墓じまい(改葬許可)の手続きはどう進めればいいですか?

墓じまい(改葬)は、焼骨等が現に存する地の市町村長の許可を受けてから行います(墓地、埋葬等に関する法律第5条第1項・第2項)。改葬許可申請書の記載事項(施行規則第2条第1項)、埋蔵・収蔵の事実を証する書面や受入証明のそろえ方、祭祀承継者と民法第897条の関係、離檀料・撤去費用の話し合い、そして書類作成は行政書士・紛争は弁護士・登記は司法書士・税務は税理士へ分ける分離受任を、行政書士の実務から整理しました。
結論(先に要点):墓じまい(改葬)は、行政の許可を受けてから行う手続きです。改葬とは、埋葬した死体を他の墳墓に移し、又は埋蔵・収蔵した焼骨を他の墳墓・納骨堂に移すことをいい(墓地、埋葬等に関する法律(昭和23年法律第48号)第2条第3項)、改葬を行おうとする者は、焼骨等が現に存する地の市町村長(特別区の区長を含む。以下同じ)の許可を受けなければなりません(同法第5条第1項・第2項)。実務では、今のお墓の管理者から埋蔵・収蔵の事実を証する書面(埋葬証明・収蔵証明)を、移す先から受入れを示す書面(受入証明)をそろえ、現在の墓地がある市区町村に改葬許可申請書を出して改葬許可証(同法施行規則=昭和23年厚生省令第24号 別記様式第三号)の交付を受けます。祭祀財産(系譜・祭具・墳墓)を誰が承継するかは民法第897条の問題で、離檀料や墓所の撤去費用は寺院・墓地との話し合いです。本記事は、改葬許可の流れと必要書類、そして誰に何を頼むかを整理するためのものです。改葬の許可は市町村長が行うものであり、当事務所が許可を保証するものではありません。書類作成と交渉・紛争は、それぞれ独立した事業体として別々にご契約いただきます。
改葬許可はどこに何を出す手続きですか?
改葬の許可権者は、埋葬・火葬とは異なり、死体又は焼骨が現に存する地の市町村長です(墓地、埋葬等に関する法律第5条第2項)。つまり、今お墓がある市区町村に申請します。移す先の市区町村ではない点に注意します。申請書の記載事項は同法施行規則第2条第1項に定められています。
| 改葬許可申請書の記載事項(施行規則第2条第1項) | 内容 |
|---|---|
| 第一号 | 死亡者の本籍、住所、氏名及び性別 |
| 第二号 | 死亡年月日 |
| 第三号 | 埋葬又は火葬の場所 |
| 第四号 | 埋葬又は火葬の年月日 |
| 第五号 | 改葬の理由 |
| 第六号 | 改葬の場所(移す先) |
| 第七号 | 申請者の住所・氏名、死亡者との続柄など |
古い時代の埋葬では、死亡年月日や埋葬年月日が分からないことがあります。その場合は「不詳」と書いて差し支えない取扱いの自治体が多く、様式・記載方法は市区町村によって異なります。改葬する焼骨等が複数あるときは、原則として1体ごとに申請します(自治体によっては一枚の申請書に複数を記載できる様式もあります)。許可されると改葬許可証(施行規則別記様式第三号)が交付され、これを移す先の墓地・納骨堂の管理者に提出して納骨します。
埋葬証明・受入証明はどこで取りますか?
改葬許可申請書には、埋蔵・収蔵の事実を証する書面を添えます。施行規則第2条第2項は、墓地又は納骨堂の管理者が作成した「埋葬若しくは埋蔵又は収蔵の事実を証する書面」の添付を求めています。実務での書類の集め方は次のとおりです。
| 書類 | どこで取るか | 位置づけ |
|---|---|---|
| 埋葬証明・埋蔵証明・収蔵証明 | 現在の墓地・納骨堂の管理者(寺院・霊園・自治体) | 施行規則第2条第2項が求める添付書類 |
| 受入証明(永代使用許可証・墓所使用許可証など) | 移す先の墓地・納骨堂 | 多くの自治体が申請時に求める(運用による) |
| 改葬許可申請書 | 現在の墓地がある市区町村 | 同規則第2条第1項の記載事項 |
墓地使用者以外の人が申請する場合は、墓地使用者の承諾書、または申請者に改葬を求める権利があることを示す裁判の謄本・確定証明書等の添付が求められます(施行規則第2条第2項)。受入証明の要否や様式は自治体・寺院によって異なるため、申請前に、現在の墓地の管理者・移す先・市区町村の三者に、必要書類を確認しておくと差し戻しを防げます。行政書士は、行政書士業務の範囲で改葬許可申請書その他の書類作成を支援しますが、証明書の発行は各管理者・市区町村が行います。
祭祀承継者が決まっていないと墓じまいはできませんか?
