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許認可・開業の手続き(行政書士の実務から)

自動車運転代行業を始めるには?認定の要件と営業所・随伴用自動車の準備

足場のある建設現場と小型トラック、ヘルメットの水彩イラスト
浦松 丈二

浦松 丈二

行政書士・宅地建物取引士(四葉行政書士事務所/四葉不動産株式会社)

プロフィール(士業ドットコム)↗

自動車運転代行業は、運送業の「許可」ではなく、都道府県公安委員会の「認定」を受けて始めます(自動車運転代行業の業務の適正化に関する法律第4条)。破産・拘禁刑・暴力団関係・損害賠償措置の不備などの欠格事由(第3条各号)、お客様の車を運転する代行運転普通自動車の運転者に必要な普通第二種免許(道路交通法第86条)、随伴用自動車の損害賠償措置(第12条)、無認定営業の罰則(第32条・30万円以下の罰金)と、認定申請・二種免許・保険・営業所物件を誰に分けて頼むか(分離受任)を、行政書士の実務から整理しました。

結論(先に要点):自動車運転代行業は、運送業の「許可」ではなく、都道府県公安委員会の「認定」を受けて始めます(自動車運転代行業の業務の適正化に関する法律第4条)。認定の前提として、破産・拘禁刑・暴力団関係・損害賠償措置の不備・安全運転管理者を選任できないことなどの欠格事由(同法第3条各号)に一つも該当しないことが要ります。お客様の車を運転する「代行運転普通自動車」の運転者には普通第二種免許が必要で(道路交通法第86条)、随伴用自動車の運転は第一種免許で足ります。認定を受けずに営業すると30万円以下の罰金の対象です(同法第32条)。本記事は一般的な情報提供であり、個別の認定可否・添付書類・審査期間は所轄警察署(公安委員会)と資格者の判断によります。認定申請の書類作成・代理は四葉行政書士事務所(行政書士)が担い、第二種免許の取得は運転者ご本人、随伴用自動車と代行運転自動車の保険の内容設計は保険会社、営業所の物件は四葉不動産株式会社が、それぞれ独立した事業体として別々にご契約のうえ対応します。四葉行政書士事務所と四葉不動産株式会社は別事業体です。当事務所は紹介料を受け取りません。

運転代行業の認定は運送業の許可と何が違う?

一般貨物自動車運送事業や介護タクシー(一般乗用旅客自動車運送事業)は、荷物や旅客を「自社の車」に乗せて運ぶため、国土交通大臣(地方運輸局)の許可が必要です。これに対して自動車運転代行業は、飲酒などで運転できなくなったお客様に代わって、お客様自身の車を運転して送り届ける役務です。お客様は自分の車(代行運転自動車)に乗り、代行業者はその車の後ろを随伴用自動車で追走します。根拠法も所管も違い、運転代行業は「自動車運転代行業の業務の適正化に関する法律」(平成13年法律第57号。公布2001年6月20日・施行2002年6月1日)に基づいて、都道府県公安委員会の認定を受けて始めます(同法第4条)。

ここで実務上とくに重要なのが、随伴用自動車にお客様を乗せてはならないという点です。随伴用自動車で客を運送すると、旅客自動車運送事業(いわゆる白タク)に当たり、別の許可の問題になります。運転代行では「客は客自身の車に乗る」「随伴用自動車は追走するだけ」という役割分担が、制度の前提になっています。

事業何を運ぶか誰の車か手続所管
一般貨物自動車運送荷物自社の車許可国土交通大臣(運輸局)
介護タクシー等の旅客運送旅客自社の車許可国土交通大臣(運輸局)
自動車運転代行業お客様(本人の車を運転)お客様の車+随伴用自動車認定都道府県公安委員会

運送業の許可の要件は一般貨物自動車運送の許可と営業所・車庫の要件、貨物軽自動車運送は貨物軽自動車運送の届出、福祉輸送は介護タクシーの許可と車庫の要件をご覧ください。運転代行はこれらとは根拠法が異なる別制度です。

認定を受けられない欠格事由にはどんなものがある?

