認定日本語教育機関の校舎物件はどう選ぶ?校地・校舎の面積要件と用途地域

2024年4月施行の認定日本語教育機関制度では、校舎は認定基準(令和5年文部科学省令第40号)で面積115㎡以上かつ同時に授業を受ける生徒1人あたり2.3㎡以上が求められ、校地・校舎は原則として設置者が自ら所有し抵当権等の負担がないことが前提です(やむを得ない事情があれば例外あり)。用途地域の制限は建築基準法第48条・別表第二で決まり、各種学校に当たる場合は低層住居専用地域等では建てられません。東京都文京区の宅地建物取引士兼行政書士が、契約前に確認できることを認定基準と建築基準法の条文から整理します。
結論(先に要点):2024年4月施行の認定日本語教育機関制度では、校舎は認定基準(令和5年文部科学省令第40号)で面積115㎡以上かつ同時に授業を受ける生徒1人あたり2.3㎡以上が求められ、校地・校舎は原則として設置者が自ら所有し抵当権等の負担がないことが前提です(やむを得ない事情があれば例外もあります)。用途地域の制限は建築基準法第48条・別表第二で決まり、各種学校に当たる場合は低層住居専用地域・田園住居地域・工業専用地域では建てられません。認定申請と外国人教員の在留資格は行政書士、建築確認・検査済証・用途変更は建築士と特定行政庁、税務は税理士、校舎の選定・賃貸借・売買の媒介は当社(宅地建物取引業)が、それぞれ独立した事業体として別々にご契約いただく形で分けてご案内します。
認定日本語教育機関として学校を新設・移転する運営法人・学校長と、校舎探しを任された不動産担当者に向けて、「校舎は何㎡要るか・どんな立地なら認定され得るか」を認定基準と建築基準法の条文から整理します。当社は物件・立地の情報提供と媒介を担い、認定申請・在留資格、建築確認、登記、税務、紛争は、それぞれの資格者へ分けてご案内します。
認定日本語教育機関とは、何が変わった制度なのか
2024年4月に、日本語学校の質を国が認定する新しい枠組みが始まりました。所管が法務省系の告示基準から文部科学大臣の認定へ移り、校地・校舎や教員の要件が法令で定められた点が大きな変化です。
根拠法は「日本語教育の適正かつ確実な実施を図るための日本語教育機関の認定等に関する法律」(令和5年法律第41号。令和6年〈2024年〉4月1日施行)です。従来、留学生を受け入れる日本語学校は出入国在留管理庁(旧・法務省)の告示基準で管理されていましたが、新制度では文部科学大臣が機関を認定し、課程は「留学」「就労」「生活」の3類型に分かれます。校舎・校地の基準や教員・主任教員の要件は、認定日本語教育機関認定基準(令和5年文部科学省令第40号)に定められています。
| 論点 | 旧制度(告示基準) | 新制度(認定日本語教育機関) |
|---|---|---|
| 所管 | 出入国在留管理庁(告示) | 文部科学大臣(認定) |
| 根拠 | 日本語教育機関の告示基準 | 認定法(令和5年法律第41号)・認定基準(令和5年文科省令第40号) |
| 課程 | 主に留学 | 留学・就労・生活の3課程 |
| 施行 | ─ | 令和6年4月1日 |
物件探しの観点では、認定を受けられるかどうかの前提に「校舎」の物理的条件が入ることが重要です。制度の全体像は文部科学省の案内で確認できますが、個別の認定可否は文部科学省・審査機関の判断になります。用途地域と用途変更の考え方は、施設系物件に共通する論点としてクリニックの物件は、契約前に何を確認するのか──用途地域・用途変更・開設届の順番も参考になります。
校舎に求められる面積と、定員(同時授業の生徒数)の関係はどうなっているのか
認定基準は校舎の面積について、全体で115㎡以上、かつ同時に授業を受ける生徒1人あたり2.3㎡以上を求めています。つまり教室の広さが、同時に授業できる人数=実質的な定員の上限を規定します。
認定基準(令和5年文科省令第40号)第13条は、校舎の面積を次のように定めています。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 校舎全体の面積 | 115㎡以上 |
