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労務のしくみ

放課後児童クラブ(学童保育)の労務は?放課後児童支援員の配置・開所時間とシフト・パートの社会保険

淡い半円が人々を覆う社会保険の仕組みを表した水彩イラスト
浦松 丈二

浦松 丈二

社会保険労務士・行政書士・宅地建物取引士(四葉社会保険労務士事務所/四葉行政書士事務所)

放課後児童クラブ(学童保育)の労務は、放課後児童支援員を支援の単位ごとに2人以上置くという人員(放課後児童健全育成事業の設備及び運営に関する基準=平成26年厚生労働省令第63号第10条)を満たし続けるシフトと、平日の午後から夜・長期休みの長い開所時間に対応する勤務設計、そしてパート支援員の社会保険が軸です。支援員の員数・資格の基準は、2020年(令和2年)4月1日から国の「従うべき基準」から「参酌すべき基準」に変わり、実際の基準は市町村の条例で定まります。届出・運営基準は行政書士、物件・用途地域は宅地建物取引業者、税務は税理士の領域で、独立した事業体として別々にご契約いただきます。放課後等デイサービスとは別の制度です。

結論(先に要点):放課後児童クラブ(学童保育)の労務は、放課後児童支援員を支援の単位ごとに2人以上置くという人員(放課後児童健全育成事業の設備及び運営に関する基準=平成26年厚生労働省令第63号第10条)を満たし続けるシフトと、平日の午後から夜・長期休みの長い開所時間に対応する勤務設計、そしてパート支援員の社会保険が軸になります。支援員の員数・資格の基準は、2020年(令和2年)4月1日から国の「従うべき基準」から「参酌すべき基準」に変わり、実際の基準は市町村の条例で定まります。届出・運営基準は行政書士、物件・用途地域は宅地建物取引業者、税務は税理士の領域で、それぞれ独立した事業体として別々にご契約いただきます。放課後等デイサービス(障害児通所支援)とは別の制度です。

「支援の単位ごとに2人というが、開所が長くて1日を通すシフトが組めない」「長期休みは朝から夜まで開けるが、支援員の労働時間をどう設計するか」「短時間のパート支援員に社会保険はいつから要るのか」——放課後児童クラブを開設・運営する事業者からよく受ける相談です。このページは、人員基準そのものではなく、それを満たし続けるための開所時間・シフト・社会保険という労務の設計を整理します。市町村への届出や運営基準の適合は行政書士と市町村の領分で、この記事は労務に絞ります。

放課後児童支援員は支援の単位ごとに何人必要で、労務にどう影響しますか?

放課後児童健全育成事業の設備及び運営に関する基準(平成26年厚生労働省令第63号)第10条は、放課後児童支援員の数を支援の単位ごとに2人以上と定めています。ただし、その1人を除いて補助員(放課後児童支援員が行う支援を補助する者)をもって代えることができます。

項目内容(平成26年厚生労働省令第63号第10条)
支援員の員数支援の単位ごとに放課後児童支援員2人以上。うち1人を除き補助員で代替可
支援の単位おおむね40人以下の児童で構成する(第10条第4項)
支援員の資格保育士・社会福祉士などの基礎資格に該当し、都道府県知事等が行う研修を修了した者(第10条第3項)

労務で押さえるのは、「2人以上」は常に2人がその場にいることを求める配置であり、開所時間を通して欠けないシフトを組む必要があるという点です。支援員が有給や病欠で抜けても単位ごとに2人を割らないよう、補助員を含めた人員計画と勤務表の設計が労務の課題になります。なお、支援員の員数・資格の基準は、2020年(令和2年)4月1日から国の「従うべき基準」ではなく「参酌すべき基準」に見直され、実際に適用される基準は市町村が条例で定めます。自社の市町村の条例でどう定められているかは、届出先の市町村で確認します。就業規則の整備義務は就業規則は何人から義務かに整理しています。

平日の午後〜夜と長期休みの長い開所時間はどんなシフトで組めますか?

