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許認可の手続き(行政書士の実務から)

ゲームセンターの風営法5号許可—構造設備・距離制限と申請の流れ

窓口カウンターに置かれた申請書の束を描いた水彩イラスト
浦松 丈二

浦松 丈二

行政書士・宅地建物取引士(四葉行政書士事務所/四葉不動産株式会社)

プロフィール(士業ドットコム)↗

クレーンゲーム機や遊技機を置くゲームセンター・アミューズメント施設は、風営法第2条第1項第5号の風俗営業にあたり、第3条第1項により営業所ごとに都道府県公安委員会の許可が必要です。許可には人的要件(第4条第1項の欠格事由)、場所的要件(第4条第2項第2号・保全対象施設からの距離)、構造設備の技術上の基準(第4条第2項第1号・施行規則第7条の照度10ルクス等)をすべて満たすことが要り、申請書と図面を所轄警察署を経て提出し審査と実地調査を受けます。16歳未満・18歳未満の立入り(第22条第1項第5号)など営業時の順守事項、許可は行政書士、物件は不動産、図面は建築士、労務は社労士、処分への不服申立ては弁護士に分けて整理します。

結論(先に要点):クレーンゲーム機や遊技機を置くゲームセンター・アミューズメント施設を営むには、風俗営業等の規制及び業務の適正化等に関する法律(=風営法)第2条第1項第5号の風俗営業にあたり、第3条第1項により営業所ごとに、その所在地を管轄する都道府県公安委員会の許可を受ける必要があります。許可には、①人的要件(第4条第1項の欠格事由)、②場所的要件(第4条第2項第2号と政令で定める保全対象施設からの距離)、③構造設備の技術上の基準(第4条第2項第1号・施行規則第7条の照度や区画など)をすべて満たすことが求められ、申請書と図面等を所轄警察署を経て提出し、審査と実地調査を経てはじめて営業できます。本記事は5号許可の要件と申請の流れ、営業時の順守事項を整理する一般的な情報提供であり、個別の許可の可否は判断しません。

ゲームセンターはなぜ風営法5号に当たり、どの店が許可を要るのか?

風営法は、風俗営業を第2条第1項各号で種別ごとに定めています。ゲームセンター・アミューズメント施設は第5号にあたります。条文は次のとおりです。

  • 第2条第1項第5号:「スロットマシン、テレビゲーム機その他の遊技設備で本来の用途以外の用途として射幸心をそそるおそれのある遊技に用いることができるもの(国家公安委員会規則で定めるものに限る。)を備える店舗その他これに類する区画された施設において、当該遊技設備により客に遊技をさせる営業」(第4号=まあじゃん屋・ぱちんこ屋に該当する営業を除く)

ここで規制の対象になるのは、店内のすべての機械ではなく、「本来の用途以外の用途として射幸心をそそるおそれのある遊技に用いることができる遊技設備」で、国家公安委員会規則(施行規則)で定めるものに限られます。どの遊技設備が対象に当たるか、店舗の規模や設備の割合でどう判断されるかは施行規則の基準によるため、同じ「ゲームの置いてある店」でも5号営業に当たる店と当たらない店があります。自分の店が5号に当たるかどうか(許可が要るかどうか)は、置く遊技設備の種類と配置を具体的に示して、物件を決める前に所轄警察署(生活安全課)に確認するのが確実です。

種別代表例根拠
4号ぱちんこ屋・まあじゃん屋風営法第2条第1項第4号
5号ゲームセンター・アミューズメント施設風営法第2条第1項第5号

5号に当たる店は、第3条第1項により営業所ごとに都道府県公安委員会の許可が必要です。許可が下りるまでは営業を始められません。4号・5号の全体像はゲームセンターやまあじゃん店の営業許可(風適法4号・5号)は何が要件?も参考になります。物件の用途・面積の視点は不動産側のゲームセンター・アミューズメント施設の物件はどこまで選べる?(風営法5号)が扱います。

営業所の構造設備の基準(見通し・照度・遊技機)は何を満たすのか?

構造設備の基準は風営法第4条第2項第1号にもとづく技術上の基準で、国家公安委員会規則(施行規則第7条)と都道府県条例で具体化されています。5号営業で代表的に問われる基準は次のとおりです。

項目基準の目安(5号)
照度営業所内の照度を10ルクス以下としないための構造・設備(営業中の維持は法第14条)
見通し客室の内部に見通しを妨げる設備を設けない
風俗環境善良の風俗や清浄な風俗環境を害するおそれ、少年の健全な育成に障害を及ぼすおそれのある写真・装飾等を設けない
出入口客室の出入口に施錠の設備を設けない(営業所外へ直接通ずる出入口を除く)
遊技設備紙幣を挿入できる遊技料金装置や、現金・有価証券を提供する装置を有する遊技設備を設けない

5号営業は、遊技の結果に応じて現金や有価証券を提供する仕組みを禁じられています。また、景品を提供する場合の取扱い(提供できる物品や価格の範囲)には警察庁の解釈運用の基準があり、クレーンゲーム等の景品の扱いは店舗ごとに確認が要ります。照度・見通し・遊技設備の配置は、申請時に提出する図面(求積図・平面図・照明設備図)と現況が食い違うと実地調査で指摘を受けるため、内装設計の段階で織り込むのが安全です。具体的な数値や様式は都道府県で異なるので、所轄警察署の手引で最新の内容を確認してください。

用途地域と保全対象施設からの距離制限はどこで決まるのか?

