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売りにくい土地・建物

42条2項道路のセットバックがある土地を売るとき、面積と価格はどう考えますか?

住宅と街並みから不動産活用を考えるイメージ
浦松 丈二

浦松 丈二

代表取締役・宅地建物取引士(四葉不動産株式会社)

プロフィール(士業ドットコム)↗

幅員4m未満の道に接する土地の多くは建築基準法第42条第2項の道路に面し、道の中心線から2m(がけ地・川沿いは4m)の線が道路境界線とみなされます。セットバック部分は敷地面積に算入されず(建築基準法施行令第2条第1項第1号)、建築物・擁壁を建てられません(同法第44条第1項)。売るときは登記簿の面積と建築上の敷地面積の違いを前提に価格の根拠を示し(宅地建物取引業法第34条の2第2項)、重要事項として法令上の制限を説明します(第35条第1項第2号)。中心線と後退幅は特定行政庁と土地家屋調査士・建築士が確定し、当社は個別の面積を算定しません。

結論(先に要点):幅員4m未満の道に接する土地の多くは、建築基準法第42条第2項の道路(いわゆる2項道路)に面しています。この場合、道の中心線から水平距離2m(がけ地・川などに沿う場合は4m)の線が道路の境界線とみなされ、境界線までの部分(セットバック部分)は敷地面積に算入されず(建築基準法施行令第2条第1項第1号)、建築物や擁壁を建てることもできません(同法第44条第1項)。売るときは、登記簿の面積と建築に使える面積が違うことを前提に、価格の根拠を示し(宅地建物取引業法第34条の2第2項)、重要事項説明で法令上の制限として説明します(同法第35条第1項第2号)。中心線がどこか、後退の幅が何mかは、道路の種別の確認とあわせて特定行政庁(文京区)と土地家屋調査士・建築士が確定し、当社(四葉不動産株式会社)は個別の面積を算定しません。当社が行うのは役所調査と報告書、面積の違いを踏まえた価格の根拠の説明、売却の媒介です。各専門家とはそれぞれ独立した事業体として別々にご契約いただき、当社は紹介料を受け取りません。

「うちの前の道は狭いが、建て替えのときに下がらないといけないのか」「下がった分は売るときにどう扱われるのか」——文京区の住宅地には幅員4m未満の道が多く、このご相談は珍しくありません。本記事は、2項道路のセットバックがある土地を売るときの、面積・価格・説明義務の考え方を条文から整理します。再建築不可との違い(そもそも道路に当たらない道に接している場合)は相続した再建築不可物件の売却に、出口の全体像は再建築不可の土地・家の出口相談狭小地・旗竿地の出口相談にまとめています。

42条2項道路とセットバックとは、何ですか?

建築基準法第42条第1項は、道路を幅員4m以上の各号の道と定めています。第2項は、幅員4m未満でも、都市計画区域等に指定された際に現に建築物が立ち並んでいた道で特定行政庁が指定したものを道路とみなし、その中心線から水平距離2m(がけ地・川・線路敷地などに沿う場合は、その境界線から4m)の線を道路の境界線とみなすと定めています。

用語意味根拠
2項道路幅員4m未満だが、特定行政庁の指定により道路とみなされる道建築基準法第42条第2項
みなし道路境界線道の中心線から2m(がけ地等に沿う場合は反対側の境界線から4m)の線同項
セットバック建て替えの際に、みなし道路境界線まで敷地を後退させること同項の効果
セットバック部分の扱い道路とみなされる部分には建築物・擁壁を建てられない同法第44条第1項

道路の種別(1項の各号か、2項か、そもそも道路でないか)は、文京区の道路台帳・指定道路図で確認します。ここは、売却の前に必ず役所で確かめる項目です。

面積は、どう扱われますか?

セットバックがある土地では、面積が三つに分かれます。

面積内容使われる場面
登記簿の面積(公簿面積)登記記録に記載された地積売買契約(公簿売買の場合)
実測面積土地家屋調査士の測量による面積売買契約(実測売買の場合)、境界確定
建築上の敷地面積実測面積から、道路の境界線とみなされる線と道との間の部分を除いた面積建蔽率・容積率の計算

建築基準法施行令第2条第1項第1号は、敷地面積を敷地の水平投影面積とし、第42条第2項などにより道路の境界線とみなされる線と道との間の部分は算入しないと定めています。つまり、登記簿の面積が同じでも、セットバック部分が大きい土地ほど建てられる床面積は小さくなります。容積率と土地の値段の関係は容積率と土地値をご覧ください。

セットバック部分の幅が何mになるかは、道の中心線の位置で決まります。中心線の位置は、向かい側の土地の状況や過去の後退の有無で変わり、特定行政庁(文京区)との協議と測量で確定します。当社は個別の面積を算定しません。

価格は、どう考えますか?

