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投資・事業用不動産

質屋を開くときの物件要件と許可(質屋営業法・公安委員会)

ガラス面に空が映る低層オフィスビルを描いた水彩イラスト
浦松 丈二

浦松 丈二

代表取締役・宅地建物取引士(四葉不動産株式会社)

プロフィール(士業ドットコム)↗

質屋を開く物件で先に効くのは、店舗として用途地域の制限を受けるかと、質物を守る保管設備(耐火・施錠・盗難防止)を各都道府県公安委員会規則の基準に合わせて設けられるかの2点です。許可は営業所ごとに所在地の都道府県公安委員会へ申請します(質屋営業法第2条第1項)。東京都文京区の宅地建物取引士兼行政書士が、契約前に確認できることを質屋営業法・貸金業法・建築基準法の条文から整理します。許可申請書類の作成は行政書士、保管設備の耐火改修は建築士・施工業者、法人設立や開業後の登記は司法書士へ分離受任でご案内します。

結論(先に要点):質屋を開く物件で先に効くのは、①店舗として用途地域の制限を受けるか②質物を守る保管設備(耐火・施錠・盗難防止)を各都道府県公安委員会規則の基準に合わせて設けられるか、の2点です。許可は営業所ごとに所在地の都道府県公安委員会へ申請します(質屋営業法第2条第1項)。許可申請書類の作成は行政書士、保管設備の耐火改修は建築士・施工業者、店舗の物件探しと賃貸借は当社(宅地建物取引士)、開業後の登記は司法書士へ分けます。

質屋の開業を目指す方・質物の保管に向く店舗物件を探している方に向けて、契約前に物件で確認できることを質屋営業法とその委任規則、建築基準法から整理します。当社が担うのは店舗物件の情報提供・用途や保管設備を設けられるかの事前確認・賃貸借の媒介です。公安委員会への質屋営業許可の申請書類作成は行政書士、保管設備の耐火改修の設計・施工は建築士・施工業者、法人設立や開業後の登記は司法書士が担い、これらは四葉不動産株式会社とは独立した事業体として、業務ごとに別々にご契約いただく分離受任で進めます。飲食店の物件判断はスケルトン物件で飲食店を開くときの排気・防火、ペット関連の飼養施設はトリミング・ペットショップの物件要件もあわせてご覧ください。

質屋を開くのに、物件にはどんな要件がありますか

物件の要件は、大きく「店舗部分」と「質物の保管設備」の二層で考えます。質屋営業は、物品を質に取り、流質期限までに弁済を受けないときはその質物をもって弁済に充てる約款を付けて金銭を貸し付ける営業です(質屋営業法第1条第1項)。許可は「質屋になろうとする者」が、営業所ごとに、その所在地を管轄する都道府県公安委員会の許可を受けて行います(同法第2条第1項)。したがって物件は、接客・契約を行う店舗であると同時に、預かった質物を安全に保管できる設備を備えられることが前提になります。

物件選びの段階で確認したいのは、店舗として用途地域の制限に触れないか、質物の保管設備(耐火構造・堅ろうな施錠・盗難防止)を公安委員会規則の基準に合わせて設けられるか、電気・防犯・防火の設備を後付けできる素地があるか、賃貸物件なら賃貸借契約で質物の保管や改修が禁じられていないか、の4点です。許可の可否は公安委員会が判断し、保管設備の具体的な基準は所在地の都道府県規則で確認します。

確認する層主な確認点根拠・確認先
店舗部分用途地域で店舗を営めるか建築基準法別表第二・特定行政庁
質物の保管設備耐火・施錠・盗難防止の基準に適合できるか質屋営業法第7条・都道府県公安委員会規則
設備の素地防火・防犯・施錠設備の後付け可否現況・貸主の承諾
賃貸借契約質物保管・改修の可否契約条項・貸主

