猟銃・刀剣を相続したら|所持許可(公安委員会)と登録証(教育委員会)

猟銃・空気銃の所持許可は本人だけのもの(一身専属)で相続では引き継げず、死亡で失効します(銃刀法第8条)。所持を続けるには相続人が住所地の都道府県公安委員会に新たな所持許可を申請します(第4条第1項)。美術品として価値のある刀剣は教育委員会の登録証で持つ物で、相続取得は20日以内に届出が必要です(第14条・第17条)。実包等の火薬類の扱い、失効後50日以内の措置(第8条第6項)、公安委員会・教育委員会・弁護士・税理士の分離受任を整理します。
結論(先に要点):猟銃・空気銃の所持許可は本人だけのもの(一身専属)で、相続でそのまま引き継げません。故人の所持許可は死亡で失効し、相続人が所持を続けるには自分で新たな許可が必要です。美術品として価値のある刀剣は、所持許可ではなく教育委員会の登録証で持つ物で、相続したら20日以内の届出が必要です。
情報確認日:2026年10月26日。本記事は、故人の猟銃・空気銃・日本刀をどう扱えばよいか分からない相続人に向けて、銃砲刀剣類所持等取締法(銃刀法)上の承継手続に絞って整理します。相続全体の進め方は相続手続のチェックリスト、自動車など動産の名義手続は自動車の相続・移転登録をあわせてご覧ください。銃砲刀剣は動産のため、法務局の登記は不要です。条文はe-Gov法令検索で照合しました。
猟銃・空気銃を相続したら、故人の所持許可はそのまま引き継げるのか?
引き継げません。銃刀法第3条は、何人も、法が定める場合を除いて銃砲・刀剣類を所持してはならないと定め、その例外の一つが第4条第1項の所持許可です。銃刀法第4条第1項は、狩猟・有害鳥獣駆除・標的射撃などの用途に供するため所持しようとする者は、「所持しようとする銃砲等又は刀剣類ごとに、その所持について、住所地を管轄する都道府県公安委員会の許可を受けなければならない」と定めます。この許可は人に対して与えられるもの(一身専属)で、相続財産のように次の人へ移るものではありません。
故人の許可は死亡で効力を失います。銃刀法第8条は、許可を受けた者が死亡した場合に許可が失効すると定めます。許可証については、同条第4項により、戸籍法上の死亡届出義務者(同居の親族など)が、「当該死亡の事実を知つた日から起算して十日以内に、許可証を返納しなければならない」とされています。したがって相続人が猟銃・空気銃の所持を続けたい場合は、自分で住所地を管轄する都道府県公安委員会(警察)に新たな所持許可を申請することになります。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 許可の性質 | 本人だけの許可(一身専属)。相続で承継できない |
| 死亡時の許可 | 失効する(銃刀法第8条) |
| 許可証の返納 | 死亡届出義務者が、死亡の事実を知った日から10日以内(同条第4項) |
| 所持を続けるには | 相続人が住所地の都道府県公安委員会に新規の所持許可を申請(第4条第1項) |
初めて所持許可を受けるには、初心者講習や各種書類の提出など、都道府県ごとに定められた手続が必要です。具体の講習日程・必要書類は、管轄の警察署(生活安全課)で確認してください。
刀剣(美術刀剣)を相続したときの登録証の手続はどうするのか?
刀剣の扱いは、同じ銃刀法でも猟銃とは別の仕組みです。美術品として価値のある刀剣は、所持許可ではなく「登録」を受けた物として所持します。銃刀法第14条は、「美術品若しくは骨とう品として価値のある火縄式銃砲等の古式銃砲又は美術品として価値のある刀剣類」について、都道府県の教育委員会(条例で文化財事務を知事が管理する都道府県では当該都道府県の知事)が登録をすると定めます。登録証はその物に付いて回る点が、人に付く所持許可と対照的です。
相続で登録済みの刀剣を取得したときは、届出が必要です。銃刀法第17条は、「登録を受けた銃砲又は刀剣類を譲り受け、若しくは相続により取得し、又はこれらの貸付け若しくは保管の委託をした者」は、「二十日以内に」その旨を「当該登録の事務を行つた都道府県の教育委員会」に届け出なければならないと定めます。つまり、相続で取得した事実を、登録事務を行った教育委員会へ20日以内に届け出ます(所有者変更の届出)。登録証がないまま刀剣を持っていると、無許可・無登録の所持として銃刀法違反になり得るため、登録証の有無を先に確認してください。
| 区分 | 根拠 | 手続 |
|---|---|---|
| 美術品として価値のある刀剣 | 銃刀法第14条 | 都道府県の教育委員会が登録 |
| 登録済み刀剣の相続取得 | 銃刀法第17条 | 20日以内に登録事務を行った教育委員会へ届出 |
| 登録証がない刀剣が見つかった | ― | 発見届を経て登録審査を受ける必要があり得る(管轄で要確認) |
登録証が見当たらない刀剣が出てきた場合の発見届・登録審査の具体的な流れは、都道府県で異なり本記事では未検証です。管轄の教育委員会に確認してください。
実包などの火薬類が残っていたら、どう扱えばよいのか?