認定の前提となる欠格事由は、同法第3条各号に列挙されています。営もうとする者がこのいずれかに該当すると、認定を受けられません(同法第4条)。代表的なものは次のとおりです。

  • 破産手続開始の決定を受けて復権を得ない者(第3条第1号)
  • 拘禁刑以上の刑、又はこの法律の規定に違反して罰金の刑に処せられ、その執行を終わり等の日から2年を経過しない者(同第2号)
  • 最近2年間に、営業の停止・廃止などの命令に違反した者(同第3号)
  • 集団的に、又は常習的に暴力的不法行為その他の罪に当たる違法な行為を行うおそれがあると認めるに足りる相当な理由がある者(同第4号)
  • 精神機能の障害により業務を適正に遂行するために必要な認知・判断・意思疎通を適切に行うことができない者(同第5号)
  • 損害賠償措置(第12条)を講じていない、又は基準に適合しない者
  • 営業所ごとに安全運転管理者等を選任すると認められないことに相当の理由がある者
  • 法人で、その役員のうちに上記の欠格事由に該当する者があるもの

法人で申請するときは、代表者だけでなく取締役など役員全員について欠格事由の有無が確認されます。なお、刑法改正により2025年6月1日から「禁錮」は「拘禁刑」に整理されています。どの前科・処分がどの号に当たるか、いつ2年を経過するかは事実関係による個別判断であり、権利義務・事実証明に関する書類の作成は行政書士が支援しますが、該当性そのものの断定は避け、所轄警察署(公安委員会)の確認によります。刑事事件の帰すう(前科の消滅時期など)にわたる評価は弁護士の領域です。

営業所と随伴用自動車には何が求められる?

認定の申請は、主たる営業所の所在地を管轄する都道府県公安委員会(窓口は所轄警察署)に、申請書と添付書類を提出して行います(同法第5条第1項)。営業所には次のような体制が求められます。

  • 安全運転管理者の選任:営業所ごとに、道路交通法上の安全運転管理者を選任します(随伴用自動車の台数に応じて副安全運転管理者の選任が必要になる場合があります)。安全運転管理者を選任できないと認められると、そもそも認定の欠格事由に当たります。
  • 随伴用自動車の表示等:随伴用自動車には、法令で定める表示(運転代行であることの標識など)や、料金の掲示・運送引受書の交付といった、利用者保護のためのルールが定められています。
  • 代行運転自動車の運転者の免許:お客様の車(代行運転普通自動車)を運転する者は、普通第二種免許(大型・中型の第二種免許でも可)が必要です(道路交通法第86条)。随伴用自動車を運転するだけの者は第一種免許で足ります。

第二種免許は運転者ご本人が取得するもので、事務所や事業者が代わりに取得することはできません。採用した運転者に必要な免許があるか、営業開始までに確認しておくことが実務では要になります。営業所となる物件の使用権原(賃貸借契約や用途)の確認は、宅地建物取引業者である四葉不動産株式会社が別契約で対応します。

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随伴用自動車と代行運転自動車の保険はどこまで必要?(内容は保険会社へ)

自動車運転代行業者は、代行運転自動車の運行(お客様の車を運転している間)によって生じた利用者その他の者の生命・身体・財産の損害を賠償するため、国土交通省令で定める基準に適合する損害賠償措置を講じておかなければなりません(同法第12条)。この措置を講じていないと、認定の欠格事由に当たり、営業もできません。

国土交通省令・告示で定める損害賠償措置の基準額は、一般に対人8,000万円以上・対物200万円以上・車両200万円以上とされています(最新の基準額は書く直前に国土交通省・所轄の案内で確認してください)。加えて、随伴用自動車は「自社の車」ですから、通常の自動車と同じく任意保険を備えるのが一般的です。

ただし、どの保険商品でこの基準を満たすか、代行運転自動車と随伴用自動車それぞれにどんな補償を付けるか、保険料はいくらかといった保険の内容設計は保険会社の領域です。当事務所は、認定申請にあたって損害賠償措置を証する書類(保険証券の写しなど)を整えることは支援しますが、保険商品の選定や加入の可否には踏み込みません。

認定申請から営業開始までの流れは?

自動車運転代行業を始めるまでの一般的な流れは次のとおりです。担当が段階ごとに分かれます。

  1. 事業計画・営業所・随伴用自動車・運転者(第二種免許の有無)を整理する
  2. 損害賠償措置(保険)を保険会社と相談して手当てする → 保険会社
  3. 安全運転管理者を選任する
  4. 認定申請書と添付書類を作成し、所轄警察署(公安委員会)へ提出する → 四葉行政書士事務所(行政書士)
  5. 審査・認定の通知を受ける
  6. 認定を受けてから営業を開始する

認定を受けずに、又は認定の通知を受ける前に営業すると、30万円以下の罰金の対象です(同法第32条)。名義貸し(第10条違反)や損害賠償措置の不備(第12条違反)も同じ罰則の対象です。「認定の通知を受ける前に業務を始めない」ことが、実務では最初の分岐点になります。

