化粧品製造販売業・製造業許可|薬機法第12条・第13条の違いと三役・GQP/GVP

化粧品を自社ブランドで売るには、市場への出荷と最終責任を負う「化粧品製造販売業許可」(薬機法第12条)と、製造・包装・表示・保管を行う「化粧品製造業許可」(薬機法第13条)の違いを押さえる必要があります。輸入販売でも原則両方が必要な点、製造業許可の区分(一般/包装・表示・保管)、総括製造販売責任者ほか三役の資格(薬機法第17条・施行規則第85条)とGQP/GVP、許可申請・輸入通関・税務の分離受任を整理します。
結論(先に要点):化粧品を自社ブランドで売るには、まず「化粧品製造販売業許可」(薬機法第12条)が要ります。これは市場への出荷と最終責任を負う許可です。実際に製造・包装・表示・出荷判定前の保管を行う所には別に「化粧品製造業許可」(薬機法第13条)が要り、輸入して自社名で売る場合も原則この二つが必要です。
情報確認日:2026年10月24日。本記事は、OEMや輸入で化粧品を自社ブランド販売したい事業者向けに、二つの許可の違い・三役・GQP/GVPを情報提供として整理します。法律名は「医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律」(薬機法)で、条文はe-Gov法令検索の法律名で照合しました。各省令の番号・最終改正日、許可の有効期間を定める政令の条番号、自治体ごとの手数料・標準処理期間・必要単位数は未検証です。個別の許可の可否は所管の都道府県(薬務主管課)と有資格者が判断します。
化粧品の『製造販売業許可』と『製造業許可』は何が違うのか?
二つは目的が違う別の許可で、両方そろって初めて自社ブランドの化粧品を世に出せます。神奈川県の案内(参照日2026-10-24)は、製造販売業許可を「製品を市場へ出荷するための許可であり、この許可では製造を行うことはできません」、製造業許可を「製品の製造(包装、表示、出荷判定前の保管を含む)を行う許可であり、この許可では製品を市場へ出荷することができません」と説明しています。製造販売業者は製品に対する最終的な責任を負う者です。
| 許可の種類 | 根拠 | できること | できないこと |
|---|---|---|---|
| 化粧品製造販売業許可 | 薬機法第12条 | 市場への出荷・製品の最終責任 | 製造そのもの |
| 化粧品製造業許可 | 薬機法第13条 | 製造・包装・表示・出荷判定前の保管 | 市場への出荷 |
製造販売業許可は、原則として主たる機能を有する事務所の所在地を所管する都道府県知事が与えます。製造業許可は、製造所ごとに、その所在地の都道府県知事が与えます。許可には有効期間(一般に5年とされます)があり、満了前に更新しないと効力を失います。更新時期や有効期間を定める政令の条番号は自治体案内と政令で確認が必要で、本記事では確定値を示しません(裏取りできていないため未検証です)。
化粧品製造業許可の区分はどう分かれているのか?
製造業許可は、行える工程で区分が分かれます。愛知県の案内(参照日2026-10-24)は、「一般」を製品の一貫製造ができる区分、「包装・表示・保管」をバルクの製造・充填は行えず容器への包装・表示・保管と検査のみを行える区分と整理しています。容器への充填など一次包装を行うなら「一般」区分が要ります。
| 製造業許可の区分 | 行える工程 |
|---|---|
| 一般 | 化粧品の一貫製造(充填など一次包装を含む) |
| 包装・表示・保管 | 二次包装・ラベル貼付・保管・検査のみ(バルク製造・充填は不可) |
自社では企画と出荷判定だけ行い、製造を他社に委託するなら、製造販売業許可を持つうえで、製造は製造業許可のある受託先に任せる形になります。どの工程を自社で持つかで必要な区分が変わります。
輸入して売るだけでも製造販売業許可は要るのか?
