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2026.08.16相続の手続き(行政書士の実務から)

相続は何から始める?文京区で進める戸籍収集・相続人調査と行政書士に頼めること

浦松 丈二

浦松 丈二

行政書士・宅地建物取引士(四葉行政書士事務所/四葉不動産株式会社)

プロフィール(士業ドットコム)↗

相続手続の初期段階で重要なのが、「誰が相続人か」「どんな財産があるか」を確認することです。戸籍収集と相続人調査の進め方、2024年開始の戸籍の広域交付、相続関係説明図と法定相続情報一覧図の違い、行政書士に依頼できる範囲を文京区の実務に沿って整理しました。

結論(先に要点):相続手続の初期段階で重要なのが、「誰が相続人か」と「どんな財産があるか」を確認することです。期限のある手続もあるため、相続人調査と財産調査を進めながら、必要な期限も並行して確認します。戸籍の収集、相続関係説明図・財産目録の作成、遺産分割協議書や遺言書の起案は、行政書士に依頼できます。四葉行政書士事務所は文京区小日向(茗荷谷駅徒歩約5分)にあり、本籍が文京区の場合の戸籍収集や、中国語・英語での相談にも対応します。相続登記は司法書士、相続税の申告は税理士、紛争性のある事案は弁護士、相続した不動産の売却・管理は宅地建物取引業者が担当します。それぞれ独立した事業体・別契約でおつなぎします。

相続が始まったら、最初に何を確認する?

相続の手続きは、戸籍・財産・期限という3つの軸が並行して動きます。まず確認したいのは、相続人が誰か遺産が何かです。戸籍で相続人を確定しなければ、誰を集めて遺産分割の話をすればよいかも決まりません。

あわせて、期限のある手続を先に把握します。代表的なのが、相続放棄の申述(原則として相続の開始を知った日から3か月以内)と相続税の申告(原則として相続の開始を知った日の翌日から10か月以内)です。「相続人と財産をすべて確定してから」と順番を固定してしまうと、こうした期限に間に合わなくなることがあります。相続人調査と財産調査を進めながら、必要な期限も並行して確認することが大切です。

相続人を確定するには、どの戸籍が必要?

相続人を確定するには、亡くなった方の出生から死亡までの戸籍をさかのぼります。婚姻や転籍で戸籍が移っているため、現在の戸籍だけでは足りず、除籍謄本や改製原戸籍謄本まで順に取得する必要があります。この記録から、配偶者、子、代襲相続、場合によっては兄弟姉妹や甥・姪まで、相続人の範囲を確定します。

ここで漏れがあると、あとで「実は相続人がもう一人いた」となり、遺産分割協議のやり直しになります。だからこそ、相続人調査は相続手続の入口として丁寧に行います。

2024年開始の「戸籍の広域交付」で何が便利になった?

これまで戸籍証明書等は本籍地の市区町村で取得するのが原則でした。2024年(令和6年)3月1日から、本籍地以外の市区町村窓口でも、戸籍全部事項証明書・除籍全部事項証明書・改製原戸籍謄本を請求できるようになりました。これを「戸籍の広域交付」といいます。

ただし、広域交付を利用できるのは、戸籍に記載されている本人、またはその配偶者・直系尊属・直系卑属のみです。代理人による請求(委任状・成年後見人による請求)はできず、第三者請求・職務上請求も対象外です。文京区でも同じ取扱いです。

文京区の場合、現在の戸籍全部事項証明書のみの請求は原則即日交付ですが、除籍・改製原戸籍を含む請求や、出生から死亡までなど複数の戸籍をまとめて請求する場合は、受取りまで2週間以上かかる場合があると案内されています(文京区公式サイト・2026年4月時点)。広域交付の受付は文京シビックセンター2階の戸籍住民課窓口で、平日午前8時30分から午後4時までです。家系図作成のための広域交付請求は、一度の受付で対象者2名分までとされています。

自分で戸籍を集める場合と行政書士へ頼む場合は何が違う?