放課後児童クラブは、平日は学校の授業終了後から夕方・夜まで、土曜や夏休みなどの長期休みは朝から夜まで開所します。1人の支援員の所定労働時間(1日8時間)では1日の開所時間をカバーしきれないため、交代制のシフトで、支援の単位ごとに常に2人以上が確保される形を作ります。

開所の型労務上の考え方
平日(授業後〜夕夜)開所が短時間でも、2人以上を確保する時間帯が生じる。パート支援員の組み合わせで時間帯を埋める
長期休み(朝〜夜)1日の開所が長く、1人の所定労働時間を超える。早番・遅番の交代制で、重なる時間帯も2人以上を確保する
土曜・学校休業日利用児童数と職員数が平日と変わるため、別の勤務表を用意する

ここで効くのが、早番・遅番・パートを組み合わせた勤務表です。平日と長期休みで開所時間が大きく変わるため、1年を通して繁閑があります。労働時間管理と勤務表の設計が、そのまま人員基準への適合を左右します。

変形労働時間制や1年単位の変形は使えますか?

平日と長期休みで労働時間の配分が大きく変わるため、変形労働時間制が選択肢になります。

制度根拠向く場面
1か月単位の変形労働時間制労働基準法第32条の2月の中で土曜・学校休業日に勤務が偏るとき。就業規則又は労使協定で定める
1年単位の変形労働時間制労働基準法第32条の4夏休みなど長期休みに勤務が集中するなど、1年を通して繁閑があるとき。労使協定と届出が必要

1年単位の変形労働時間制を採ると、常時10人未満の事業場でも週44時間の特例は使えず週40時間で計算し、対象期間の労働日数・連続労働日数・1日と1週の労働時間の上限などの制約がかかります。法定労働時間を超える勤務には36協定と割増賃金(労働基準法第37条)が必要です。制度の選び方は変形労働時間制とフレックスの選び方に、残業の上限は36協定は残業をどこまで認められるかにまとめています。どの制度が自社の開所パターンに合うかは、長期休みの日数と勤務表の作り方で変わります。

パート・短時間の支援員に社会保険はいつ必要ですか?

パートの放課後児童支援員・補助員でも、1週間の所定労働時間及び1か月の所定労働日数が、同じ事業所の通常の労働者の4分の3以上であれば、健康保険・厚生年金保険の被保険者になります。この4分の3に満たない短時間労働者でも、短時間労働者の適用拡大の要件を満たせば加入します。

区分加入の目安
4分の3基準週の所定労働時間・月の所定労働日数が通常の労働者の4分の3以上なら被保険者
短時間労働者の適用拡大被保険者の総数が常時51人を超える特定適用事業所で、週の所定労働時間20時間以上・月額賃金8.8万円以上・2か月を超える雇用の見込み・学生でない、を満たすと加入(2024年〈令和6年〉10月から従業員51人以上に拡大)

短時間労働者の社会保険の考え方は短時間労働者の社会保険と4分の3基準に、適用拡大の流れは社会保険の適用拡大はどこまで進むかに整理しています。長期休みだけ勤務が増えるパートの被保険者資格の判定は、契約上の所定労働時間と実態のずれで結論が分かれることがあります(未検証)。

放課後等デイサービスの人員基準の労務とどう違いますか?