要ります。海外で作られた化粧品でも、国内の市場へ出荷して最終責任を負うのは国内の製造販売業者だからです。神奈川県の案内(参照日2026-10-24)は、「自社で輸入し、自社の製品として市場へ出荷する場合」には製造販売業許可と製造業許可(区分:包装・表示・保管)の両方が必要とし、「邦文表示を行った製品を輸入する場合であっても、国内の製造所で一旦保管し、必要な試験検査を行う必要があります」と注記しています。
取引の形で必要な許可は変わります。製造業許可を持つ他社に輸入そのものを委託し、他社製品として出荷してもらうなら、自社は製造販売業許可だけで足りる場合があります。自社が輸入と保管だけを担い他社名で出荷する場合は、包装・表示・保管区分の製造業許可が要るとされます。どの形に当たるかは所管の薬務主管課で確認してください(個別の取引形態による判断は本記事では行いません)。
なお化粧品は、販売名ごとに製造販売前の届出(製造販売届)や、配合できる成分の制限(配合禁止・制限成分、防腐剤・紫外線吸収剤・タール色素などのルール)に従う必要があります。成分や表示の個別の適否は本記事では確定的に示しません(制度の詳細と最新運用は未検証で、所管と有資格者の確認が要ります)。
総括製造販売責任者などの三役には誰がなれるのか?
製造販売業の体制の中心が、実務で「三役」と呼ばれる三つの責任者です。薬機法第17条に基づく総括製造販売責任者と、GQP省令に基づく品質保証責任者、GVP省令に基づく安全管理責任者です。製造業の側では、製造所ごとに責任技術者を置きます。
| 役割 | 位置づけ | 根拠 |
|---|---|---|
| 総括製造販売責任者 | 品質管理と製造販売後安全管理を統括 | 薬機法第17条 |
| 品質保証責任者 | 品質管理業務を担当 | GQP省令 |
| 安全管理責任者 | 製造販売後の安全管理を担当 | GVP省令 |
| 責任技術者 | 製造所の製造管理・品質管理 | 製造業(製造所ごと) |
化粧品の総括製造販売責任者の資格要件は、薬機法第17条と薬機法施行規則第85条に基づきます。京都府の案内(参照日2026-10-24)は、化粧品の区分として、薬剤師のほか、高校またはこれと同等以上の学校で薬学・化学に関する専門の課程を修了した者、高校等で薬学・化学に関する科目を修得した後に医薬品・医薬部外品・化粧品の品質管理または安全管理業務に3年以上従事した者を挙げています。医薬品より資格の幅が広く、薬剤師でなくても要件を満たしうるのが化粧品の特徴です。ただし必要単位数などの扱いは自治体で異なります(東京都は12単位以上とする運用が案内されています)。確定した要件は所管の最新手引きで確認してください。
GQP・GVPで求められる体制とは?
製造販売業許可は、人を置くだけでなく、品質と安全を管理する仕組みを文書化して運用できることが前提です。それがGQP(品質管理の基準)とGVP(製造販売後安全管理の基準)です。神奈川県の案内(参照日2026-10-24)は、GQP省令を「医薬品、医薬部外品、化粧品及び再生医療等製品の品質管理の基準に関する省令」、GVP省令を「医薬品、医薬部外品、化粧品、医療機器及び再生医療等製品の製造販売後安全管理の基準に関する省令」としています。
ご自身のケースについて相談したい方へ
在留資格・許認可など、行政手続について状況をお聞かせください。
- GQP:製品の品質を確保するための手順書を整え、製造所の管理、出荷の可否判定、回収時の対応などの体制を定めます。
- GVP:市販後に集まる品質・安全の情報を収集・検討し、必要な措置(回収・情報提供など)につなげる体制を定めます。
申請では、組織図や手順書、三役の資格を示す書類などを添えます。各省令の正式な番号・最終改正日、添付様式は自治体と省令本文で確認が必要で、本記事では確定値を示しません(裏取りできていないため未検証です)。
許可申請・輸入通関・税務は誰に頼むのか(分離受任の整理)
化粧品を自社ブランドで売るまでには、許可申請・体制づくり・輸入・税務という性質の違う作業が重なります。それぞれの担当に分けて頼むのが基本です。
| 依頼先 | 担当する範囲 |
|---|---|
| 四葉行政書士事務所 | 製造販売業・製造業の許可申請書類の作成支援 |
| 通関業者 | 輸入時の通関手続 |
| 税理士 | 輸入にかかる消費税・関税など税務 |
| 薬剤師等の有資格者 | 三役・責任技術者への就任や品質・安全の判断 |
| 四葉社会保険労務士事務所 | 従業員の雇用・就業規則・社会保険の設計 |
四葉行政書士事務所、四葉社会保険労務士事務所、四葉不動産株式会社はそれぞれ別事業体で、独立した事業体として受任します。通関業者・税理士も当事務所とは別の独立した事業体です。各分野の担当者と別々にご契約いただき、各受任者が直接請求・入金を受けます。当事務所は紹介料を受け取りません。三役や責任技術者には有資格者本人が就任するもので、代行はできません。都道府県の薬務主管課は許可の行政窓口であって、受任契約の相手ではありません。
許認可サポート、受任の流れ、報酬額表をご確認ください。医療機器の販売・貸与は別制度の高度管理医療機器の販売・貸与業許可、医薬品を扱う小売店は店舗販売業の許可に整理しています。化粧品の製造販売業・製造業許可はこれらと根拠条文も区分も別です。