広域交付は、あくまでご本人など一定の関係者が窓口で直接請求するための制度です。ご本人なら、本籍地が全国どこにあっても、原則として最寄りの市区町村で戸籍をまとめて請求できる場合があります。

一方、行政書士が依頼を受けて戸籍を収集する場合は、委任状による代理請求または職務上請求で行うため、広域交付の対象外です。本籍地の市区町村へ個別に請求して収集します。自分で集めるか行政書士へ依頼するかは、必要な戸籍の範囲、請求先の数、手続にかけられる時間などを踏まえて選んでいただく形です。出生から死亡までなど範囲が広く、本籍地が複数の自治体にまたがる場合は、行政書士に依頼すると請求先の整理と収集を行えます。いずれの場合も取得実費は別途かかります。行政書士が対応する相続業務の範囲と料金は、相続・遺言・信託報酬額表をご覧ください。

相続関係説明図と法定相続情報一覧図は何が違う?

名前が似ていますが、役割が違います。

  • 相続関係説明図:収集した戸籍をもとに、亡くなった方と相続人の関係を家系図の形で図示したもの。相続登記の申請などで、相続人の範囲を分かりやすく示すために用いられます。
  • 法定相続情報一覧図:戸籍の記載から判明する法定相続人を一覧にした図で、法定相続情報証明制度(法務局・登記所への申出)のための書類です。一覧図の写しは、相続手続や年金等の手続で戸籍の束の代わりに利用でき、申出から5年間保存され、再交付も受けられます。

法定相続情報証明制度の申出は、申出人(相続人)からの委任による代理人に依頼でき、法務局は委任による代理人として行政書士を明示しています。つまり、行政書士は戸籍の収集に加えて、法定相続情報一覧図の作成と申出まで対応できます。

なお、法定相続情報一覧図は戸籍の記載に基づく法定相続人を明らかにするものです。その後の相続放棄や遺産分割協議の結果、実際には相続人とならない方がいる場合も、その方の氏名等は一覧図に記載されます。

財産調査はどこまで行う?

相続人調査と並行して、遺産の全体像を把握します。預貯金・有価証券・不動産・自動車などのプラスの財産に加えて、借入金や未払いのものなどのマイナスの財産も含めて一覧にします。財産目録にまとめておくと、遺産分割の検討や、相続放棄の判断にも役立ちます。

相続した不動産の「売る・貸す・持ち続ける」の判断は、宅地建物取引業者の領域です。四葉行政書士事務所では財産目録の作成までを担い、不動産の活用・売却は四葉不動産株式会社(別事業体)が対応します。

遺産分割協議書を作る前に何を確定する?

遺産分割協議書は、相続人全員の合意内容を正確に文書化するものです。作成の前に、次の2つを確定しておく必要があります。

  • 相続人が全員判明していること
  • 遺産の範囲と評価の目安が一覧になっていること

この2つが固まらないまま協議を始めると、後から相続人の追加や財産の追加が発生し、協議のやり直しになります。遺産分割協議書は、相続人全員の合意を前提とするため、意見が対立している場合や遺留分の請求が絡む場合など、紛争性のある事案は弁護士の領域になります。その場合はおつなぎします。

行政書士・司法書士・税理士・弁護士・不動産会社は何を担当する?

相続には複数の専門家が関わります。おおまかな担当は次のとおりです。

担当主な業務
行政書士戸籍収集、相続関係説明図、法定相続情報一覧図の作成・申出、財産目録、遺産分割協議書、遺言書の起案
司法書士相続登記の申請(不動産の名義変更)など
税理士相続税の申告・税務判断
弁護士紛争性のある事案、遺留分など
不動産会社(宅地建物取引業者)相続した不動産の売却・管理・賃貸