お墓(墳墓)は、預貯金や不動産のような通常の相続財産とは別に扱われます。系譜・祭具・墳墓の所有権は、慣習に従って祖先の祭祀を主宰すべき者が承継し、被相続人(亡くなった方)の指定があればその者が承継します(民法第897条第1項)。慣習が明らかでないときは家庭裁判所が定めます(同条第2項)。したがって、まず「誰が祭祀を承継し、墓所の使用者となっているか」を整理することが、墓じまいの出発点になります。
現在の墓所使用者が申請者であれば手続きは進めやすく、そうでない場合は使用者の承諾書などが必要になります(前述の施行規則第2条第2項)。誰が祭祀承継者かをめぐって親族の意見が分かれる、寺院との間で承継や離檀の条件が折り合わないといった、権利義務に争いがある場面は弁護士の領域です。当事務所は、争いのない前提での書類作成・手続きの整理を、独立した事業体として支援します。祭祀財産の承継と遺産分割の関係は、祭祀の承継・お墓・仏壇と遺産分割の関係で整理しています。相続手続き全体の入口は別事業体の相続専門サイト相続の窓口もご覧ください。
離檀料や墓所の撤去費用は誰と話し合うものですか?
墓じまいには、行政手続きの費用とは別に、当事者間で話し合う費用があります。これらは法律上の許可の要件ではなく、寺院・墓地・石材店との契約・交渉の問題です。
ご自身のケースについて相談したい方へ
在留資格・許認可など、行政手続について状況をお聞かせください。
| 費用・手続き | 相手方 | 位置づけ |
|---|---|---|
| 改葬許可申請の手数料 | 市区町村 | 無料または数百円程度の自治体が多い(自治体により異なる) |
| 離檀料 | 寺院(檀家をやめる場合) | 法律に定めのない任意の性質。金額は当事者間の話し合い |
| 墓石の撤去・整地費用 | 石材店 | 民間の請負契約 |
| 閉眼供養(魂抜き)等のお布施 | 寺院 | 慣習・宗教上のもの |
離檀料には法律上の定めがなく、金額や支払義務の有無は寺院との話し合いによります。金額や条件で折り合わず紛争になった場合の交渉・法的判断は弁護士の領域で、当事務所の業務ではありません。なお、墓所・墳墓・祭具などの祭祀財産は相続税の非課税財産とされており(相続税法第12条第1項第2号)、墓じまいそのもので相続税・所得税が生じるのが通常ではありませんが、個別の税務判断は税理士の領域です。当事務所は税務相談・税額計算を行いません。
書類作成と交渉・紛争は誰に分けて頼めばいいですか?
墓じまいは、行政手続き・当事者間の交渉・親族の合意など、性質の異なる作業が混ざります。担当は次のように分かれます。
- 改葬許可申請書その他の書類作成、必要書類の整理 → 四葉行政書士事務所(行政書士)
- 埋葬証明・収蔵証明の発行、改葬許可証の交付 → 現在の墓地の管理者・市区町村
- 離檀料・墓所の撤去や供養の条件の話し合い → 当事者(申請者)と寺院・墓地・石材店
- 祭祀承継や離檀をめぐって権利義務に争いがある場合の交渉・法的判断 → 弁護士
- 相続財産の名義変更のうち不動産の登記 → 司法書士
- 相続税・所得税など個別の税務判断 → 税理士
四葉行政書士事務所と四葉不動産株式会社は別事業体です。当社は改葬許可申請の書類作成・整理のみを独立した事業体として担い、証明書の発行は各管理者・市区町村、離檀料等の交渉は当事者と寺院、争いのある場面は弁護士、登記は司法書士、税務は税理士と、それぞれ別々にご契約いただきます。当事務所は紹介料を受け取りません。行政書士に頼める業務の全体像は許認可の業務、受任の流れは受任の流れ、料金は報酬額表をご覧ください。
