放課後等デイの「総合支援型・特定プログラム特化型」は導入された?2024年改定後の人員配置と加算対応の労務
浦松 丈二
社会保険労務士・行政書士・宅地建物取引士(四葉社会保険労務士事務所/四葉行政書士事務所)
「総合支援型」「特定プログラム特化型」という2つの類型は、令和6年度の報酬改定では導入されませんでした。検討段階で示された案で、実際に決まったのは、5領域を全て含めた総合的な支援を基本とすること、支援プログラムの作成・公表の義務化(未公表は所定単位数の15%減算・令和7年4月1日施行)、基本報酬を支援時間の区分で分けることです。人員配置基準そのものは変わっていません。労務で効くのは常勤換算と勤務時間の管理です。人員配置・常勤換算・就業規則・勤務シフトの設計は社会保険労務士、指定申請・変更届は行政書士、加算の算定・国保連への請求は事業所が行い、独立した事業体として別々にご契約いただきます。
結論(先に要点):「総合支援型」「特定プログラム特化型」という2つの類型は、令和6年度の報酬改定では導入されませんでした。検討の段階で示された案で、実際に決まったのは、5領域を全て含めた総合的な支援を基本とすること、支援プログラムの作成・公表を義務づけること、基本報酬を支援時間の区分で分けることでした。人員配置の基準そのものは変わっていません。労務で効くのは常勤換算と勤務時間の管理です。
放課後等デイサービス・児童発達支援の人員配置と常勤換算、就業規則・勤務シフトの設計、加算に必要な勤務時間の管理は、四葉社会保険労務士事務所がお引き受けします。指定申請・変更届は行政書士(四葉行政書士事務所)、物件の用途地域の確認は不動産会社の領域で、四葉社会保険労務士事務所とは独立した事業体として、それぞれ別々にご契約いただきます。加算の算定・国保連への請求は事業所が行い、個別の判断は面談のうえ資格者が行います。
「総合支援型・特定プログラム特化型」への再編は、行われたのか?
行われていません。「総合支援型」と「特定プログラム特化型」は、令和6年度改定に向けた検討チームの議論のなかで示された基本報酬の類型案で、最終的な改定では採用されませんでした。「特化型で人員配置が変わる」という前提そのものが、制度としては存在しません。
実際に令和6年度改定で決まったのは、次の3点です。
| 実際に決まったこと | 内容 |
|---|---|
| 5領域の総合的な支援を基本に | 健康・生活/運動・感覚/認知・行動/言語・コミュニケーション/人間関係・社会性の5領域を全て含めた総合的な支援を提供することを運営基準に明記。個別支援計画で5領域とのつながりを明確にする |
| 支援プログラムの作成・公表を義務化 | 支援プログラムを作成しインターネット等で公表する。未公表の場合は所定単位数の15%を減算(令和7年4月1日施行) |
| 基本報酬を支援時間で区分 | 「30分以上1時間30分以下」「1時間30分超3時間以下」「3時間超5時間以下」などの支援提供時間の区分で基本報酬を設定 |
特定の療育内容だけを提供してきた事業所は、5領域を含めた総合的な支援へ支援内容や運営方針を見直す必要が生じることがあります。ただしこれは「特化型という別区分ができた」という意味ではありません。改定前後の人員基準そのものの考え方は児童発達支援・放課後等デイの人員基準と労務に整理しています。
児童指導員・保育士の人員配置基準は、どう定まっているのか?
人員配置の基準は、児童福祉法に基づく指定通所支援の事業等の人員、設備及び運営に関する基準(平成24年厚生労働省令第15号)で定められています。令和6年度改定でこの配置数そのものが変わったわけではありません。
放課後等デイサービス(重症心身障害児を主に受け入れる事業所を除く)では、児童指導員又は保育士を次の数以上置きます。
| 障害児の数 | 児童指導員又は保育士の数 |
|---|---|
| 10まで | 2以上 |
| 11以上 | 2に、10を超えて5又はその端数を増すごとに1を加えた数以上 |
このうち1人以上は常勤でなければならず、配置する従業者の半数以上は児童指導員又は保育士である必要があります。あわせて、児童発達支援管理責任者を専任かつ常勤で1人以上、管理者を置きます。有資格者の割合や常勤の要件を満たしているかは、勤務形態一覧表(勤務体制)で示すため、就業規則の所定労働時間と実際の勤務シフトを整えておくことが前提になります。就業規則の整備義務は就業規則は何人から義務かに整理しています。
常勤換算は、どう数えるのか?
