レンタカー業(自家用自動車有償貸渡業)の許可は何が要る?運転代行との違いと開業の流れ

レンタカー・カーシェアを事業として始めるには、自家用自動車を業として有償で貸し渡すための国土交通大臣の許可(自家用自動車有償貸渡業許可)が必要です(道路運送法第80条第1項)。運転代行(公安委員会の認定)との違い、欠格事由と保険の基準額(対人8,000万円・対物200万円・搭乗者500万円)、貸渡約款・貸渡簿(2年保存)・整備管理者の選任、お客様に運転者を付けて貸す運転者の労務供給の禁止、無許可営業の罰則(道路運送法第98条・百万円以下の罰金)、わ・れナンバーでの車両登録、許可申請・車両登録・税務・保険・物件を誰に分けて頼むか(分離受任)を、行政書士の実務から整理しました。
結論(先に要点):レンタカー・カーシェアを事業として始めるには、自家用自動車を業として有償で貸し渡すための国土交通大臣の許可(自家用自動車有償貸渡業許可)が必要です(道路運送法第80条第1項)。申請は主たる事務所の所在地を管轄する運輸支局長(地方運輸局)へ行い、貸渡料金と貸渡約款を記載した書類、欠格事由に該当しない旨の確認書、事務所別車種別配置車両数一覧表、貸渡しの実施計画などを添付します。許可後は車両を自家用の「わ」「れ」ナンバーで登録し、貸渡簿を2年間以上保存し、一定台数以上の営業所には整備管理者を選任します。お客様に運転者を付けて貸す「運転者の労務供給」は禁止され、ここが運転代行や白タクとの分かれ目です。無許可で営業すると百万円以下の罰金の対象です(同法第98条)。本記事は一般的な情報提供であり、個別の許可可否・添付書類・審査期間は所轄の運輸支局と資格者の判断によります。許可申請の書類作成・代理は四葉行政書士事務所(行政書士)が担い、車両の新規登録(わナンバー取得)は申請者ご本人や自動車販売店、会社設立・税務は税理士、任意保険の内容設計は保険会社、採用後の労務は社会保険労務士、営業所の物件探しと賃貸借は四葉不動産株式会社が、それぞれ独立した事業体として別々にご契約のうえ対応します。四葉行政書士事務所と四葉不動産株式会社は別事業体です。当事務所は紹介料を受け取りません。
レンタカー業は「許可」か「届出」か、運転代行と何が違うのか?
レンタカー業は「届出」ではなく「許可」です。道路運送法第80条第1項は、「自家用自動車は、国土交通大臣の許可を受けなければ、業として有償で貸し渡してはならない」と定めています。中古車販売や宿泊・観光の副業として車を貸し出すこと、時間貸しのカーシェアを運営することは、いずれもこの「業として有償で貸し渡す」に当たり、許可が要ります。許可権限は国土交通大臣から地方運輸局長へ委任されており、実際の窓口は主たる事務所の所在地を管轄する運輸支局です。
ここで混同されやすいのが自動車運転代行業です。運転代行は、飲酒などで運転できなくなったお客様に代わって「お客様自身の車」を運転して送り届ける役務で、都道府県公安委員会の認定を受けて始めます。これに対してレンタカー業(自家用自動車有償貸渡業)は、「事業者の車」をお客様に貸し、お客様自身が運転します。根拠法も所管も、そして「誰が運転するか」も違う別制度です。運転代行の認定要件は運転代行業の認定と営業所・随伴用自動車の要件で整理しています。
さらに、お客様に運転者を付けて車を貸す(運転者の労務供給をともなう貸渡し)ことは、後述のとおり禁止されています。運転者ごと車を手配して対価を得れば、それは旅客自動車運送事業(いわゆる白タク)やバス事業の領域になり、別の許可の問題になります。レンタカーは「車だけを貸す」「運転は借りた人がする」という切り分けが制度の前提です。
| 事業 | 誰が運転するか | 誰の車か | 手続 | 所管 |
|---|---|---|---|---|
| レンタカー業(自家用自動車有償貸渡業) | 借りたお客様 | 事業者の車(わ・れナンバー) | 許可 | 国土交通大臣(運輸支局) |
| 自動車運転代行業 | 代行業者 | お客様の車 | 認定 | 都道府県公安委員会 |
| 一般貨物・旅客運送(トラック・タクシー等) | 事業者 | 事業者の車 | 許可 | 国土交通大臣(運輸局) |
運送業の許可の要件は一般貨物自動車運送の許可と営業所・車庫の要件、福祉輸送は介護タクシーの許可と車庫の要件をご覧ください。
自家用自動車有償貸渡業許可の要件と必要書類は何か?
