墓地や納骨堂を経営するには、どんな許可がいるのか

墓地・納骨堂・火葬場を経営しようとする者は、都道府県知事(市又は特別区にあっては市長又は区長)の許可を受けなければなりません(墓地、埋葬等に関する法律第10条第1項)。国の許可ではなく地方自治体の許可です。誰が経営できるかは条文に細かく書かれていませんが、厚生省(現・厚生労働省)の通知「墓地経営・管理の指針等について」(平成12年12月6日 生衛発第1764号)が、永続性・非営利性の観点から経営主体は市町村等の地方公共団体が原則、これによりがたい事情があっても宗教法人又は公益法人等に限るとしています。多くの自治体はこれに沿って条例・規則で経営主体や立地・構造の基準を定めるため、個人・営利会社の新規経営は原則として難しい運用です。許可申請の支援は行政書士、土地の取得・造成は不動産・土地家屋調査士、登記は司法書士、税務は税理士へ振り分ける前提で、四葉グループの行政書士が独立した事業体として受任する枠組みを整理しました。
結論(先に要点):墓地・納骨堂・火葬場を経営しようとする者は、都道府県知事(市又は特別区にあっては市長又は区長。以下同じ)の許可を受けなければなりません(墓地、埋葬等に関する法律(昭和23年法律第48号)第10条第1項)。つまり国の許可ではなく、その土地のある地方自治体の許可です。誰が経営できるかは法律の条文には細かく書かれていませんが、厚生省(現・厚生労働省)の通知「墓地経営・管理の指針等について」(平成12年12月6日 生衛発第1764号)が、墓地の永続性・非営利性の観点から、経営主体は市町村等の地方公共団体が原則であり、これによりがたい事情があっても宗教法人又は公益法人等に限られるとしています。多くの自治体はこの指針に沿って条例・規則で経営主体や立地・構造の基準を定めているため、個人や営利会社による新規経営は原則として難しい運用です。本記事は一般的な情報提供で、個別の許可の可否・基準を判断・保証するものではありません。許可申請は行政書士、土地の取得・造成は不動産・土地家屋調査士、登記は司法書士、税務は税理士の領域です。四葉グループの行政書士は、許可申請の支援を独立した事業体として受任します。
墓地・納骨堂は、誰でも経営できるのか(経営主体の制限とは)
結論から言うと、誰でも自由に経営できるわけではありません。墓地、埋葬等に関する法律第10条第1項は「墓地、納骨堂又は火葬場を経営しようとする者は、都道府県知事の許可を受けなければならない」と定めるだけで、経営主体そのものを条文で細かく限定してはいません。しかし、厚生省(現・厚生労働省)の通知「墓地経営・管理の指針等について」(平成12年12月6日 生衛発第1764号)が、経営主体の考え方を次のように示しています。
| 順位 | 望ましいとされる経営主体 | 考え方 |
|---|---|---|
| 原則 | 市町村等の地方公共団体 | 永続性・非営利性が最も確保されるため |
| 次善 | 宗教法人・公益法人等 | 地方公共団体によりがたい事情がある場合に限る |
| 原則として不適当 | 個人・営利を目的とする会社 | 墓地の永続性・非営利性の確保になじまないため |
この指針は、地方自治体に対する技術的な助言であって、それ自体が許可の可否を直接決める拘束力を持つものではありません。もっとも、多くの自治体が指針に沿って条例・規則で経営主体を定めているため、実務上の基準として機能しています。祭祀の承継や墓じまい(改葬)の利用者側の手続は、墓じまい(改葬許可)の流れと必要書類・祭祀の承継・お墓・仏壇と遺産分割の関係で別に扱っています。
経営許可は国の許可か、それとも市区町村の許可なのか
地方自治体の許可です。許可権者は都道府県知事ですが、市又は特別区の区域内では市長又は区長が許可権者になります(墓地、埋葬等に関する法律第2条第5項の定義が第10条にも及びます)。実務では、保健所を設置する市や中核市などが窓口になることが多く、どの自治体が許可権者かは経営予定地の所在によって変わります。
| 経営予定地の区分 | 許可権者 |
|---|---|
| 市・特別区の区域内 | 市長又は区長 |
| それ以外の区域 | 都道府県知事 |
