隣地への売却・隣地の買い増しは、売りにくい土地の出口になりますか?誰が声をかけますか?

再建築不可・狭小地・旗竿地のように単独では買い手が限られる土地も、隣地の所有者から見ると合わせて使える土地になることがあります。隣地へ売る、隣地の一部を買い増して接道(建築基準法第43条第1項)や敷地面積を補うのは、売りにくい土地に共通する出口です。声かけは当社が媒介契約(宅地建物取引業法第34条の2)に基づき取引態様(第34条)を明示して行い、紛争性のある交渉は弁護士へ、境界確定と分筆・合筆(不動産登記法第41条の制限)は土地家屋調査士へ、登記は司法書士へ振り分けます。民法第209条の隣地使用権は売買を求める権利ではありません。
結論(先に要点):再建築不可・狭小地・旗竿地のように単独では買い手が限られる土地でも、隣の土地の所有者から見ると「自分の土地と合わせれば使える土地」になることがあります。隣地へ売る、あるいは隣地の一部を買い増して接道や敷地面積を補うのは、売りにくい土地に共通する有力な出口です。ただし、隣地所有者への声かけは、当社(四葉不動産株式会社)が媒介契約(宅地建物取引業法第34条の2)に基づき、取引態様(同法第34条)を明示したうえで行います。隣地所有者との間に紛争性がある場合の交渉は弁護士へ、境界確定の測量や分筆・合筆などの表示登記は土地家屋調査士へ、所有権移転登記は司法書士へ、譲渡所得の税務は税理士へ、それぞれ独立した事業体として別々にご契約いただく形をご案内します。当社は紹介料を受け取りません。
「接道が2mに足りない」「15坪で建て替えの選択肢が狭い」「竿の部分が細くて車が入らない」——こうした土地は、不動産市場に出しても買い手が限られます。ところが、隣の土地の所有者にとっては事情が違います。自分の土地と合わせれば、庭や駐車場が広がる、建て替えのときの敷地が大きくなる、接道の幅が取れる、といった価値が生まれるからです。本記事は、隣地への売却と隣地の買い増しという二つの出口を、誰が・どの立場で進めるかという役割の面から整理します。売りにくい土地の出口の全体像は売りにくい土地・建物の出口相談に、再建築不可と狭小地の個別の論点は再建築不可の土地・家の出口・狭小地・旗竿地の出口にまとめています。
なぜ隣地の所有者が、買い手・売り手の第一候補になりますか?
建築基準法第43条第1項は、建築物の敷地が道路に2m以上接していることを求めています。この2mに足りない土地、都市計画で定めた敷地面積の最低限度(同法第53条の2)に届かない土地、旗竿地の竿部分が細い土地は、単独では建て替えの選択肢が狭くなります。しかし隣地と合わせると、その難点が消えることがあります。
| 単独では難点になる事情 | 隣地と合わせると起きること |
|---|---|
| 道路に接する幅が2m未満(第43条第1項) | 隣地の一部を買い増して幅を確保できる場合がある |
| 敷地面積が最低限度(第53条の2)に届かない | 隣地所有者が買い増せば、隣地側の敷地が広がる |
| 竿部分が細く、車が入らない旗竿地 | 隣地と合わせて形を整えられる場合がある |
| 間口が狭く、建てられる建物の幅が限られる | 隣地所有者にとっては庭・駐車場・増築用地になる |
つまり、市場で第三者に売るときの価値と、隣地所有者にとっての価値は同じではありません。この差があるからこそ、隣地は第一候補になります。ただし、隣地を買い増せば必ず建て替えられるようになるとは限りません。接道の幅、敷地面積、東京都建築安全条例の路地状敷地の規定、防火地域の指定など、建てられるかどうかの確認は建築士と特定行政庁(文京区)が行い、当社は可否の判断をしません。
隣地へ売る場合と、隣地を買い増す場合の流れはどう違いますか?
| 場面 | 目的 | 先に確認すること | 関わる資格者 |
|---|---|---|---|
| 隣地へ売る(全部) | 難点のある土地を、価値を見出す相手に引き取ってもらう | 隣地所有者の意向、境界の確定、価格の根拠 | 当社(媒介)、土地家屋調査士(境界・測量)、司法書士(移転登記) |
| 隣地へ売る(一部) | 竿部分や余った部分だけを隣地に渡す | 分筆の可否、残る土地の形と接道 | 当社、土地家屋調査士(分筆)、司法書士 |
| 隣地を買い増す | 接道の幅や敷地面積を補って自分の土地を使えるようにする | 必要な幅・面積、隣地の抵当権の有無、合筆の可否 | 当社、建築士・特定行政庁(建てられるか)、土地家屋調査士、司法書士 |
買い増しで見落としやすいのが、隣地に設定された抵当権です。隣地の一部を分筆して買う場合、その部分に金融機関の抵当権が残っていれば、金融機関の承諾(担保の一部解除)が要ります。また、買った土地と自分の土地を一筆にまとめる合筆の登記は、不動産登記法第41条により、相互に接続していない土地、地目や地番区域が異なる土地、所有権の登記名義人や持分が異なる土地、所有権の登記の有無が異なる土地、担保権などの登記がある土地などでは認められません。合筆しなくても建築上の敷地として一体に扱えるかどうかは、登記の筆とは別の問題で、建築士・特定行政庁に確認します。
隣地所有者への声かけは、誰が・どの立場で行いますか?
