年金制度改正法(令和7年法律第74号)により2026年(令和8年)10月1日から撤廃(日本年金機構のお知らせ。2026年10月28日参照)
  • 就業規則の作成・届出義務と記載事項、労働時間=労働基準法第89条(就業規則の作成及び届出の義務・絶対的必要記載事項)、第32条(労働時間)(e-Gov法令検索で2026年10月28日に条文確認)

この記事は、誰に相談するかまでは決めていません。開所時間とシフト・変形労働時間制の設計、保育教諭の併有の管理、短時間職員の社会保険・雇用保険の適用と手続、処遇改善等加算に対応した就業規則・賃金規程の整備は社会保険労務士の業務です。認可・認定の申請や設置の許認可は行政書士、会計・税務は税理士、物件は不動産の領域で、それぞれ独立した事業体として別々にご契約いただきます。当事務所は紹介料を受け取りません。四葉社会保険労務士事務所にご相談いただく場合の費用は報酬額表に、よくいただくご質問はよくあるご質問にまとめています。

本記事は一般的な情報提供です。個別のご事情に応じた判断は、面談のうえ資格者が行います。執筆は浦松丈二(社会保険労務士・行政書士・宅地建物取引士)です。

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