相続放棄は家庭裁判所への手続で、書類作成を司法書士が扱う場合もあります。この記事では各専門家の細かな割り振りには立ち入らず、事案に応じて適切な専門家へおつなぎします。相続登記は2024年4月1日から申請が義務化されており、過去に開始した相続も対象です(所有権の取得を知った日から3年以内。遺産分割成立の場合はその日から3年以内。正当な理由なく違反すると10万円以下の過料)。四葉行政書士事務所は相続登記そのものは行いませんが、登記の前提となる戸籍や相続関係説明図を先に整えておくことで、その後の登記を進めやすくできます。

相続した不動産の売却・管理・賃貸の進め方は、相続不動産の完全ガイド(四葉不動産)をご覧ください。四葉不動産株式会社は四葉行政書士事務所とは別事業体・別契約で対応します。いずれの専門家へのご案内も、それぞれ独立した契約であり、当事務所は紹介料を受け取りません

文京区で相続手続きを進める流れ

文京区小日向の四葉行政書士事務所にご相談いただく場合は、まず亡くなった方の戸籍と、分かる範囲の財産の情報をお持ちいただき、相続人の範囲と財産の全体像を一緒に確認します。本籍が文京区の場合の戸籍収集は、文京シビックセンター2階の戸籍住民課が窓口です。相続手続で出生から死亡までなど複数の戸籍を請求する場合は、受取りまで2週間以上かかることがあります(2026年4月時点の文京区案内)。

その後、相続関係説明図・財産目録の作成、遺産分割協議書や遺言書の起案まで、段階に分けてご案内します。受任の流れは受任の流れをご覧ください。中国語・英語での相談にも対応しており、相続人に海外在住の方がいる場合も書類のやり取りを整理します。外国法が関係する相続は、事案によっては国際的な専門家の確認が必要になります。

よくある質問

Q. 戸籍は自分で集めることもできますか?広域交付は使えますか?
A. ご本人(または配偶者・直系尊属・直系卑属)であれば、2024年3月から始まった戸籍の広域交付により、本籍地以外の市区町村窓口でも戸籍・除籍・改製原戸籍をまとめて請求できます。ただし代理人による請求、第三者請求、職務上請求は広域交付の対象外です。行政書士が代理・職務上請求で収集する場合は、本籍地へ個別に請求します。

Q. 相続関係説明図と法定相続情報一覧図は、両方必要ですか?
A. 目的が異なります。相続関係説明図は相続人の関係を図示したもの、法定相続情報一覧図は法定相続情報証明制度の申出に用いる一覧図です。必要となる手続に応じて使い分けます。いずれも戸籍の収集が前提になるため、まず戸籍を正しく集めることが重要です。

Q. 相続登記は行政書士に頼めますか?
A. 相続登記の申請は司法書士の業務のため、四葉行政書士事務所では行いません。相続登記は2024年4月1日から申請が義務化されており、過去の相続も対象です。登記の前提となる戸籍収集や相続関係説明図の作成までを担い、その後の登記は司法書士へおつなぎします。

Q. 海外在住・外国籍の相続人がいる場合も相談できますか?
A. 相談できます。相続人に外国籍の方や海外在住の方がいる場合も、戸籍や書類の範囲を確認し、必要な書面を整理します。中国語・英語での相談にも対応しています。外国法が関係する相続は、事案によっては国際的な専門家の確認が必要になります。

この記事の出典(一次情報)

本記事は一般的な情報提供であり、個別の相続の可否・手続・効果を保証するものではありません。個別の判断は、面談のうえ資格者が行います。相続登記は司法書士、相続税は税理士、紛争性のある事案は弁護士、不動産は宅地建物取引業者が、それぞれ独立した事業体として別契約で対応します。当事務所は紹介料を受け取りません。執筆は浦松 丈二(行政書士・宅地建物取引士)です。

まずは、状況を整理するところから。

四葉行政書士事務所(文京区小日向・東京メトロ丸ノ内線「茗荷谷」駅 徒歩5分)が、要件の整理から書類作成・申請までお手伝いします。

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