宅地建物取引業法第34条の2第2項は、宅地建物取引業者が売買の価額について意見を述べるときは、その根拠を明らかにしなければならないと定めています。セットバックがある土地では、次の要素を根拠として示します。

要素価格への効き方(一般論)
セットバック部分の面積建物や擁壁を建てられない部分なので、有効に使える面積との差を説明する
後退後の敷地面積で計算した建蔽率・容積率建てられる建物の規模を示す
既に後退済みか、未後退か建て替え時に後退が必要かどうか
道路の中心線の確定状況未確定なら、確定に要する手続と時間
隣接地の後退状況道の将来の幅を見込む材料

具体的な減額の割合や金額の目安は、土地ごとに違うため本記事では書きません。当社は取引事例と役所調査の結果を並べて根拠を書面で示します。査定額と売値の関係は査定額と売値の違いにまとめています。

重要事項説明では、何を伝えますか?

宅地建物取引業法第35条第1項第2号は、都市計画法・建築基準法その他の法令に基づく制限で契約内容の別に応じて政令で定めるものに関する事項の概要を、重要事項として説明することを求めています。2項道路とセットバックは、この「法令に基づく制限」の代表的な項目です。

説明する事項内容
道路の種別第42条第2項の道路であること、指定の有無
みなし道路境界線とセットバックの幅役所の回答と測量の結果。未確定なら未確定であること
セットバック部分の扱い建築物・擁壁を建てられないこと(第44条第1項)、敷地面積に算入されないこと(施行令第2条第1項第1号)
既存建物の位置現在の建物がみなし道路境界線を越えているか

売主が知りながら告げなかった事実については、担保責任を負わない特約をしても責任を免れません(民法第572条)。役所での回答や過去の協議記録は、そのまま買主に伝えます。

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売却前に確認する書類と、担う人は誰ですか?

確認事項書類・確認先担う人
道路の種別・幅員・指定の有無文京区の道路台帳、指定道路図当社(役所調査)
道の中心線・後退の幅特定行政庁との協議、道路中心線の確認建築士、土地家屋調査士
境界境界確定測量土地家屋調査士。手順は境界確定測量と売却
後退部分の分筆分筆登記土地家屋調査士
後退部分の管理・寄付の制度文京区の制度を確認当社(役所調査)、所有者の判断

文京区など各区には、後退部分の整備や寄付に関する制度があることが一般に知られていますが、制度の内容と適用は区の窓口で確認します。本記事は制度の適用を判断しません。

四葉不動産株式会社は、何を行いますか?

四葉不動産株式会社(宅地建物取引業 東京都知事(1)第113304号)は、東京都文京区小日向を拠点に、再建築不可・狭小地・旗竿地・共有・借地など売りにくい土地の売却の媒介と、出口の比較を行っています。セットバックのある土地では、次の範囲を担います。

  • 役所調査(道路の種別・幅員・指定・用途地域・防火地域)と登記簿・公図の確認
  • 調査結果を報告書にし、そのまま媒介で売る・提携する買取業者を買主とする媒介・貸して持つ・隣地への売却の各出口を並べる
  • 面積の違いを踏まえた価格の根拠の書面化(同法第34条の2第2項)と重要事項説明(同法第35条)
  • 売買契約・決済の段取り。報酬は同法第46条に基づく定めの範囲内

誰に相談すればよいですか?

