COLUMN
コラム
社会保険・助成金・労務管理のお役立ち情報。
社労士の視点でわかりやすくお届けします。
育児休業取得状況の公表義務、2025年4月から300人超の会社にも広がるのか
2025年(令和7年)4月1日から、男性労働者の育児休業等の取得状況を公表する義務が、常時雇用する労働者1000人超の企業から「300人超」の企業へ広がりました(育児・介護休業法第22条の2・改正は令和6年法律第42号)。公表するのは男性の育児休業等の取得率で、年に1回、直前の事業年度の状況を、その事業年度終了後おおむね3か月以内に、誰でも見られる方法で公表します。常時雇用する労働者の数え方・取得率の計算式・公表時期と方法・公表しない場合の不利益(勧告・企業名公表・過料)まで、社会保険労務士の観点で整理します。
医師の時間外労働、2024年からの上限規制はどう守るのか
2024年(令和6年)4月1日から、病院・診療所の医師の時間外・休日労働にも上限がかかりました。原則は年960時間・月100時間未満(A水準)で、地域医療などの事情がある医療機関は都道府県知事の指定を受けて年1860時間まで認められます(連携B・B・C水準)。上限を緩めるかわりに、面接指導(医療法第108条)と勤務間インターバルという健康確保措置がセットで義務になります。36協定・就業規則・勤務シフトの設計と宿日直許可の申請支援は社会保険労務士、医療機関の開設許可は行政書士の領域で、それぞれ独立した事業体として別々にご契約いただきます。
技術・人文知識・国際業務で中国・台湾人材を採る:労務と在留更新は?
技術・人文知識・国際業務(技人国)で中国・台湾の人材を採るとき、最初に確かめるのは「本人の学歴・実務経験と、任せる職務に関連があるか」です。ここがずれると在留資格の該当性が崩れます。採用後の労務では、2024年(令和6年)4月1日から労働条件の明示事項が増え、社会保険・雇用保険は国籍を問わず要件を満たせば加入します。そして残業や賃金のトラブルは、在留期間の更新のときに労務管理の適正さとして響きます。在留資格の申請取次は行政書士(社労士は在留申請の取次ができません)、所得税は税理士、住まいは不動産の領域で、それぞれ独立した事業体として別々にご契約いただきます。
就労選択支援(2025年10月新設)の人員配置と労務は何を整える?
2025年(令和7年)10月1日に新設された就労選択支援では、置く職員は「管理者」と「就労選択支援員」が基本で、就労継続支援A型・B型で必要だったサービス管理責任者は配置しなくてよい形が示されています。個別支援計画を作らない短期のアセスメント型サービスだからです。就労選択支援員は常勤換算で利用者の数を15で除した数以上を置き、就労選択支援員養成研修を修了した人が担います。人員の骨格が既存サービスと違うので、就業規則・労働時間・シフトはこの類型に合わせて作り直すのが安全です。指定申請は行政書士、事業所となる物件は不動産の領域で、それぞれ独立した事業体として別々にご契約いただきます。
飲食店を開くときの労務設計——深夜割増・シフト・固定残業代は?
飲食店の労務は、深夜割増・シフト・固定残業代の3つを開業前に設計しておくと、あとの未払いトラブルを防げます。午後10時から午前5時の労働には25%以上の深夜割増が必要で(労働基準法第37条第4項)、時間外に重なれば50%以上になります。シフト制でも1日8時間・1週40時間の法定労働時間と休憩は動かず、超えるには36協定が要ります。固定残業代は何時間分でいくらかを示し、超えた分の差額を精算してはじめて有効です。アルバイトの社会保険と、営業許可・物件の担当分けまで整理します。
高度専門職(外国人IT・技術者)を採用するときの労務と社会保険は?
