被相続人が老人ホームに入所していた実家でも、相続空き家の3000万円特別控除は使えますか

親が老人ホーム等に入所してから空き家になった実家でも、相続空き家の3000万円特別控除は使える余地があります。鍵は、入所の直前に要介護認定等を受けていたこと、入所から相続開始まで空き家が貸付け等に使われず維持されていたこと、一人暮らしだったことの証明です。東京都文京区の宅地建物取引士兼行政書士が、租税特別措置法35条・施行令23条(令和元年度改正)と国税庁タックスアンサーNo.3306・No.3307から適用の要点を整理します。適用の最終判定と確定申告は税理士、相続登記は司法書士へ分離受任でご案内します。
結論(先に要点):親が老人ホーム等に入所してから空き家になった実家でも、相続空き家の3000万円特別控除は使える余地があります。鍵は、入所の直前に要介護認定等を受けていたこと、入所から相続開始まで空き家が貸付け等に使われず維持されていたこと、一人暮らしだったことの証明です。適用の最終判定と確定申告は税理士、売買は当社、相続登記は司法書士へ分けます。
親が施設入所後に空き家になった実家を相続し、売却を考えている方に向けて、「老人ホーム等入所後に空き家になった」ケースで空き家特例が使えるかを租税特別措置法と国税庁タックスアンサーから整理します。当社が担うのは、査定・売却スケジュールの組み立て・売買の媒介です。特例が使えるかの最終的な適用判定と確定申告は税理士、相続登記は司法書士、遺産分割でもめた場合は弁護士が担い、これらは四葉不動産株式会社とは独立した事業体として、業務ごとに別々にご契約いただく分離受任で進めます。売却時期の逆算や売り方の比較は相続した実家は売るべきか残すべきか、相続登記の義務化と売却の順序は相続登記の義務化と売却もあわせてご覧ください。
相続空き家の3000万円特別控除の「被相続人の居住要件」とは何ですか
相続空き家の3000万円特別控除は、被相続人が「相続開始の直前に一人で住んでいた家屋」を相続人が売ったときに、譲渡所得から最高3000万円(一定の場合は2000万円)を控除できる特例です(租税特別措置法第35条)。要の一つが、この「居住要件」です。
家屋の側の条件として、昭和56年5月31日以前に建築されたこと(旧耐震)、区分所有建物登記がされている建物でないこと、相続開始の直前に被相続人以外に居住していた人がいなかったこと(一人暮らし)が求められます(国税庁タックスアンサー No.3306)。さらに、相続時から譲渡時まで事業・貸付け・居住に使われていないことも要件です。つまり、相続後に賃貸に出したり誰かが住んだりすると、原則として対象から外れます。控除額は、令和6年1月1日以後の譲渡で被相続人居住用家屋等を取得した相続人の数が3人以上の場合、最高2000万円に下がります。
| 区分 | 要件の例 |
|---|---|
| 家屋の築年 | 昭和56年5月31日以前に建築 |
| 建物の種類 | 区分所有建物登記がされていない(戸建て等) |
| 居住状況 | 相続開始の直前に被相続人以外の居住者がいなかった |
| 相続後の利用 | 事業・貸付け・居住に使っていない |
| 控除額 | 最高3000万円(令和6年以降の譲渡で取得相続人3人以上は2000万円) |
個別の適用可否は国税庁の該当ページと条文で税理士が確認します。
老人ホームへ入所していた実家でも特例の対象になりますか、いつの改正で変わりましたか
