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投資・事業用不動産

就労継続支援A型の事業所に使える物件の要件(B型との違いで変わる点)

ガラス面に空が映る低層オフィスビルを描いた水彩イラスト
浦松 丈二

浦松 丈二

代表取締役・宅地建物取引士(四葉不動産株式会社)

プロフィール(士業ドットコム)↗

就労継続支援A型の物件は、B型と同じ建築基準法上の『児童福祉施設等』として扱われ、用途地域・用途変更・採光・避難・消防の確認手順もB型と共通です。違いが出るのは物件より運営――A型は利用者と雇用契約を結ぶため最低賃金が適用され、働く場としての動線・設備が要る点。定員もA型10人以上・B型20人以上と異なります。東京都文京区の宅地建物取引士兼行政書士が、障害者総合支援法・指定基準省令・建築基準法施行令19条・消防法施行令別表第一から契約前の確認手順を整理します。指定申請は行政書士、雇用・最低賃金は社労士、登記は司法書士へ分離受任でご案内します。

結論(先に要点):就労継続支援A型の物件は、B型と同じ建築基準法上の「児童福祉施設等」として扱われ、用途地域・用途変更・採光・避難・消防の確認手順もB型と共通です。違いが出るのは物件そのものより運営――A型は利用者と雇用契約を結ぶため最低賃金が適用され、労働時間・休憩・動線を「働く場」として設計する必要がある点です。定員はA型10人以上・B型20人以上と下限も異なります。当社は物件が要件を満たすかの情報提供まで、指定申請は行政書士、雇用契約・最低賃金の減額特例は社労士、登記は司法書士へ、別々にご契約いただく形でご案内します。

障害福祉サービスでA型事業所の開設を検討する事業者と、その不動産担当に向けて、「B型の物件探しと何が同じで、何が変わるのか」を建築基準法・消防法・指定基準省令から整理します。当社は物件の用途・構造・消防の現況という情報提供を担い、指定の可否や労務・雇用の設計、税務の判断は行いません。該当する領域はそれぞれの専門家へ、別々にご契約いただく形でご案内します。

就労継続支援A型の物件は、B型とどこが変わるのか

物件に求める建築・消防の条件はB型とほぼ共通です。A型で本当に変わるのは、利用者と雇用契約を結ぶ点――最低賃金が適用され、労働時間・休憩・更衣や動線を「労働の場」として整える必要があることです。定員の下限もA型10人以上・B型20人以上と違います。

就労継続支援A型もB型も、障害者総合支援法(障害者の日常生活及び社会生活を総合的に支援するための法律)に基づく指定障害福祉サービスで、建物は建築基準法上いずれも「児童福祉施設等」に当たります(後述)。そのため用途地域・用途変更・採光・避難・消防の確認手順は共通です。決定的な違いは、**A型は雇用契約を結ぶ(労働者として最低賃金が適用される)**のに対し、B型は雇用契約を結ばず工賃を支払う点にあります。

論点就労継続支援A型就労継続支援B型
利用者との関係雇用契約あり(労働者)雇用契約なし(工賃)
賃金最低賃金が適用(減額特例は後述)工賃
定員の下限10人以上20人以上
建築基準法上の用途児童福祉施設等児童福祉施設等
物件で効くもの用途地域・用途変更・採光・避難・消防(B型と共通)+労働の場の動線用途地域・用途変更・採光・避難・消防

B型を前提にした物件選びは就労継続支援B型の物件は用途地域と消防のどこで落ちるかと考え方が重なります。A型で追加で効くのは「働く場」としての設計で、ここは雇用・労務の領域なので社労士へ振ります。

A型事業所は用途地域と建築基準法上、どの用途として扱われるのか

建築基準法施行令第19条第1項の「児童福祉施設等」に、障害福祉サービス事業(就労継続支援を含む)の用に供する施設が含まれます。採光・避難の規制がやや厳しめにかかり、用途地域の可否は別表第二で個別に確認します。

建築基準法施行令(昭和25年政令第338号)第19条第1項は、児童福祉施設のほか、老人福祉施設、障害者支援施設、障害福祉サービス事業(生活介護・自立訓練・就労移行支援・就労継続支援など)の用に供する施設を「児童福祉施設等」と位置づけます。この用途は避難に配慮を要する利用者が使う建物として、採光や避難関係の規定が強めにかかります。用途地域ごとに建てられるかどうかは建築基準法第48条・別表第二および施行令第130条の各条で定まり、物件ごとに個別確認が必要です。

確認項目根拠・ポイント
用途の該当施行令第19条第1項の「児童福祉施設等」に該当(就労継続支援を含む)
用途地域の可否建築基準法第48条・別表第二、施行令第130条の各条で個別に確認
採光・避難児童福祉施設等として採光・避難関係の規定が強めにかかる
用途変更の確認申請用途変更部分の延べ床面積が200㎡超なら確認申請(建築基準法第6条第1項・第87条)