| 生徒1人あたり | 同時に授業を受ける生徒1人につき2.3㎡以上 |
| 必要な施設 | 教室、教員室、事務室のほか、教育課程・組織・生徒数に応じて図書室・保健室等 |
ここで効いてくるのが、「同時に授業を受ける生徒数」が面積で頭打ちになるという点です。たとえば教室の合計面積から逆算して同時授業の上限人数が決まり、それが時間割の組み方・受け入れ可能な学生数の設計に直結します。物件を見るときは、総面積だけでなく「教室として使える居室が何室・何㎡取れるか」を図面で確認します。教室・待合・事務の区分の考え方は、面積基準で可否が分かれる小規模保育事業の物件を貸す・探すとき、用途地域と面積で何を確認するのかと共通します。具体的にどの面積算定方法が採られるか、必要な室の構成は、認定基準の最新版と審査機関の運用でご確認ください。
どの用途地域なら日本語学校を開けるのか(建築基準法上の用途)
建築基準法上、日本語学校が「各種学校」等に当たる場合、第一種・第二種低層住居専用地域、田園住居地域、工業専用地域では建てられません。まず物件がどの用途地域にあり、建築基準法上どの用途に区分されるかを確かめます。
用途地域ごとの建築制限は、建築基準法第48条と別表第二で定められています。学校の扱いは、**幼稚園・小中高校(別表の「学校」)**と、大学・専修学校・各種学校等とで制限の範囲が異なります。
| 用途地域 | 幼・小・中・高(学校) | 大学・専修学校・各種学校等 |
|---|---|---|
| 第一種・第二種低層住居専用、田園住居 | 建てられる | 建てられない |
| 第一種・第二種中高層住居専用 | 建てられる | 建てられる |
| 住居系・近隣商業・商業・準工業 | 建てられる | 建てられる |
| 工業地域 | 建てられない | 建てられる |
| 工業専用地域 | 建てられない | 建てられない |
問題は、認定日本語教育機関が建築基準法上どの用途に当たるかは一律ではないことです。学校教育法上の各種学校(都道府県知事の認可)として運営する校舎と、法人がその他の課程として運営する場合とで、建築基準法上の用途区分(学校・各種学校・事務所等)の判断が分かれ得ます。用途区分は最終的に特定行政庁が実態で判断するため、物件がその用途で使えるかは、契約前に建築士を通じて特定行政庁へ確認するのが確実です。具体的な用途該当性の判断は建築士・特定行政庁が行い、当社は行いません。
校地・校舎は自己所有が要るのか、長期の賃貸借でも認定され得るのか
認定基準は、校地・校舎を原則として設置者が自ら所有し、抵当権などの負担が付いていないことを求めています。ただし、やむを得ない事情があるときは借用(賃貸借)でも認められる余地があります。
認定基準では、校地・校舎は原則として設置者の自己所有で、抵当権その他の担保権が設定されていないことが前提とされています。もっとも、校地・校舎の取得資金を借り入れ、その担保として抵当権を設定せざるを得ない場合など、やむを得ない事情があるときは例外が認められる余地があります。賃貸借で校舎を確保する場合も、安定的・継続的に使用できることを示せるかが鍵になります。
| 確保の形 | 考え方 |
|---|---|
| 自己所有(原則) | 抵当権等の負担がないことが前提 |
| 借入+抵当権 | 校地・校舎取得のための借入に伴う担保設定など、やむを得ない事情として例外の余地 |
| 賃貸借(借用) | 安定的・継続的な使用の確保を示せるかがポイント。契約期間・更新・用途の定めを確認 |
校舎を賃貸借で確保するなら、賃貸借契約の期間・更新条件・使用目的(学校としての使用の可否)・原状回復を契約前に詰めておきます。どの確保の形が認定基準を満たすかは、最新の認定基準と審査機関の運用に照らして判断されるため、個別の可否は文部科学省・審査機関へご確認ください。賃貸借契約で何を読むかの基本は賃貸借契約書は、どこを読むのかにまとめています。
採光・2方向避難・検査済証など、物件側で先に確認すべき点は何か
