非居住の中国語オーナーが保有物件を民泊にするとき、不在のまま届出と管理はどうしますか?

日本に住んでいない中国語圏のオーナーでも、保有物件を民泊(住宅宿泊事業)にすること自体はできます。ただし住宅宿泊事業法第11条は、宿泊させる間にオーナーが不在となる「家主不在型」や居室数が省令の数を超える場合、届出住宅の管理業務を国土交通大臣の登録を受けた住宅宿泊管理業者に委託することを義務づけています。届出(第3条)は都道府県知事等へ、年間提供日数は180日以内(第2条第3項)。分譲マンションなら管理規約の確認が先です。東京都文京区の宅地建物取引士が、物件の用途・区分所有規約・近隣要件の確認と、届出・管理委託・税務の分担を条文から整理します。物件の確認と媒介は当社、届出書類は行政書士、管理受託は登録住宅宿泊管理業者、税務は税理士へ分離受任でご案内します。
結論(先に要点):日本に住んでいない中国語圏のオーナーでも、保有物件を住宅宿泊事業(いわゆる民泊)にすること自体はできます。ただし住宅宿泊事業法(平成29年法律第65号)第11条は、宿泊させる間にオーナーが不在となる「家主不在型」や居室数が省令の数を超える場合、届出住宅の住宅宿泊管理業務を一の住宅宿泊管理業者(国土交通大臣の登録を受けた事業者)に委託することを義務づけています。届出(同法第3条)は都道府県知事(保健所設置市等)へ、年間提供日数は180日以内(同法第2条第3項)。分譲マンションなら管理規約で民泊が禁止されていないかの確認が先です。物件の用途・区分所有規約・近隣要件の確認と売買・賃貸の媒介は当社(宅地建物取引業)、届出書類の作成支援は行政書士、宿泊者対応の管理受託は登録住宅宿泊管理業者、賃料・宿泊所得の源泉徴収と確定申告・納税管理人は税理士へ、それぞれ独立した事業体として別々にご契約いただく形でおつなぎします(紹介料のやりとりはありません)。
日本に自宅や投資用物件を持ちながら台湾・中国本土などに住む非居住オーナーと、その売買・管理を担う現地の不動産プロに向けて、「不在のまま民泊の届出と管理をどう回すのか」を、住宅宿泊事業法の条文の順に整理します。本記事は一般的な情報提供であり、個別の物件が民泊に使えるか、届出が受理されるか、どの管理業者・士業に頼むかの最終判断は、自治体・有資格者・各登録事業者の領域です。
四葉不動産株式会社は、東京都文京区小日向を拠点に、事業用・投資用物件の調査と賃貸・売買の媒介を承っています。非居住のオーナーが保有物件を民泊にするときの物件側の論点について、契約前に確認できることからご相談いただけます。
民泊(住宅宿泊事業)と特区民泊・旅館業は何が違いますか?
人を宿泊させて宿泊料を受ける事業には、大きく分けて住宅宿泊事業(民泊)・特区民泊・旅館業の3つの枠組みがあり、根拠法も手続きも別です。どの枠組みで行うかで、物件に求められる条件も届出先も変わります。
住宅宿泊事業法第2条第3項は、住宅宿泊事業を「旅館業法第3条の2第1項の営業者以外の者が宿泊料を受けて住宅に人を宿泊させる事業であって、人を宿泊させる日数が一年間で百八十日を超えないもの」と定めています。つまり民泊は、住宅を使い、年間提供日数180日以内という枠の中の制度です。これに対し旅館業(旅館業法)は日数の上限がなく、特区民泊は国家戦略特別区域法第13条の旅館業法の特例として、認定区域内で一定の最低宿泊日数以上使わせる事業です。
| 枠組み | 根拠法 | 手続き | 日数の目安 |
|---|---|---|---|
| 住宅宿泊事業(民泊) | 住宅宿泊事業法第3条 | 都道府県知事(保健所設置市等)への届出 | 年間提供日数180日以内(第2条第3項) |
| 特区民泊 | 国家戦略特別区域法第13条 | 都道府県知事等の認定(特定認定)。認定区域に限る | 使用させる期間は施行令で2泊3日〜9泊10日の範囲内で条例が定める期間以上 |
| 旅館業(簡易宿所等) | 旅館業法第3条 | 都道府県知事等の許可 | 日数上限なし |
特区民泊は認定を受けた区域(東京都大田区・大阪市など)でしか使えず、旅館業法第3条第1項の許可に代えて自治体の認定を受ける別手続です。物件の所在地がどの枠組みを使えるかは、用途地域・区域・管理規約で変わります。当社は候補物件がどの枠組みに乗り得るかを調べ、民泊として使える一般要件は民泊にできる物件の条件の確認、特区民泊の認定要件は特区民泊の物件要件と認定で扱っています。どの枠組みで届け出るかの最終判断は自治体の所管です。
家主が日本にいない「家主不在型」では誰に何を委託しますか?