放課後児童クラブ(学童保育)と放課後等デイサービスは、名前が似ていますが別の制度です。取り違えると配置基準も根拠法令も変わります。

項目放課後児童クラブ(学童保育)放課後等デイサービス
制度放課後児童健全育成事業(児童福祉法第6条の3第2項)障害児通所支援(児童福祉法第6条の2の2)
対象保護者が労働等により昼間家庭にいない、小学校に就学している児童学校に就学している障害児
人員の根拠平成26年厚生労働省令第63号第10条(支援の単位ごとに支援員2人以上)平成24年厚生労働省令第15号(児童指導員又は保育士、児童発達支援管理責任者ほか)
届出・指定市町村への届出(児童福祉法第34条の8)都道府県等の指定

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放課後等デイサービスの人員配置と常勤換算の労務は放課後等デイの総合支援型・特定プログラム特化型と人員配置と児童発達支援・放課後等デイの人員基準と労務に整理しています。常勤換算の数え方そのものは常勤換算はどう計算するのかに、保育園の配置基準と労務は保育園を開設するときの人員配置と処遇にまとめています。手続の担い手は、資格が違うと分かれます。

手続担当
市町村への届出・運営基準の整理行政書士(四葉行政書士事務所。当事務所とは独立した事業体)
人員計画・勤務シフト・変形労働時間制・社会保険・就業規則社会保険労務士(四葉社会保険労務士事務所)
施設となる物件の用途地域・面積の確認宅地建物取引業者
税務税理士

四葉社会保険労務士事務所は独立した事業体として労務を受任し、行政書士(四葉行政書士事務所)や宅地建物取引業者など別の専門家が必要な場合は、お客様に直接ご契約いただく形をご案内します。当事務所は紹介料を受け取りません。

四葉社会保険労務士事務所は、何ができますか?

当事務所がお引き受けするのは、放課後児童クラブが人員基準を満たしながら支援員を安定して雇うための労務の設計です。

  • 支援の単位ごとに2人以上を割らない人員計画と、補助員を含めた勤務シフトの設計
  • 平日の午後〜夜・長期休みの朝〜夜に対応する早番・遅番の交代制の組み立て
  • 開所パターンに合わせた1か月単位・1年単位の変形労働時間制の設計と、36協定・割増賃金の整備
  • パート・短時間の支援員の社会保険の資格得喪と、適用拡大の要件確認
  • 就業規則・賃金規程・労働条件明示・労働時間管理の整備

市町村への届出・運営基準は行政書士、施設の物件は宅地建物取引業者、税務は税理士の領域です。四葉社会保険労務士事務所は独立した事業体として業務を受任し、別の専門家が必要な場合は、お客様に直接ご契約いただく形をご案内します。紹介料はありません。

ご相談は無料です。費用は報酬額表に、サービス内容とご相談の流れもあわせてご覧ください。

よくある質問

Q. 放課後児童支援員は何人置けばよいですか?
A. 放課後児童健全育成事業の設備及び運営に関する基準(平成26年厚生労働省令第63号)第10条は、支援の単位ごとに放課後児童支援員2人以上と定めています。ただし、その1人を除いて補助員で代えることができます。支援の単位はおおむね40人以下の児童で構成します。なお、この員数・資格の基準は2020年4月1日から国の「参酌すべき基準」となり、実際に適用される基準は市町村が条例で定めるため、届出先の市町村で確認します。

Q. 支援員になるにはどんな資格が要りますか?
A. 保育士・社会福祉士などの基礎資格に該当し、都道府県知事等が行う研修を修了した者が放課後児童支援員になります(平成26年厚生労働省令第63号第10条第3項)。補助員にこの資格要件はなく、支援員を補助します。なお、研修の受講資格要件は見直しが予定されており、最新の内容は都道府県・市町村の案内で確認します(未検証)。

Q. 長い開所時間はどんなシフトで組めますか?
A. 平日は授業後から夕夜まで、長期休みは朝から夜まで開所するため、1人の所定労働時間ではカバーできません。早番・遅番の交代制で、支援の単位ごとに常に2人以上を確保します。平日と長期休みで繁閑が大きいときは、1か月単位(労働基準法第32条の2)又は1年単位(同第32条の4)の変形労働時間制が選択肢です。1年単位は週44時間の特例が使えず週40時間で計算します。