許可は、国土交通省の通達「貸渡人を自動車の使用者として行う自家用自動車の貸渡し(レンタカー)の取扱いについて」(自旅第138号。平成7年6月13日。最終改正 国自旅第286号・平成18年3月30日)に定める基準で審査されます。中心になるのは、申請者とその役員が欠格事由に該当しないこと、そして事故に備えた保険に入っていることです。
欠格事由の代表的なものは次のとおりです。
- 1年以上の懲役又は禁錮の刑に処せられ、その執行を終わり、又は執行を受けることがなくなった日から2年を経過していない者
- 一般旅客・貨物自動車運送事業や自家用自動車の有償貸渡しの許可の取消しを受け、取消しの日から2年を経過していない者
- 申請者が成年者と同一の能力を有しない未成年者・成年被後見人で、その法定代理人が上記に当たるとき
- 法人の場合に、その役員のうちに上記に当たる者があるとき
法人で申請するときは、代表者だけでなく役員全員について欠格事由の有無が確認されます。なお、刑法改正により2025年6月1日から「禁錮」は「拘禁刑」に整理されています。どの前科・処分がどの要件に当たるか、いつ2年を経過するかは事実関係による個別判断で、権利義務・事実証明に関する書類の作成は行政書士が支援しますが、該当性そのものの断定は避け、所轄の運輸支局の確認によります。刑事事件の帰すうにわたる評価は弁護士の領域です。
保険は、貸渡自動車について通達が定める補償内容が目安になります。
| 補償区分 | 基準額の目安 |
|---|---|
| 対人保険 | 1人当たり8,000万円以上 |
| 対物保険 | 1件当たり200万円以上 |
| 搭乗者保険 | 1人当たり500万円以上 |
どの保険商品でこの基準を満たすか、保険料がいくらかといった内容設計は保険会社の領域です。当事務所は加入状況を証する書類を整えることは支援しますが、商品の選定や加入の可否には踏み込みません。申請は主たる事務所の所在地を管轄する運輸支局長に対して行い、自家用自動車貸渡許可申請書に、貸渡料金及び貸渡約款を記載した書類、会社登記簿謄本(個人は住民票)、欠格事由に該当しない旨の確認書、事務所別車種別配置車両数一覧表、貸渡しの実施計画(責任者の配置・従業員への指導研修・整備管理者の配置計画・保険の加入状況など)を添付します。
貸渡約款・貸渡簿・車両の整備管理で何を準備するのか?
許可を受けた後も、事業者には継続的なルールがあります。貸渡しに附随して運転者の労務供給(運転者の紹介・あっせんを含む)を行ってはならず、その旨を事務所に掲示しなければなりません。貸渡料金及び貸渡約款も、事務所で公衆の見やすいように掲示します。名義貸し(自己の名義を他人に利用させること)も禁止です。
ご自身のケースについて相談したい方へ
在留資格・許認可など、行政手続について状況をお聞かせください。
記録面では、借受人の氏名・住所、運転者の氏名と運転免許の種類・番号、貸渡自動車の登録番号、貸渡日時、走行キロ数、貸渡料金、事故に関する事項などを記載した貸渡簿を備え、少なくとも2年間以上保存しなければなりません。借受人には、遵守事項(運行中の携行、運転者の労務供給を受けられない旨など)を記載した貸渡証を交付し、運転者に携行させます。前年度の貸渡実績報告書と事務所別車種別配置車両数一覧表は、毎年5月31日までに運輸支局長へ提出します。
車両は、事業用(緑ナンバー)ではなく自家用のまま、レンタカー用の分類番号である「わ」ナンバー(地域によっては「れ」)で登録します。乗車定員11人以上の自動車は1両以上、その他の乗用車等は10両以上を一つの事務所で使うと、整備管理者の選任が必要になります(道路運送車両法第50条、同法施行規則第31条の3)。なお、乗車定員30人以上又は車両長7mを超える自家用バス、霊柩車の貸渡しは行えません。自家用マイクロバスは別途の特例(事前届出・経営実績など)が課されます。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 車両登録 | 自家用の「わ」「れ」ナンバー(緑ナンバーではない) |
| 貸渡簿 | 法定の記載事項を記録し2年間以上保存 |
| 掲示義務 | 貸渡料金・貸渡約款・運転者の労務供給を行わない旨 |
| 整備管理者 | 乗車定員11人以上は1両以上、乗用車等は10両以上で選任 |
| 定期報告 | 貸渡実績報告書等を毎年5月31日までに提出 |
車両の新規登録(わナンバーの取得)は、申請者ご本人や購入先の自動車販売店が運輸支局で行う手続で、営業許可とは別の工程です。設備・保安にわたる整備管理者の実務は、資格のある整備管理者や自動車整備事業者が担います。
許可の後、車両登録や税務は誰に振り分けるのか?