よくある質問
Q. 自分で作らずOEM(製造委託)だけでも製造販売業許可は要りますか?
A. 製造を他社に委託しても、自社ブランドとして市場へ出荷する以上、化粧品製造販売業許可が要ります(薬機法第12条)。製造そのものは製造業許可を持つ受託先が担い、自社は出荷判定と最終責任を負う立場になります。許可の要否は取引の形で変わるため、所管の薬務主管課に確認してください。
Q. 輸入した化粧品を売るのに製造業許可も要りますか?
A. 自社で輸入し自社名で出荷するなら、製造販売業許可に加え、製造業許可(包装・表示・保管区分)が要るとされます。邦文表示済みでも国内の製造所で保管・試験検査を行う必要があると案内されています(神奈川県・参照日2026-10-24)。委託の形によっては製造販売業許可だけで足りる場合もあります。
Q. 薬剤師でないと三役にはなれませんか?
A. 化粧品の総括製造販売責任者は、薬剤師に限りません。高校等で薬学・化学の課程を修了した者や、薬学・化学の科目を修得後に品質管理・安全管理業務に3年以上従事した者も要件になり得ます(薬機法第17条・施行規則第85条、京都府・参照日2026-10-24)。必要単位数などの扱いは自治体で異なるため、所管の手引きで確認してください。
Q. 許可にはどのくらいの期間と費用がかかりますか?
A. 手数料は都道府県の条例等で定められ、標準処理期間も自治体の審査基準に示されます。三役の確保、GQP/GVPの手順書、製造所や保管設備の整備状況で変わります。本記事では確定した金額・日数は示していません(自治体差があり裏取りできていないため未検証です)。所管の薬務主管課で最新の手引きを確認してください。
この記事の出典(一次情報)
- e-Gov・医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律(昭和35年法律第145号):第12条(製造販売業の許可)、第13条(製造業の許可)、第17条(医薬品等総括製造販売責任者等の設置)。各条の項・号の細目、許可の有効期間を定める政令の条番号、最終改正日・全施行履歴は未取得(未検証)。
- 神奈川県・化粧品の製造、輸入または製造販売等について:製造販売業許可(市場への出荷・最終責任)と製造業許可(製造・包装・表示・保管)の違い、輸入して自社名で出荷する場合は製造販売業許可+製造業許可(包装・表示・保管区分)、GQP省令・GVP省令の名称(参照日2026-10-24)。
- 愛知県・化粧品の製造販売業・製造業許可の手引(製造業許可の区分):製造業許可の「一般」と「包装・表示・保管」の区分と行える工程(参照日2026-10-24)。省令番号・手数料の確定値は自治体差があり未検証。
- 京都府の化粧品製造販売業の手引:化粧品の総括製造販売責任者の資格区分(薬剤師・薬学/化学の課程修了者・3年以上の実務経験者)を薬機法第17条・施行規則第85条として整理(参照日2026-10-24)。必要単位数の扱いは自治体差があり未検証。
確認日2026-10-24。条文番号はe-Gov法令検索の法律名で照合した範囲です。各省令の番号・最終改正日、許可の有効期間を定める政令の条番号、添付様式、手数料と標準処理期間、必要単位数は未検証で、申請前に所管の最新案内で再確認が必要です。
本記事は一般的な情報提供であり、個別の許可の可否、三役・責任技術者の適格性、成分・表示の適否、処理期間や費用を保証しません。化粧品の品質・安全に関わる判断は薬剤師等の有資格者が、許可の最終判断は所管行政が行います。執筆は浦松 丈二(行政書士・宅地建物取引士)です。
まずは、状況を整理するところから。
四葉行政書士事務所(文京区小日向・東京メトロ丸ノ内線「茗荷谷」駅 徒歩5分)が、要件の整理から書類作成・申請までお手伝いします。
LINEは代表・浦松丈二に直接つながります。24時間受付・順次お返事します。
東京メトロ丸ノ内線「茗荷谷」駅 徒歩5分|火・水 10:00〜19:00/月・木・金・土・日 18:00〜19:00
