
借地権・底地を、売る・地主と整理する
借地権付きの家や底地の出口は、①借地権を第三者へ売る(地主の承諾が要ります)、②地主または借地人へ売る、③借地権と底地を同時に売る・等価交換する、の3つです。四葉不動産は承諾の段取りを含む媒介と出口の比較を行います。
可否や価格の判断は、現地と役所の調査を経て、資格者(建築士・特定行政庁・司法書士・税理士・弁護士)が確認します。共有物分割請求や地主との紛争など、紛争性のある手続は弁護士へご案内します。
借地の家も、貸している土地(底地)も、相手(地主・借地人)がいる不動産です。出口は相手の承諾と意向で決まるため、順番を誤ると白紙に戻ります。このページでは、契約書の見方、3つの出口、四葉不動産が行うこと、誰に相談するかを整理します。相続した借地にかぎらず、長く住んだ借地、代々貸している底地も対象です。
種類を問わない全体像は売りにくい土地・建物の出口相談に、相続した借地の手続全体は文京区で不動産を相続したら(完全ガイド)にまとめています。
最終更新:2026年9月23日
借地権・底地の条件は、どこで見分けますか?
出発点は借地契約書と、土地・建物それぞれの登記事項証明書です。契約書が見当たらない場合も、地代の支払記録と登記から出発できます。
| 確認すること | 書類 | 出口にどう効くか |
|---|---|---|
| 借地か、底地か、所有権か | 土地と建物それぞれの登記事項証明書 | 土地の名義が自分でなく建物だけ自分なら借地。土地が自分で建物が他人なら底地 |
| 契約の日付(1992年8月1日より前か後か) | 借地契約書(土地賃貸借契約書) | 1992年8月1日の借地借家法施行より前に設定された借地権は、存続期間・更新などに旧借地法の定めが引き続き適用される(附則第4条〜第7条) |
| 契約の種類(普通借地か、定期借地か) | 契約書の特約(更新なし・期間満了で返還の定め) | 一般定期借地権(50年以上)・事業用定期借地権は更新がなく、残存期間が価格に直結する |
| 地代・更新料・承諾料の取り決めと支払の記録 | 契約書・通帳・領収書 | 承諾の段取りと、買い手に引き継ぐ条件の土台になる |
| 建物の登記が借地権者の名義になっているか | 建物の登記事項証明書 | 借地権者名義の登記された建物があれば、借地権を第三者に対抗できる(借地借家法第10条第1項) |
| 地主(または借地人)の意向 | これまでのやり取り | 承諾の見込み、買い取りの意向、同時売却の可能性を左右する |
借地権・底地には、どんな出口がありますか?
| 出口 | 必要なこと | 四葉不動産が行うこと |
|---|---|---|
| ① 借地権を第三者へ売る(借地権付き建物として) | 地主の承諾(民法第612条第1項)。承諾料の取り決め | 承諾を得る段取りを整え、媒介として地主に意向と条件をお尋ねします。買い手には承諾の条件を引き継ぎます。承諾料の交渉・代理は行いません |
| ② 地主または借地人へ売る | 相手の資金と意向 | 価格の根拠を示してお尋ねし、条件を整理して媒介します。合意に至らない場合の手続は弁護士へ |
| ③ 借地権と底地を同時に第三者へ売る/等価交換する | 地主と借地人の合意。税務上の効果の確認 | 更地としての売却見込みと分け方の案を作ります。税の判断は税理士へ |
| (売らない)貸して持ち続ける | 借地上の建物の転貸には地主の承諾(民法第612条第1項) | 賃料見込みと維持費を並べます。承諾の要否を契約書で確認します |
借地上の建物を第三者に売るには、土地の賃借権の譲渡について地主の承諾が必要です(民法第612条第1項)。承諾なく譲渡すると契約を解除されることがあります(同条第2項)。地主に不利となるおそれがないのに承諾が得られないときは、裁判所が承諾に代わる許可を与える制度があります(借地借家法第19条第1項)。この申立ては裁判所の手続で、代理は弁護士の業務です。承諾料の額は契約と地域の慣行によるため、このページには書きません。
買い手を探し始める前に、承諾の見込みと条件を地主に確かめる——この順番が、借地の売却で最も大切です。当社は媒介として、地主に意向と条件をお尋ねし、合意した内容を書面に整えます。承諾料の額の交渉や代理は行いません。対立がある場合は弁護士へご案内します。
地主と借地人が、一緒に出口を探す方法はありますか?