常勤とは、その事業所が定める「常勤の従業者が勤務すべき時間数」に達している従業者をいいます。この勤務すべき時間数が週32時間を下回る場合は、週32時間を基本に常勤か非常勤かを判断します。
常勤換算は、非常勤を含む従業者の勤務延時間数を、常勤の従業者が勤務すべき時間数で割って、常勤の従業者が何人分に当たるかを出す方法です。
| 用語 | 意味 |
|---|---|
| 常勤 | 事業所が定める常勤の勤務すべき時間数に達している者(その時間数が週32時間を下回る場合は週32時間が基本) |
| 常勤換算 | 従業者の勤務延時間数 ÷ 常勤の従業者が勤務すべき時間数(=常勤何人分か) |
常勤換算は勤務時間の集計そのものなので、労働時間の管理と直結します。同じ考え方は障害福祉・介護の常勤換算にも共通で、詳しくは常勤換算はどう計算するのかに、就労支援A型・B型の人員基準は就労支援A型・B型の人員基準と労務にまとめています。実際の常勤換算の数え方は、休憩・欠勤・兼務の扱いによって結論が分かれる場合があります(未検証)。
加算に必要な勤務時間の管理は、どうするのか?
加算の多くは、基準の人員に加えてどれだけの職員を、どの勤務形態で置いているかで決まります。ここで勤務時間の管理が効いてきます。
| 加算 | 主な要件(放課後等デイサービスの例) |
|---|---|
| 児童指導員等加配加算 | 基準の人員に加え、対象の資格者を常勤専従又は常勤換算で1.0以上配置。単位は勤務形態と経験年数で異なる |
| 専門的支援体制加算 | 理学療法士・作業療法士・言語聴覚士・心理指導担当職員や、資格取得後5年以上の児童福祉事業の経験がある保育士・児童指導員等を配置(体制の加算) |
| 専門的支援実施加算 | 個別・集中的な専門的支援を計画的に実施した場合に、月の回数の限度の範囲で算定(実施の加算) |
「常勤換算1.0以上」を満たすには、複数の非常勤の勤務時間を合計して足りるかを見ます。これは勤務シフトと労働時間の記録がそろっていないと示せません。就業規則で所定労働時間を定め、勤務形態一覧表と実際のタイムカードが整合していることが、加算を安定して算定する前提になります。なお、加算の算定と国保連への請求は事業所が行う業務で、社会保険労務士は勤務体制・労働時間の設計と記録の整備を担当します。保育所の配置基準と労務は保育園を開設するときの人員配置と処遇にも整理しています。個別の加算が算定できるかの最終的な当てはめは、指定権者の解釈と事業所の運営実態によって判断が分かれます(未検証)。
ご自身のケースについて相談したい方へ
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指定・物件・加算算定は、誰に振り分けるのか?
放課後等デイサービスの開設・運営には、担当する資格が違う手続が並びます。それぞれ別の契約になります。
| 手続 | 担当 |
|---|---|
| 指定申請・変更届・運営規程の作成 | 行政書士(四葉行政書士事務所。当事務所とは別の事業体) |
| 人員配置・常勤換算・就業規則・勤務シフト・労働時間の管理 | 社会保険労務士(四葉社会保険労務士事務所) |
| 物件の用途地域・建物用途の確認 | 不動産会社 |
| 加算の算定・国保連への請求 | 事業所 |
四葉社会保険労務士事務所は独立した事業体として業務を受任し、行政書士や不動産会社など別の専門家・事業者が必要な場合は、お客様に直接ご契約いただく形をご案内します。当事務所は紹介料を受け取りません。
四葉社会保険労務士事務所は、何ができますか?
当事務所がお引き受けするのは、放課後等デイサービス・児童発達支援の人員配置と加算に対応するための労務の設計です。
- 児童指導員・保育士・児童発達支援管理責任者の配置と、有資格者の割合・常勤要件の確認
- 常勤換算の考え方の整理と、勤務形態一覧表・勤務シフトの設計
- 児童指導員等加配加算・専門的支援体制加算・専門的支援実施加算に必要な勤務時間の管理の仕組みづくり
- 就業規則・労働条件明示・労働時間管理の整備
- 支援プログラムの公表義務に伴う就業体制の見直しの支援
指定申請・変更届は行政書士、物件の用途地域の確認は不動産会社、加算の算定・国保連への請求は事業所が行います。四葉社会保険労務士事務所は独立した事業体として業務を受任し、行政書士(四葉行政書士事務所)など別の専門家が必要な場合は、お客様に直接ご契約いただく形をご案内します。紹介料はありません。