Q. パートの支援員に社会保険はいつから必要ですか?
A. 週の所定労働時間と月の所定労働日数が通常の労働者の4分の3以上なら、健康保険・厚生年金保険の被保険者になります。4分の3に満たなくても、被保険者総数が常時51人を超える特定適用事業所で、週20時間以上・月額賃金8.8万円以上・2か月を超える雇用見込み・学生でない、を満たせば加入します(2024年10月から従業員51人以上に拡大)。長期休みだけ時間が増える場合の判定は個別事情で分かれます。

この記事の根拠

  • 放課後児童健全育成事業の設備及び運営に関する基準(平成26年厚生労働省令第63号)第10条 ── 放課後児童支援員の数は支援の単位ごとに2人以上(うち1人を除き補助員で代替可)、支援の単位はおおむね40人以下の児童で構成(第4項)、支援員は保育士・社会福祉士などの基礎資格に該当し都道府県知事等が行う研修を修了した者(第3項)
  • 支援員の員数・資格に係る基準は、第9次地方分権一括法(地域の自主性及び自立性を高めるための改革の推進を図るための関係法律の整備に関する法律・令和元年法律第26号)により、国の「従うべき基準」から「参酌すべき基準」に見直され、2020年(令和2年)4月1日に施行された。実際に適用される基準は市町村が条例で定める(内閣府 地方分権改革「放課後児童クラブ」関係資料/2026年10月1日参照)
  • 児童福祉法(昭和22年法律第164号)第6条の3第2項 ── 放課後児童健全育成事業の定義(小学校に就学している児童であって、その保護者が労働等により昼間家庭にいないものに、授業の終了後に適切な遊び及び生活の場を与えてその健全な育成を図る事業)。第34条の8 ── 市町村以外の者が行う場合の市町村への届出
  • 労働基準法(昭和22年法律第49号)第32条の2(1か月単位の変形労働時間制)・第32条の4(1年単位の変形労働時間制)・第36条(時間外及び休日の労働)・第37条(割増賃金)・第89条(就業規則の作成及び届出の義務)
  • 健康保険法(大正11年法律第70号)・厚生年金保険法(昭和29年法律第115号)── 4分の3基準と短時間労働者の適用拡大(被保険者総数が常時51人を超える特定適用事業所で、週20時間以上・月額賃金8.8万円以上・2か月超の雇用見込み・学生でない。2024年〈令和6年〉10月から従業員51人以上に拡大。日本年金機構「社会保険の適用拡大」/2026年10月1日参照)
  • 支援員の員数の市町村条例での定め、変形労働時間制の採否、短時間労働者の被保険者資格の判定、研修の受講資格要件の見直しは、市町村の条例と個別の勤務実態、今後の制度改正によって結論が分かれます。本記事では個別の結論を出していません(未検証)

本記事は一般的な情報提供です。個別のご事情に応じた判断は、面談のうえ資格者が行います。四葉社会保険労務士事務所では、支援の単位ごとに2人以上を割らない人員計画と勤務シフト、長い開所時間に対応する早番・遅番の交代制、開所パターンに合わせた変形労働時間制、36協定・割増賃金、パート・短時間の支援員の社会保険と適用拡大の要件確認、就業規則・賃金規程の整備についてご相談いただけます。市町村への届出・運営基準は行政書士(四葉行政書士事務所)、施設の物件は宅地建物取引業者、税務は税理士が行います。四葉社会保険労務士事務所は独立した事業体として業務を受任し、別の専門家が必要な場合は、お客様に直接ご契約いただく形をご案内します。紹介料はありません。よくいただくご質問はよくあるご質問にまとめています。執筆は浦松丈二(社会保険労務士・行政書士・宅地建物取引士)です。

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四葉社会保険労務士事務所(文京区小日向・東京メトロ丸ノ内線「茗荷谷」駅 徒歩5分)が、労務の現状整理からお手伝いします。

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