住宅宿泊事業法は、宿泊させる間にオーナーが不在となる形態について、届出住宅の管理業務を登録を受けた住宅宿泊管理業者に委託することを義務づけています。非居住オーナーは原則としてこの委託が必要になります。
同法第11条第1項は、①届出住宅の居室の数が国土交通省令・厚生労働省令で定める居室数(住宅宿泊事業法施行規則で5室)を超えるとき、②届出住宅に人を宿泊させる間、住宅宿泊事業者が不在(一時的な不在として省令で定めるものを除く)となるとき、のいずれかに該当する場合、「当該届出住宅に係る住宅宿泊管理業務を一の住宅宿泊管理業者に委託しなければならない」と定めています。この②が、実務で「家主不在型」と呼ばれる区分です。「家主居住型」「家主不在型」という語は条文の用語ではなく、省令・観光庁のガイドライン上の整理で、委託義務の根拠は第11条第1項の各号にあります。
一時的な不在とは、生活必需品の購入などの短時間の外出を指し、観光庁のガイドラインでは原則おおむね1時間(交通事情等により長くても2時間)程度とされています。日本に住んでいない非居住オーナーは、この一時的な不在に当たらないため、家主不在型として管理業務の委託が必要になるのが通常です。
委託先の住宅宿泊管理業者は、同法第22条第1項により国土交通大臣の登録を受けた事業者でなければならず、登録の有効期間は5年です(同条第2項)。委託すると、衛生確保・安全確保・外国語を用いた案内・宿泊者名簿の備付け・周辺地域の生活環境への悪影響の防止に関する説明・苦情対応といった第5条から第10条までの措置は、管理業者が担います(第11条第2項)。
| 役割 | 誰が担うか |
|---|---|
| 届出(都道府県知事等への届出書の提出) | オーナー本人。書類の作成支援は行政書士 |
| 宿泊者対応・清掃手配・名簿・苦情対応などの管理業務 | 登録住宅宿泊管理業者(家主不在型は委託が義務) |
| 物件の調査(用途・管理規約・近隣)と賃貸・売買の媒介 | 当社(宅地建物取引業) |
| 賃料・宿泊所得の源泉徴収・確定申告・納税管理人 | 税理士 |
当社は宿泊者の管理業務そのものは行いません。非居住オーナーの賃貸物件の管理の考え方は海外在住オーナーの日本不動産の管理も参考になります。
分譲マンションの管理規約で民泊が禁止されていないかはどこで確認しますか?
