放課後児童クラブ(学童保育)を開設するには?届出・専用区画1.65㎡・支援員の配置

放課後児童クラブ(放課後児童健全育成事業)を民間で始めるには、市町村・都道府県・国以外の者があらかじめ市町村長へ届け出ます(児童福祉法第34条の8第2項)。設備・運営は市町村の条例で定める基準(国の基準=平成26年厚生労働省令第63号を参酌)に従い、専用区画は児童1人につきおおむね1.65平方メートル以上、放課後児童支援員は支援の単位ごとに原則2人以上です。障害児対象の放課後等デイサービス(児童福祉法第6条の2の2第3項)との違い、開設手順、他士業への振り分けを行政書士の実務から整理しました。
結論(先に要点):放課後児童クラブ(放課後児童健全育成事業)は、小学校に就学している児童を放課後に預かる事業で、市町村・都道府県・国以外の者が始めるときは、あらかじめ市町村長へ届け出ます(児童福祉法第34条の8第2項)。設備・運営は市町村が条例で定める基準に従い(同法第34条の8の2)、その条例は国の基準である放課後児童健全育成事業の設備及び運営に関する基準(平成26年厚生労働省令第63号)を参酌します。専用区画は児童1人につきおおむね1.65平方メートル以上、放課後児童支援員は支援の単位ごとに原則2人以上です。障害児を対象とする放課後等デイサービス(児童福祉法第6条の2の2第3項)とは制度が別です。本記事は届出と設備運営基準を行政書士の視点で整理する一般的な情報提供であり、基準に適合するかどうかの可否判断や個別の法的判断はしません。届出書類の作成は行政書士、放課後児童支援員の労務・シフト・社会保険は社会保険労務士、物件の用途地域・面積の確認は宅地建物取引業者、採光・避難など建築確認は建築士、消防用設備の可否は消防署へ、それぞれ独立した事業体として別々にご契約いただく前提で分けて振ります。
放課後児童クラブは誰に何を届け出るのか?
放課後児童クラブは、法令上は「放課後児童健全育成事業」といいます。児童福祉法第6条の3第2項は、これを「小学校に就学している児童であつて、その保護者が労働等により昼間家庭にいないものに、授業の終了後に児童厚生施設等の施設を利用して適切な遊び及び生活の場を与えて、その健全な育成を図る事業」と定義しています。対象は小学生で、保護者が就労等で昼間家庭にいないことが前提です。
事業を行う主体によって手続が変わります。市町村は届出なしに事業を行うことができますが(児童福祉法第34条の8第1項)、国・都道府県・市町村以外の者(民間事業者・NPO・社会福祉法人など)は、事業を行おうとするときに、あらかじめ市町村長へ届け出なければなりません(同条第2項)。これは事業を始める前の事前届出であり、認可外保育施設が開始後1月以内に届け出る事後届出(児童福祉法第59条の2)とは順序が逆である点に注意します。
| 主体 | 手続 | 根拠 |
|---|---|---|
| 市町村 | 届出なしに実施できる | 児童福祉法第34条の8第1項 |
| 国・都道府県・市町村以外の者 | あらかじめ市町村長へ届出 | 児童福祉法第34条の8第2項 |
| 届出事項に変更・休止・廃止 | 市町村の定めるところにより届出 | 児童福祉法第34条の8第2項ほか |
届出の様式・提出先・添付書類(定款・運営規程・事業計画・職員名簿・施設の平面図など)は市区町村ごとに案内が異なります。開設する区市の公式ページを直接確認するのが確実です。四葉行政書士事務所は、行政書士業務の範囲で、届出書類の作成と提出の支援を行います。
専用区画は児童1人あたり何㎡必要か(おおむね1.65㎡の根拠)?
設備・運営の基準は、市町村が条例で定めます(児童福祉法第34条の8の2第1項)。その条例を定めるにあたり、市町村は国の基準である放課後児童健全育成事業の設備及び運営に関する基準(平成26年厚生労働省令第63号)を参酌します。したがって最終的に事業者を拘束するのは「その市区町村の条例」であり、数値も自治体によって上乗せ・調整があり得ます。
国の基準の設備に関する主な内容は次のとおりです。
| 項目 | 国の基準の主な内容 | 根拠 |
|---|---|---|
| 専用区画 | 遊び及び生活の場としての機能、静養するための機能を備えた区画を設ける | 平成26年厚生労働省令第63号 第9条第1項 |
| 面積 | 専用区画の面積は、児童1人につきおおむね1.65平方メートル以上 | 同令 第9条第2項 |
| 設備・備品 | 支援の提供に必要な設備・備品等を備える | 同令 第9条第1項 |
たとえば1つの支援の単位を児童40人とする場合、おおむね40×1.65=66平方メートル以上の専用区画が一つの目安になります。ただし、面積に含める範囲や上乗せ基準は条例で異なるため、物件を決める前に自治体の条例と担当課に確認します。物件の用途地域・採光・避難など建築面の適否は、宅地建物取引業者・建築士の領域として分けて確認します。
放課後児童支援員の資格と配置人数はどう決まるのか?