実包(銃の弾)などが残っている場合、これらは火薬類取締法上の「火薬類」に当たります。火薬類取締法第2条は火薬類を火薬・爆薬・火工品に分け、実包・空包は火工品(第2条第1項第3号ロ)に含まれます。火薬類の譲渡・譲受や廃棄には許可が要るのが原則で、火薬類取締法第17条第1項は「火薬類を譲り渡し、又は譲り受けようとする者は、経済産業省令で定めるところにより、都道府県知事の許可を受けなければならない」、火薬類取締法第27条第1項は「火薬類を廃棄しようとする者……は、経済産業省令で定めるところにより、都道府県知事の許可を受けなければならない」と定めます(いずれも一定の例外があります)。
実務では、まず自己判断で動かさず、警察(銃砲を扱う生活安全課)に連絡するのが基本です。猟銃用火薬類の譲受けの許可数量や無許可で扱える範囲、相続で残った実包の具体的な引渡し先・廃棄の段取りは、法令・省令・自治体の運用で細かく定められており、本記事では個別の数量・窓口は未検証です。残っている火薬類の種類・数量を確認のうえ、管轄の警察署と自治体(火薬類の所管)に確認してください。
所持を続けない場合、譲渡や廃棄はどう進めるのか?
所持を続けないときは、失効後に定められた期間内の措置が必要です。銃刀法第8条第6項は、許可が失効した場合(死亡による失効を含む一定の場合)に、許可を受けていた者または相続人は、失効の日から「五十日以内に」、許可を受け直すか、または「当該銃砲等若しくは刀剣類を適法に所持することができる者に売り渡し、贈与し、若しくは返還し、若しくは廃棄する等」の措置を執らなければならないと定めます。この期間に限り第3条第1項(所持の禁止)は適用されません。期間経過後や危険防止のため必要なときは、同条の規定により都道府県公安委員会が提出を命じ、銃砲等を仮領置することができます。
ご自身のケースについて相談したい方へ
在留資格・許認可など、行政手続について状況をお聞かせください。
刀剣は所持許可ではなく登録証で持つ物なので、所持を続けないときは、登録証を添えて適法に所持できる者へ譲渡するか、警察へ任意提出して処分を相談します。いずれの場合も、まず警察に連絡し、指示に従って動かすのが安全です。
| 続けない場合の選択 | 猟銃・空気銃 | 美術刀剣 |
|---|---|---|
| 他者へ譲渡 | 譲受人が所持許可を得ていることが前提(失効日から50日以内の措置) | 登録証を添えて譲渡し、譲受人が20日以内に届出 |
| 廃棄・任意提出 | 警察へ連絡し指示に従う(失効日から50日以内) | 警察へ連絡し指示に従う |
| 実包等の火薬類 | 譲渡・廃棄に都道府県知事の許可が原則(火薬類取締法第17条・第27条) | ― |
いずれも、評価が分かれ得る判断や期限管理を伴います。手続前に管轄の警察署・教育委員会・自治体の最新案内で確認してください。
誰に何を頼むのか(公安委員会・教育委員会・相続全体・紛争の分担)?
銃刀法の手続は、所管が物によって分かれます。猟銃・空気銃の所持許可は都道府県公安委員会(警察)、美術刀剣の登録・所有者変更届は都道府県の教育委員会です。手続書類の整理と作成支援は行政書士の業務範囲ですが、許可・登録そのものを出すのは各所管の役所です。遺産分割でもめている場合の交渉・調停は弁護士、相続税の評価は税理士が担います。銃砲刀剣は動産のため登記は不要です。
| 依頼先 | 担当する範囲 |
|---|---|
| 四葉行政書士事務所 | 相続財産の調査、必要書類の整理・作成支援、戸籍収集 |
| 都道府県公安委員会(警察) | 猟銃・空気銃の所持許可・失効後の措置(銃刀法第4条・第8条) |
| 都道府県の教育委員会 | 美術刀剣の登録・相続取得の届出(銃刀法第14条・第17条) |
| 弁護士 | 遺産分割でもめている場合の交渉・調停、相続をめぐる紛争 |
| 税理士 | 相続税の評価・申告 |
四葉行政書士事務所、四葉社会保険労務士事務所、四葉不動産株式会社はそれぞれ別事業体で、独立した事業体として受任します。各分野の担当者と別々にご契約いただき、各受任者が直接請求・入金を受けます。当事務所は紹介料を受け取りません。