分譲マンションの一室を民泊にできるかは、法令より先に、そのマンションの管理規約と使用細則で民泊(住宅宿泊事業)が禁止されていないかを確認します。規約で禁止されていれば、法令上の要件を満たしても民泊はできません。
国の標準管理規約は2017年に改正され、住宅宿泊事業を「可能とする」か「禁止する」かを各管理組合が規約で定められる形になりました。実際には禁止する規約を置く管理組合が多く、民泊を可能とするには規約の定めが必要です。住宅宿泊事業法第3条の届出の際にも、管理規約で禁止されていないことの確認が求められます。確認の出発点は次のとおりです。
| 確認するもの | どこで見るか |
|---|---|
| 管理規約・使用細則の民泊可否の条項 | 管理組合・管理会社が保管する最新の規約。売主から取り寄せる |
| 総会議事録(民泊を禁止・許可した決議の有無) | 管理組合の総会議事録 |
| 管理組合への照会 | 管理規約に定めがない場合、管理組合に民泊の可否を確認 |
| 賃借物件の場合の賃貸人の承諾 | オーナーが貸主と異なる転貸型なら、賃貸借契約と貸主の承諾 |
ご自身のケースについて相談したい方へ
物件探しや売却について、状況をお聞かせください。
中国語圏のオーナー・買主が管理規約・修繕計画をどう読むかは中国語圏の買主のための管理規約・修繕計画の確認点で扱っています。当社は、候補物件の管理規約・使用細則・総会議事録を取り寄せ、民泊を禁じる定めがないか、近隣への影響をどう説明する必要があるかを、契約前に確認するお手伝いをします。規約の解釈や総会での合意形成そのものは管理組合の領域です。
届出・管理委託・税務は、それぞれ誰が担いますか?
非居住オーナーの民泊は、物件の調査、届出、管理受託、税務が別々の専門の領域にまたがります。当社が担うのは物件の用途・区分所有規約・近隣要件の確認と売買・賃貸の媒介で、それ以外は各有資格者・登録事業者へ、独立した事業体として別々にご契約いただく形でおつなぎします。
| 困りごと | 頼む先 |
|---|---|
| 物件の用途地域・管理規約・近隣要件の確認、賃貸・売買の媒介 | 当社(宅地建物取引業) |
| 住宅宿泊事業の届出書・添付書類の作成支援 | 行政書士(本人申請も可) |
| 家主不在型の管理業務の受託(宿泊者対応・名簿・苦情・清掃手配等) | 登録住宅宿泊管理業者(国土交通大臣の登録) |
| 特区民泊として行う場合の認定申請 | 自治体(別手続)。書類の作成支援は行政書士 |
| 非居住者の賃料・宿泊所得の源泉徴収・確定申告・納税管理人の選任 | 税理士 |
| 所有権移転・抵当権などの登記 | 司法書士 |
これらはそれぞれ独立した事業体であり、別々にご契約いただく前提です。当社は紹介料・送客手数料を受け取ることも支払うこともありません。非居住のオーナーには、書類の受け渡しや本人確認を国外からどう行うか、賃料・宿泊所得の税務の窓口を誰にするかといった段取りが重なります。物件を見ながら、民泊の枠組み・管理規約・管理委託・税務の論点を切り分け、どこを誰に確認するかの整理からご相談をお受けします。事業用・投資用物件の相談は事業用・投資用不動産の相談窓口もご覧ください。
お問い合わせに「非居住オーナーの民泊」と、物件の種別(戸建て・分譲マンションの一室など)・所在エリア・現在お住まいの国・日本の連絡先の有無をご記入ください。できる・できないを先に決めつけず、民泊の枠組み・管理規約・家主不在型の管理委託・税務の窓口の確認と、どこを誰に振るかの整理からお話しします。
よくある質問
Q. 日本に住んでいなくても、保有物件を民泊にできますか?
A. 民泊(住宅宿泊事業)にすること自体はできます。ただし住宅宿泊事業法第11条第1項により、宿泊させる間にオーナーが不在となる家主不在型では、届出住宅の管理業務を国土交通大臣の登録を受けた住宅宿泊管理業者に委託しなければなりません。日本に住んでいない非居住オーナーは一時的な不在に当たらないため、家主不在型として委託が必要になるのが通常です。届出は都道府県知事(保健所設置市等)へ行い、年間提供日数は180日以内です。