職員については、放課後児童支援員を置くこととされ(平成26年厚生労働省令第63号 第10条第1項)、その員数は支援の単位ごとに2人以上で、うち1人を除いては補助員をもって代えることができます(同条第2項)。1つの支援の単位を構成する児童の数は、おおむね40人以下とされています(同条第4項)。
放課後児童支援員になるには、保育士・社会福祉士・一定の教員資格を有する者など第10条第3項各号のいずれかに該当し、かつ、都道府県知事又は指定都市・中核市の長が行う研修を修了していることが求められます(同項)。
| 事項 | 国の基準の内容 | 根拠 |
|---|---|---|
| 配置 | 支援の単位ごとに2人以上(うち1人を除き補助員で代替可) | 同令 第10条第2項 |
| 支援の単位 | 児童の数はおおむね40人以下 | 同令 第10条第4項 |
| 資格 | 第10条第3項各号のいずれか+都道府県知事等が行う研修の修了 | 同令 第10条第3項 |
なお、放課後児童支援員の資格・員数の基準は、かつては市町村が条例で従わなければならない「従うべき基準」でしたが、第9次地方分権一括法(令和元年法律第26号)により令和2年(2020年)4月1日から「参酌すべき基準」に改められました。このため、実際にどこまで求められるかは各市区町村の条例で確認する必要があります。人員計画に基づく雇用契約・就業規則・シフト・社会保険の適用は労務の領域であり、社会保険労務士が別契約で担当します。
放課後等デイサービスとはどこが違うのか?
名前が似ていても、放課後児童クラブと放課後等デイサービスは制度が別です。放課後等デイサービスは障害児通所支援の一つで、児童福祉法第6条の2の2第3項に定義され、学校に就学している障害児に対し授業終了後・休業日に支援を行うものです。入口の手続も、放課後児童クラブが市町村長への届出であるのに対し、放課後等デイサービスは都道府県知事等の指定を受ける指定制で、費用は障害児通所給付費として給付されます。
ご自身のケースについて相談したい方へ
在留資格・許認可など、行政手続について状況をお聞かせください。
| 事項 | 放課後児童クラブ | 放課後等デイサービス |
|---|---|---|
| 主な対象 | 小学生(保護者が昼間家庭にいない) | 学校に就学している障害児 |
| 根拠 | 児童福祉法第6条の3第2項 | 児童福祉法第6条の2の2第3項 |
| 入口の手続 | 市町村長への届出 | 都道府県知事等の指定 |
| 費用の仕組み | 各自治体の運営費等 | 障害児通所給付費 |
放課後等デイサービス・児童発達支援の指定申請の流れは放課後等デイサービス・児童発達支援の指定申請の流れで扱っています。また、乳幼児を預かる認可外保育施設は届出の時期や根拠が別で、その整理は認可外保育施設の設置届と指導監督基準をご覧ください。どの制度に当たるかを最初に切り分けることが、物件選びと手続の出発点になります。
開設までの手順と、他の専門家に振る場面は?