ご相談は無料です。費用は報酬額表に、サービス内容とご相談の流れもあわせてご覧ください。
よくある質問
Q. 放課後等デイに「総合支援型」と「特定プログラム特化型」の区分ができたのですか?
A. 令和6年度の報酬改定では導入されていません。検討チームの議論で示された類型案で、最終的な改定では採用されませんでした。実際に決まったのは、5領域を全て含めた総合的な支援を基本とすること、支援プログラムの作成・公表の義務化(未公表は所定単位数の15%減算・令和7年4月1日施行)、基本報酬を支援時間の区分で分けることです。人員配置の基準そのものは変わっていません。
Q. 児童指導員・保育士は何人配置すればよいですか?
A. 放課後等デイサービス(重症心身障害児を主に受け入れる事業所を除く)では、児童指導員又は保育士を、障害児10人までは2以上、11人以上は2に10を超えて5又はその端数を増すごとに1を加えた数以上置きます。このうち1人以上は常勤で、配置する従業者の半数以上は児童指導員又は保育士である必要があります。あわせて児童発達支援管理責任者を専任・常勤で1人以上置きます(平成24年厚生労働省令第15号)。
Q. 常勤換算はどう数えますか?
A. 従業者の勤務延時間数を、その事業所が定める常勤の従業者が勤務すべき時間数で割り、常勤の従業者が何人分に当たるかを出します。常勤の勤務すべき時間数が週32時間を下回る場合は、週32時間を基本に判断します。加算で「常勤換算1.0以上」を求められるときは、複数の非常勤の勤務時間を合計して足りるかを見ます。勤務シフトと労働時間の記録がそろっていることが前提です。
Q. 加算の算定や国保連への請求も社労士に頼めますか?
A. 加算の算定と国保連への請求は事業所が行う業務で、社会保険労務士は勤務体制・労働時間の設計と記録の整備を担当します。指定申請・変更届は行政書士、物件の用途地域の確認は不動産会社の領域です。四葉社会保険労務士事務所は独立した事業体として、人員配置・常勤換算・就業規則・勤務シフトの設計をお引き受けし、他の専門家が必要な場合はお客様に直接ご契約いただく形をご案内します。当事務所は紹介料を受け取りません。
この記事の根拠
- 児童福祉法に基づく指定通所支援の事業等の人員、設備及び運営に関する基準(平成24年厚生労働省令第15号)── 放課後等デイサービス・児童発達支援の人員配置基準(児童指導員又は保育士の数、うち1人以上常勤、半数以上は児童指導員又は保育士、児童発達支援管理責任者の専任・常勤の配置)と常勤・常勤換算の考え方(常勤の勤務すべき時間数が週32時間を下回る場合は週32時間を基本)
- 令和6年度障害福祉サービス等報酬改定 ── 児童発達支援・放課後等デイサービスについて、5領域(健康・生活/運動・感覚/認知・行動/言語・コミュニケーション/人間関係・社会性)を全て含めた総合的な支援を基本とすること、支援プログラムの作成・公表の義務化(未公表は所定単位数の15%減算・令和7年4月1日施行)、基本報酬の支援時間区分、児童指導員等加配加算・専門的支援体制加算・専門的支援実施加算の見直し(こども家庭庁「令和6年度障害福祉サービス等報酬改定について」・厚生労働省告示/2026年9月19日参照)
- 「総合支援型」「特定プログラム特化型」は令和6年度改定に向けた検討段階で示された基本報酬の類型案であり、最終的な改定では採用されていない(こども家庭庁・関係団体の改定資料/2026年9月19日参照)
- 労働基準法(昭和22年法律第49号)── 就業規則・所定労働時間・労働時間の記録の前提。常勤換算は勤務時間の集計に直結する
- 具体的な人員数・常勤換算・加算の算定可否の最終的な当てはめは、指定権者の解釈と事業所の運営実態、休憩・欠勤・兼務の扱いによって判断が分かれます。本記事では個別の結論を出していません(未検証)
本記事は一般的な情報提供です。個別のご事情に応じた判断は、面談のうえ資格者が行います。四葉社会保険労務士事務所では、放課後等デイサービス・児童発達支援の人員配置と有資格者割合・常勤要件の確認、常勤換算と勤務形態一覧表・勤務シフトの設計、児童指導員等加配加算・専門的支援体制加算・専門的支援実施加算に必要な勤務時間の管理、就業規則・労働時間管理の整備についてご相談いただけます。指定申請・変更届は行政書士(四葉行政書士事務所)、物件の用途地域の確認は不動産会社、加算の算定・国保連への請求は事業所が行います。四葉社会保険労務士事務所は独立した事業体として業務を受任し、別の専門家が必要な場合は、お客様に直接ご契約いただく形をご案内します。紹介料はありません。よくいただくご質問はよくあるご質問にまとめています。執筆は浦松丈二(社会保険労務士・行政書士・宅地建物取引士)です。
「働き方」から、整理しませんか。
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