所有者ご本人が隣地所有者に直接話をすることはできます。ただ、価格や条件の根拠を示す、合意を書面にする、後日の紛争を防ぐ、といった点では、宅地建物取引業者が媒介として間に入る形が一般的です。当社が関わる場合の立場は次のとおりです。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 取引態様 | 当社は媒介です。宅地建物取引業法第34条により、広告や注文を受けたときに取引態様を明示します |
| 契約の形 | 媒介契約(同法第34条の2)を書面で結び、業務の内容と報酬を明記します |
| 買取をご希望の場合 | 隣地が引き取らない場合の別の出口として、提携する買取業者を買主とする媒介をご案内します |
| 報酬 | 同法第46条に基づく国土交通大臣の定めの範囲内の媒介報酬です。紹介料は受け取りません |
| 紛争性がある場合 | 境界の争い、越境物、過去のいきさつなど紛争性があるときの交渉は、弁護士へ直接ご依頼いただく形をご案内します |
なお、民法第209条の隣地使用権(令和3年法律第24号による改正後の規定・2023年4月1日施行)は、境界付近での工作物の築造や修繕、境界の測量などのために必要な範囲で隣地を使用できるという規定であって、隣地の売買を求める権利ではありません。声かけは、あくまで相手の任意の判断に委ねます。断られたときに無理に迫ることはしません。
境界・測量・分筆・合筆は、どう進めますか?
隣地との取引では、境界がどこかを双方が納得している必要があります。境界確定測量は土地家屋調査士が行い、隣接地所有者の立会いを経て境界を確認します。手順の詳細は境界確定測量と売却をご覧ください。
| 手続 | 担う人 | 備考 |
|---|---|---|
| 境界確定測量・境界標の設置 | 土地家屋調査士 | 隣接地所有者の立会い。民法第209条第1項第2号は境界の測量のための隣地使用を認める |
| 分筆・合筆・地目変更(表示に関する登記) | 土地家屋調査士 | 合筆は不動産登記法第41条の制限に注意 |
| 所有権移転登記 | 司法書士 | 抵当権が残る土地は金融機関の承諾が先 |
| 売買契約・決済の段取り | 当社(媒介) | 分筆完了の時期と決済の順番を調整 |
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価格の根拠は、どう示しますか?
宅地建物取引業法第34条の2第2項は、宅地建物取引業者が価額について意見を述べるときは、その根拠を明らかにしなければならないと定めています。隣地との取引は、一般の市場で第三者に売る場合と価格の考え方が異なることがあるため、なおさら根拠を書面で示す必要があります。当社は、取引事例や土地の形状・接道・法規制の調査結果を並べ、どの要素が価格に効いているかを説明します。具体的な金額や割合の目安は案件ごとに違うため、本記事では書きません。査定額と実際の売値の関係は査定額と売値の違いにまとめています。譲渡所得など税務の判断は税理士へ、当社は関与しません。
四葉不動産株式会社は、何を行いますか?
四葉不動産株式会社(宅地建物取引業 東京都知事(1)第113304号)は、東京都文京区小日向を拠点に、再建築不可・共有・借地・狭小地など売りにくい土地の売却の媒介と、隣地売却・買い増し・買取を含む出口の比較を行っています。隣地との取引で当社が行うのは次の範囲です。
| 順番 | 当社が行うこと |
|---|---|
| 1 | 役所調査(道路種別・接道・用途地域・最低敷地面積・防火地域など)と登記簿・公図の確認 |
| 2 | 調査結果を報告書にし、隣地売却・買い増し・第三者への媒介・提携する買取業者を買主とする媒介・貸して持つ、の各出口を並べる |
| 3 | 媒介契約のうえ、取引態様を明示して隣地所有者に打診する |
| 4 | 価格の根拠を書面で示し、売買契約書の作成と決済の段取りを行う |
| 5 | 境界・分筆は土地家屋調査士、登記は司法書士、税務は税理士、紛争は弁護士へ、それぞれ直接ご依頼いただく形をご案内する |
狭小地の具体的な出口は15坪前後の狭小地を売るか活かすか、媒介報酬の考え方は料金をご覧ください。
誰に相談すればよいですか?
