個人事業を相続して続けるとき、許認可は引き継げる?承継できるものと取り直しが要るもの

個人事業主が持っていた許認可は、本人に与えられたものなので、亡くなっても当然に相続人へ引き継がれるわけではありません。引き継げるかは許認可ごとに法律が違います。建設業許可は令和2年改正で相続の認可制度ができ、死亡後30日以内に申請して認可を受ければ地位を承継できます(建設業法第17条の3)。飲食店営業などは相続・合併・分割による地位の承継の届出ができます(食品衛生法第56条)。一方、古物商許可や産業廃棄物処理業の許可には承継の仕組みがなく、原則として取り直しが必要です。許認可の承継・再取得は行政書士、相続登記は司法書士、相続税・事業承継税制は税理士、争いのある遺産分割は弁護士へ振り分け、相続した不動産の売却・活用は別事業体の四葉不動産株式会社が担う前提で、四葉グループの行政書士が独立した事業体として受任する枠組みを整理しました。
結論(先に要点):個人事業主が持っていた許認可は、本人に与えられたものなので、亡くなっても相続財産として当然に相続人へ引き継がれるわけではありません。引き継げるかどうかは許認可ごとに法律が違います。建設業許可は、令和2年改正で相続の認可制度ができ、被相続人の死亡後30日以内に申請して認可を受ければ地位を承継できます(建設業法第17条の3)。飲食店営業などは相続・合併・分割による地位の承継の届出ができます(食品衛生法第56条)。一方、古物商許可や産業廃棄物処理業の許可には承継の仕組みがなく、相続人が続けるには原則として取り直し(新規許可)が必要です。本記事は一般的な情報提供で、個別の承継の可否や期限を判断・保証するものではありません。許認可の承継・再取得の申請は行政書士(当事務所)、相続登記(不動産の名義)は司法書士、相続税・事業承継税制は税理士、株式や遺産分割の争いは弁護士が担います。相続した不動産の売却・活用は、別事業体である四葉不動産株式会社の領域です。四葉グループの行政書士は、許認可の承継・再取得の支援を独立した事業体として受任します。
個人事業主が亡くなると許認可はどうなるのか(原則は失効か)?
許認可の多くは「その人」に与えられた資格です。預金や不動産のように遺産分割で誰かに分ける対象にはならず、本人の死亡によって効力を失うのが基本的な考え方です。したがって、相続人が「親の許可をそのまま使って続ける」ことは、特別な承継の規定がある場合を除いてできません。
ただし近年、事業を止めずに継がせるため、許認可ごとに承継の仕組みが整えられてきました。建設業や飲食店営業には承継の規定ができ、一方で古物商や産業廃棄物処理業にはなお承継の規定がない、というように、分野によって扱いが真逆です。相続財産の全体像の整理は相続財産の調べ方・財産目録、不動産の名義変更の流れは相続登記の流れで別に扱っています。
| 類型 | 相続人が続けるには |
|---|---|
| 承継の認可がある(例:建設業許可) | 期限内に認可申請して地位を承継 |
| 承継の届出がある(例:飲食店営業許可) | 遅滞なく届出をして地位を承継 |
| 承継の仕組みがない(例:古物商・産廃業の許可) | 原則として取り直し(新規許可) |
建設業許可は相続で承継できるのか(令和2年改正の認可制度)?
できます。従来は、個人の建設業者が亡くなると許可は失効し、相続人は新たに許可を取り直す必要があり、審査の間は許可業者としての地位に空白が生じていました。これを改めたのが、2020年(令和2年)10月1日に施行された改正建設業法です。建設業法第17条の3は、建設業者が死亡した場合に、被相続人が営んでいた建設業の全部を引き続き営もうとする相続人は、被相続人の死亡後30日以内に許可行政庁(国土交通大臣又は都道府県知事)に申請して、その認可を受けることができるとしています。
重要なのは、空白期間を作らない工夫です。相続人がこの認可の申請をしたときは、被相続人の死亡の日から認可をする旨又はしない旨の通知を受ける日までの間は、被相続人に対してした建設業の許可は相続人に対してされたものとみなされます。つまり審査中も事業を続けられます。あわせて、生前の事業譲渡・合併・分割についても事前の認可制度が設けられています(建設業法第17条の2)。
| 場面 | 根拠 | ポイント |
|---|---|---|
| 死亡による相続 | 建設業法第17条の3 | 死亡後30日以内に認可申請、審査中も地位を継続 |
| 生前の譲渡・合併・分割 | 建設業法第17条の2 | 事前に認可を受けて地位を承継 |
ただし、認可には経営業務の管理責任者や専任技術者などの許可要件を相続人側が満たすことが前提です。要件の適否は個別の判断になるため、早い段階での確認が欠かせません。
飲食店営業など地位の承継が認められる許可はどれか?