5号でも物件選びに直結するのが「場所的要件」です。風営法第4条第2項第2号は、良好な風俗環境を保全するため特にその設置を制限する必要があるものとして政令で定める基準に従い、都道府県の条例で定める地域内にあるときは許可をしないと定めています。その政令が風営法施行令第6条で、①住居が多数集合する地域、②学校・図書館・児童福祉施設・病院・診療所などの「保全対象施設」の周囲一定距離の区域を、条例で営業制限地域として定められる枠組みを置いています。保全対象施設の周囲については、施行令が敷地の周囲おおむね100メートルの区域を限度としています。

実際の距離は都道府県の条例で異なります。物件が商業地域にあっても、近くに学校や病院があると距離制限で許可が取れないことがあります。用途地域は建築基準法にもとづく都市計画で定まり、同じ通り沿いでも区画によって変わります。物件を契約する前に、用途地域と保全対象施設からの距離の両方を、物件所在地の条例で確認することが欠かせません。

確認項目調べ方
営業制限地域か物件所在地の都道府県の風営法施行条例
保全対象施設からの距離周囲の学校・図書館・児童福祉施設・病院・診療所の位置と条例の距離
用途地域市区町村の都市計画情報(建築基準法)

許可申請は公安委員会に何を出し、どれくらいかかるのか?

申請は、営業所の所在地を管轄する警察署(生活安全課)を経て、都道府県公安委員会に対して行います。代表的な提出書類は次のとおりです(様式・部数・添付書類は都道府県で異なります)。

区分主な書類
共通許可申請書(別記様式)、営業の方法を記載した書類、営業所の使用権原を疎明する書類(賃貸借契約書など)、営業所の平面図・求積図・照明設備図、営業所周辺の略図(周囲おおむね100メートルの保全対象施設の位置が分かるもの)
個人申請申請者の住民票、身分証明書、誓約書
法人申請定款、登記事項証明書、役員全員の住民票・身分証明書・誓約書
管理者営業所の管理者の住民票・誓約書・顔写真など

提出後は書類審査に加えて、警察による実地調査(図面と現況の照合)が行われます。標準処理期間は都道府県により概ね55日前後とされ、土日祝を除く日数で定める公安委員会もあります。許可が下りるまで営業はできません。手数料(許可申請手数料)は都道府県ごとに定められています。郵送・FAXによる受付をしていない公安委員会もあり、営業所の構造設備を変更するときは別に変更承認・変更届が要るため、申請の様式・期間・手数料は、書く直前に必ず所轄警察署(都道府県公安委員会)の公式案内で確認してください。前科・前歴など欠格事由(第4条第1項)に関する事実の確認は本人と警察の管轄で、当事務所が本人に代わって前科の有無を証明することはできません。

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16歳未満・18歳未満の立入りなど営業時の順守事項は何か?

許可が下りた後も、営業中の順守事項があります。年少者の立入りについては、年齢で扱いが分かれます。

対象制限の目安根拠
18歳未満午後10時から翌日の午前6時までの時間に客として立ち入らせない風営法第22条第1項第5号
16歳未満日没後(午後6時以降など)に客として立ち入らせない(保護者同伴の場合の例外を条例で定める)都道府県の条例

18歳未満の者を午後10時から翌日の午前6時までの時間に客として立ち入らせないことは、風営法第22条第1項第5号が定めています。16歳未満の者の日没後の立入りについては、多くの都道府県の条例が制限し、保護者が同伴する場合の例外を置いています。2016年(平成28年)6月23日施行の法改正で、保護者が同伴する年少者の在店時間の扱いが緩和されましたが、具体的な時間と例外は都道府県ごとに異なります。年齢・時間の運用と、営業時間そのものの制限(都道府県条例で定められます)は、所轄警察署の案内で確認してください。このほか、営業所内の照度を10ルクス以下としないこと(第14条)など、構造設備基準を営業中も維持する義務があります。

物件・図面・労務・不服申立ては誰に分けるのか?