高度専門職や技術・人文知識・国際業務の在留資格でIT技術者を雇っても、労働・社会保険の扱いは日本人と同じです。適用事業所に常時使用される限り国籍や在留資格を問わず健康保険・厚生年金の被保険者になり、労災は全員、雇用保険も要件を満たせば加入します。母国の制度との二重加入は社会保障協定を結んだ相手国とだけ適用証明書で調整できます。労働条件明示は日本語で足りますが、理解できる言語で示すのが安全です。給与設計が在留資格に影響する点と、在留資格・税務の担当分けまで整理します。
中国・台湾企業が日本で人を雇うと、会社の社会保険料はいくらかかるか
中国・台湾の企業が日本で従業員を雇うと、会社には健康保険・厚生年金・介護保険・雇用保険・労災保険の保険料と、全額会社負担の子ども・子育て拠出金がかかります。健康保険・厚生年金・介護・雇用保険は原則労使折半で、会社負担はおおむね報酬額の15〜16%程度になることが多いです。加入義務のラインと外国人従業員の入社手続を整理します。会社設立は司法書士、在留資格は行政書士、税務は税理士、物件は宅地建物取引業者の領域で、それぞれ独立した事業体として別々にご契約いただきます。
事業承継で社長が代わるとき、役員の社会保険と労働保険はどう手続きするか
事業承継で代表者が代わっても、会社(適用事業所)は存続するため、役員の社会保険は人ごとに見ます。新たに役員になって報酬を受ける人は資格取得、会社を離れる人は資格喪失、報酬が変わる人は随時改定(月額変更届)です。労働保険は代表者の氏名変更として名称、所在地等変更届を出します。登記は司法書士、役員報酬の税務は税理士、株式の承継・同族間の対立は弁護士の領域で、それぞれ独立した事業体として別々にご契約いただきます。
就労継続支援A型の利用者は「労働者」か──雇用契約・最低賃金・減額特例
就労継続支援A型(雇用型)の利用者は、事業所と雇用契約を結ぶため、原則として労働基準法第9条の「労働者」に当たります。したがって最低賃金法・労働基準法・労働保険が適用され、事業場所在地の地域別最低賃金以上の賃金を支払う義務があります。障害により労働能力が著しく低いなどの事情がある場合は、最低賃金法第7条の減額の特例許可を都道府県労働局長から受ければ、その労働者について減額した最低賃金を適用できます。賃金は原則として生産活動に係る事業の収入から支払い、訓練等給付費を賃金に充てることは想定されていません。障害福祉サービス事業者の指定申請は行政書士、物件は宅地建物取引業者、労働者性の法的判断は弁護士の業務で、それぞれ独立した事業体として別々にご契約いただきます。
台湾から人を雇う・出向で受け入れるときの社会保険──日台に社会保障協定はない
台湾から人を雇う、または出向で受け入れると、日本の適用事業所で常時使用される限り、国籍を問わず日本の健康保険・厚生年金保険の被保険者になります(雇用保険・労災保険も要件を満たせば適用)。注意したいのは、日本と台湾の間に社会保障協定がないことです。協定の対象制度や加入期間の通算の可否は相手国ごとに異なり、中国との協定には期間通算の規定がありません。台湾は協定の相手国に含まれないため、二重加入を協定で調整する余地がなく、加入期間の通算もできません。在留資格の申請は行政書士、所得税・日台間の租税の取扱いは税理士、台湾側の制度は現地の専門家の領域で、それぞれ独立した事業体として別々にご契約いただきます。
雇用保険の適用拡大(週10時間以上)2028年10月|対象者と実務の備え
雇用保険の被保険者になる週所定労働時間の要件が、20時間以上から10時間以上へ下がります。施行は2028年(令和10年)10月1日で、根拠は雇用保険法等の一部を改正する法律(令和6年法律第26号)です。2027年10月の社会保険(厚生年金・健康保険)の適用拡大とは別制度で、雇用保険には企業規模要件がない点が最大の違いです。週10時間の数え方、保険料の変化、いまから準備すべきことを、社会保険の適用拡大2027との違いを整理しながら解説します。
在留資格「特定活動」(ワーホリ・インターン)の労働時間と社会保険
在留資格「特定活動」は、就労できるかどうかが人によって違う資格です。実際に何ができるかは旅券に添付された「指定書」で確認します。ワーキングホリデーは就労可(風俗営業等は不可)で、留学の週28時間のような一律の時間制限はありません。労災は国籍・在留資格を問わず適用、雇用保険・社会保険は被保険者要件を満たせば加入します。在留資格の該当性・資格外活動許可・変更申請は行政書士の業務で、社会保険労務士業務とは独立した事業体として別々にご契約いただきます。
訪問介護の特定事業所加算|勤続年数・研修・会議・緊急時体制の労務
訪問介護の特定事業所加算は、単位数の高さではなく体制と記録で取れるかが決まります。勤続年数・資格・重度者割合という人材要件と、個別研修計画・定期会議・緊急時対応・健康診断という体制要件を、労務の書類と記録の側から整理します(算定基準=平成12年厚生省告示第19号、留意事項通知=平成12年老企第36号)。加算区分の判定と届出は行政書士、報酬請求は請求実務、税務は税理士という切り分けもまとめます。
会社分割・事業譲渡での労働契約の承継|労働契約承継法と5条協議
会社分割と事業譲渡では、労働契約の引き継ぎ方が正反対です。会社分割は労働契約承継法(平成12年法律第103号)で本人の同意なく包括承継され、事業譲渡は民法第625条第1項で一人ひとりの承諾が要ります。会社分割の通知・5条協議・7条措置という3つの手続と、承継後の就業規則の統合を整理します。登記は司法書士、不利益変更の紛争は弁護士、税務は税理士という切り分けもまとめます。
医療・介護の『宿日直許可』は、どんな勤務なら取れる?