食品衛生法に基づく飲食店営業などの許可は、相続・合併・分割による地位の承継が認められています。食品衛生法第56条は、営業者について相続があったとき、相続人(相続人が複数いる場合は全員の同意で選んだ者)が営業者の地位を承継するとし、承継した者は遅滞なくその事実を証する書面を添えて都道府県知事等に届け出るものとしています。この承継の仕組みは、2021年(令和3年)6月1日施行の改正で整えられ、事業譲渡による承継は2023年(令和5年)12月13日施行の改正で加わりました。
興行場営業(ライブハウス・劇場など)にも、譲渡・相続・合併・分割による営業者の地位の承継と届出の仕組みがあります(興行場法第2条の2)。このように、営業者に着目する衛生系の許可は「届出による承継」が用意されていることが多い類型です。もっとも、承継後も許可の基準(施設の衛生・構造)を満たしていることが前提で、営業の内容を変える場合は別の手続が必要になることがあります。
古物商・産廃など取り直しが要る許認可は何か?
承継の仕組みがなく、相続人が続けるには新規に許可を取り直す必要がある許認可もあります。代表例が古物商許可と産業廃棄物処理業の許可です。
古物営業法には、個人の古物商許可を相続人が承継する規定がありません。個人の許可を受けていた人が亡くなった場合、同居の親族等は、死亡の日から10日以内に許可証を公安委員会に返納しなければならず(古物営業法第8条)、相続人が古物営業を続けるには自ら新たに許可を受ける必要があります。
産業廃棄物処理業(収集運搬業・処分業)の許可も、個人事業主の相続による承継の制度がありません。相続人が続けるには新規の許可申請が必要です。なお、法人の合併・分割については認可の制度があり(廃棄物処理法第15条の4)、産業廃棄物処理施設の許可には譲受け等の制度があるなど、同じ廃棄物処理法でも「業の許可」と「施設の許可」で扱いが分かれます。
| 許認可 | 相続人が続けるには | 死亡時の留意点 |
|---|---|---|
| 古物商許可 | 新規許可の取り直し | 10日以内に許可証を返納(古物営業法第8条) |
| 産業廃棄物処理業の許可 | 新規許可の取り直し | 合併・分割は認可制度あり(廃棄物処理法第15条の4) |
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承継の届出・認可には期限があるのか(事業を止めないために)?
あります。期限を外すと、せっかくの承継制度が使えず、事業を一度止めて取り直すことになりかねません。主なものを整理します(詳細・起算日は所管庁で確認してください)。
| 許認可 | 手続 | 期限の目安 |
|---|---|---|
| 建設業許可 | 相続の認可申請 | 被相続人の死亡後30日以内(建設業法第17条の3) |
| 飲食店営業許可 | 地位承継の届出 | 遅滞なく(食品衛生法第56条) |
| 古物商許可 | 許可証の返納 | 死亡の日から10日以内(古物営業法第8条)/継続は新規許可 |
建設業許可の「30日以内」は特に短く、相続の発生直後から準備を始める必要があります。許可要件(経営業務の管理責任者・専任技術者など)を相続人が満たせるかの確認も同時に進めます。期限や要件の判断は個別性が高いため、一般的な情報提供にとどめ、具体的な可否は所管庁と資格者にご確認ください。
許認可・登記・税務・紛争で誰に何を頼むか(役割分担)?
事業の相続・承継は、許認可・登記・税務・紛争と複数の専門にまたがります。それぞれ独立した事業体として別々にご契約いただくのが基本です。四葉グループの行政書士は、許認可の承継の認可・届出、再取得の新規許可申請、許可要件の確認の支援を、独立した事業体として担います。
| 依頼先 | 主な役割 |
|---|---|
| 行政書士(当事務所) | 許認可の承継・再取得の申請支援 |
| 司法書士 | 相続登記(不動産の名義変更) |
| 税理士 | 相続税・準確定申告・事業承継税制 |
| 弁護士 | 遺産分割・株式など争いのある事項 |
| 不動産業者(別事業体の当社) | 相続した不動産の売却・活用 |
相続不動産の売却・活用については相続と不動産もご覧ください。不動産の売買・媒介は別事業体である四葉不動産株式会社が担当します。当事務所の取扱業務・受任の流れ・報酬額表もご確認ください。各専門家とは独立した事業体として契約し、相互に紹介料を受け取りません。