既存の事務所・店舗・住宅をA型事業所に転用する場合、用途変更部分の延べ床面積が200㎡を超えると、使用前に用途変更の確認申請が要ります。グループホームなど福祉用途への用途変更でつまずきやすい点は福祉用途への用途変更はどこで確認申請が要るかに整理しています。用途変更にあたっての建築確認は建築士・特定行政庁の領域で、当社は現況の把握と情報提供までを担います。

定員と生産活動に必要な面積・設備はどこまで求められるのか

指定基準省令はA型に訓練・作業室、相談室、洗面所、便所、多目的室等を求めますが、利用者1人あたりの面積を全国一律の数値では定めていません(「訓練・作業に支障のない広さ」)。目安とされる㎡数は自治体の運用・推奨で、物件ごとに所管自治体への確認が要ります。

指定障害福祉サービス等の人員・設備・運営に関する基準を定めた省令(平成18年厚生労働省令第171号)は、就労継続支援A型の設備基準(第188条)として、訓練・作業室、相談室、洗面所、便所、多目的室等を置くことを求めます。訓練・作業室は「訓練または作業に支障のない広さ」とされ、具体的な1人あたり㎡数は省令本体には定められていません。民間解説が示す「1人あたり3.3㎡」「少なくとも2㎡以上」などの数値は運用・推奨の目安であり、省令の数値ではありません。そのためここは断定せず【未検証】とし、所管自治体の条例・要綱と事前協議で確認する前提にします。

設備求められること面積・数値の扱い
訓練・作業室訓練・作業に支障のない広さ、必要な機械器具全国一律の㎡/人基準はなし。目安は自治体運用【未検証】
相談室間仕切り等で談話が外に漏れない措置―
洗面所・便所利用者の特性に応じたもの―
多目的室等支障なければ相談室と兼用も可―
定員A型は10人以上生産活動の内容で必要面積が変わる

A型は雇用契約を結ぶため、最低賃金を支払える事業規模・生産活動を想定した作業スペースと、労働者としての更衣・休憩・動線が実務上の鍵になります。ただし面積や人員配置の最終的な可否は、都道府県・市の条例と指定基準で決まるため、物件を押さえる前に所管自治体との事前協議が要ります。指定申請の手続は行政書士が別契約で承ります。

消防法・バリアフリーで物件選定時に落ちやすい点はどこか

通所のA型事業所は、消防法施行令別表第一の(6)項ハに区分されるのが基本で、自動火災報知設備などの消防用設備が用途・面積に応じて要ります。避難が困難な利用者を主に受け入れる形だと(6)項ロと判断されることもあり、区分は所管消防が個別に決めます。

消防法施行令(昭和36年政令第37号)別表第一の(6)項は社会福祉施設等を区分し、身体上・精神上の理由で自ら避難が困難な者が入所するものを(6)項ロ、それ以外を(6)項ハとします。通所で避難困難者を主としない就労継続支援は(6)項ハになるのが基本ですが、サービス内容・利用者の避難困難性・受入体制を総合して所管消防が判断するため、物件を決める前に所轄消防署・予防課への確認が要ります。区分により必要な消防用設備(自動火災報知設備、消火器、誘導灯、場合により スプリンクラー等)が変わり、既存建物では後付け工事の可否が選定の分かれ目になります。

確認項目ポイント
消防法上の用途区分通所のA型は(6)項ハが基本。避難困難者を主に受け入れると(6)項ロの可能性
消防用設備用途・面積・階で自動火災報知設備・誘導灯・消火器等。区分で変わる
判断主体所管消防(消防署・予防課)が個別に判断。物件確定前に相談
バリアフリー利用者の特性に応じた便所・洗面所、段差・通路幅。条例で上乗せあり

消防用設備の具体や工事費は機器構成と建物で変わるため【未検証】とし、消防設備士・建築士・所管消防の確認を前提にします。当社は現況(既設の消防用設備、用途区分の見込み)を物件情報として整理し、確認申請・設計・指定申請は各専門家へ振ります。

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物件を押さえてから指定・雇用の手続までの順番はどうなるのか

順番は「物件の目星→用途・消防・用途変更の可否確認→所管自治体との事前協議→指定申請→雇用契約・最低賃金の設計」です。物件の要件確認を飛ばして契約すると、用途変更不可や消防で後戻りします。A型特有の雇用・最低賃金は社労士が担います。

A型は雇用契約を結ぶため、最低賃金が適用されます。障害により著しく労働能力が低い場合に最低賃金を下げる「減額特例」は、最低賃金法(昭和34年法律第137号)第7条が定め、都道府県労働局長の許可を受けたときに限り、許可された減額率を乗じた額を適用できます。許可の基準は厚生労働省のマニュアルに拠り、申請・労働時間・就業規則の設計は社労士の領域です。

