中国本土がアポスティーユに加盟した。相続・会社設立の必要書類はどう変わったのか

中国本土(大陸)で作られた公文書は、2023年11月7日から、従来の二重の領事認証に代えてアポスティーユで日本に提出できるようになりました。中国が「外国公文書の認証を不要とする条約」(ハーグ・アポスティーユ条約。1961年)へ2023年3月8日に加入し、同年11月7日に発効したためです(日本は1970年7月27日に発効済み)。発効日以降、中国の権限ある当局(外交部及び委託を受けた地方外事弁公室)がアポスティーユを付した公文書は、在中国日本総領事館等の領事認証を経ずに使えます。相続の親族関係公証書や会社設立で使う出資者書類が主な対象で、契約書・委任状などの私文書はまず公証処で公証して公文書化します。香港・マカオは以前から条約の適用対象、台湾は対象外です。認証済み書類を使う相続登記は司法書士、相続税・国外財産は税理士、紛争は弁護士に振り分ける前提で、四葉グループの行政書士が独立した事業体として書類認証・会社設立を支援する枠組みを整理しました。
結論(先に要点):中国本土(大陸)で作られた公文書は、2023年11月7日から、従来の二重の領事認証に代えて「アポスティーユ」で日本に提出できるようになりました。これは、中国が「外国公文書の認証を不要とする条約」(ハーグ・アポスティーユ条約。1961年)へ2023年3月8日に加入し、同年11月7日に発効したことによるものです(日本は1970年7月27日に発効済み)。発効日以降、中国の権限ある当局(外交部及び委託を受けた地方外事弁公室)がアポスティーユを付した中国の公文書は、在中国日本総領事館等の領事認証を経ずに日本側でそのまま使えます。相続の親族関係公証書や、会社設立で使う出資者の公証書・署名証明が主にこの対象です。ただし契約書・委任状などの私文書は、まず中国の公証処で公証を受けて公文書化してからアポスティーユを付す流れになります。本記事は一般的な情報提供で、個別の書類の要否・様式や、提出先での受理・登記適格性を判断・保証するものではありません。認証済み書類を使う相続登記は司法書士、相続税・国外財産は税理士、紛争は弁護士の領域です。四葉グループの行政書士は、書類認証の案内と会社設立の支援を、独立した事業体として受任します。
中国本土の公文書は、いつからアポスティーユで使えるようになったのか
分かれ目は条約の発効日です。中国本土は、ハーグ国際私法会議が管理する「外国公文書の認証を不要とする条約」(1961年)に2023年3月8日に加入し、2023年11月7日に中国について発効しました。日本はこの条約に1970年7月27日に発効していますから、日中双方が締約国となった2023年11月7日以降は、両国間でアポスティーユが使えます。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 条約 | 外国公文書の認証を不要とする条約(ハーグ・アポスティーユ条約、1961年) |
| 中国本土の加入 | 2023年3月8日(加入書の寄託) |
| 中国本土の発効 | 2023年11月7日 |
| 日本の発効 | 1970年7月27日 |
| 付与する当局(中国) | 外交部及び委託を受けた地方外事弁公室 |
| 付与する当局(日本発行文書) | 外務省 |
アポスティーユは「その文書を発行した国の当局が付す」証明です。したがって、中国で発行された文書には中国側の当局が、日本で発行された文書には日本の外務省が、それぞれ付します。アポスティーユ・公証・領事認証の一般的な使い分けは渉外の書面はどの認証がいる?アポスティーユ・公証・領事認証の使い分けで整理しています。
これまでの公証処+領事認証は、もう不要になったのか
発効日より前は、中国の公文書を日本で使うには、中国側の認証(公証処の公証+外交部等の認証)に加えて、在中国の日本総領事館等による領事認証という二重の手順が必要でした。発効日以降、条約の対象となる公文書については、この領事認証が不要になり、発行国が付したアポスティーユ1枚に置き換わります。
| 時期 | 中国の公文書を日本で使う流れ |
|---|---|
| 2023年11月7日より前 | 公証処の公証 → 中国外交部・地方外事弁公室の認証 → 在中国日本総領事館等の領事認証 |