対象になる余地があります。もともとこの特例は「相続開始の直前に被相続人が住んでいた家屋」が前提でしたが、平成31年度(令和元年度)改正で、被相続人が老人ホーム等に入所していて空き家になっていたケースにも、一定の要件を満たせば居住要件を満たすものとして対象を広げました。平成31年4月1日以後の譲渡から適用されています。
国税庁タックスアンサー No.3307が整理する要件は次のとおりです。①相続開始の直前に、要介護認定・要支援認定等を受けた被相続人が、養護老人ホーム・特別養護老人ホーム・有料老人ホーム・サービス付き高齢者向け住宅・介護老人保健施設・認知症対応型共同生活介護の住居等に入所・入居していたこと(認定の有無は家屋が居住に使われなくなる直前で判定)。②家屋が、居住に使われなくなった時から相続開始直前まで、引き続き被相続人の物品の保管などに使われ、事業・貸付け・被相続人以外の居住に使われていないこと。③入所時から相続開始直前まで、被相続人が主として居住していたと認められる家屋がその老人ホーム等であること。根拠は租税特別措置法第35条、同法施行令第20条の3・第23条、同法施行規則第18条の2、措通35-9の2です。
| 論点 | 内容 |
|---|---|
| 改正 | 平成31年度(令和元年度)改正 |
| 適用開始 | 平成31年4月1日以後の譲渡 |
| 認定の判定時点 | 家屋が居住に使われなくなる直前 |
| 対象施設の例 | 養護・特養・有料老人ホーム、サ高住、介護老人保健施設 等 |
介護のために子の家へ転居した等、老人ホーム等以外への転居は原則対象外です。適用可否の最終判定は税理士が行います。
要介護認定や入所の事実、空き家の維持はどの書類で証明しますか
書類で裏づけます。要介護認定等を受けていたこと、老人ホーム等に入所していたこと、入所から相続開始まで空き家が貸付け等に使われず維持されていたことを示す資料が要ります。実務では、物件所在地の市区町村が交付する「被相続人居住用家屋等確認書」を取得し、確定申告に添付します。
要介護認定・要支援認定は介護保険法に基づく認定で(介護保険法第19条)、介護保険の被保険者証や認定結果の通知で確認します。入所の事実は施設との入所契約書や入所期間の分かる資料、空き家の維持は電気・水道の使用状況や管理の記録などで示します。どの書類で何を証明するか、確認書の申請に何が要るかは市区町村と税理士が確認します。当社は売買に必要な書類の案内と、売却スケジュールに合わせた準備の段取りまでをお手伝いします。
| 証明する事項 | 主な書類 | 確認・交付先 |
|---|---|---|
| 要介護認定等 | 介護保険被保険者証、認定結果通知 | 市区町村・税理士 |
| 入所の事実 | 施設の入所契約書、入所期間の資料 | 施設・市区町村 |
| 空き家の維持(未利用) | 電気・水道の使用状況、管理記録 | 相続人・市区町村 |
| 特例全体の確認 | 被相続人居住用家屋等確認書 | 市区町村(物件所在地)が交付 |
耐震改修と取り壊しのどちらを選ぶと特例が使えますか、売却期限はいつまでですか
この特例は、売る家屋が旧耐震(昭和56年5月31日以前建築)であるため、そのまま売る場合は、譲渡の時までに耐震基準に適合させるか、家屋を取り壊して更地で売るかのいずれかが原則必要でした。令和6年1月1日以後の譲渡については、譲渡の時から譲渡の日の属する年の翌年2月15日までに、耐震基準に適合することとなった場合、または家屋の全部の取壊し等が行われた場合も対象になり得るよう緩和されています(国税庁タックスアンサー No.3306)。これにより、引渡し後に改修・取壊しがされるケースにも余地が生まれましたが、だれがいつ行うかの具体的な適用関係は事案で変わるため税理士が確認します。