会社を設立して始める場合の担当分けは次のとおりです。認定申請と各種届出の書類作成・代理は四葉行政書士事務所(行政書士)が、独立した事業体として担います。第二種免許の取得は運転者ご本人、損害賠償措置(保険)の内容は保険会社、採用後の労働時間(深夜割増など)・社会保険の手続は社会保険労務士、営業所の物件探しと賃貸借は四葉不動産株式会社(宅地建物取引業者)、設立・役員変更などの登記は司法書士、税務は税理士、従業員との紛争や刑事事件にわたる個別の法的判断は弁護士が担当します。四葉行政書士事務所と四葉不動産株式会社は別事業体です。各分野は、それぞれの資格者・事業者と独立した事業体として別々にご契約いただく前提で、当事務所は紹介料を受け取りません。受任の流れは受任の流れ、料金は報酬額表、取扱業務の全体像は許認可・各種申請サービスをご覧ください。個別の認定可否や必要書類の最終判断は、事情を踏まえて資格者と所轄警察署(公安委員会)が行います。

よくある質問

Q. 運転代行業は「許可」と「認定」のどちらですか?
A. 「認定」です。自動車運転代行業を営もうとする者は、欠格事由(第3条各号)に該当しないことについて、都道府県公安委員会の認定を受けなければなりません(自動車運転代行業の業務の適正化に関する法律第4条)。申請は主たる営業所の所在地を管轄する公安委員会(窓口は所轄警察署)に行います(第5条第1項)。運送業の許可(国土交通大臣)とは根拠法も所管も異なります。

Q. 随伴用自動車にお客様を乗せてもよいですか?
A. いいえ。運転代行はお客様自身の車(代行運転自動車)を運転して送り届ける役務で、随伴用自動車は追走するだけです。随伴用自動車で客を運送すると旅客自動車運送事業(白タク)の問題になります。「客は客の車に乗る」という前提が制度の基本です。

Q. 二種免許は会社がまとめて取得できますか?
A. できません。第二種免許は運転者ご本人が取得する運転資格です。お客様の車(代行運転普通自動車)を運転する者には普通第二種免許が必要で(道路交通法第86条)、随伴用自動車を運転するだけなら第一種免許で足ります。採用時に必要な免許の有無を確認しておくと安全です。

Q. 保険はどこまで入ればよいですか?
A. 代行運転自動車の運行による損害を賠償するための損害賠償措置(国土交通省令で定める基準に適合するもの)を講じる義務があります(第12条)。基準額の目安は対人8,000万円以上・対物200万円以上・車両200万円以上とされますが、どの保険商品で満たすか、随伴用自動車の任意保険をどう組むかといった内容は保険会社にご確認ください。当事務所は書類の整備を支援しますが、保険の可否・内容には踏み込みません。

この記事の出典(一次情報)

  • e-Gov法令検索「自動車運転代行業の業務の適正化に関する法律」(平成13年法律第57号)第2条(定義)、第3条(欠格事由)、第4条(認定)、第5条(認定の申請・提出先)、第12条(損害賠償措置を講ずべき義務)、第32条(罰則)(参照日 2026-09-27)
  • e-Gov法令検索「道路交通法」第86条(普通第二種免許ほか。代行運転普通自動車の運転)(参照日 2026-09-27)
  • 国土交通省「自動車運転代行業について」(mlit.go.jp。損害賠償措置の基準額の目安・二種免許・随伴用自動車。参照日 2026-09-27)
  • 神奈川県警察「自動車運転代行業の業務の適正化に関する法律概要」(police.pref.kanagawa.jp。認定・欠格事由・損害賠償措置。参照日 2026-09-27)

本記事は一般的な情報提供であり、特定の申請の認定可否、必要書類、審査期間を保証するものではありません。欠格事由への該当性、損害賠償措置の基準額、免許・保険の細部は、所轄警察署(公安委員会)や国土交通省の運用・法改正により異なることがあるため、申請前に最新の案内で確認してください。認定申請と各種届出の書類作成・代理は四葉行政書士事務所(行政書士)、第二種免許の取得は運転者ご本人、損害賠償措置(保険)の内容は保険会社、採用後の労務管理は社会保険労務士、営業所の物件探しと賃貸借は四葉不動産株式会社(宅地建物取引業者)、設立・役員変更などの登記は司法書士、税務は税理士、従業員との紛争や刑事事件にわたる個別の法的判断は弁護士が、それぞれ独立した事業体として別々にご契約のうえ対応します。四葉行政書士事務所と四葉不動産株式会社は別事業体です。当事務所は紹介料を受け取りません。個別の判断は、面談のうえ資格者が行います。執筆は浦松 丈二(行政書士・宅地建物取引士)です。

まずは、状況を整理するところから。

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