遊技設備による営業の開業は、複数の専門分野にまたがります。担当は次のとおりです。

  • 風俗営業(5号)許可の要件確認・申請書類の作成・許可申請の代理 → 四葉行政書士事務所(行政書士)
  • 店舗物件の賃貸借・立地(用途地域・保全対象施設からの距離)の事前確認・使用条件の調整 → 四葉不動産株式会社(宅地建物取引業者)
  • 内装・構造設備図面(求積図・平面図・照明設備図)の設計・工事 → 建築士・内装業者
  • 従業員のシフト・深夜労働など労務管理と社会保険 → 社会保険労務士
  • 不許可処分・営業停止処分への不服申立て・訴訟 → 弁護士

四葉行政書士事務所とは別事業体の四葉不動産株式会社が、独立した事業体として別契約で、物件探し・賃貸借契約・用途地域や保全対象施設からの距離の事前確認を担当します。構造設備図面は建築士、労務と社会保険は社会保険労務士、処分への不服申立て・訴訟は弁護士が、いずれも独立した事業体として別々にご契約・お手続きいただきます。各分野は、それぞれの窓口・資格者と別々にご契約いただく前提で、当事務所は紹介料を受け取りません。受任の流れは受任の流れ、料金は報酬額表、取扱業務の全体像は許認可・各種申請サービスをご覧ください。接待飲食の1号許可についてはゲームセンターやまあじゃん店とは別業態の、接待飲食(風営法1号)の距離制限、深夜の酒類提供については深夜0時以降にお酒を出す店、届出は何がいる?も参考になります。

よくある質問

Q. ゲームの置いてある店は、どんな店でも5号許可が要るのですか?
A. いいえ。5号営業に当たるのは、本来の用途以外の用途として射幸心をそそるおそれのある遊技に用いることができる遊技設備(国家公安委員会規則で定めるものに限る)を備え、その設備で客に遊技をさせる店舗です(風営法第2条第1項第5号)。置く遊技設備の種類や店舗の規模によって該当しない場合もあります。自分の店が5号に当たるか(許可が要るか)は、置く設備と配置を示して、物件を決める前に所轄警察署に確認してください。

Q. 届出では足りないのですか?
A. いいえ。5号は「許可」が必要です。深夜に酒類を提供する飲食店営業(接待なし)は第33条第1項の「届出」で足りますが、遊技設備で客に遊技をさせる5号は、人的・場所的・構造設備の各要件を審査する「許可」の対象です。許可が下りるまで営業を始められません。

Q. 物件が商業地域なら距離制限は関係ないですか?
A. いいえ。商業地域でも、近くに学校・図書館・児童福祉施設・病院・診療所などの保全対象施設があると、都道府県条例の距離制限で許可が取れないことがあります。距離は条例で異なり、風営法施行令第6条は保全対象施設の周囲おおむね100メートルを限度としています。物件契約の前に、所在地の条例で確認してください。

Q. 子どもは何時まで入れますか?
A. 18歳未満の者は、午後10時から翌日の午前6時までの時間に客として立ち入らせてはならないとされています(風営法第22条第1項第5号)。16歳未満の者の日没後の立入りは多くの都道府県の条例で制限され、保護者同伴の例外が置かれています。具体的な時間と例外は都道府県ごとに異なるため、所轄警察署の案内で確認してください。

この記事の出典(一次情報)

  • e-Gov法令検索「風俗営業等の規制及び業務の適正化等に関する法律」(昭和23年法律第122号)第2条第1項第5号、第3条第1項、第4条第1項・第2項第1号・第2号、第14条、第22条第1項第5号、第33条第1項(参照日 2026-10-29)
  • e-Gov法令検索「風俗営業等の規制及び業務の適正化等に関する法律施行令」(昭和59年政令第319号)第6条(営業制限地域の基準・保全対象施設の周囲おおむね100メートルを限度)(参照日 2026-10-29)
  • e-Gov法令検索「風俗営業等の規制及び業務の適正化等に関する法律施行規則」(昭和60年国家公安委員会規則第1号)第7条(第5号営業の構造設備の技術上の基準・照度10ルクス)(参照日 2026-10-29)
  • 風俗営業等の規制及び業務の適正化等に関する法律の改正(平成27年法律第45号・平成28年6月23日施行、保護者同伴の年少者の在店に関する扱いの見直し)(参照日 2026-10-29)
  • 各都道府県の風営法施行条例・青少年の立入りに関する条例、所轄警察署(都道府県公安委員会)の風俗営業許可の手引(営業制限地域・構造設備・標準処理期間・提出書類・年少者の立入り時間)(参照日 2026-10-29)
  • e-Gov法令検索「建築基準法」(用途地域)(参照日 2026-10-29)

本記事は一般的な情報提供であり、個別の許可の可否、5号営業への該当性、営業制限地域への該当性、構造設備基準の適合、必要書類、審査期間、欠格事由の該当性を保証するものではありません。該当性・距離・照度・年少者の立入り時間などの基準と様式は都道府県ごとに異なり、法令も改正されるため、必ず営業所の所在地の条例と所轄警察署の公式案内で最新の内容を確認してください。5号許可の可否と審査は都道府県公安委員会(所轄警察署)が判断します。店舗物件の賃貸借・立地の確認は別事業体の四葉不動産株式会社(宅地建物取引業者)、構造設備図面は建築士、労務と社会保険は社会保険労務士、処分への不服申立て・訴訟は弁護士が、それぞれ独立した事業体として別々にご契約・お手続きのうえ対応します。当事務所は紹介料を受け取りません。個別の判断は、面談のうえ資格者が行います。執筆は浦松 丈二(行政書士・宅地建物取引士)です。

まずは、状況を整理するところから。

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