放課後児童クラブの開設は、行政手続だけでは完結しません。おおまかな流れと役割分担は次のとおりで、それぞれ独立した事業体として別々にご契約いただく前提です。
- 制度の切り分け(放課後児童クラブか、放課後等デイサービスか、認可外保育施設か)
- 物件の選定と用途地域・面積・採光・避難の確認
- 市区町村の条例・基準と届出様式の確認
- 職員(放課後児童支援員・補助員)の確保と配置計画
- 開所前の事前届出(児童福祉法第34条の8第2項)
- 放課後児童健全育成事業の届出書類の作成・提出、条例基準の確認 → 四葉行政書士事務所(行政書士)
- 放課後児童支援員・補助員の配置に沿った就業規則・シフト・雇用契約・社会保険 → 社会保険労務士(四葉社会保険労務士事務所)
- 物件の用途地域・面積の確認、賃貸借や重要事項説明 → 宅地建物取引業者(別事業体の四葉不動産株式会社)
- 採光・排煙・避難など建築基準法上の確認・用途変更 → 建築士
- 消防用設備の設置可否 → 消防署・設備業者
物件選びの段階から用途地域や面積が問題になることが多く、不動産側の確認と行政手続は並行して進めます。行政書士のサービス全体はサービス一覧、受任の流れは受任の流れ、料金は報酬額表をご覧ください。四葉行政書士事務所・四葉社会保険労務士事務所・四葉不動産株式会社はそれぞれ別事業体で、各分野は独立した事業体として別々にご契約いただく前提です。当事務所は紹介料を受け取りません。
よくある質問
Q. 放課後児童クラブを民間で始めるには、いつ届け出ますか?
A. 国・都道府県・市町村以外の者は、事業を行おうとするときに、あらかじめ市町村長へ届け出ます(児童福祉法第34条の8第2項)。これは開始前の事前届出です。届出の様式・提出先・添付書類は市区町村ごとに異なるため、開設する区市の公式ページと担当課で確認してください。
Q. 専用区画は児童1人あたり何平方メートル必要ですか?
A. 国の基準では、専用区画の面積は児童1人につきおおむね1.65平方メートル以上とされています(放課後児童健全育成事業の設備及び運営に関する基準=平成26年厚生労働省令第63号 第9条第2項)。ただし実際に事業者を拘束するのは市町村の条例なので、上乗せの有無を含めて条例を確認します。
Q. 放課後児童支援員は何人置けばよいですか?
A. 国の基準では、支援の単位ごとに2人以上を置き、うち1人を除いては補助員で代えることができます(同令 第10条第2項)。1つの支援の単位を構成する児童の数はおおむね40人以下です(同条第4項)。支援員の資格・員数の基準は令和2年(2020年)4月1日から参酌すべき基準となったため、条例で確認が必要です。
Q. 放課後等デイサービスと同じ手続ですか?
A. 別の制度です。放課後等デイサービスは障害児を対象とする障害児通所支援で(児童福祉法第6条の2の2第3項)、都道府県知事等の指定を受ける指定制です。放課後児童クラブは小学生を対象とし、市町村長への届出で行う点が異なります。
この記事の出典(一次情報)
- e-Gov法令検索「児童福祉法」(昭和22年法律第164号)第6条の3第2項(放課後児童健全育成事業の定義)・第6条の2の2第3項(放課後等デイサービスの定義)・第34条の8(市町村以外の者の届出)・第34条の8の2(条例で定める基準)(参照日 2026-09-28)
- e-Gov法令検索・厚生労働省「放課後児童健全育成事業の設備及び運営に関する基準」(平成26年厚生労働省令第63号)第9条(設備・専用区画・児童1人につきおおむね1.65平方メートル以上)・第10条(放課後児童支援員の配置・支援の単位・資格)・第18条(開所時間・日数)(参照日 2026-09-28)
- 内閣府「地方分権改革」・第9次地方分権一括法(令和元年法律第26号)による放課後児童支援員の基準の「従うべき基準」から「参酌すべき基準」への見直し(令和2年〔2020年〕4月1日施行。参照日 2026-09-28)
- こども家庭庁「放課後児童健全育成事業(放課後児童クラブ)に関する法令・通知等」「放課後児童クラブ運営指針」(参照日 2026-09-28)
本記事は一般的な情報提供であり、基準に適合するかどうかの最終判断や、届出の受理・不受理、行政処分に対する不服など紛争性のある個別の助言をするものではありません。基準の数値や届出様式は改正・自治体差があるため、開設する区市の条例と最新の案内を確認してください。放課後児童支援員の労務・配置は社会保険労務士、物件の用途地域・面積は宅地建物取引業者、建築確認・用途変更は建築士、消防用設備は消防署が、それぞれ独立した事業体として別々にご契約のうえ対応します。物件の相談は別事業体の四葉不動産株式会社が担当し、当事務所は紹介料を受け取りません。個別の判断は、面談のうえ資格者が行います。執筆は浦松 丈二(行政書士・宅地建物取引士)です。
まずは、状況を整理するところから。
四葉行政書士事務所(文京区小日向・東京メトロ丸ノ内線「茗荷谷」駅 徒歩5分)が、要件の整理から書類作成・申請までお手伝いします。
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