隣地への売却・買い増しの媒介、役所調査、出口の比較、価格の根拠の説明は四葉不動産株式会社が承ります。建てられるかどうかの判断は建築士と特定行政庁(文京区)が、境界確定測量と分筆・合筆の登記は土地家屋調査士が、所有権移転登記は司法書士が、譲渡所得などの税務は税理士が、隣地所有者との紛争性のある交渉は弁護士が担います。これらはそれぞれ独立した事業体です。それぞれ直接ご契約いただきます。 当社は紹介料・送客手数料を受け取ることも支払うこともありません。相談は無料です。
よくある質問
Q. 隣の人に自分で直接話をしてもよいですか?
A. できます。ただし、価格や条件の根拠を示すこと、合意を書面にすること、境界や引渡しの条件を後で争わないようにすることを考えると、宅地建物取引業者が媒介として間に入る形が一般的です。当社が入る場合は取引態様を明示し、媒介契約を書面で結びます。既に隣地との間に紛争性がある場合は、弁護士へ直接ご依頼いただく形をご案内します。
Q. 隣地を買い増せば、再建築できるようになりますか?
A. 一概には言えません。接道の幅が2m以上になるか(建築基準法第43条第1項)、敷地面積の最低限度(同法第53条の2)を満たすか、東京都建築安全条例の路地状敷地の規定に当たるか、防火地域の指定はどうかなど、複数の条件があります。建てられるかどうかの判断は建築士と特定行政庁(文京区)が行い、当社は可否を判断しません。買い増しの前に、必要な幅や面積を建築士に確認することをお勧めします。
Q. 隣地の一部だけを買うとき、登記はどうなりますか?
A. 隣地を分筆したうえで、分筆後の土地について所有権移転登記をします。分筆は土地家屋調査士が、所有権移転登記は司法書士が担います。買った土地と自分の土地を一筆にまとめる合筆は、不動産登記法第41条により、所有者や地目が異なる土地、担保権の登記がある土地などではできません。合筆しなくても一体の敷地として建築上扱えるかは、建築士・特定行政庁に確認します。
Q. 声をかけて断られたら、どうしますか?
A. 無理に迫ることはしません。隣地以外の出口として、第三者への媒介、提携する買取業者を買主とする媒介、駐車場などとして貸して持つ、といった選択肢を並べて比較します。隣地所有者の事情は時間とともに変わることもあるため、時期を改めて再度打診することもあります。
この記事の出典(一次情報)
- e-Gov法令検索「建築基準法」(昭和25年法律第201号。第43条第1項=敷地は道路に2m以上接しなければならない。第53条の2=敷地面積の最低限度。現行版の施行日 2026年5月27日・令和8年法律第23号による改正。2026年9月24日参照)
- e-Gov法令検索「民法」(明治29年法律第89号。第209条=隣地の使用(境界付近の工作物の築造・修繕、境界の測量等のため必要な範囲)。令和3年法律第24号による改正・2023年4月1日施行。2026年9月24日参照)
- e-Gov法令検索「不動産登記法」(平成16年法律第123号。第41条=合筆の登記の制限。現行版の施行日 2026年6月24日・令和8年法律第46号による改正。2026年9月24日参照)
- e-Gov法令検索「宅地建物取引業法」(昭和27年法律第176号。第34条=取引態様の明示、第34条の2=媒介契約の書面と価額の根拠の明示、第46条=報酬。現行版の施行日 2026年4月1日・令和7年法律第68号による改正。2026年9月24日参照)
※隣地を買い増して建てられるようになるか、分筆・合筆ができるか、価格がいくらになるかは、土地の形状・接道・法規制・登記の状況・隣地所有者の意向によって変わります。本記事は個別の土地について判断していません。建てられるかどうかは建築士・特定行政庁へ、境界と表示登記は土地家屋調査士へ、権利の登記は司法書士へ、税務は税理士へ、紛争は弁護士へご相談ください。
※本記事は一般的な情報提供であり、個別の土地・取引の適否や結果を判断・保証するものではありません。建築の可否や登記の可否の最終判断は、有資格者が行います。
※土地の査定・媒介および売買契約は四葉不動産株式会社(宅地建物取引業)が、測量・分筆は土地家屋調査士が、登記は司法書士が、税務は税理士が、紛争は弁護士が、それぞれ独立した事業体として別々にご契約いただく形で受任します。紹介料・送客手数料のやりとりはありません。
この記事の執筆者
浦松 丈二(うらまつ・じょうじ)——宅地建物取引士(東京都知事登録 第293544号)・行政書士(登録番号 第25087022号)。四葉不動産株式会社 代表取締役(宅地建物取引業 東京都知事(1)第113304号)/四葉行政書士事務所 代表。東京都文京区小日向・茗荷谷駅徒歩約5分。役所調査の結果を報告書にし、隣地への売却・買い増しを含む出口を同じテーブルに並べて比較します。詳しい経歴は著者ページをご覧ください。
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