| 2023年11月7日以降 | 公証処の公証(私文書の場合)→ 権限ある当局のアポスティーユ(領事認証は不要) |
ただし「アポスティーユで足りるか」を最終的に決めるのは提出先(登記所・金融機関・役所など)です。切替直後は提出先の運用が追いつかない場合もあり得ますので、書類を作る前に提出先へ確認します。なお、日本からみて中国本土で作られた文書が「公文書」か「私文書」かで入口が変わる点は、次の見出しで扱います。
相続の委任状・親族関係公証書は、どちらの方式で取るのか
鍵は「公文書か私文書か」です。中国の公証処が作成した親族関係公証書・出生公証書などは公文書として扱われ、権限ある当局のアポスティーユを付せます。一方、相続人本人が署名する委任状・同意書・宣誓書などの私文書は、そのままではアポスティーユを付せません。まず公証処で公証(署名の認証を含む)を受けて公文書化し、そのうえでアポスティーユを付す順序になります。
| 書類 | 性質 | 典型的な流れ |
|---|---|---|
| 親族関係公証書・出生公証書 | 公文書(公証処作成) | 公証処 → アポスティーユ |
| 委任状・遺産分割協議への同意書 | 私文書 | 公証処の公証 → アポスティーユ |
中国本土の相続人が関わる手続で、従来の公証処+領事認証を前提とした実務は中国本土の相続人と親族関係公証書・領事認証で扱っています。相続人が海外在住・外国籍の場合の全体像は相続人が海外在住・外国籍の場合をご覧ください。認証済みの書類を使った相続登記(不動産の名義変更)は司法書士、相続税・国外財産の課税は税理士、相続人間に争いがある場合は弁護士が、それぞれ独立した事業体として担当します。
会社設立(在留資格・定款添付)で出資者書類はどう準備するのか
外国人・外国法人が日本で会社を設立する場面でも、本国書類の認証が必要になります。中国本土の出資者であれば、本人の署名証明や、法人出資者の登記に相当する証明などに、中国側のアポスティーユを付して準備します。発効日以降は、これらに領事認証を重ねる必要が原則としてなくなりました。
ご自身のケースについて相談したい方へ
在留資格・許認可など、行政手続について状況をお聞かせください。
| 場面 | 認証が必要になりやすい書類 | 準備の流れ |
|---|---|---|
| 個人の出資者 | 署名証明(私文書を公証処で公証) | 公証処 → アポスティーユ |
| 法人の出資者 | 登記に相当する証明・代表者の資格証明 | 本国での発行・公証 → アポスティーユ |
| 在留資格「経営・管理」 | 事業計画・出資の裏づけ書類 | 書類ごとに公文書/私文書を判断 |
在留資格「経営・管理」と会社設立の全体像は在留資格「経営・管理」と中華圏の起業家の会社設立で扱っています。定款認証は日本の公証人、設立登記は司法書士の領域です。四葉グループの行政書士は、認証を要する書類の作成補助・翻訳・公証役場や外務省手続の案内を、独立した事業体として支援します。
香港・マカオ、台湾の書類はアポスティーユの対象なのか
同じ中華圏でも、条約への入り方が地域ごとに違うため、ルートが変わります。取り違えると認証をやり直すことになります。
| 地域 | 使う証明 | 主な付与当局・窓口 |
|---|---|---|
| 中国本土 | アポスティーユ(2023年11月7日発効) | 外交部・委託を受けた地方外事弁公室 |
| 香港・マカオ | アポスティーユ(本土の加入とは別に以前から条約の適用対象) | 香港は高等法院、マカオは所定の権限ある当局 |
| 台湾 | 条約の対象外(アポスティーユは使わない) | 日本台湾交流協会・台北駐日経済文化代表処 |
香港・マカオは特別行政区として、本土が加入した2023年11月7日とは別に、以前から条約の適用対象です。付与する当局が本土とは異なります。台湾は条約の締約対象ではないため、アポスティーユは使えず、日本と台湾の間では日本台湾交流協会などを通じた証明・認証によります。相続と不動産の売却・活用は別事業体である四葉不動産株式会社が担当します(相続と不動産)。当事務所の取扱業務・受任の流れ・報酬額表もご覧ください。各専門家とは独立した事業体として別々にご契約いただき、相互に紹介料を受け取りません。