物件が基準を満たせそうかの事前確認と賃貸借の媒介は当社が担い、許可の最終判断は公安委員会が行います。

質物を保管する設備(耐火構造・施錠)はどこまで必要ですか

公安委員会規則の基準に従って設けます。質屋営業法第7条第1項は、公安委員会が火災・盗難等の予防のため必要があると認めるときは、質屋が設けるべき質物の保管設備について一定の基準を定めることができると規定し、同条第3項は、基準が定められた場合に質屋はその基準に従い保管設備を設けなければならないと定めます。基準の中身は法律本体ではなく各都道府県の公安委員会規則にあり、地域で異なるため、物件所在地の規則を直接確認します。

規則の一例として、主要構造部を建築基準法第2条第7号の耐火構造または土蔵造等とし、開口部に特定防火設備を設け、シャッター・鉄製扉などの盗難防止設備と堅ろうな施錠設備を求めるものがあります(栃木県警察・質屋の質物の保管設備の基準に関する規則、2026年10月15日参照)。開口部の防火設備について引用する建築基準法施行令の条番号が県により異なる例もあるため(沖縄県の例、2026年10月15日参照)、具体的な数値・構造は所在地の規則で確認します。既存の鉄筋コンクリート造や土蔵造の物件はこの層で有利ですが、木造店舗では保管部分だけを耐火仕様に改修できるかが分かれ目になります。

項目規則で求められる例
主要構造部耐火構造・土蔵造または同等以上
開口部特定防火設備等(引用条は県で異なる)
盗難防止シャッター・鉄製扉等の有効な設備
施錠堅ろうな施錠設備

耐火改修が必要かどうかの判断と設計・施工は建築士・施工業者が担い、基準適合の最終確認は公安委員会が行います。

許可はどこに申請し、誰が手続を担いますか

申請先は物件所在地を管轄する都道府県公安委員会(窓口は所轄警察署)で、営業所ごとに許可を受けます(質屋営業法第2条第1項)。公安委員会は、申請者が欠格事由のいずれかに該当する場合は許可をしてはならないとされ(同法第3条第1項)、拘禁刑以上の刑の執行終了等から3年を経過しない者、住居の定まらない者、破産手続開始の決定を受けて復権を得ない者、法人でその役員に欠格者がある者などが列挙されています。物件に関わる重要な号として、公安委員会が第7条第1項で保管設備の基準を定めた場合に、その基準に適合する保管設備を有しない者には許可してはならないと定められています(同法第3条第1項第11号)。つまり物件の保管設備が基準を満たせることは、許可の前提そのものです。

役割は次のように分けます。公安委員会への許可申請書類の作成・提出の代行は行政書士、保管設備の耐火改修の設計・施工は建築士・施工業者、店舗物件の情報提供・用途や保管設備の事前確認・賃貸借の媒介は当社、法人設立や開業後の商業登記は司法書士が担います。四葉不動産株式会社、四葉行政書士事務所と他の専門家(建築士・司法書士)は、それぞれ独立した事業体として、業務ごとに別々にご契約いただきます。直接契約・直接請求・直接入金で進め、紹介料・送客手数料のやり取りはありません。

手続担い手
質屋営業許可の申請書類作成・提出代行行政書士
保管設備の耐火改修(設計・施工)建築士・施工業者
店舗物件の探索・事前確認・賃貸借媒介不動産会社(当社)
法人設立・開業後の商業登記司法書士

事務所を構える物件の相談は事業用物件のご相談、投資・事業用不動産の全体像は投資・事業用不動産をご覧ください。

用途地域や建築基準法で開業できない物件はありますか

店舗部分は用途地域の制限を受けます。質屋は、診療所のように用途地域の制限を受けない施設とは違い、来店客に接客する「店舗」として扱われるのが一般的で、建築基準法別表第二が定める用途地域ごとの建築物の用途制限がかかります。住居専用地域では店舗の床面積や業種が制限され、物件が置かれる地域によっては店舗として使えない、または規模が限られることがあります。質屋が店舗に当たるかの最終的な用途判断と、用途変更の確認申請の要否は、特定行政庁・建築士が確認します。

あわせて確認したいのが、保管設備の耐火改修が建築基準法上の「大規模の修繕・模様替」や用途変更の確認申請に当たらないか、既存不適格の建物で改修できるか、消防法上の消防用設備の現況は足りるか、です。これらは物件の規模・階数・構造で変わるため、契約前に建築士へ現況を見てもらうのが安全です。