学校は建築基準法上の特殊建築物に当たり、教室(居室)の採光、避難経路、そして検査済証の有無が物件選びの分かれ目になります。別の用途からの転用では、用途変更の確認申請が要るかも先に確かめます。
校舎は人が集まる施設なので、建築基準法の次の規定が物件側で効いてきます。
ご自身のケースについて相談したい方へ
物件探しや売却について、状況をお聞かせください。
| 確認点 | 条文・内容 |
|---|---|
| 居室の採光 | 建築基準法第28条。教室など居室には採光に有効な窓等の面積が求められる |
| 特殊建築物の避難 | 学校は別表第一の特殊建築物。規模・階数により廊下幅・直通階段・2以上の避難経路(施行令の避難規定)が問われる |
| 用途変更の確認申請 | 建築基準法第87条。事務所・店舗等から学校へ用途変更し、その部分が200㎡を超えると原則として確認申請が必要 |
| 検査済証 | 建物が完了検査を受けている証。用途変更や増改築の前提として重要 |
特に検査済証がない物件は、用途変更や後々の増改築で手続きが難しくなることがあります。2階以上に教室を置くなら避難経路の確保が、既存建物の転用なら用途変更の確認申請の要否が、物件を決める前の確認点です。検査済証がないケースの進め方は検査済証のない物件を福祉施設に用途変更できるかが参考になります。これらの建築基準法上の判断(確認申請の要否・避難規定の適合)は建築士と特定行政庁が行い、当社は物件情報の提供にとどめます。
校舎探しから認定申請まで、誰に何を頼むのか(役割分担)
校舎の選定・賃貸借・売買は不動産(宅建)、建築確認・検査済証・用途変更は建築士と特定行政庁、認定申請と外国人教員の在留資格は行政書士、登記は司法書士、税務は税理士が分担します。役割が重なる部分は、契約前にどこが何を担うかを明確にします。
認定日本語教育機関の開設は、物件・建築・許認可・労務・税務が重なります。四葉グループでは、校舎・校地のご相談は四葉不動産株式会社が、認定申請・在留資格の申請取次は併設の四葉行政書士事務所が、別契約で承ります。
| 相談先 | 担当する内容 |
|---|---|
| 四葉不動産株式会社(宅地建物取引業) | 校舎・校地の情報提供、賃貸借・売買の媒介 |
| 建築士・特定行政庁 | 用途地域・用途の判断、建築確認、検査済証、用途変更の確認申請、避難・採光の適合 |
| 四葉行政書士事務所(別契約) | 認定日本語教育機関の認定申請、外国人教員の在留資格の申請取次 |
| 司法書士 | 校地・校舎の所有権等の権利に関する登記 |
| 土地家屋調査士 | 分筆・表示に関する登記 |
| 税理士 | 学校法人・事業の税務 |
| 弁護士 | 賃貸借や近隣との紛争 |
当社・当事務所と各士業は、それぞれ独立した事業体です。役割の重なる部分は、どちらが何を担うかを契約の前に明確にし、別々にご契約いただきます。 当社は、紹介料・送客手数料を受け取ることも支払うこともありません。相談は無料です。校舎・事業用物件のご相談は投資・事業用不動産のご相談、事務所・拠点のご相談は事業用物件・オフィスのご相談をご覧ください。教員の労働時間・社会保険の設計は社会保険労務士が扱う領域で、当社は踏み込みません。
よくある質問
Q. 日本語学校の校舎は、最低で何㎡必要ですか?
A. 認定日本語教育機関認定基準(令和5年文部科学省令第40号)は、校舎の面積を全体で115㎡以上、かつ同時に授業を受ける生徒1人あたり2.3㎡以上と定めています。教室・教員室・事務室のほか、教育課程や生徒数に応じて図書室・保健室等の施設も求められます。具体的な面積の算定方法や必要な室の構成は、最新の認定基準と審査機関の運用でご確認ください。
Q. どの用途地域なら日本語学校を開けますか?
A. 建築基準法第48条・別表第二により、各種学校等に当たる場合は第一種・第二種低層住居専用地域、田園住居地域、工業専用地域では建てられません。中高層住居専用地域以上や商業・準工業などでは建てられます。ただし認定日本語教育機関が建築基準法上どの用途(学校・各種学校・事務所等)に当たるかは実態で分かれるため、最終的な用途該当性は建築士を通じて特定行政庁へご確認ください。