段階誰が内容
① 物件の目星当社用途地域・現況用途・面積・消防の現況を情報提供
② 可否確認当社+建築士・消防用途変更の要否(200㎡超)・採光避難・消防区分の見込み
③ 事前協議事業者所管自治体と設備・人員・定員の協議
④ 指定申請行政書士指定障害福祉サービス事業者の指定申請(別契約)
⑤ 雇用・最賃社労士雇用契約、最低賃金の減額特例(最賃法第7条)の許可申請、労働時間・就業規則(別契約)
⑥ 登記・会計司法書士・税理士建物の表題変更登記、報酬請求・会計(別契約)

当社は、物件の用途・構造・消防の現況の調査、重要事項説明、価格と条件の調整、媒介と売買・賃貸借契約を担います。指定障害福祉サービス事業者の指定申請は行政書士、雇用契約・最低賃金の減額特例・労働時間の設計は社労士、建物の用途変更に伴う表題変更登記は司法書士、報酬請求・会計は税理士が担い、当社とは、それぞれ独立した事業体です。役割の重なる部分は、どちらが何を担うかを契約の前に明確にし、別々にご契約いただきます。 各専門家へはそれぞれ直接ご依頼いただく形をご案内します。当社は、紹介料・送客手数料を受け取ることも支払うこともありません。相談は無料です。

よくある質問

Q. B型で使っていた物件は、そのままA型に転用できますか?
A. 建築基準法上の用途はA型もB型も「児童福祉施設等」で同じなので、用途・採光・避難・消防の枠組みは共通です。ただしA型は雇用契約を結び最低賃金が適用されるため、労働の場としての更衣・休憩・動線や、生産活動に見合う作業スペースの設計が加わります。定員の下限もA型は10人以上です。物件の可否は所管自治体・消防、雇用の設計は社労士にご確認ください。

Q. 事務所ビルの一室をA型事業所にします。確認申請は要りますか?
A. 用途変更部分の延べ床面積が200㎡を超えると、使用前に用途変更の確認申請が要ります(建築基準法第6条第1項・第87条)。200㎡以下でも、採光・避難・消防の各規定への適合は別途問われます。該当の判断と設計は建築士・特定行政庁の領域です。当社は現況用途と面積を整理し、確認申請は建築士へ振ります。

Q. A型の作業室は、利用者1人あたり何㎡必要ですか?
A. 指定基準省令は「訓練・作業に支障のない広さ」とするだけで、全国一律の1人あたり㎡数は定めていません。民間解説の「1人3.3㎡」「最低2㎡」等は運用・推奨の目安で、省令の数値ではありません(本記事では【未検証】扱い)。必要面積は定員・生産活動・自治体の条例で変わるため、物件確定前に所管自治体との事前協議でご確認ください。

Q. 最低賃金を下げる減額特例は、どこへ申請しますか?
A. 最低賃金法第7条の減額特例は、使用者が都道府県労働局長の許可を受けたときに限り適用できます。許可の基準は厚生労働省のマニュアルに拠り、申請や労働時間・就業規則の設計は社労士の領域です。物件・事業所の要件は当社が、雇用・最賃の設計は社労士が、指定申請は行政書士が、別々に承ります。

この記事の出典(一次情報)

※就労継続支援A型の設備・人員・定員・面積の具体的な要件は、都道府県・市の条例と指定基準、所管自治体の運用で変わります。本記事では1人あたり面積等を断定しておらず、該当性は【未検証】として自治体・建築士・消防・社労士による確認を前提としています。
※消防法上の用途区分((6)項ロ/ハ)と必要な消防用設備は、利用者の避難困難性・受入体制・建物の規模で変わり、所管消防が個別に判断します。本記事は具体の設備・工事費を断定していません。
※本記事は一般的な情報提供であり、個別の法的判断・税務判断を示すものではありません。指定申請は行政書士、雇用契約・最低賃金の減額特例・労働時間の設計は社労士、用途変更の確認申請・設計は建築士、登記は司法書士、会計・税務は税理士が行います。
※物件の用途・構造・消防の現況の調査・重要事項説明・媒介および売買・賃貸借契約は四葉不動産株式会社(宅地建物取引業)が担い、各士業・建築士とは、それぞれ独立した事業体として別々にご契約いただく形で進めます。紹介料・送客手数料のやりとりはありません。投資・事業用不動産の全体像は投資・事業用不動産のご相談、事業用物件のご相談は事業用物件のご相談をご覧ください。

この記事の執筆者

浦松 丈二(うらまつ・じょうじ)——宅地建物取引士(東京都知事登録 第293544号)・行政書士(登録番号 第25087022号)。四葉不動産株式会社 代表取締役(宅地建物取引業 東京都知事(1)第113304号)/四葉行政書士事務所 代表。東京都文京区小日向・茗荷谷駅徒歩約5分。障害福祉サービスの事業用物件について、用途地域・用途変更・消防の現況を契約前に確認し、指定・雇用の手続は各専門家と役割を分けて対応づけます。詳しい経歴は著者ページをご覧ください。

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