確認点見るもの確認先
用途地域店舗を営める地域か建築基準法別表第二・特定行政庁
用途変更確認申請の要否建築士・特定行政庁
耐火改修大規模修繕等の確認申請の要否建築士
消防消防用設備の現況消防署・消防設備士

ご自身のケースについて相談したい方へ

物件探しや売却について、状況をお聞かせください。

当社は用途地域や物件の現況という「立地と物の条件」までを事前に確認し、確認申請の要否や構造の最終判断は建築士・特定行政庁に振ります。

古物商許可や貸金業登録との違いは何ですか

いずれも「別建て」です。まず古物商許可(古物営業法)との関係です。質屋は、流質期限を経過した時にその質物(流質物)の所有権を取得し(質屋営業法第18条第1項)、その流質物を処分できます。流質物の売却について、質屋営業法第18条第2項は古物営業法第14条第3項にかかわらず古物市場で売却できる旨を定めており、質屋が流質物を売るために別途の古物商許可は不要と整理されています。中古品を「買い取って」転売するなら古物商許可が要りますが、質屋営業として「質に取り、流質で取得して売る」行為は質屋営業法の枠内です。買取も行うなら古物商許可が別に必要になる場面があるため、事業モデルは警察・行政書士に確認します。

次に貸金業登録(貸金業法)との関係です。貸金業法第2条第1項は「貸金業」から一定のものを除外しており、同項第2号は貸付けを業として行うにつき他の法律に特別の規定のある者が行うものを除くと定めます。質屋営業法に基づく質屋営業はこれに当たると整理され、質屋営業として行う質貸しに貸金業登録は要しないとされています。ただし、質屋が質契約によらない無担保の貸付けなどを行えば貸金業法の貸金業に当たり得るため、事業の範囲によっては貸金業登録の要否を金融庁・所管に確認する必要があります。質屋営業法では利息・流質期限などに特則があり、具体的な当てはめは【未検証】として所管に確認します。

制度質屋営業との関係
古物商許可(古物営業法)流質物の売却には不要(質屋営業法第18条)。買取併設なら別途要の場面あり
貸金業登録(貸金業法)質屋営業は貸金業法第2条第1項第2号で除外と整理。質契約外の貸付けは要の場面あり
質屋営業許可(質屋営業法)営業所ごとに公安委員会の許可(第2条第1項)

制度の切り分けは行政書士が整理し、物件側の条件確認と賃貸借は当社が担います。

よくある質問

Q. 質屋の許可はどこに申請しますか?
A. 営業所ごとに、その所在地を管轄する都道府県公安委員会(窓口は所轄警察署)へ申請します(質屋営業法第2条第1項)。公安委員会は欠格事由に該当する場合は許可をしてはならないとされ(同法第3条第1項)、保管設備の基準が定められた地域では基準に適合する保管設備を有しないと許可されません(同項第11号)。申請書類の作成・提出代行は行政書士が承ります。

Q. 質物の保管設備は耐火構造でないとだめですか?
A. 公安委員会が火災・盗難等の予防のため保管設備の基準を定めた場合、質屋はその基準に従って設ける必要があります(質屋営業法第7条)。基準は各都道府県の公安委員会規則にあり、主要構造部を耐火構造・土蔵造等とし開口部に特定防火設備、堅ろうな施錠・盗難防止設備を求める例があります。具体的な数値・構造は物件所在地の規則で確認し、改修の設計・施工は建築士・施工業者が担います。

Q. 質屋をやるのに古物商許可も要りますか?
A. 流質物を売るだけなら、質屋営業法第18条により質屋は流質物の所有権を取得して売却でき、別途の古物商許可は不要と整理されています。ただし、質に取るのではなく中古品を買い取って転売する買取事業を併設するなら、古物商許可が別に必要になる場面があります。事業の範囲は警察・行政書士に確認してください。