Q. 校舎は必ず自己所有でないと認定されませんか?
A. 認定基準は校地・校舎を原則として設置者の自己所有で抵当権等の負担がないこととしていますが、取得資金の借入に伴う抵当権の設定など、やむを得ない事情があるときは例外の余地があります。賃貸借で確保する場合も、安定的・継続的に使用できることを示せるかが鍵です。個別の可否は文部科学省・審査機関にご確認ください。
Q. 事務所ビルを借りて日本語学校にできますか?
A. 用途地域で各種学校等が建てられる区域であることが前提で、事務所から学校へ用途変更し、その部分が200㎡を超えると原則として建築基準法第87条の用途変更の確認申請が必要です。検査済証の有無、教室(居室)の採光、2階以上に教室を置く場合の避難経路も物件選びの分かれ目になります。これらの建築基準法上の判断は建築士・特定行政庁が行います。
この記事の出典(一次情報)
- e-Gov法令検索「日本語教育の適正かつ確実な実施を図るための日本語教育機関の認定等に関する法律」(令和5年法律第41号。文部科学大臣による認定、留学・就労・生活の3課程。令和6年4月1日施行。2026年10月3日参照)
- e-Gov法令検索「認定日本語教育機関認定基準」(令和5年文部科学省令第40号。第13条=校舎の面積115㎡以上、同時に授業を受ける生徒1人につき2.3㎡以上。校地・校舎は原則として設置者の自己所有で抵当権等の負担がないこと。2026年10月3日参照)
- e-Gov法令検索「建築基準法」(昭和25年法律第201号。第48条・別表第二=用途地域の建築制限、第28条=居室の採光、第87条=用途変更の確認申請。学校は別表第一の特殊建築物。2026年10月3日参照)
- 文部科学省「日本語教育機関の認定制度について」(令和6年4月 総合教育政策局日本語教育課)(制度の全体像・3課程・認定基準の概要。2026年10月3日参照)
- e-Gov法令検索「宅地建物取引業法」(昭和27年法律第176号。媒介・重要事項説明の範囲。2026年10月3日参照)
※校舎の面積算定方法・必要な室の構成、校地校舎の自己所有要件の例外、課程(留学・就労・生活)ごとの基準の違いは、最新の認定基準と審査機関の運用で変わり得ます。適用の際はe-Gov法令検索と文部科学省の最新資料でご確認ください。該当性は【未検証】として、文部科学省・審査機関による確認を前提とします。
※建築基準法上の用途該当性(各種学校・学校・事務所等の区分)、用途変更の確認申請の要否、避難・採光の適合は、個別の建物ごとに特定行政庁・建築士が判断します。本記事では具体的な適合可否を断定していません。
※外国人教員の在留資格の該当性・税務の扱いは、個別の事情で変わります。本記事では具体的な判断・税額を示していません。
※本記事は一般的な情報提供であり、個別の法的判断・税務判断を示すものではありません。認定申請・在留資格の申請取次は行政書士、建築確認・用途変更は建築士と特定行政庁、権利に関する登記は司法書士、表示に関する登記は土地家屋調査士、税務は税理士、紛争は弁護士が行います。
※校舎・校地の情報提供および賃貸借・売買の媒介は四葉不動産株式会社(宅地建物取引業)が担い、各士業とは、それぞれ独立した事業体として別々にご契約いただく形で進めます。紹介料・送客手数料のやりとりはありません。
この記事の執筆者
浦松 丈二(うらまつ・じょうじ)——宅地建物取引士(東京都知事登録 第293544号)・行政書士(登録番号 第25087022号)。四葉不動産株式会社 代表取締役(宅地建物取引業 東京都知事(1)第113304号)/四葉行政書士事務所 代表。東京都文京区小日向・茗荷谷駅徒歩約5分。認定日本語教育機関の校舎探しについて、認定基準の校地校舎要件と建築基準法の用途地域・用途変更・避難を同じテーブルに並べて確認します。詳しい経歴は著者ページをご覧ください。
「これ、どうしたらいい?」の一言からで大丈夫です。
代表が直接お返事し、ご希望を伺って条件に合う物件があればLINEでご紹介します。
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