国(厚生労働省)が個別の許可を出すわけではない点が、建設業許可などの国の許認可と大きく違います。したがって、様式・基準・手数料・事前協議の進め方は、経営予定地のある自治体の条例・規則・要綱で確認する必要があります。いったん受けた許可の内容を変更し、又は墓地・納骨堂・火葬場を廃止しようとするときも、同じく許可が必要です(同法第10条第2項)。
立地・構造・管理の基準は、どこで定められているのか
法律本体と施行規則には、立地や構造の細かい数値基準はほとんど書かれていません。具体的な基準は、各自治体が条例・規則で定めています。そのため、同じ「墓地・納骨堂の経営許可」でも、求められる要件が自治体によって異なります。
| 項目 | どこで定められるか | よく問題になる点 |
|---|---|---|
| 経営主体 | 自治体の条例(指針に沿う) | 地方公共団体・宗教法人・公益法人等に限る例が多い |
| 立地(学校・病院・住宅からの距離、河川からの距離など) | 自治体の条例・規則 | 距離制限は自治体ごとに数値が異なる |
| 構造・設備(区画・通路・給排水・管理事務所など) | 自治体の条例・規則 | 墓地・納骨堂で基準が分かれる |
| 事前協議・近隣同意 | 自治体の要綱 | 要綱で手続を定める自治体が多い |
数値や手続が自治体ごとに違うため、「他県でこうだったから」は通用しません。計画の早い段階で、許可権者たる自治体と事前協議を始めることが欠かせないと指針も述べています。なお、納骨堂(他人の委託を受けて焼骨を収蔵する施設)と墓地(墳墓を設ける区域)とでは、適用される基準の立て方が異なる点にも注意します(同法第2条第4項〜第6項の定義)。
宗教法人でない個人・会社が経営する余地はあるのか
条文上は経営主体を明文で限定していないため、「個人・会社は一切不可」と断定はできません。ただし前述の指針と、それに沿った多くの自治体条例によって、新規の経営許可では地方公共団体・宗教法人・公益法人等に主体が絞られる運用が一般的です。個人や営利会社が新規にゼロから墓地・納骨堂を経営する許可を得るのは、原則として難しいと考えておくのが安全です。
ご自身のケースについて相談したい方へ
在留資格・許認可など、行政手続について状況をお聞かせください。
実務でよくあるのは、宗教法人が自ら経営主体となり、造成や販売の実務を事業者が担うという役割分担です。この場合でも、許可名義人・経営責任は宗教法人にあり、事業者が許可名義を持つわけではありません。宗教法人の規則の目的・事業に墓地経営が含まれているか、境内地や所有地の要件を満たすかなど、宗教法人側の手続(所轄庁との関係)も関わってきます。相続・不動産の観点から土地の取得・造成を検討する場合、不動産の売買・活用は別事業体である四葉不動産株式会社が担当します(相続と不動産)。
許可までの申請の流れと、添付する書類は何か
多くの自治体で、いきなり申請するのではなく、計画段階の事前協議から始まります。おおまかな流れは次のとおりですが、名称・順序・添付書類は自治体ごとに異なります。
| 段階 | 主な内容 |
|---|---|
| 事前相談・事前協議 | 経営主体・立地・規模・資金計画を自治体と協議 |
| 近隣への説明・同意(要綱による) | 周辺住民への説明会・同意書の取得を求める自治体が多い |
| 許可申請 | 申請書に土地の権利関係・図面・経営主体の資格を示す書類を添付 |
| 審査・現地調査 | 条例・規則の基準への適合を審査 |
| 許可 | 都道府県知事(市・特別区は市長・区長)の許可 |
添付書類は、土地の登記事項証明書・公図・位置図・区域図・構造図、経営主体が宗教法人なら規則や登記に関する書類など、自治体の条例・規則で定められます。四葉グループの行政書士は、これらの申請書・添付書類の作成補助と自治体との事前協議の案内を、独立した事業体として支援します。宗教法人の設立・規則変更の認証手続(所轄庁)も行政書士が支援できますが、土地の造成・測量は土地家屋調査士や建設業者、所有権移転などの登記は司法書士、税務は税理士が、それぞれ別々にご契約のうえ対応します。当事務所の取扱業務・受任の流れ・報酬額表もご覧ください。各専門家とは独立した事業体として契約し、相互に紹介料を受け取りません。