あります。同時売却は、借地人と地主が同時に第三者へ売り、更地としての価格を取り決めた割合で分ける方法です。等価交換は、借地権と底地を交換して、それぞれが完全な所有権の土地を持つ方法です。どちらも、借地権付き建物と底地を別々に売るより、合計の価格が付きやすいのが一般的です。
分け方の割合、交換の比率、譲渡所得の扱いと特例の適用可否は、案件ごとに違います。当社は更地としての売却見込みと分け方の案を作り、税務上の効果は税理士に確認していただきます。地主と借地人の利害が対立している場合の交渉の代理は弁護士の業務です。
四葉不動産は、何をどこまで行いますか?
- 借地契約書と土地・建物の登記事項証明書を確認し、契約の種類・期間・地代・承諾の定めを整理します。
- 用途地域・接道・建築の制限を役所で確認し、現地を見ます。
- 借地権付き建物としての売却見込み、底地としての売却見込み、更地としての売却見込み、賃料見込みを並べた報告書にします。
- 地主(または借地人)に意向と条件をお尋ねし、承諾の見込みを確かめます。
- 媒介契約は書面で、価額の根拠と報酬(宅地建物取引業法第46条の上限の範囲内)を明示し、買い手を探します。買取をご希望なら提携する買取業者に打診して提示を並べます。
- 契約・決済まで進めます。建物の登記は司法書士・土地家屋調査士におつなぎします。
ご相談と査定は無料です。承諾に代わる許可の申立て、承諾料の交渉、地主・借地人との紛争性のある手続の代理、税額の計算は行いません。
誰に相談すればよいですか?
四葉不動産株式会社(宅地建物取引業 東京都知事(1)第113304号)は、文京区小日向を拠点に、再建築不可・共有・借地・狭小地の土地・建物について、役所調査と出口の比較、売却の媒介を行っています。買取をご希望の場合は、提携する買取業者を買主とする媒介の形で、複数の提示を並べてお示しします。
ご相談は一つの窓口でお受けしますが、業務は資格ごとに分かれます。どの作業を誰が担うかを先に示します。
| すること | 誰が | 備考 |
|---|---|---|
| 売却の媒介、買い手探し、価格の根拠の説明 | 四葉不動産株式会社 | 宅建業法第34条の2の媒介契約に基づく |
| 買取 | 提携する買取業者(当社は媒介) | 買主は買取業者。当社は売主様との媒介契約に基づき、宅建業法第46条の範囲の報酬を受領する |
| 遺産分割協議書、相続関係説明図などの書類作成 | 四葉行政書士事務所 | 独立した事業体として受任し、別々にご契約いただく |
| 相続登記、持分移転登記、表題登記 | 司法書士・土地家屋調査士 | 直接ご依頼いただく形をご案内 |
| 譲渡所得、相続税 | 税理士・税務署 | 当社は関与しない |
| 共有物分割請求、借地非訟、地主・共有者との紛争 | 弁護士 | 直接ご依頼いただく形をご案内 |
| 43条2項の認定・許可、建築の可否、擁壁の安全性 | 建築士、特定行政庁(文京区)、建築審査会 | 当社は可否の判断をしない |
四葉不動産株式会社と四葉行政書士事務所は、それぞれ独立した事業体として業務を受任し、別々にご契約いただきます。登記は司法書士、税務は税理士、紛争は弁護士へ、それぞれ直接ご依頼いただく形をご案内します。当社は紹介料を受け取りません。
よくある質問
借地権付きの家を売るには、地主の承諾が必要ですか。
必要です。土地の賃借権を第三者に譲渡するには賃貸人(地主)の承諾が要り(民法第612条第1項)、承諾なく譲渡すると契約を解除されることがあります(同条第2項)。買い手を探し始める前に、承諾の見込みと条件を地主に確かめるのが順番です。当社は媒介として、その打診と書面の整理をお受けします。
承諾料の相場や交渉は、誰が行いますか。
承諾料の額は契約と地域の慣行によるため、このページには水準を書きません。当社は代理・交渉を行いません。地主に承諾の意向と条件をお尋ねし、合意した内容を書面に整えるところまでが媒介の範囲です。額や条件をめぐって対立がある、紛争性があるものは弁護士へご案内します。
地主が承諾しない場合はどうなりますか。
地主に不利となるおそれがないのに承諾しないときは、裁判所が承諾に代わる許可を与える制度があります(借地借家法第19条第1項)。借地非訟と呼ばれる裁判所の手続で、申立ての代理は弁護士の業務です。許可が出るかどうかを当社が判断することはできません。地主に建物と借地権を買い取ってもらう方向も、あわせて比べます。
底地(貸している土地)は売れますか。誰が買いますか。
売れます。買い手は主に、借地人、底地を扱う業者などの第三者、借地権と同時に売る場合の第三者です。借地人に売る形が最も価格が付きやすいのが一般的ですが、借地人の資金と意向によります。地代・契約の内容・残存期間で価格の考え方が変わるため、当社は査定の根拠を書面でご説明します。