よくある質問
Q. 親の建設業許可をそのまま使って事業を続けられますか?
A. 2020年(令和2年)10月1日施行の改正で相続の認可制度ができました。被相続人の死亡後30日以内に許可行政庁へ認可申請をすれば、審査中も含めて地位を承継できます(建設業法第17条の3)。ただし経営業務の管理責任者・専任技術者などの許可要件を相続人が満たすことが前提です。期限が短いので早期の着手が重要です。
Q. 飲食店の許可は相続で引き継げますか?
A. 引き継げます。食品衛生法第56条により、相続・合併・分割による営業者の地位の承継が認められ、承継した人は遅滞なくその事実を証する書面を添えて届け出ます。相続人が複数いる場合は全員の同意で承継者を選びます。承継後も施設の衛生・構造の基準を満たしていることが前提です。
Q. 古物商や産廃業の許可は相続できますか?
A. いずれも相続による承継の仕組みがなく、相続人が続けるには原則として新規に許可を取り直す必要があります。古物商は死亡の日から10日以内に許可証の返納が必要です(古物営業法第8条)。産業廃棄物処理業の業の許可も新規取得が必要で、合併・分割は別途認可制度があります(廃棄物処理法第15条の4)。
Q. 許認可の承継と相続登記・相続税は一緒に頼めますか?
A. 業際のため、それぞれ独立した事業体として別々にご契約いただきます。許認可の承継・再取得は行政書士、不動産の相続登記は司法書士、相続税・事業承継税制は税理士、争いのある遺産分割は弁護士が担当します。当事務所は紹介料を受け取らず、一般的な情報提供の範囲で窓口の整理をご案内します。
この記事の出典(一次情報)
- e-Gov法令検索・国土交通省「建設業法」第17条の2(譲渡及び譲受け等の認可)・建設業法第17条の3(相続の認可。被相続人の死亡後30日以内の申請、認可による地位の承継、死亡の日から認可・不認可の通知の日までのみなし継続)。改正建設業法の施行日は2020年(令和2年)10月1日(参照日 2026-10-03)
- 国土交通省「建設業許可事務ガイドライン」(事業承継等に係る認可の運用)(参照日 2026-10-03)
- e-Gov法令検索・厚生労働省「食品衛生法」第56条(相続・合併・分割による営業者の地位の承継と遅滞ない届出。相続人が複数の場合は全員の同意で選定)。承継規定は2021年(令和3年)6月1日施行、事業譲渡の承継は2023年(令和5年)12月13日施行(参照日 2026-10-03)
- e-Gov法令検索・警察庁「古物営業法」第8条(許可証の返納。許可を受けた者が死亡した場合、同居の親族等が10日以内に返納)。相続による承継規定は置かれていない(参照日 2026-10-03)
- e-Gov法令検索・環境省「廃棄物の処理及び清掃に関する法律」第15条の4(産業廃棄物処理業の合併又は分割の認可)。産業廃棄物処理業の許可には相続・譲受けによる承継の規定がない旨(参照日 2026-10-03)
- 中小企業庁「事業承継ガイドライン」「中小M&Aガイドライン」(許認可の承継に関する一般的な留意点。参照日 2026-10-03)
本記事は一般的な情報提供であり、個別の許認可について相続・事業承継による承継の可否、認可・届出の要否や期限、許可要件への適合、再取得の見通しを判断・保証するものではありません。承継や再取得の要否・期限・起算日は許認可の種類と所管庁により異なり、具体的な基準は各法令・通達・自治体の運用で定められています。許認可の承継の認可・届出、再取得の新規許可申請の支援は四葉グループの行政書士が独立した事業体として担い、相続登記などの登記は司法書士、相続税・準確定申告・事業承継税制は税理士、遺産分割など争いのある事項は弁護士、相続した不動産の売却・活用は別事業体である四葉不動産株式会社が、それぞれ別々にご契約のうえ対応します。当事務所は紹介料を受け取りません。個別の判断は、面談のうえ資格者が行います。執筆は浦松 丈二(行政書士・宅地建物取引士)です。
まずは、状況を整理するところから。
四葉行政書士事務所(文京区小日向・東京メトロ丸ノ内線「茗荷谷」駅 徒歩5分)が、要件の整理から書類作成・申請までお手伝いします。
LINEは代表・浦松丈二に直接つながります。24時間受付・順次お返事します。
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