よくある質問
Q. 改葬許可はどこの役所に出しますか?
A. 今、焼骨等が現に存する地(=現在のお墓がある市区町村)の市町村長に出します(墓地、埋葬等に関する法律第5条第2項)。移す先の市区町村ではありません。申請書の記載事項は同法施行規則第2条第1項に定められ、埋蔵・収蔵の事実を証する書面(管理者作成)を添えます。書類作成は行政書士が独立した事業体として支援します。
Q. 何十年も前の埋葬で、死亡年月日が分かりません。申請できますか?
A. 死亡年月日・埋葬年月日が不詳のときは「不詳」と記載して差し支えない取扱いの自治体が多いですが、様式・記載方法は市区町村によって異なります。まず現在の墓地の管理者と当該市区町村に、必要書類と記載方法を確認してください。
Q. お寺から高額な離檀料を求められました。行政書士に交渉を頼めますか?
A. 離檀料には法律上の定めがなく、金額や支払義務の有無は寺院との話し合いです。金額や条件で折り合わず紛争になった場合の交渉・法的判断は弁護士の領域で、行政書士の業務ではありません。当事務所は争いのない前提での書類作成・手続きの整理を、別事業体として支援します。
Q. 墓じまいで税金はかかりますか?
A. 墓所・墳墓・祭具などの祭祀財産は相続税の非課税財産とされており(相続税法第12条第1項第2号)、墓じまいそのもので相続税・所得税が生じるのが通常ではありません。ただし個別の税務判断は税理士の領域で、当事務所は税務相談・税額計算を行いません。
この記事の出典(一次情報)
- e-Gov法令検索・厚生労働省「墓地、埋葬等に関する法律」(昭和23年法律第48号)第2条第3項(改葬の定義)・第5条第1項(改葬の許可)・第5条第2項(許可権者=焼骨等の現に存する地の市町村長)(参照日 2026-09-26)
- e-Gov法令検索・厚生労働省「墓地、埋葬等に関する法律施行規則」(昭和23年厚生省令第24号)第2条第1項(改葬許可申請書の記載事項)・第2条第2項(埋蔵・収蔵の事実を証する書面等の添付書類)・第4条(改葬許可証は別記様式第三号)(参照日 2026-09-26)
- e-Gov法令検索「民法」第897条(祭祀に関する権利の承継)(参照日 2026-09-26)
- e-Gov法令検索「相続税法」第12条第1項第2号(墓所、霊びょう及び祭具並びにこれらに準ずるものの非課税)(参照日 2026-09-26)
- 各市区町村の改葬許可申請の案内(手数料・様式・受入証明の要否は自治体により異なる。参照日 2026-09-26)
本記事は一般的な情報提供であり、個別の改葬許可の可否、必要書類、受入証明の要否、手数料、祭祀承継の帰属を保証するものではありません。改葬の許可は、焼骨等が現に存する地の市町村長(特別区の区長を含む)が行います。様式・記載方法・添付書類・手数料は当該市区町村の公式ページで確認してください。埋葬証明・収蔵証明の発行は現在の墓地の管理者、離檀料や撤去・供養の条件は当事者と寺院・墓地・石材店、祭祀承継や離檀をめぐって権利義務に争いがある場合の交渉・法的判断は弁護士、不動産の登記は司法書士、相続税・所得税など個別の税務判断は税理士が、それぞれ独立した事業体として別々にご契約のうえ対応します。当事務所は紹介料を受け取りません。個別の判断は、面談のうえ資格者が行います。執筆は浦松 丈二(行政書士・宅地建物取引士)です。
まずは、状況を整理するところから。
四葉行政書士事務所(文京区小日向・東京メトロ丸ノ内線「茗荷谷」駅 徒歩5分)が、要件の整理から書類作成・申請までお手伝いします。
LINEは代表・浦松丈二に直接つながります。24時間受付・順次お返事します。
東京メトロ丸ノ内線「茗荷谷」駅 徒歩5分|火・水 10:00〜19:00/月・木・金・土・日 18:00〜19:00