売却期限は、相続の開始があった日から3年を経過する日の属する年の12月31日までに売ることです。さらに特例全体の適用期限として、平成28年4月1日から令和9年12月31日までの間の譲渡が対象です。この二つの期限の早い方までに売却を終える必要があります。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 耐震改修か取壊しか | 旧耐震のため、耐震適合または取壊し(更地売却)のいずれかが原則必要 |
| 令和6年以降の緩和 | 譲渡の翌年2月15日までの耐震適合・全部取壊し等も対象になり得る |
| 売却期限 | 相続開始から3年を経過する日の属する年の12月31日まで |
| 特例の適用期限 | 平成28年4月1日〜令和9年12月31日の譲渡 |
ご自身のケースについて相談したい方へ
物件探しや売却について、状況をお聞かせください。
耐震改修と取壊しのどちらが有利か(費用、更地化後の固定資産税、買主層)は、売り方の比較として当社が整理し、税額の最終判定は税理士が行います。
適用判定と申告は誰に、売却と相続登記は誰に分けて相談すればよいですか
役割を分けます。特例が使えるかの適用判定と確定申告は税理士、売買の査定・媒介は当社、相続登記は司法書士、遺産分割でもめた場合は弁護士に分けて相談します。空き家特例は要件が細かく、一つ外れると適用できないため、売る前に税理士へ適用の見通しを確認し、売却スケジュールと期限を当社が合わせて組むのが安全です。
相続不動産の売却に関する当社への相談は相続不動産のご相談をご覧ください。相続人が複数いて取得者が未定の場合は、遺産分割と相続登記を先に整える必要があり、3人以上が取得すると控除額が2000万円に下がる点も踏まえて進めます。各専門家は四葉不動産株式会社、四葉行政書士事務所、四葉社会保険労務士事務所、および他の専門家(税理士・司法書士・弁護士)として、それぞれ独立した事業体として、業務ごとに別々にご契約いただきます。直接契約・直接請求・直接入金で進め、紹介料・送客手数料のやり取りはありません。当社が担うのは査定と媒介までで、特例の適用判定・申告は税理士が行います。
| 相談先 | 担う範囲 |
|---|---|
| 税理士 | 空き家特例の適用判定、譲渡所得の計算、確定申告 |
| 不動産会社(当社) | 査定、売却スケジュール、売買の媒介、必要書類の案内 |
| 司法書士 | 相続登記、売買に伴う所有権移転登記 |
| 弁護士 | 遺産分割でもめた場合の調停・審判 |
| 市区町村 | 被相続人居住用家屋等確認書の交付 |
よくある質問
Q. 親が特別養護老人ホームに入ってから空き家になった実家でも、3000万円控除は使えますか?
A. 使える余地があります。相続開始の直前に要介護認定等を受けた被相続人が老人ホーム等に入所し、入所から相続開始まで空き家が貸付け等に使われず維持され、一人暮らしだった等の要件を満たす必要があります(国税庁タックスアンサー No.3307、租税特別措置法第35条・同法施行令第23条)。最終的な適用判定は税理士が行います。
Q. 介護のために実家を出て、子である私の家で同居していた場合はどうなりますか?
A. 老人ホーム等以外への転居は、原則としてこの特例の居住要件の特例の対象外とされています。対象になるのは、要介護認定等を受けた被相続人が老人ホーム等に入所していたケースです。個別の事情での可否は、国税庁の該当ページと条文に照らして税理士が確認します。