相続手続サポート、受任の流れ、報酬額表をご確認ください。相続不動産の売却は別事業体の相続不動産相談で扱い、こちらも別々にご契約いただきます。
よくある質問
Q. 故人の猟銃の所持許可はそのまま使えますか?
A. 使えません。所持許可は本人だけのもの(一身専属)で、死亡により失効します(銃刀法第8条)。相続人が所持を続けたい場合は、自分で住所地を管轄する都道府県公安委員会(警察)に新たな所持許可を申請します(同法第4条第1項)。許可証は死亡届出義務者が、死亡の事実を知った日から10日以内に返納します。
Q. 相続した日本刀はどこへ届け出ますか?
A. 美術品として価値のある刀剣は、所持許可ではなく教育委員会の登録を受けた物です(銃刀法第14条)。登録済みの刀剣を相続により取得した者は、20日以内に、登録事務を行った都道府県の教育委員会へ届け出なければなりません(同法第17条)。登録証が見当たらないときは、管轄の教育委員会・警察に確認してください。
Q. 弾(実包)が残っていたらどうすればよいですか?
A. 実包は火薬類取締法上の火薬類(火工品)です。譲渡・譲受や廃棄には原則として都道府県知事の許可が要ります(同法第17条・第27条)。まず自己判断で動かさず、管轄の警察署に連絡し、指示に従ってください。数量や窓口の具体は自治体の運用で異なり、本記事では未検証です。
Q. 所持を続けないときはいつまでに処分すればよいですか?
A. 猟銃・空気銃は、許可の失効日から50日以内に、適法に所持できる者への譲渡・贈与・返還・廃棄などの措置を執る必要があります(銃刀法第8条第6項)。この期間に限り所持の禁止は適用されません。刀剣は登録証を添えて譲渡するか警察へ相談します。いずれも先に警察へ連絡するのが安全です。
この記事の出典(一次情報)
- e-Gov・銃砲刀剣類所持等取締法(昭和33年法律第6号):第3条(所持の禁止)、第4条第1項(所持許可の用途と許可権者=住所地を管轄する都道府県公安委員会)、第8条(許可の失効・許可証の返納・仮領置、第4項=死亡時の返納期限10日、第6項=失効後50日以内の措置)、第14条(登録・登録権者=都道府県の教育委員会)、第17条(登録を受けた銃砲刀剣類の相続取得等の届出=20日以内・届出先=登録事務を行った都道府県の教育委員会)。最終改正日は未検証。
- e-Gov・火薬類取締法(昭和25年法律第149号):第2条(火薬類の定義。実包・空包は火工品=第2条第1項第3号ロ)、第17条第1項(譲渡・譲受の許可=都道府県知事。一定の例外あり)、第27条第1項(廃棄の許可=都道府県知事)。最終改正日は未検証。
- 各都道府県公安委員会・警察(猟銃・空気銃の所持許可、失効後の措置、実包等の取扱い)および各都道府県の教育委員会(美術刀剣の登録・所有者変更届)の案内(参照日2026-10-26)。初心者講習・必要書類の様式、火薬類の譲受許可数量、登録証がない刀剣の発見届の流れは自治体ごとに異なり、本記事では個別の数値・様式は未検証。
確認日2026-10-26。条文はe-Gov法令検索で照合しました。初心者講習や必要書類の様式、実包等の火薬類の具体的な譲受許可数量・廃棄の段取り、登録証がない刀剣の発見届・登録審査の流れ、各法令の最終改正日は未検証です。手続前に、管轄の警察署・教育委員会・自治体の最新案内で再確認してください。
本記事は一般的な情報提供であり、許可・登録が受けられるかどうか、期限内の措置の可否、手続結果を保証しません。個別の判断は人間の資格者が資料を確認して行います。執筆は浦松 丈二(行政書士・宅地建物取引士)です。
まずは、状況を整理するところから。
四葉行政書士事務所(文京区小日向・東京メトロ丸ノ内線「茗荷谷」駅 徒歩5分)が、要件の整理から書類作成・申請までお手伝いします。
LINEは代表・浦松丈二に直接つながります。24時間受付・順次お返事します。
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