Q. 「家主不在型」はどこまでが不在に当たりますか?
A. 条文(住宅宿泊事業法第11条第1項第2号)は「宿泊させる間、不在となるとき」から一時的な不在を除いています。一時的な不在とは、生活必需品の購入などの短時間の外出で、観光庁のガイドラインでは原則おおむね1時間(交通事情等により長くても2時間)程度とされています。海外に住むオーナーはこの範囲を超えるため、家主不在型として扱われるのが通常です。該当の最終判断は自治体の所管です。
Q. 分譲マンションの一室でも民泊はできますか?
A. 管理規約・使用細則で住宅宿泊事業が禁止されていないことが前提です。国の標準管理規約は2017年の改正で、民泊を可能とするか禁止するかを管理組合が規約で定められる形になり、禁止する規約を置く組合も多くあります。届出の際にも管理規約で禁止されていないことの確認が求められます。管理組合・管理会社から最新の規約・使用細則・総会議事録を取り寄せて確認するのが出発点です。
Q. 民泊で得た収入の税金は誰に相談すればよいですか?
A. 非居住者が日本国内の不動産から賃料・宿泊所得を得る場合、源泉徴収や確定申告、納税管理人の選任といった税務の論点が重なります。これは税理士の業務で、当社や行政書士・管理業者が代わって判断・申告することはできません。本記事は一般的な情報提供であり、個別の課税関係を示すものではないため、金額や申告の要否は税理士にご確認ください。
この記事の出典(一次情報)
以下は確認の出発点となる公表資料です。法令は改正されるため、条文・項・号・施行日・最終改正はe-Gov法令検索で最新を確認してください。民泊の枠組みの該当、届出の受理、管理規約の解釈、課税関係の最終判断は、自治体・管理組合・有資格者の領域です。参照日はいずれも2026年10月27日。個別の物件が民泊に使えること、届出が受理されることを保証するものではありません。
- e-Gov法令検索「住宅宿泊事業法」(平成29年法律第65号。第2条第3項=住宅宿泊事業の定義と年間提供日数180日、第3条=都道府県知事への届出、第11条第1項=居室数が省令の数を超えるとき・宿泊させる間に不在となるときの住宅宿泊管理業者への委託義務、同条第2項=委託時の第5条〜第10条の措置、第22条=住宅宿泊管理業者の登録〔第1項=国土交通大臣の登録、第2項=有効期間5年〕。2018年〔平成30年〕6月15日施行)
- 観光庁「民泊制度ポータルサイト(minpaku.mlit.go.jp)」およびガイドライン(家主居住型・家主不在型の区分、一時的な不在の考え方=生活必需品の購入等で原則おおむね1時間〔長くても2時間〕程度、年間提供日数の算定。参照日2026年10月27日。最終判断は自治体の所管)
- e-Gov法令検索「国家戦略特別区域法」(平成25年法律第107号。第13条=国家戦略特別区域外国人滞在施設経営事業〔特区民泊〕。旅館業法第3条第1項の特例として都道府県知事等の認定〔特定認定〕を受ける。使用させる期間は国家戦略特別区域法施行令で2泊3日〜9泊10日の範囲内で条例が定める期間以上。認定区域に限る別手続。参照日2026年10月27日)
- e-Gov法令検索「旅館業法」(第3条=営業の許可。住宅宿泊事業・特区民泊との枠組みの違いの確認用)
本記事は一般的な情報提供であり、個別の物件への民泊の可否、届出の受理、管理規約の解釈、課税関係を保証するものではありません。民泊の枠組みの該当と届出の受理は自治体が、管理業務の受託は登録住宅宿泊管理業者が、届出書類の作成支援は行政書士が、税務は税理士が、登記は司法書士が判断・担当します。
浦松 丈二(うらまつ・じょうじ)/四葉不動産株式会社 代表取締役・宅地建物取引士。事業用・投資用物件の調査と賃貸・売買の媒介を承ります。著者プロフィール
更新日:2026年10月27日
「これ、どうしたらいい?」の一言からで大丈夫です。
代表が直接お返事し、ご希望を伺って条件に合う物件があればLINEでご紹介します。
LINEは代表・浦松丈二に直接つながります。24時間受付・順次お返事します。
東京メトロ丸ノ内線「茗荷谷」駅 徒歩5分|10:00〜18:00(定休:火・水)