レンタカー業を会社として始める場合の担当分けは次のとおりです。許可申請と各種届出の書類作成・代理は四葉行政書士事務所(行政書士)が、独立した事業体として担います。会社設立の登記や役員変更などの登記は司法書士、法人税・消費税や自動車にかかる税(登録免許税・自動車税など)の申告・納税は税理士、車両の新規登録(わナンバー取得)は申請者ご本人や自動車販売店が運輸支局で、任意保険の内容は保険会社、採用した従業員の労働時間・社会保険の手続は社会保険労務士、営業所の物件探しと賃貸借は四葉不動産株式会社(宅地建物取引業者)、事故の賠償をめぐる紛争や刑事事件にわたる個別の法的判断は弁護士が担当します。四葉行政書士事務所と四葉不動産株式会社は別事業体です。
各分野は、それぞれの資格者・事業者と独立した事業体として別々にご契約いただく前提で、当事務所は紹介料を受け取りません。受任の流れは受任の流れ、料金は報酬額表、取扱業務の全体像は許認可・各種申請サービスをご覧ください。個別の許可可否や必要書類の最終判断は、事情を踏まえて資格者と所轄の運輸支局が行います。
よくある質問
Q. レンタカー業は許可と届出のどちらが必要ですか?
A. 許可です。自家用自動車を業として有償で貸し渡すには、国土交通大臣の許可(自家用自動車有償貸渡業許可)を受けなければなりません(道路運送法第80条第1項)。申請は主たる事務所の所在地を管轄する運輸支局長に対して行います。許可を受けずに営業すると百万円以下の罰金の対象です(同法第98条)。
Q. ナンバーは緑ナンバー(事業用)になりますか?
A. いいえ。レンタカーは自家用のまま、レンタカー用の分類番号である「わ」ナンバー(地域によっては「れ」)で登録します。運送業の緑ナンバー(事業用登録)とは異なります。車両の新規登録そのものは、申請者ご本人や自動車販売店が運輸支局で行う別の手続です。
Q. 運転者を付けてお客様に車を貸せますか?
A. できません。貸渡しに附随して運転者の労務供給(運転者の紹介・あっせんを含む)を行うことは禁止されており、その旨を事務所に掲示する義務もあります。運転者ごと手配して対価を得る形は旅客運送事業(白タク)などの別の許可の問題になります。レンタカーは「車だけを貸す」制度です。
Q. 整備管理者は必ず選任しなければなりませんか?
A. 使用する車両の種類と台数によります。乗車定員11人以上の自動車は1両以上、その他の乗用車等は10両以上を一つの事務所で使う場合に、整備管理者の選任が必要です(道路運送車両法第50条、同法施行規則第31条の3)。台数が基準に満たない乗用車のみであれば選任義務はありません。最新の基準は申請前に運輸支局で確認してください。
この記事の出典(一次情報)
- e-Gov法令検索「道路運送法」(昭和26年法律第183号)第80条(有償貸渡し。第1項・第2項)、第81条(使用の制限及び禁止)、第98条(罰則。百万円以下の罰金)(参照日 2026-10-06)
- 国土交通省「貸渡人を自動車の使用者として行う自家用自動車の貸渡し(レンタカー)の取扱いについて」(自旅第138号・平成7年6月13日、最終改正 国自旅第286号・平成18年3月30日。許可基準・欠格事由・保険の基準額・貸渡約款・貸渡簿・運転者の労務供給の禁止・申請書類)(mlit.go.jp。参照日 2026-10-06)
- e-Gov法令検索「道路運送車両法」第50条(整備管理者)、同法施行規則第31条の3(選任を要する自動車の種類及び数)(参照日 2026-10-06)
本記事は一般的な情報提供であり、特定の申請の許可可否、必要書類、審査期間を保証するものではありません。欠格事由への該当性、保険の基準額、整備管理者の選任基準、車種ごとの貸渡しの可否や自家用マイクロバスの特例などの細部は、所轄の運輸支局や国土交通省の運用・法改正により異なることがあるため、申請前に最新の案内で確認してください。許可申請と各種届出の書類作成・代理は四葉行政書士事務所(行政書士)、車両の新規登録(わナンバー取得)は申請者ご本人や自動車販売店、設立・役員変更などの登記は司法書士、税務は税理士、任意保険の内容は保険会社、採用後の労務管理は社会保険労務士、営業所の物件探しと賃貸借は四葉不動産株式会社(宅地建物取引業者)、事故の賠償紛争や刑事事件にわたる個別の法的判断は弁護士が、それぞれ独立した事業体として別々にご契約のうえ対応します。四葉行政書士事務所と四葉不動産株式会社は別事業体です。当事務所は紹介料を受け取りません。個別の判断は、面談のうえ資格者が行います。執筆は浦松 丈二(行政書士・宅地建物取引士)です。
まずは、状況を整理するところから。
四葉行政書士事務所(文京区小日向・東京メトロ丸ノ内線「茗荷谷」駅 徒歩5分)が、要件の整理から書類作成・申請までお手伝いします。
LINEは代表・浦松丈二に直接つながります。24時間受付・順次お返事します。
東京メトロ丸ノ内線「茗荷谷」駅 徒歩5分|火・水 10:00〜19:00/月・木・金・土・日 18:00〜19:00