Q. 木造の店舗物件でも質屋を開けますか?
A. 店舗部分は用途地域の制限を受け、質物の保管部分は公安委員会規則の基準(耐火・施錠・盗難防止)を満たす必要があります。木造でも、保管部分だけを耐火仕様に改修して基準に適合できれば開業の余地があります。改修が建築基準法の確認申請に当たらないか、賃貸借契約で改修が許されるかを、建築士と当社が契約前に確認します。

この記事の出典(一次情報)

  • 質屋営業法(昭和25年法律第158号)(第1条第1項=質屋営業の定義〈物品を質に取り、流質期限までに弁済を受けないとき質物で弁済に充てる約款を付して金銭を貸し付ける営業〉、第2条第1項=営業所ごとに所在地の都道府県公安委員会の許可、第3条第1項=許可をしてはならない場合〈同項第11号=保管設備の基準が定められた場合に適合設備を有しない者〉、第7条=公安委員会が火災・盗難等の予防のため保管設備の基準を定めることができ質屋はこれに従う、第18条=流質期限経過時に質屋が質物の所有権を取得・第2項で流質物を古物市場で売却できる。2026年10月15日参照)
  • 貸金業法(昭和58年法律第32号)(第2条第1項=「貸金業」の定義とただし書による除外。第2号=貸付けを業として行うにつき他の法律に特別の規定のある者が行うものを除く。質屋営業法に基づく質屋営業はこれに当たると整理される。2026年10月15日参照)
  • 建築基準法(昭和25年法律第201号)(別表第二=用途地域内の建築物の用途制限。店舗の立地可否・用途変更の確認申請の要否の根拠。2026年10月15日参照)
  • 各都道府県公安委員会規則(質屋の質物の保管設備の基準):栃木県警察の規則では主要構造部を建築基準法第2条第7号の耐火構造・土蔵造等とし開口部に特定防火設備、堅ろうな施錠・盗難防止設備を求める。沖縄県の規則は開口部の防火設備の引用条が異なる。基準は地域で異なるため所在地の規則で確認(2026年10月15日参照)。

本文更新・追加資料確認日:2026年10月15日。質屋営業法・貸金業法・建築基準法の条文はe-Gov法令検索で確認しました。保管設備の具体的な数値・構造の基準は各都道府県公安委員会規則で定められ地域差があるため本記事では断定せず【未検証】とし、物件所在地の規則と所轄警察署で確認します。質屋が店舗として受ける用途地域の制限の当てはめ、買取併設時の古物商許可の要否、質契約によらない貸付けを行う場合の貸金業登録の要否も事案で変わるため【未検証】とし、特定行政庁・警察・金融庁および各資格者が原資料で確認します。e-Govの条文・URL・公安委員会規則の内容は参照日時点のもので、改正・構成変更があり得ます。公開は資格者確認待ちとして保留します。

本記事は一般的な情報提供であり、個別の法的判断・許可の可否・物件の適否を示すものではありません。所管行政庁(公安委員会・特定行政庁・消防)と各資格者による確認が必要です。四葉不動産株式会社、四葉行政書士事務所、四葉社会保険労務士事務所と他の専門家(建築士・司法書士)は、それぞれ独立した事業体として、業務ごとに別々にご契約いただきます。直接契約・直接請求・直接入金で進め、紹介料・送客手数料のやり取りはありません。質屋営業許可の申請書類作成は行政書士、保管設備の耐火改修は建築士・施工業者、法人設立や開業後の登記は司法書士が担います。物件の初回相談は無料、各専門家の受任範囲・費用は各契約先に確認します。

この記事の執筆者

浦松 丈二(うらまつ・じょうじ)——宅地建物取引士(東京都知事登録 第293544号)・行政書士(登録番号 第25087022号)。四葉不動産株式会社 代表取締役(宅地建物取引業 東京都知事(1)第113304号)/四葉行政書士事務所 代表。東京都文京区小日向・茗荷谷駅徒歩約5分。質屋の開業では、店舗物件の探索と用途・保管設備を設けられるかの事前確認、賃貸借の媒介を担当し、公安委員会への許可申請は行政書士、保管設備の耐火改修は建築士・施工業者、開業後の登記は司法書士へ分けます。詳しい経歴は著者ページをご覧ください。

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