よくある質問
Q. 2023年11月7日より前に取った領事認証付きの書類は、今も使えますか?
A. いったん有効に成立した認証がさかのぼって無効になるものではありませんが、提出先が最新の様式・方式を求めることはあります。これから新たに取る書類は、原則としてアポスティーユの方式で準備します。どの方式で受理されるかは提出先が最終的に決めるため、書類を作る前に提出先へ確認してください。
Q. アポスティーユがあれば、日本語への翻訳は不要になりますか?
A. いいえ。アポスティーユは「文書が本物であること」の証明で、内容の翻訳とは別です。日本の提出先に出すときは日本語の訳文を添えるのが実務です。訳文の要否・様式は提出先により異なります。四葉グループの行政書士は、認証を要する書類の作成補助・翻訳を独立した事業体として支援します。
Q. 中国本土の相続人の委任状は、いきなりアポスティーユをもらえますか?
A. できません。委任状は私文書なので、まず中国の公証処で公証を受けて公文書化し、そのうえで権限ある当局のアポスティーユを付す流れになります。公証処作成の親族関係公証書のような公文書は、公証処の作成後にアポスティーユへ進めます。
Q. 認証が済めば、相続登記や会社設立の申請まで御社に頼めますか?
A. 認証を要する書類の作成補助・翻訳・手続の案内までが行政書士の業務です。不動産の相続登記や会社の設立登記の申請代理は司法書士、相続税・国外財産の課税判断は税理士、争いのある場面は弁護士が、それぞれ独立した事業体として別々にご契約のうえ対応します。当事務所は紹介料を受け取りません。
この記事の出典(一次情報)
- ハーグ国際私法会議(HCCH)「外国公文書の認証を不要とする条約」(1961年)締約国一覧(Status table, Convention 12)。中国本土は加入2023年3月8日・発効2023年11月7日、日本は発効1970年7月27日(参照日 2026-10-02)
- 外務省「証明(公印確認・アポスティーユ)」の説明(アポスティーユは発行国の権限ある当局が付す/提出先が締約国なら領事認証を要しない旨)(参照日 2026-10-02)
- 公益財団法人日本台湾交流協会「証明事務」(台湾との間は条約によらない証明・認証の窓口)(参照日 2026-10-02)
- e-Gov法令検索「公証人法」(明治41年法律第53号)第1条・第58条(私署証書の認証。私文書は公証人の認証を経て公文書化する点の根拠)(参照日 2026-10-02)
本記事は一般的な情報提供であり、個別の書類の認証の要否・様式、提出先ごとの取扱い、認証済み文書の登記添付書面としての適格性や裁判での証拠力を判断・保証するものではありません。どの方式で受理されるかは提出先が最終的に決めるため、書類を作る前に提出先へ確認してください。認証済み書類を使う不動産の相続登記・会社の設立登記の申請代理は司法書士、相続税・国外財産など個別の課税判断は税理士、相続人間や当事者間に争いがある場合の交渉・法的判断は弁護士、中国側での公証・認証は現地の公証処・弁護士が、それぞれ独立した事業体として別々にご契約のうえ対応します。相続と不動産の売却・活用は別事業体である四葉不動産株式会社が担い、当事務所との間で相互に紹介料を受け取りません。四葉グループの行政書士は、認証を要する書類の作成補助・翻訳と、公証役場・外務省手続の案内・書類収集を独立した事業体として支援します。個別の判断は、面談のうえ資格者が行います。執筆は浦松 丈二(行政書士・宅地建物取引士)です。
まずは、状況を整理するところから。
四葉行政書士事務所(文京区小日向・東京メトロ丸ノ内線「茗荷谷」駅 徒歩5分)が、要件の整理から書類作成・申請までお手伝いします。
LINEは代表・浦松丈二に直接つながります。24時間受付・順次お返事します。
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