借地権と底地を同時に売る、または交換するとは何ですか。
同時売却は、借地人と地主が同時に第三者へ売り、更地としての価格を取り決めた割合で分ける方法です。等価交換は、借地権と底地を交換して、それぞれが完全な所有権の土地を持つ方法です。別々に売るより合計の価格が付きやすいのが一般的ですが、割合や比率は案件ごとに違い、税務上の効果は税理士の判断になります。
定期借地権の場合はどう違いますか。
一般定期借地権(借地借家法第22条・存続期間50年以上)や事業用定期借地権(第23条)は、契約の更新がなく、期間満了で土地を返す前提です。残存期間が価格に直結し、期間が短いほど買い手が限られます。契約書で種類と期間、建物の取り扱いを確認してから出口を比べます。
借地契約書が見つからない場合はどうしますか。
地代の支払記録(通帳・領収書)と、土地・建物の登記事項証明書から出発できます。地主の手元の契約書の写しをお願いすることもあります。契約の日付が1992年8月1日より前なら、存続期間や更新には旧借地法の定めが引き続き適用され(借地借家法附則第4条〜第7条)、扱いが異なります。契約内容の確定に争いがある場合は弁護士へご案内します。
相談すると、何を調べて、何を報告してもらえますか。
借地契約書と土地・建物の登記事項証明書で、契約の種類・期間・地代・承諾の定め・建物の登記名義を確認し、用途地域・接道・建築の制限を役所で確認して現地を見ます。結果は、借地権付き建物・底地・更地それぞれの売却見込みと賃料見込みを並べた報告書にしてお渡しします。ご相談と査定は無料です。
この記事の根拠
| 内容 | 根拠 |
|---|---|
| 賃借権の譲渡・転貸に賃貸人の承諾が要ること/無断譲渡は解除事由 | 民法(明治29年法律第89号)第612条第1項・第2項 |
| 地主が承諾しないとき、裁判所が承諾に代わる許可を与えられること(借地非訟) | 借地借家法(平成3年法律第90号)第19条第1項 |
| 借地権の存続期間(30年。契約でより長い期間を定めたときはその期間) | 借地借家法第3条 |
| 借地権者名義で登記された建物があれば借地権を第三者に対抗できること | 借地借家法第10条第1項 |
| 期間満了で更新がないときの建物買取請求権 | 借地借家法第13条第1項 |
| 一般定期借地権(存続期間50年以上・更新なし・書面等による特約) | 借地借家法第22条第1項 |
| 事業用定期借地権等(30年以上50年未満・10年以上30年未満・公正証書) | 借地借家法第23条第1項〜第3項 |
| 借地借家法の施行(1992年8月1日)より前に設定された借地権の存続期間・更新等には旧借地法の定めが適用されること | 借地借家法附則第4条〜第7条(経過措置) |
| 取引態様の明示 | 宅地建物取引業法(昭和27年法律第176号)第34条第1項・第2項 |
| 媒介契約の書面交付と価額の根拠の明示 | 宅地建物取引業法第34条の2第1項・第2項 |
| 媒介報酬の上限 | 宅地建物取引業法第46条第1項・第2項/昭和45年建設省告示第1552号(最終改正 令和6年国土交通省告示第949号・2024年7月1日施行) |
条文は2026年9月23日に e-Gov 法令検索(法令API)で、東京都建築安全条例は東京都例規集で取得しました。各法令の現行版の施行日(同日・法令API v2):建築基準法(昭和25年法律第201号)=2026年5月27日(令和8年法律第23号による改正)/建築基準法施行令(昭和25年政令第338号)=2025年12月1日(令和7年政令第377号による改正)/民法(明治29年法律第89号)=2026年6月24日(令和8年法律第45号による改正)/不動産登記法(平成16年法律第123号)=2026年6月24日(令和8年法律第46号による改正)/借地借家法(平成3年法律第90号)=2026年5月21日(令和4年法律第48号による改正)/宅地建物取引業法(昭和27年法律第176号)=2026年4月1日(令和7年法律第68号による改正)。条ごとの最終改正日は個別に裏取りしていません(未検証)。
本ページは一般的な情報提供です。可否や価格の判断は、現地と役所の調査を経て、資格者(建築士・特定行政庁・司法書士・税理士・弁護士)が確認します。共有物分割請求や地主との紛争など、紛争性のある手続は弁護士へご案内します。
最終更新:2026年9月23日|執筆:浦松丈二(四葉不動産株式会社 代表取締役・宅地建物取引士・行政書士)
当社が対応できないこと:紛争性のある相続案件の代理交渉(弁護士におつなぎします)、不動産登記の申請代理(司法書士におつなぎします)、相続税申告(税理士におつなぎします)。社会保険労務士業務は、併設の社会保険労務士事務所が別契約で承ります。各専門家とは分離受任・個別契約であり、当社が紹介料を受け取ることはありません。