役所調査、価格の根拠の説明、重要事項説明、売却の媒介は四葉不動産株式会社が承ります。道路中心線の確定と後退後に建てられる建物の判断は建築士と特定行政庁(文京区)が、測量・分筆は土地家屋調査士が、登記は司法書士が、譲渡所得の税務は税理士が、向かい側や隣接地の所有者との紛争は弁護士が担います。これらはそれぞれ独立した事業体です。それぞれ直接ご契約いただきます。 当社は紹介料・送客手数料を受け取ることも支払うこともありません。相談は無料です。

よくある質問

Q. セットバック部分は、売買の面積に含まれますか?
A. 契約の定め方によります。公簿売買なら登記簿の面積で、実測売買なら測量面積で契約しますが、いずれの場合もセットバック部分は建築上の敷地面積に算入されず、建築物・擁壁を建てられないことを重要事項として説明します。面積の扱いは契約前に書面で確認します。

Q. 後退の幅は、どうやって決まりますか?
A. 道の中心線から水平距離2mの線が道路の境界線とみなされます(がけ地・川などに沿う場合は反対側の境界線から4m)。中心線の位置は特定行政庁(文京区)との協議と測量で確定し、当社は個別の幅や面積を算定しません。

Q. 既に後退している土地と、まだ後退していない土地では、何が違いますか?
A. 既に後退済みなら、建て替え時に新たな後退は原則として不要で、現状の敷地で計画できます。未後退なら、建て替え時に後退が必要になり、既存の建物や塀が後退線を越えていればその扱いも説明事項になります。どちらであるかは役所調査と測量で確認します。

Q. 2項道路に接していれば、再建築不可ではないのですか?
A. 2項道路は建築基準法上の道路とみなされるため、その道路に2m以上接していれば接道義務(第43条第1項)を満たします。ただし、道が2項道路の指定を受けていない場合や、接する長さが2m未満の場合は別の問題になります。道路の種別と接道の長さは役所で確認し、建築の可否は建築士・特定行政庁が判断します。

この記事の出典(一次情報)

  • e-Gov法令検索「建築基準法」(昭和25年法律第201号。第42条第1項=道路の定義(幅員4m以上)、第42条第2項=幅員4m未満の道の道路みなしと中心線から2m(がけ地等は4m)の境界線みなし、第43条第1項=接道、第44条第1項=道路内の建築制限。現行版の施行日 2026年5月27日・令和8年法律第23号による改正。2026年9月24日参照
  • e-Gov法令検索「建築基準法施行令」(昭和25年政令第338号。第2条第1項第1号=敷地面積は水平投影面積により、道路の境界線とみなされる線と道との間の部分は算入しない。現行版の施行日 2025年12月1日・令和7年政令第377号による改正。2026年9月24日参照
  • e-Gov法令検索「宅地建物取引業法」(昭和27年法律第176号。第34条の2第2項=価額の根拠の明示、第35条第1項第2号=法令に基づく制限の説明、第46条=報酬。現行版の施行日 2026年4月1日・令和7年法律第68号による改正。2026年9月24日参照
  • e-Gov法令検索「民法」(明治29年法律第89号。第572条=担保責任を負わない旨の特約の限界。現行版の施行日 2026年6月24日・令和8年法律第45号による改正。2026年9月24日参照

※道路の種別、中心線の位置、後退の幅、建築上の敷地面積、価格は、道の状況・過去の後退・特定行政庁との協議・測量の結果によって変わります。本記事は個別の土地の面積や価格を算定していません。建築の可否は建築士・特定行政庁へ、測量と分筆は土地家屋調査士へ、登記は司法書士へ、税務は税理士へ、紛争は弁護士へご相談ください。
※本記事は一般的な情報提供であり、個別の土地・取引の適否や結果を判断・保証するものではありません。法令上の制限の最終確認は特定行政庁・建築士が行います。
※土地の査定・媒介および売買契約は四葉不動産株式会社(宅地建物取引業)が、測量・分筆は土地家屋調査士が、登記は司法書士が、それぞれ独立した事業体として別々にご契約いただく形で受任します。紹介料・送客手数料のやりとりはありません。

この記事の執筆者

浦松 丈二(うらまつ・じょうじ)——宅地建物取引士(東京都知事登録 第293544号)・行政書士(登録番号 第25087022号)。四葉不動産株式会社 代表取締役(宅地建物取引業 東京都知事(1)第113304号)/四葉行政書士事務所 代表。東京都文京区小日向・茗荷谷駅徒歩約5分。道路の種別と面積の違いを役所調査で確かめ、価格の根拠と出口を同じテーブルに並べて説明します。詳しい経歴は著者ページをご覧ください。

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制度の解説はこの記事、誰に頼めるか・四葉不動産が行うこと・費用・流れは相談窓口のページにまとめています。

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