Q. 要介護認定を受けていたことや、空き家を維持していたことは、何で証明しますか?
A. 介護保険被保険者証や認定結果の通知、施設の入所契約書、電気・水道の使用状況などで示し、物件所在地の市区町村が交付する「被相続人居住用家屋等確認書」を取得して確定申告に添付します。必要書類は市区町村と税理士に確認してください。
Q. いつまでに売れば間に合いますか?
A. 相続の開始があった日から3年を経過する日の属する年の12月31日までに売ることが要件で、特例全体の適用期限(令和9年12月31日までの譲渡)とあわせて、早い方までに売却を終える必要があります(国税庁タックスアンサー No.3306)。期限から逆算した売却スケジュールは当社が組み、税額は税理士が確認します。
この記事の出典(一次情報)
- 国税庁タックスアンサー No.3306 被相続人の居住用財産(空き家)を売ったときの特例(租税特別措置法第35条。控除額最高3000万円(令和6年1月1日以後の譲渡で取得相続人3人以上は2000万円)、平成28年4月1日〜令和9年12月31日の譲渡が対象、相続開始から3年を経過する日の属する年の12月31日までに売却、昭和56年5月31日以前建築・区分所有登記なし等。令和6年以降は譲渡の翌年2月15日までの耐震適合・全部取壊し等も対象になり得る。令和8年4月1日現在法令等。2026年10月14日参照)
- 国税庁タックスアンサー No.3307 被相続人が老人ホーム等に入所していた場合の被相続人居住用家屋(根拠=措法35、措令20の3・23、措規18の2、措通35-9の2。要介護認定等を受けた被相続人が老人ホーム等に入所、入所から相続開始まで物品保管等で維持し事業・貸付け・他人の居住に使っていない、入所時以後の主たる居住がその施設であること等。令和8年4月1日現在法令等。2026年10月14日参照)
- 租税特別措置法 第35条(居住用財産の譲渡所得の特別控除)(第3項=被相続人の居住用財産(空き家)に係る譲渡所得の特別控除の根拠規定。2026年10月14日参照)
- 介護保険法 第19条(要介護認定・要支援認定)(市町村の認定を受けて介護給付・予防給付を受ける。老人ホーム等入所時の要介護認定等の裏づけとなる制度。2026年10月14日参照)
本文更新・追加資料確認日:2026年10月14日。租税特別措置法・介護保険法の条文はe-Gov法令検索で、特例の要件は国税庁タックスアンサー No.3306・No.3307で確認しました。個別の家屋が居住要件(老人ホーム等入所の特例を含む)や相続後の未利用要件を満たすか、令和6年改正の耐震適合・取壊しを誰がいつ行うかの具体的な適用関係、控除額が2000万円になるかの相続人数の数え方、取得費加算の特例との選択は事案で変わるため本記事では断定せず【未検証】とし、適用判定と申告は税理士が原資料で確認します。国税庁ページのURL・掲載内容・基準日は参照日時点のもので、改正・構成変更があり得ます。公開は資格者確認待ちとして保留します。
本記事は一般的な情報提供であり、個別の法的判断・税務判断・特例の適用可否を示すものではありません。所管行政庁と各資格者による確認が必要です。四葉不動産株式会社、四葉行政書士事務所、四葉社会保険労務士事務所と他の専門家(税理士・司法書士・弁護士)は、それぞれ独立した事業体として、業務ごとに別々にご契約いただきます。直接契約・直接請求・直接入金で進め、紹介料・送客手数料のやり取りはありません。空き家特例の適用判定と確定申告は税理士、相続登記は司法書士、遺産分割の紛争は弁護士が担います。物件の初回相談は無料、各専門家の受任範囲・費用は各契約先に確認します。
この記事の執筆者
浦松 丈二(うらまつ・じょうじ)——宅地建物取引士(東京都知事登録 第293544号)・行政書士(登録番号 第25087022号)。四葉不動産株式会社 代表取締役(宅地建物取引業 東京都知事(1)第113304号)/四葉行政書士事務所 代表。東京都文京区小日向・茗荷谷駅徒歩約5分。老人ホーム入所後に空き家になった実家の売却では、査定と媒介、売却期限から逆算したスケジュールの組み立てを担当し、空き家特例の適用判定と申告は税理士、相続登記は司法書士、紛争は弁護士へ分けます。詳しい経歴は著者ページをご覧ください。
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相続した実家、海外に住んだまま持っている物件、入居者がいるままの一棟——いまの状況をLINEで一言お送りください。代表(宅地建物取引士)が直接お返事し、売却・賃貸・そのまま持つ場合の見通しを整理します。査定・媒介は四葉不動産株式会社が単独でお受けします。
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