医療機関や介護施設の夜間・休日勤務を『宿日直』として労働時間の規制から外すには、所轄労働基準監督署長の許可が要ります(労働基準法第41条第3号、同法施行規則第23条・様式第10号)。許可の対象は、定時的巡視・緊急の電話や文書の収受・非常時待機など、常態としてほとんど労働する必要のない断続的業務に限られます(昭和22年9月13日発基第17号)。名称が『宿直』でも実態が通常の診療や介護なら許可は受けられず、その時間は労働時間として深夜割増などの対象です。医師には別の細目基準(令和元年7月1日基発0701第8号)があり、令和6年4月1日の時間外上限規制ともつながります。許可の可否は労働基準監督署、紛争は弁護士という切り分けも整理します。
『管理監督者』はどこで線を引く?(名ばかり管理職と割増・深夜手当)
労働基準法上の『管理監督者』に当たると、労働時間・休憩・休日の規定が適用除外になり、時間外・休日の割増賃金は不要です(第41条第2号)。ただし深夜割増(第37条第3項)と年次有給休暇(第39条)は管理監督者でも適用されます。該当は役職名では決まらず、職務内容と権限・労働時間の裁量・待遇の3点を実態で判断します(昭和22年発基第17号、昭和63年基発第150号)。名ばかり管理職と評価されると、消滅時効3年(第115条・附則)の未払い割増賃金や付加金(第114条)を遡って請求されることがあります。深夜割増の残存を認めたことぶき事件(最判平成21年12月18日)、店長を管理監督者と認めなかった日本マクドナルド事件(東京地判平成20年1月28日)を踏まえ、線の引き方と就業規則・賃金の整え方を整理します。
初めて人を雇ったら何を揃える?法定三帳簿の中身と保存年限
初めて人を雇ったら、労働基準法第107条・第108条により労働者名簿と賃金台帳を作らなければなりません。実務ではこれに出勤簿を加えて「法定三帳簿」と呼びます。保存年限は第109条で5年間、附則第143条の経過措置により当分の間3年間(いずれも2020年〈令和2年〉4月1日施行の改正)です。三帳簿それぞれの記載事項(施行規則第53条・第54条)、保存の起算日(施行規則第56条)、電子保存の可否、そして帳簿づくりは社会保険労務士・税務は税理士という切り分けを整理します。
育児休業給付の延長が2025年から厳しくなった?必要書類と落とし穴
育児休業給付金は原則子が1歳まで、保育所等に入所できない等の事由があれば1歳6か月・2歳まで延長できます(雇用保険法)。2025年4月1日施行の雇用保険法施行規則の改正で、この延長の認定が厳格化されました。従来の入所保留通知書に加え、市区町村へ提出した保育所等の利用申込書の写しと、本人記入の延長事由認定の申告書が必要になり、ハローワークが速やかな職場復帰のための申込みだったかを確認します。認可外のみへの申込みや1歳の誕生日以降の申込みは対象外となりうる点を含め、変更点・必要書類・提出時期・役割分担を整理します。
保育所を開設するときの労務|保育士の配置基準・処遇改善・シフトの組み方
保育所を開設するときの労務は、保育士の配置基準を満たす人員計画から始まります。配置基準は児童福祉施設の設備及び運営に関する基準(昭和23年厚生省令第63号)第33条第2項で、乳児おおむね3人に1人、満1歳以上満3歳未満おおむね6人に1人、満3歳以上満4歳未満おおむね15人に1人、満4歳以上おおむね25人に1人(保育所1つにつき最低2人)と定められています。ここに、早番・遅番・延長保育をさばく変形労働時間制のシフト、処遇改善等加算に対応した賃金規程、パート保育士の社会保険の判断が重なります。配置基準が人員計画にどう跳ね返るか、シフトの組み方、賃金規程、社会保険の適用判断、そして設置手続き・物件を誰に振るかを整理します。個別の園が配置基準・加算の要件を満たすかの最終判断は自治体・こども家庭庁が行います。
台湾・中国の親会社から出向してくる外国人の社会保険と労働保険
台湾・中国の親会社から企業内転勤・出向で来日した外国人は、日本の適用事業所に使用される限り、国籍を問わず日本の健康保険・厚生年金保険に加入するのが原則です(健康保険法・厚生年金保険法)。ただし中国から来る出向者は、日中社会保障協定(2019年9月1日発効)により、5年以内の一時的な派遣であれば年金保険料の二重払いを避けられます(協定の対象は年金のみで、医療保険・労災保険は対象外)。台湾との間には社会保障協定がないため、この免除の仕組みは使えません。出向者が日本の社会保険に入るかの判断、本国払いと日本払いの給与の扱い、適用証明書による二重加入の回避、労災・雇用保険の適用範囲、そして在留資格・給与課税を誰に振るかを整理します。個別の適用の最終判断は年金事務所・労働基準監督署・ハローワークが行います。
「働き方」から、整理しませんか。
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