よくある質問
Q. 自分の所有地なら、自由に納骨堂を作って経営できますか?
A. できません。納骨堂の経営には、墓地、埋葬等に関する法律第10条第1項の許可(都道府県知事、市・特別区は市長・区長)が必要です。さらに多くの自治体では、指針に沿って経営主体を地方公共団体・宗教法人・公益法人等に限る条例を定めているため、個人による新規経営は原則として難しい運用です。まず経営予定地のある自治体に事前相談してください。
Q. この許可は国(厚生労働省)に申請するのですか?
A. いいえ。許可権者は都道府県知事で、市又は特別区の区域内では市長又は区長です(同法第2条第5項・第10条第1項)。国が個別の許可を出すわけではありません。様式・基準・手数料は経営予定地のある自治体の条例・規則で確認します。
Q. 立地や構造の具体的な基準は、どの法律を見ればわかりますか?
A. 法律本体と施行規則には細かい数値基準はほとんどなく、立地・構造・管理の具体的な基準は各自治体の条例・規則で定められています。そのため同じ経営許可でも自治体ごとに要件が異なります。計画の早い段階での自治体との事前協議が欠かせません。
Q. 会社で墓地事業に関わりたいのですが、方法はありますか?
A. 条文は経営主体を明文で限定していませんが、指針と多くの自治体条例により、新規の経営許可は地方公共団体・宗教法人・公益法人等に絞られる運用が一般的です。実務では宗教法人が経営主体となり、事業者が造成・販売の実務を担う役割分担がよく見られます。許可名義・経営責任は経営主体にあり、個別の可否は自治体と有資格者にご確認ください。
この記事の出典(一次情報)
- e-Gov法令検索・厚生労働省「墓地、埋葬等に関する法律」(昭和23年法律第48号)第2条第4項〜第7項(墳墓・墓地・納骨堂・火葬場の定義と都道府県知事等の許可)・第10条第1項(経営許可)・第10条第2項(変更・廃止の許可)(参照日 2026-10-02)
- 厚生省(現・厚生労働省)「墓地経営・管理の指針等について」(平成12年12月6日 生衛発第1764号)。経営主体は市町村等の地方公共団体が原則、これによりがたい事情があっても宗教法人又は公益法人等に限ること、永続性・非営利性、計画段階からの事前協議の必要性(参照日 2026-10-02)
- 経営予定地の属する都道府県・市区町村の墓地等の経営の許可等に関する条例・規則・要綱(立地・構造・管理の基準、事前協議・近隣同意の手続は自治体により異なる。参照日 2026-10-02)
本記事は一般的な情報提供であり、個別の墓地・納骨堂の経営許可の可否、経営主体の適格性、立地・構造の基準、事前協議や近隣同意の要否を判断・保証するものではありません。経営許可は都道府県知事(市又は特別区にあっては市長又は区長)が行い、具体的な基準・様式・手数料は当該自治体の条例・規則・要綱で定められています。墓地等の経営許可の申請書・添付書類の作成補助と事前協議の案内、宗教法人の設立・規則認証の支援は四葉グループの行政書士が独立した事業体として担い、土地の取得・活用は別事業体である四葉不動産株式会社、土地の造成・測量は土地家屋調査士や建設業者、所有権移転などの登記は司法書士、税務は税理士が、それぞれ別々にご契約のうえ対応します。当事務所は紹介料を受け取りません。個別の判断は、面談のうえ資格者が行います。執筆は浦松 丈二(行政書士・宅地建物取引士)です。
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